2023年7月14日～16日、日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit Let's Go!! / ビットサミットレッツゴー！！”が、京都市勧業館みやこめっせにて開催。
若いクリエイターを対象としたゲームジャムイベント“BitSummit Game Jam 2023”（※BitSummit、KONAMI、ゲームクリエイター甲子園が共催）のブースには、同イベントで制作されたゲームの数々が、プレイアブル展示されていた。『ロボツリ』はその中のひとつで、東京デザインテクノロジーセンター専門学校の学生・金子蓮さんをリーダーとした、11人編成のチーム作品だ。
本作は基本的に釣りゲーム。ステージ開始時にチャレンジしたいターゲットを選択すると、そのキカイギョ（魚）が釣り針にかかった状態から始まる。キカイギョが放つ弾幕を避けつつ、糸のテンションを調整しつつ、無事陸地に引き揚げることができればチャレンジ成功というわけだ。
こう書いてしまうと簡単に思えるかもしれないが、実際はなかなかエキサイティング。通常の釣りゲームの釣り竿全般の操作が、アクションゲームのキャラクターの挙動にダイレクトに変換されているだけでも新鮮だが、その上で弾幕回避をこなさなければならない……ということで、プレイヤーキャラとキカイギョの位置関係を巡る押し引きの判断が目まぐるしく変化するのだ。キカイギョが陸に近づけば近づくほど、敵弾の発射位置も目の前に迫るわけで、“クライマックスがしっかり盛り上がる1対1のバトルもの”としても魅力的なゲームデザインと言えるだろう。
ステージの合間には、その日の収支報告が表示される。病床に臥している主人（人間）のためにロボットが魚釣りをして生計を立てる……というストーリー要素にはいささか面食らったが、そこはBitSummit Game Jam 2023の作品テーマ“未来”に合わせてのこと。5日間経過（5ステージ終了）した時点の所持金額によって3種のエンディングが用意されていたりと、攻略・上達のモチベーションも用意されている。
メインのゲーム部分にはローグライクなキャラ強化要素があったりで、全体的にアイデアを盛り込みすぎな印象がなきにしもあらずだが、今回のゲームジャムのために編成された事前面識のない学生チームが、約2ヵ月の期間で、ここまで独創的な作品を完成させたのは、見事というほかない。本作は、学生インディーゲームの祭典“ゲームクリエイター甲子園2023”にエントリーするとのことで、今後の動向にも注目したい。
『ロボツリ』は、itch.ioの“BitSummit Game Jam”特設サイトにて、無料でダウンロードできる。
