2023年10月29日、さいたまスーパーアリーナにて“ゲームセンターCX 有野の挑戦 20周年大感謝祭”が開催された。本記事では、イベントの概要リポートと合わせて、イベント終了直後に行われた合同インタビューをお届けする。
※本記事では、各挑戦の成功/失敗には言及していませんが、リポートの特性上、公演上の内容には触れております。
番組内で公開された、Nintendo Switch『ゲームセンターCX 有野の挑戦状 1+2 REPLAY』やFODのイベント配信の情報は下記の記事をチェック!
『ゲームセンターCX 有野の挑戦状 1+2 REPLAY』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ゲームセンターCX 有野の挑戦状 1+2 REPLAY バンダイナムコスペシャル』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)本イベントはその名の通り、2003年より放映がスタートしたゲームバラエティ番組、『ゲームセンターCX』の20周年に合わせて企画、実施されたもの。番組10周年の2013年には日本武道館(観客7000人)、2018年の15周年時には幕張メッセ(観客10000人)と、大型会場でのイベントを続けてきたうえで迎えた20周年目の“有野の挑戦”は、さいたまスーパーアリーナにて開催。15000人の観客の前で、『ゲームセンターCX』本編で苦戦や未クリアーに終わった因縁深い7タイトルの強敵&難所に挑戦した。
- MATCH1:『パンチアウト‼』ソーダ・ポピンスキー
- MATCH2:『ロックマン2』巨大レーザー地獄(クイックマンステージ)
- MATCH3:『東京バス案内 今日から君も運転手』青梅・夜コース
- MATCH4:『ドラゴンズレア』ラスボス
- MATCH5:『魂斗羅スピリッツ』天王鬼ギャバ
- MATCH6:『キャプテン翼』東邦学園
- FINALMATCH:『スーパーマリオブラザーズ3』高速飛行船(ワールド8)
7つのタイトルで行われた挑戦の結果は、2023年11月4日からFODで(ほぼ)ノーカット版の配信がされることもありここでは割愛するとして、どのタイトルも『ゲームセンターCX』らしいドラマチックな展開に。
有野課長がミスをくり返す状況に会場中から応援の声が響いたり、ときにため息がつかれたりといったこともあれば、まさかの展開で奇跡の逆転劇を見せる有野課長に会場中が大きく盛り上がることも。応援の声に混じって、攻略の手助けとなる声援が飛ぶのも、『ゲームセンターCX』のイベントならではの光景だ。
『ゲームセンターCX 有野の挑戦 in さいたまスーパーアリーナ 20周年大感謝祭 ノーカット版』配信ページはこちら (FOD)7つのタイトル挑戦もただただ挑戦をくり返すだけでなく、歴代ADを始めとしたスタッフが登場するほか、有野課長と縁のある意外なゲストが多数登場したサプライズVTRもあるなど、番組に詳しくない人も楽しめる盛りだくさんの内容。エンディングでは、有野課長から「50過ぎてもゲーム熱は冷めません!」、「つぎは全国ツアーがやりたいぜ!」といったコメントも飛び出す、熱いイベントとなった。
続けて、イベント終了直後に行われた合同インタビューをお届け。有野課長と『ゲームセンターCX』の制作会社、ガスコインカンパニーの社長にして番組のナレーションを担当している菅剛史さんのおふたりに、イベントの見どころや、今後の展望などを語ってもらった。
――本日はお疲れ様でした! まずは無事に挑戦を乗り切った感想から話していただければと思います。
有野課長非常に楽しかったです。(20周年企画が始まるまでは)コロナがあるからイベントはダメかなー、でもやりたいよなーって、毎月毎月(企画の方向性が)変わってたんですけど、やるぞーって決まってからは早かったですね。最後の(会場中からの)課長コールなんかはすごく気持ちよかったですし、会場はいままでで一番広かったんですけど、お客さんみんなの顔がすごく見えたのもよかったですね。(10周年イベントの)武道館っぽい近さがあった。どこの方向から「課長集中してー!」みたいな声が聞こえてくるかもわかって。「あそこのあの人の声、よく通るなー」っていうのもわかりながらやってました(笑)。
――今日は挑戦の合間に流れたVTRに相方の濱口さん、YouTubeでコラボした桜井政博さんが出演したりと、豪華な作りでしたが、ああいう仕掛けは事前に気づいていらっしゃいましたか?
