最大4人で協力して遊べるマルチプレイ要素などで人気に
2013年(平成25年)10月10日は、『モンスターストライク』(以下『モンスト』)のiOS版がミクシィ(現:MIXI)からリリースされた日。本日でサービス開始10周年を迎えました。
本作は自身のキャラクターを指で引っぱって弾き、敵モンスターにぶつけて倒していくアクションゲーム。倒した敵をプレイアブルキャラクターとして入手できることから“ひっぱりハンティング”というキャッチフレーズとともに親しまれてきました。
本作がリリースされた2013年は、まさにスマートフォン向けアプリゲームの戦国時代。前年に大ヒットを記録した『パズル&ドラゴンズ』に追いつき追い越せと、毎週のようにさまざまなアプリゲームが登場していた時代です。
その中で『モンスト』が頭角を表した理由のひとつには、アクションゲームとしての完成度の高さがありました。
当時のアプリゲームではまだまだアクション要素を持つゲームの数は少なく、いわゆるカジュアルゲーム的な作品が多かったころ。壁や敵モンスターへの反射を利用する技術や、キャラクターそれぞれの個性を使い分けて戦う戦略性が求められる『モンスト』は、カジュアル層だけでなくゲーマーもハマれるアプリゲームとして人気を獲得していきました。
さらに決め手となったのが、最大4人で協力して遊べるマルチプレイ要素です。当時はちょうど、既存の携帯電話からスマートフォンへの転換が大きく進んでおり、スマートフォンをひとりが1台持つのが当たり前の時代となりつつありました。
そんな背景下において、友人、知人を誘ってプレイすることでユーザーを増やしていけるマルチプレイはアプリの普及に大きく貢献。『モンスト』は爆発的にユーザー数を増加していき、10月リリースにもかかわらず、年内には100万ダウンロードを突破するほどの人気を獲得。10年経ったいまでは、全世界で6000万ダウンロードを記録するほどの広がりを見せています。
こうして爆発的に人気を獲得していった『モンスト』ですが、もちろん、10年間変わらないままでは一線に立ち続けることはできません。『モンスト』の絶大な人気にはさまざまな理由があります。
そのひとつが、キャラクター性能。『モンスト』ではキャラクターに進化形態という要素があり、古いキャラクターも進化していくことで最新の環境に適応していくことができます。
たとえば“妲己”というキャラクターを例に見て見ましょう。左の画像が2015年の妲己(神化)、右の画像が2023年の妲己(獣神化・改)です。
それぞれガチャでは同一のキャラクターとして扱われていますが、所持しているアビリティやコネクトスキルの総数が倍増。2015年に登場したキャラクターでありながら、2023年現在も第一線の性能で最新クエストに挑戦することができます。
かつて愛着を持って使っていたキャラクターにふたたび活躍の場を与えてくれるのは、長年遊んでいるプレイヤーにとってはうれしいもの。「もう一度あの勇姿を見たい!」という思いが叶うのは『モンスト』のいいところですね。
また『モンスト』を語るうえでは、定期的に開催されるアニメ・ゲームとのコラボイベントも外せません。コラボイベントは年々頻度が増えていき、2013年には10月現在で10回と、じつに月1回のペースで開催されるまでにいたっています。
初期には『ウルトラマン』コラボや『聖闘士星矢』コラボといったターゲット層が高めのコラボが多数実施されていましたが、最近では原作アニメ・ゲーム側の展開と連動するタイミングで開催されており、原作と『モンスト』が互いに魅力を引き立て合うケースが多く見られます。
たとえば2022年5月には『SPY×FAMILY』コラボにて、アプリゲーム全体で見ても珍しいアニメ放映中のコラボを展開。同年11月には『チェンソーマン』でも同様のタイミングでコラボを行っています。
また『ONE PIECE FILM RED』コラボや『機動戦士ガンダム』シリーズコラボなど、ビッグタイトルとのコラボをほかのアプリゲームよりも早いタイミングで行うケースも近年では目立ちます。
こうした版権元と密接な連携を組まなければ難しいコラボがつぎつぎと実現しているのは、長年続いている実績があってのものでしょう。これもまた、10年の歳月が結んだ『モンスト』ならではの魅力と言えそうです。
なお2023年10月10日現在は、『東京リベンジャーズ』コラボが開催中。これもアニメ第3期“天竺編”が10月から放送中のタイミングとなっています。筆者も『モンスト』をプレイしながらアニメを視聴しており、イベント終了までにはテレビ放送に追いつきそうなペース。こうして触れてきた作品が自身の糧になっていることを考えると、新しい作品に出会える喜びもまた『モンスト』コラボイベントのおもしろさを形作る一因なのかもしれません。
そんなコラボクエストを振り返ると歴史を感じさせる出来事があるもので、たとえば『鋼の錬金術師』コラボは2017年に第1弾イベントが開催された後、なんと6年の時を経て2023年にコラボ第2弾が開催。第1弾キャラクターたちが獣神化によって一気に最新環境に追いつくという、ファンにはうれしい出来事がありました。
それから、『ストリートファイター』シリーズとのコラボも『モンスト』の歴史を語るうえではおもしろい要素です。
『モンスト』では2015年に『ウルトラストリートファイターIV』コラボが開催。1年後の2016年には『ストリートファイターV』コラボが実施され、シリーズのナンバリングをまたいでコラボが開催されました。
同シリーズでは現在、最新作の『ストリートファイター6』が大ヒット中。他シリーズのナンバリングが2度も進むあいだ、『モンスト』はずっと同じタイトルのまま現役で稼働を続けているわけです。まさにアプリの歴史を感じさせる出来事ではないでしょうか。
運営型タイトルならではの珍しい現象ですが、ここまできたら『ストリートファイター6』とのコラボも見たいものですね。個人的なコラボキャラクター予想としては、パワー型でワンパンSSを持った火力特化のマリーザを期待しています。SSボイスはもちろん、「歴史を感じたかい?」で。
最後にもうひとつ、ユーザーの心を掴んで離さない要素として“ユーザーサプライズファースト”の精神があります。
これはMIXIの過去のインタビューなどでもたびたび出てくる言葉ですが、文字通り“何よりもサプライズを第一に考える”という考えかた。毎週実施される“モンストニュース”での最新情報提供はもちろん、ゲーム内で突然現れる特殊クエストなど、毎回手の込んだ演出でユーザーに驚きと興奮を与えてくれています。
10年経っても飽きないいちばんの理由は、こうしたサプライズがあってこそ。10周年を迎えた『モンスト』が私たちにどのような驚きと感動を与えてくれるのか、これからの10年にも期待しています。