ゲームフリークが開発を手掛けた作品

 1993年(平成5年)8月27日は、スーパーファミコン用『マリオとワリオ』が発売された日。本日で発売から30周年を迎えたことになる。

 『マリオとワリオ』は、任天堂から発売されたアクションパズルゲーム。数少ないスーパーファミコンマウス専用のタイトルで、開発は『ポケットモンスター』シリーズなどで有名なゲームフリークが手掛けている。

 童謡の“森のくまさん”の替え歌を使ったストップモーションアニメのコマーシャルがかわいらしく、全100ステージということを売り文句にしていたのが印象的だった。

 もともとマリオと敵対する悪役として登場したワリオだったが、すぐにメインキャラクターに昇格したため、純粋にストーリー上の悪役を務める作品は案外少ない。この『マリオとワリオ』はワリオが敵対する役柄で登場する非常に稀有なタイトルのひとつと言えるだろう。

『マリオとワリオ』が発売30周年。ブロックで道を作り前へ進み続けるマリオたちをゴールへと導く、数少ないマウス専用のアクションパズル【今日は何の日?】

 本作の目的は移動速度の異なるマリオ、ヨッシー、ピーチの3人の中からキャラクターをひとり選び、ルイージが待つゴール地点へと到達させること。ただし、マリオたちはワリオに頭にバケツを被せられてしまい、ヨタヨタとひたすら前へ進むのみで直接自分で操作はできない。

 プレイヤーが操作するのは妖精のワンダ。ワンダは魔法の力によってブロック作り出せるため、道をつないで前へ進むだけのマリオをゴールまで誘導してあげる必要がある。ステージ中には罠や敵も待ち受けているので、うまく回避したり攻撃したりしてマリオたちがやられないようにしなければならないというわけだ。決して「自分でバケツを取れないのか?」、「妖精もブロックを作る前にバケツを取れ」などと考えてはいけない。

 そう言えば最初は頭にバケツを被せられるのだが、ワールドごとに変化するのが芸が細かい。タマゴの殻やタル、まさかの土管、ツボ、ジュゲムの雲など、多種多様。見どころのひとつと言ってもいいかもしれない。

 本作がおもしろかったのは操作のすべてマウスで行う点。1990年代の前半は現在のように誰もがPCに触れたことがある時代ではなかったため、マウスを使ってワンダを画面内自由に動かし、あらゆるアクションを左クリックのみで行えるだけでも楽しく感じたものだった。

『マリオとワリオ』が発売30周年。ブロックで道を作り前へ進み続けるマリオたちをゴールへと導く、数少ないマウス専用のアクションパズル【今日は何の日?】
『マリオとワリオ』が発売30周年。ブロックで道を作り前へ進み続けるマリオたちをゴールへと導く、数少ないマウス専用のアクションパズル【今日は何の日?】

 場所によって作れるブロックが異なり、時間経過で消滅してしまうブロックはマリオの移動のタイミングに合わせて出現させてあげる必要があった。通行やギミックの使用を妨げるブロックは破壊し、コインマークのブロックはマリオを導く僅かな合間に叩いてコインを獲得。マリオたちがノンストップで進んでくるあいだにルートを見極め、正しく導いて上げるのはなかなかに大忙しだったが、この忙しさが心地よく誰もが夢中になったんじゃないだろうか。100ステージという大ボリュームだったのも非常にやり甲斐があった。

 ワールドクリアー後には、愛機のブルドッグ号に乗って飛来するワリオをワンダがハンマーで叩きまくるボーナスステージが登場。コインを大量獲得できるチャンスなのだが、マリオはすることがないのか終始中央に立ってワンダがワリオを叩くのを眺めているだけというのがおもしろい光景だ。

これまでの今日は何の日?