DMM GAMESの夏のキャンペーンがお得である。その名も“夏のDMM GAMES FESTIVAL”。2023年7月18日17時59分まで開催中。
キャンペーンに参加すると累計10万人にDMMポイント(いわゆる課金通貨)が当たったり、数百円分のDMMポイントがもらえたりする。
それはうれしいし、参加すれば損はないことはわかっているのだが、これは言わせてほしい。
わかりやすく案内してくれるはずの特設サイトが長すぎて見にくいのである。
DMM GAMESのゲームを10年近くプレイしている僕にとってこの手のキャンペーンは恒例行事。それなのに、いまだに全体像を把握している自信がない。ずっとふわふわしている。
いても立ってもいられず、詰めにきました。特筆すべきはこれが広告記事ということである。どうかしてる。
左:山田さん(プラットフォームマーケティング部 キャンペーンプランニングチーム チームリーダー)
右:内村さん(プラットフォームマーケティング部 部長)

さあ、「キャンペーンの特設サイトを見にくくしてやろう!」という固い意思について説明してください。

そんなわけないじゃないですか。

だって、これですよ。

長すぎるでしょ。

人の身長より長いのはなかなかですね。すみません。

でしょ?
そう、キャンペーン特設サイトが常軌を逸して長いのである。もちろんユーザーにとってマイナスなことは書かれていないものの、シンプルに読むのがたいへん。

どうしてこんな秘伝の巻物みたいな長さに?

それはですね。
「特典がいっぱいもらえたらうれしいじゃないですか」

ピュアの塊か?

いろいろプレゼントしたい気持ちがあふれてこんなことになってしまいました。
このDMM GAMES FESTIVALに類するキャンペーンは数年前から始まっていて、特設サイトは少しずつ伸びているのだという。つまり、特典の量が増え続けている。
「前にあったものがなくなったらがっかりされるかなと思って」と、内村さん。最低限、前回と同じものを用意して、さらに特典を追加。あれよあれよと言う間に九龍城のようになってしまった。
もらえるものが増えるのはうれしいが、内容を見落としていたら損をした気になってしまう。キャンペーン担当の山田さん、けっきょく僕らは何をすればいいのですか。

まずはDMM GAMESにログインして、特設サイトで“キャンペーンに参加する”ボタンを押してください。これは最初に1回押せば大丈夫です。

つぎはお好きなゲームを毎日遊んでください。ルーレット用のメダルがもらえます。ふだんから遊ばれている方は勝手にメダルが貯まっていきます。

基本はタイトルごとに1日1枚で、日ごとに6本ずつピックアップされるゲームを遊ぶと最大3枚追加されます。

貯めたメダルを使って特設サイトでルーレットを回すとDMMポイントが当たります。1等は毎日10名様に1万DMMポイント。
【ルーレット報酬】
- 1等:1万DMMポイント(毎日抽選で最大10名)
- 2等:1000DMMポイント(毎日抽選で最大100名)
- 3等:100DMMポイント(毎日抽選で最大3000名)
- 4等:ルーレットメダル2枚
- 5等:500DMMポイントが1500名に当たる抽選券1枚
予想通り話が長い。基本的な部分を要約するとこうなる。
- 特設サイトで“キャンペーンに参加する”ボタンを押す。
- ゲームを遊ぶとルーレットのメダルが貯まる。
- ルーレットでDMMポイントが当たる。
DMMポイントはDMM GAMESだけでなくDMM.com全体で使える課金通貨。ふだんからこちらのサービスを使っている人にとっては現金とほぼ同じである。

そういえば、気づいたらDMMポイントがもらえていることありません? 仕送り段ボールにお小遣いを入れるおじいちゃんおばあちゃんみたいだなと思っています。

我々のことをそんな目で見ていたんですか。

はい。現金を送るときは現金書留を利用しましょう。それと、これだけは言っておきたいのですが、
「レターパックで現金送れは全部サギです」

何なんだ。
大事なことを伝えたところで山田さんから答えを教えてもらう。ポイントもらえてラッキーくらいに考えていたんですけど、あれ、何なんです?