有野課長いや、まったく。びっくりしましたね。出た人たち本人からは何も言われてないし、マネージャーからも聞いてなかったので。VTRで湾岸(お台場のフジテレビ)が映ったときに、「あそこでゲームに関係する人って誰やろう?」って眺めてたら……ああ相方かって!(笑)。でもせっかく撮ったんやから、もうちょっと相方と(ADが)しゃべってくれてもよかったんちゃうんって思いました(笑)。ウチのスタッフって相方の濱口さんと会うと緊張するって言うんですよね。
菅うちのスタッフは、濱口さんに緊張して有野さんでリラックスするっていう(笑)。
有野課長相方とロケで会うってなるとおめかししてくる子もいたりして。それはちょっと腹立ちますね(笑)。
――そしてイベントのオープニングは有野課長ではなく、初代ADの東島さんの挑戦から始まりましたね。
有野課長東島が失敗してハードルが下がるかなって思ってたんですけど……練習してたんかな、腹立つわ(笑)。反省会をしたいですよ、「何考えてるの、自分だけよければいいの?」って(笑)。
菅あれってバラエティでいうと、きちんと失敗していいよってフリを作って、失敗して安心の笑いを取るってところなので、成功されたらお客さんも戸惑いますよね。そういう場面であえて成功してなんとも言えないええ顔を見せてる東島だったり、最後に出てきた(『戦え! 課長ファイター』を熱唱する)石田には頭が下がりましたね。
有野課長石田さんが歌ってるときに、スピーカーに寄っていって「課長、いくわよ」って感じで、手は出てないけど「はいはい!」って(笑)。その辺も楽しかったです。
――逆に緊張していたスタッフの方もいたと思います。『魂斗羅スピリッツ』の挑戦時に助っ人として出演した楠田さんなんかは……。
有野課長楠田は、もうしょうがないですよね(笑)。楠田がちゃんと押してくれないと進まない。でも、ミスすればするほどニヤニヤが止まらなかった。「これこれ! 東島め、これじゃAD、スタッフのいいところ」って(笑)。
――放送作家の岐部さんも、キーボードをソロで演奏する場面なんかはめちゃくちゃ緊張しているように見えました。
有野課長でも途中でトランス状態に入ったように、キーボードに顔を近づけて、おー、ノッてきたなあって。
菅基本的にこの番組は文化祭のノリの延長だと思ってるんですけど、ちょっとやりすぎですよね(笑)。文化祭の域を超えちゃってきてますよね。僕はあくせく(岐部昌幸さんと17代目AD岩橋資さん(時女タスク)のユニット)の歌と演奏は今日初めて見たんですけど、「お、意外とちゃんとしてるやん!」って思いました。
――今回の挑戦タイトルって、番組本編の方で笹野さん(2代目AD)がクリアーしちゃったために再挑戦することになったタイトルが何本か入っていますが、その辺にも思うところがあったりしますか?
有野課長なんでしょうね、レジェンドADって言われる人らが出てくると盛り上がる感じ。辞めた人なのに(笑)。でも「ああ、笹野」、「浦川―!」、「東島―!」って。ほかの人もいる中で、おなじみの人が出てくるとみんなが安心するんやろうね、変わらないものに。
笹野のクリアーしたタイトルが多く含まれているっていうのは、番組の流れや構成がいまとちょっと違うからなんでしょうね。
菅やっぱり20年やってる番組なので、最初のころとルールが変わっている部分があるんですよね。最初のころは、“ここまでは笹野が進めておきました”っていうのをオッケーにしていたり、がっつり攻略本を見ながらやっていたりもして。
有野課長最近は「課長ががんばってクリアーしてください」って感じですね。年齢的に反射神経は鈍くなってるはずなんですけど、番組の条件は厳しくなってる。もう50超えてるのに(笑)。
――以前はアメリカでのロケ企画などもありましたが、今後も海外ロケなどの企画なんかは予定されていたりしますか?
