2023年8月27日に開催された、インディゲームの展示会“横浜ゲームダンジョン”。クリエイターたちの、チャレンジ精神や独創的なアイデアをひしひしと感じられる多数の意欲作が出展されました。
なかでもTeamVeisterさんのアドベンチャー『MEMO-2176』はプレイ感覚が新鮮でした。紙とペンを使って謎を解いていくのです。
MEMO-2176-byTeam Veister| 東京ゲームダンジョン3 出展作品PV
紙にメモしながらゲームをプレイする、懐かしくも新しい体験
最近のアドベンチャーゲームはメモ機能が充実しているため、ゲーム内の情報のみを見ながら攻略していく形式のものがほとんどです。
しかし、ひと昔前に発売されたアドベンチャーには、紙とペンは必須アイテムのひとつだったと思います。重要な情報を書き込みながら攻略していくのは、手間はかかりましたが本当に推理しているみたいで楽しかったのです。
そんな体験を実現させてくれるのが本作。試遊ブースにもメモ帳が用意されており、実際に書き込みながらプレイしていきました。
ゲームスタートと同時に突然放り込まれたのは、レトロな雰囲気を醸し出す列車の中。けたたましく呼び鈴を鳴らす電話を取ると、“ドクター”なる人物が話しかけてきます。
ドクターとの会話を終えると、いざ謎解きがスタート。列車内を歩き回って手がかりを探します。
最初に目に入るのは、座席に置かれたアルファベットを入力するニキシー管と入力盤。これに3つの正しいパスワードを入力することがクリアー条件のようです。
列車内に散りばめられたメモ用紙を集め、ヒントを頼りにパスワードを解明していきます。今回は計算式パズルや図形を特定の単語に当てはめて解いていく謎でした。
謎解きは一筋縄ではいかないながらも、じっくり考えればちゃんと正解が導き出せる内容になっていました。……お恥ずかしながら、かく言う私は頭がだいぶ固いタイプの人間。ところどころでこっそりヒントを教えてもらい、ようやく解けた次第です。
謎を解くためのメモ用紙は、ゲーム内だけでなくリアルにも。今回の試遊版でカギとなる“シーザー暗号”に関わるアルファベットとその順番がメモ用紙といっしょにブースに置かれており、最初は「これなんだろう?」状態。ゲーム内と同じようにヒントをくれるメモ用紙だと気づき、ひとりでウキウキしていました。
すべての謎を解き明かして試遊版をクリアした後に、実際にプレイした方々のメモを見せてもらいました。「解き方の順序が人によってかなり異なっていておもしろい」とのこと。
各人のメモを見ると、理系らしく計算式を書く人や、丁寧に順序立ててまとめる人など、本当に人それぞれ。何がどれに対応しているのか自分でわからなくなるタイプは筆者だけのようでしたが……。友だちと話し合いながらプレイするのも楽しいのではないでしょうか。
本作では謎を解き明かしていくごとに物語が進みます。世界観もおもしろそう。
舞台は“虹の病”に襲われて文明崩壊の一歩寸前まで陥った遠い未来。人類は死者の記憶“MEMO”を頼りに復興したものの、オオカミと名乗るテロリストが再び“虹の病”をばらまくと宣言。これに対抗するべく、MEMO犯罪対策課の主人公は、1970年代に残されたとあるMEMOに潜る作戦を展開していく……というのが、おおまかなあらすじです。
遊版は謎解き部分にフィーチャーされていたためにストーリーに触れる場面は多くありませんでしたが、かなりハードな世界観のように見受けられます。
タイトルや物語と、ゲーム性がリンクする部分が多々あった点が興味深く、ストーリーの内容がなおさら気になっている所存。Steamにて体験版が2024年春、製品版が2024年冬にリリース予定とのことで、待ち遠しい限りです。