ノベルゲーム『Terranova（テラノヴァ）』の日本語デモ版（体験版）が、インディーゲーム販売サイト“itch.io”にて配信開始された。Windowsのほか、MacやLinuxのPCでプレイが可能だ。
本デモは有料となっており、価格は5ドルから（開発者を支援するための金額の上乗せが可能）。現在の日本円で760円程度で購入できる。
本作は2000年代のインターネットを舞台に、海外のBLオタク（腐女子）たちの交流にまつわる物語を描いたゲームだ。ゲーム画面はWindows XPを思わせる架空のPCのインターフェースとなっている。
主人公である“Tourmaline”は、サイト制作の知識がある親友の“Effie”が立ち上げてくれたファンタジー世界を共同創作するためのサイト“Terranova”の更新と、これにともなう友人たちとのチャットに夢中になっていく。
ゲームとしては、実際のPCのようにデスクトップ画面に並んでいるアイコンからチャットやインターネットのアプリケーションをダブルクリックして、立ち上げることで彼女たちのやりとりの進展を楽しむことになる。
チャットでのやりとりやサイト及び個人ブログの更新は、マウスやスペースキーを長押しするだけでTourmalineが勝手にテキスト入力を行ってくれる。たまに登場する選択肢により、やりとりの流れやサイト/ブログの内容が変化するようだ。
そしてこれはとても重要な情報だが、この架空PCではなんとソリティアも遊べる。
夢中になれる趣味を共有できるオタク仲間たちとの共同創作が、どんな物語を紡ぐのか。その時代背景も相まって、非常に興味をそそられる。
なお、ゲームを開始する際の警告によれば、本作では摂食障害、抑うつ、自殺、同性愛嫌悪、心理的虐待、転向療法（現在では当事者を苦しめるだけで効果がないことがわかっている性的指向の矯正のこと）、未成年の飲酒といったトピックが取り扱われるとのこと。これらの描写を負担に感じる人は、注意してプレイしてほしい。
本作はすでにSteamにて完全版が販売されているが、対応言語は英語のみ。完全版が日本語に対応するかは、今回のデモ版を購入してくれるプレイヤーの人数にかかっている模様。なお、デモ版の翻訳は『コーヒートーク』シリーズや『Sea of Stars』などの日本語訳を手掛けた小川公貴氏が担当。オタク女子同士の和気あいあいとしたやりとりが、自然で分かりやすい日本語に翻訳されている。
デモ版の時点でかなりユニークな体験ができるゲームなので、完全版の日本語化を実現してもらうためにも、気になったらまず手に入れてみるのがおすすめだ。