有野課長行きたいですよ。オーストラリアに行きたい! コアラを抱きたいんですよ。だからコアラのゲームって出てないんかなあって(笑)。
菅前からハワイに行きたいとか、オーストラリアに行きたとか、そんな話は出てるんですけど、じゃあ(プライベートで)行きゃあいいじゃんって(笑)。番組としてはゲームに携わってる、関係の深い場所に行きたいっていうのはありますね。(コロナ前は)ニューヨークに行きたいなあなんて話もずっとしていたんですけど、ちょっと難しい状況になってしまいました。
――今回、さいたまスーパーアリーナでの挑戦も無事終わったということで、課長から昇進することは考えていたりしますか?
有野課長わかんないっす。つぎの収録が楽しみではありますね。ガスコインの廊下を見ようと思います。訓示とか貼ってないかなー。
菅うちの会社って社長室はないけど、課長室はあるんですよ。部屋があったらもういいじゃんって思うんですけど(笑)。
有野課長まだ昇進は狙ってはおります!
――今回のさいたまスーパーアリーナでの挑戦をはじめ、課長がイベントで発言したことはだいたい実現されてきました。今回は全国ツアーという言葉が出てきましたが、現時点でもし全国ツアーならこういうことをやりたいといった、イメージしていることがあれば教ええてください。
有野課長5都市とかだけじゃなくて、もう少し広い東北や北海道を回ってみたいですね。それでどこの会場でも『ドラゴンズレア』をやって最終的にクリアーしたいなあ。「新潟ははダメでしたけど、秋田ではどうでしょう?」みたいな(笑)。あと『東京バス案内』もやりたい。全国で都バスを運転して、ゆっくりしたゲーム実況を見せたいですね。
――さいたまスーパーアリーナ以上の大きな会場でイベントを開催する構想は? そうなるとつぎはドーム球場が会場になりそうですが。
有野課長無理無理無理!(笑) ここが精一杯ですよ。早めに「チケットはけましたー、完売したぞー、よかったよかった」って言いたいですもん。むしろ、つぎやるときは小さくなると思います。さいたまスーパーアリーナはみんなの顔が見えたり場所はすごくいいと思うんですけど、ちょっと大きいですよ(笑)。
菅じつは事前に僕から「有野さん、絶対に東京ドームとかは言わないでください」と。「言ったら首絞めますよ」くらいに伝えていました(笑)。やっぱりできるキャパ、できないキャパがあるので、ドームは勘弁してくれと。全国ツアーに関しては、松竹芸能さんの方とこじんまりやっていただいてもいいかなと思っています(笑)。
有野課長やるんやったら、課長ひとりでは無理ですね。YouTubeでコラボした人、たとえばサロメちゃんだったり、ゲストをいっぱい呼んで。
菅(事務所の後輩の)なすなかにしといっしょに回ってもらえれば。
有野課長それはいやや(笑)。
――5年後、25周年を迎えた際のイベントはどうなると思いますか?
有野課長5年後は何も考えていないと思いますよ(笑)。
菅5年後は有野さんが56なんですよ。激しいアクションゲーム系は無理になってると思うので、全部『東京バス案内』系のゲームへの挑戦になってる気がします。横にいるADにああだこうだ言われながら、有野課長がゲームをプレイする。だんだんそういう感じになるんじゃないかなと。
有野課長ゆっくりしたパズルとかやってるかもね。『スイカゲーム』みたいな、時間制限のないゲーム(笑)。
菅ゆっくりしたパズルでさいたまスーパーアリーナを埋められたらたいしたもんですよ(笑)。
――(笑)。本日はありがとうございました。