古今東西の魅力的なインディーゲームをお届け。今回は、自称“幽霊”たちが暮らす町での出来事を描くグラフィックノベル『ghostpia シーズンワン』を紹介。
独特な映像表現で描かれる少女4人の交流
本作はグリッチエフェクトやノイズなどの加工を取り入れた映像表現が特徴的な“デンシ・グラフィックノベル”。どこかノスタルジックな映像とともに、少女4人が“幽霊の町”から出ることを目指す物語が描かれる。なお、本作で体験できるのは全2シーズンで展開予定の物語の前編だ。
『ghostpia シーズンワン』ニンテンドーeショップサイト 『ghostpia シーズンワン』Steamサイト雪で閉ざされた町から脱出
“幽霊”を自称する不死身の人々が暮らす終着駅の町。雪で閉ざされたこの町に暮らすただひとりの異邦人である小夜子は、あるかもわからない故郷へ帰ることを夢見ている。かつて自分が忘れてしまった“大事なこと”とは何かを考えながら、彼女は友人たちとともに町の外を目指す……というのが、本作のあらすじ。シナリオの分岐などはないものの、徹底的に磨き抜かれた、温かくも独特な物語が楽しめる。
特殊な死生観を持つ幽霊たち
幽霊たちは不死身なので、何をされても命を落とすことはない。そのため、幽霊たちは暴力に関して我々とは異なる価値観を持つ。心温まる交流が描かれたと思えば、暴力的な場面やギャグも飛び出す “パンチ”のある鋭いシナリオ展開は唯一無二だ。
おかしな価値観の仲間たちとの日常
小夜子とその仲間たちの言動は、幽霊の中でもかなり変わっている。仲間どうしでおどかし合ったり、お金を盗ませたりと、変哲のない日常など彼女たちには存在しないのだ。
グリッチとノイズで彩られる物語
場面に合わせたグリッチ加工やノイズといった映像表現は本作の大きな魅力だ。たとえば、小夜子が忘れてしまった過去の場面では、ひどいノイズが入った映像で不完全な記憶を表現。懐かしさと新しさが同居するユニークな演出で、物語の内容をさらに味わい深いものにしている。
ghostpia シーズンワン
- プラットフォーム:Nintendo Switch、PC
- メーカー:room6
- 開発:超水道
- 発売日:3月23日配信
- 価格:各2300円[税込]
- ジャンル:アドベンチャー
- 対象年齢:IARC 16歳以上対象
- 備考:ダウンロード専売、PC版はroom6、yokazeから8月22日に配信