2023年9月21~24日、千葉県・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2023(TGS2023)。同イベントの3日目、9月23日のシティコネクションブースでは、TGS2023の初日である9月21日にティザーサイトがオープン、制作中である旨が発表された、『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』(ラッシング・ビートX リターン オブ ブロウル ブラザーズ)(以下、『RUSHING BEAT X』)の開発者によるトークセッションが行われた。
本記事ではトークセッションで話題に上がったエピソードを要約し、『RUSHING BEAT X』が制作されるにいたった経緯やゲームの内容、発売時期といった情報をお届けする。
トークセッションには『RUSHING BEAT X』ではプロデューサーを担当しているシティコネクション代表の吉川延宏氏、ディレクターを務める渡辺敬氏、シナリオ&プランナーの森住惣一郎氏が出演。司会の志貫徹氏+吉川氏が今回のTGS2023で復活を果たした『ラッシング・ビート』シリーズにつながるテーマを適宜出しつつ、それを出演者3人で話を広げていくという形式で40分ほど行われた。
●『ラッシング・ビート』シリーズ復活の経緯
まず最初に話題としてあがったのは、「なぜいま『ラッシング・ビート』の新作を制作するに至ったか?」。この根源的な質問に対し吉川氏は、「世界的にベルトスクロールアクションゲームの復活が続いている中、シティコネクションが持つジャレコのIPを活かさない手はない」と力強く回答。さらに、「個人的に『ラッシング・ビート』シリーズは、『ファイナルファイト』や『ダブルドラゴン』シリーズに続く、世界三大ベルトアクションだと思っています!(笑)」と照れた笑みを浮かべつつも、シリーズへの愛を口にしていた。
●日本版、海外版の相違点を補完しながらの制作
吉川氏は『ラッシング・ビート』の新作を作る決意を固めると、かねてから「ベルトスクロールアクションや格闘ゲームが大好きで自分でも作りたい」と話していた渡辺氏にディレクションを打診。これを渡辺氏が快諾し、2年半ほど前から開発がスタートしたという。
『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』のストーリーや世界観といった骨格を組み上げていくうえで問題になったのが、日本国内で流通していたオリジナル版と、海外展開されたバージョンとの『ラッシング・ビート』シリーズの相違点。
『ラッシング・ビート』シリーズは日本と海外ではゲームのタイトルが異なるだけではなく、設定やストーリーも一部変更が施されているという。国内外のファン、どちらも納得いくゲームを作りたいと考えていた吉川氏、渡辺氏は、『スーパーロボット大戦』シリーズや『PROJECT X ZONE』シリーズといった、さまざまな作品がクロスオーバーするゲームを手掛けてきた森住氏に『RUSHING BEAT X』のプランニングとシナリオ制作を依頼。その結果、本作はシリーズ2作目、『ラッシング・ビート乱 複製都市』と3作目、『ラッシング・ビート・修羅』のあいだをつなぐタイトルとして違和感のないストーリーを土台にアクションを楽しめるゲームになったうえに、『伊賀忍術伝 五神の書』、『デッドダンス』といった、ほかのジャレコタイトルのエッセンスも散りばめられた作品になったという。
吉川氏からは「RUSHING BEAT Xの”X”には、日本語と海外版、乱と修羅をX(クロス)させるという意味も込めた」と、本作のタイトルの由来も併せて明かされた。
ちなみに本作のキャラクターデザインを担当している斉藤和衛氏も、森住氏と同じく『PROJECT X ZONE』や『スーパーロボット大戦』シリーズに深く携わってきたクリエイターのひとり。『ラッシング・ビート乱』でプレイアブルキャラクターだった5体のリファインなどに加え、『RUSHING BEAT X Return Of Brawl Brothers』からの新キャラ、カルアのキャラクターデザインも行なっている。
●アクションパートは自由度の高さがウリに⁉
ディレクターの渡辺氏からは、『RUSHING BEAT X』のアクション部分でこだわっている点が紹介された。
本作では「ベルトスクロールアクションでやれること(あるとうれしい遊び)」をきっちりと押さえつつ、「自分なりのコンボが見つけ出せる」攻撃の自由度を重視。ボタン連打で地上技を繋げるだけでなく、特殊攻撃で敵を打ち上げての空中コンボ、複数の武器をストックして持ち歩き、状況に応じて使い分けた戦法やコンボで戦うといったことが『RUSHING BEAT X』では可能だという。「鉄パイプみたいなバカでかい武器をどうやって収納しているかはさておき(笑)、ゲーム的な気持ちよく楽しく動けることに力を入れています」と、『RUSHING BEAT X』のアクションコンセプトについて語った。
●開発度は40~50%。発売は2024年内目標
森住氏いわく「ゲーム全体のストーリーはもちろん、選んだキャラクターごとに変わるセリフなんかも6キャラぶん全部書き終わっている」うえに、TGS2023にはプレイアブル出展された『RUSHING BEAT X』。一見すると完成が近いように思える本作だが、吉川氏によるとゲーム全体の完成度は「40~50%」だという。「今回はTGSで発表する! というのが一番大事な目的。そのため技のモーションなどはほぼすべてが仮のものなんです」と内情が明かされ、発売時期に関しては「少しお待たせすることになると思う。来年には出したいですね」という答えとともに、「今後もPVの公開だったり、イベントへの出展で継続したPRを行っていき、国内のIPを世界に向けて発信していきたい」と、トークセッションを結んだ。