※本記事は、2022年9月18日にアップした記事を再編集したものです。
新たな出会いと驚きに満ちたイッシュ地方
いまから13年前の2010年(平成22年)9月18日は、ニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』が発売された日。
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』は、株式会社ポケモンから発売されたRPG。ニンテンドーDS用に開発された『ポケットモンスター』シリーズの完全新作としては『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』についで2作目となる。最初にもらえる3匹のポケモンはツタージャ、ポカブ、ミジュマルでパッケージに描かれていた伝説のポケモンはレシラムとゼクロムだった。
ゲームの舞台となったのはイッシュ地方。これまでに登場した地方はカントー(関東)、ジョウト(関西)、ホウエン(九州)、シンオウ(北海道)とすべて日本の各地がモチーフだったが、本作ではついに海を渡りアメリカのニューヨークがモチーフとなった。マンハッタンを思わせるような超高層ビルが建ち並ぶ大都会の街並みを初めて見たときは、度肝を抜かれる思いだったのではないだろうか。季節の変化もあり、ニンテンドーDSの本体時計と連動して四季が移ろうことにも驚かされた。
プレイヤーはシリーズ初の女性ポケモン研究家であるアララギ博士からの依頼で、ポケモン図鑑の完成を目指して冒険の旅へと出発。ポケモンの解放を説く“プラズマ団”や謎の人物“N(エヌ)”と出会い、衝突しながら、物語はやがて伝説のポケモンの秘密へ迫っていくことになる。
新しい試みとしてはパソコンと連動する“ポケモングローバルリンク(PGL)”が実装されたこと。これはゲーム内で眠らせたポケモンの夢の世界をのぞいて、さまざまなミニゲームなどに挑戦することができた。畑できのみを育てたり、全国のプレイヤーの集計データを見ることなんかもできて筆者は毎日せっせとアクセスしていた記憶がある。いまだにブックマークにあったのでアクセスしてみたところ、2020年2月末ですべてのサービスを終了していた。
赤外線通信にも対応し、ポケモンセンターまで出向かなくてもどこでも交換や対戦ができるようになったは画期的で超便利だった。とくにボックスの中にいるポケモンも直接やり取りできるようになったのが本当にうれしかった。それまでは手持ちにいるポケモンどうしでしか交換できなかったなんて、若いユーザーは果たして信じられるだろうか……。
Wi-Fi通信であれば“ライブキャスター”と呼ばれるテレビ電話のような機能も利用可能で、初めて体験したとき筆者は「かがくのちからってすげー!」ではないけれど、技術の進歩に本気で感動したものだった。周囲にいるほかのプレイヤーとのリアルタイム通信も実現していて、自分の冒険中にいろいろな情報がつぎつぎと飛び込んでくるのも新鮮でユニークだった。自分とほかのプレイヤーの世界を行き来するなんてことも可能で、確か電車でプレイ中に誰かが突然やってきてびっくりしたような記憶がある。システム的な新しいチャレンジが大量にあったため、印象深い作品として記憶に残っているユーザーも多いのではないだろうか。
2012年6月23日には、シリーズで初めてとなるナンバリングを冠する続編『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』も登場。2年が経過した世界を冒険するという、いままでになかった体験が楽しめた。
『ポケットモンスター』シリーズの最新作は、2022年11月18日に発売された『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』となっている。