プロゲーミングチーム“FAV gaming”に所属し、『ストリートファイター6』で活躍するりゅうせい選手。彼は『ブレイブルー』で世界王者に輝いたあと、プレイタイトルをそれまでプレイしたことのなかった『ストリートファイター』シリーズに変更し、プロゲーマーとしてイチから挑戦するという経験を持つ。本稿では、そんなりゅうせい選手に、新しい環境で活躍するために必要なこととは何かをうかがった。
りゅうせい(りゅうせい)
『ブレイブルー』シリーズでは数々の大規模大会で優勝を経験。世界最大の格闘ゲーム大会「Evolution 2017」で優勝し、世界王者となる。
その後、より大きな戦いの舞台を求めて『ストリートファイターV』に転向。メインタイトル変更からわずか1年でCAPCOM Pro Tour 世界ランキングの100位内にランクインし、ジャパン・eスポーツ・プロライセンスを獲得した。
2021年には、日本最高峰のカプコン公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」で優勝を果たし、日本一に輝いた。
新しい環境で活躍するために大切なこととは?
――現在は『ストリートファイター6』のプロリーグで活躍するりゅうせいさんですが、もともとは『ブレイブルー』シリーズで活躍する選手でした。『ブレイブルー』で世界一になったあと、プレイタイトルを『ストリートファイター』に変えてイチからスタートした経緯があります。そういった経験から新しい環境で活躍するために必要なものとは何かをうかがえればと思います。
りゅうせい『ブレイブルー』から『ストリートファイター』に移行した時点でボロ雑巾にされることは覚悟していました。でも、『ブレイブルー』の世界大会で優勝した成功体験もあったので、続けていけば絶対に勝てるようになるだろうという自信もありました。ゲームに関してはほかの人よりちょっとだけ秀でているという自信もあったので、最初は勝てないけど「いまに見ておけよ」というハングリー精神はあったし、心は折れませんでした。
――当時は、ウメハラさんやときどさんといった格上のプロゲーマーたちに毎日揉まれていましたよね。
りゅうせい対戦格闘ゲームは1対1だから責任が全部自分に来るので、人によっては絶対にしんどいと思います。毎日トッププロと練習して誰にも勝てないのを毎日くり返していると、折れてしまう人もいるのかなと思うんですけど、僕はおもしろかったですね。
――それはなぜですか?
りゅうせいボロ雑巾のように負けるんですけど、少しずつ勝てるようになってきて、「どうすれば勝てるかな?」といったことを考えるのがすごく楽しかったですね。自分が少しずつうまくなっている実感があったので、それがモチベーションになってゲームが続けられたんだと思います。
それに格闘ゲームのトッププレイヤーは暖かいんですよ。教えてくれるしみんなやさしい。それもあって段々上達を実感できる試合内容になってきて、それが勝率に反映されてというのがモチベーション維持につながりました。
トッププレイヤーに食らいついて大会で優勝するという目標があったから、その目標から逆算して、勝つために必要なことを考えていくのが大切だと思います。
――なるほど。新しい環境で成功するためには、へんなプライドを持たずに、すでに結果を出している先輩たちに教えを乞うのが大事なんですかね?
りゅうせいめちゃくちゃ大事。自分ではいくら考えても到達できなかったところに、10分や5分話を聞くだけでそこに到達できるので、絶対話を聞いて学んだほうがいいと思うんですよ。本当にその目標を達成したいという熱意があるんだったら、なりふり構わずやれよって。
以下の動画では、以上の内容に加えて“後がない人間の覚悟”、“継続することの大切さ”などについて語っているので、ぜひチェックしてほしい。