きっとログインスタンプのポイントですね。(ゲームを遊んだその日に)1日に1回特設サイトにアクセスすると、5ポイント、10ポイントと蓄積されて、後日もらえるんですよ。

ますますおじいちゃんおばあちゃん感が強くなってきた。駄菓子を買うお駄賃みたい。

知らないうちに(DMMポイントがもらえる)抽選の条件を達成していることもあると思います。たとえば、ピックアップタイトルを毎日2本遊ぶと抽選で1000名様に500DMMポイントが当たったりします。

抽選系はほかにもあって、今回は5日ログインすると現金100万円が当たる抽選に自動的にエントリーされますね。

仕送り段ボールに100万円を忍ばせるおじいちゃんおばあちゃん、怖すぎるな。

特設サイトには(ゲームプレイしたその日に)1日1回アクセスするんですよね。どうしても忘れちゃうんですけど。

だって毎日会いに来てほしいから。

愛が重い彼女か?
“毎日のようにDMM GAMESのサイトを訪れる”という意識付けをしたいのだろう。DMM GAMESさんの愛は甘んじて受け入れようと思う。お小遣いくれるし。
なお、聞いた話によると、こういったキャンペーンの参加者は60万人ほど。1ポイント=1円なので、仮にひとりあたり100DMMポイント取得すると、単純計算で6000万円も用意していることになる。6000万円分のお小遣い。石油王かよ。
そこまでされたら会いに行くしかねえよなあ、と思う。
スマホブラウザ版で物理的な制約からの解放

みなさんへの特典を増やしたくてしかたないんですよ。今回もまた増やしました。スマホブラウザ版のゲームを遊ぶとまたルーレットメダルがもらえます。

対象タイトルは19個あって、週ごとに指定日数プレイするとDMMポイントももらえます。
ここでいったん整理。DMM GAMESのゲームは以下の5タイプがある。たいてい複数タイプで展開しており、ゲームの進行状況は別プラットフォームでも同期されるのが特徴だ。
- PCブラウザ版
- スマホブラウザ版
- PCアプリ(DMM GAME PLAYER)版
- iOS/Androidアプリ版
- Android専用アプリ版
PCブラウザ版タイトルの中にはスマホのブラウザで遊べるゲームもある。DMM GAMESさんとしてはこのスマホブラウザ版を推していきたいのだそうだ。
内村さんはこう語る。
「みなさんを物理的な制約から解放したいんです」

スピリチュアルな話ですか?

違います。

いまはPCよりスマホのほうが使われていると言われますけど、DMM GAMESってPCで遊ばれている方が多いんですよ。それこそ過半数以上。

そんなに?

大きな画面でがっつり遊びたい方が多いのかなと。でも、たとえば家族の共用PCをずっと占有するわけにもいかないじゃないですか。こういうのが物理的な制約。

なるほど……。『呪術廻戦』で術式の効果を底上げする縛りの一種じゃないんですね。
たしかに、スマホならひとり1台持っているから、家族の目を気にすることはない。外出先でもサッとプレイできる。
また、「いろいろなプラットフォームでゲームを出せますよ、とゲーム業界内にアピールしたいんです」と、内村さん。そうやって自社の強みを押し出したい気持ちもわかる。

アプリ版のユーザーからすると、わざわざスマホブラウザ版に乗り変える必要なくないですか?

ゲームの内容は同じですけど、ストレージ容量を圧迫しないというメリットはあります。スマホにインストールするわけではないので。どの端末からでもすぐ遊べるのもいいですね。
なんでアプリ版があるのにスマホのブラウザで遊べるようにするのか疑問だったが、そういうことか。思わず膝を打った。
いまは複数のゲームを遊ぶ時代。何本もアプリをインストールするとけっこうなボリュームだ。大容量モデルのスマホは高いので、容量不足に悩んでいる人にとっては渡りに船である。

なるほどなー。「ゲームはプライベートなもの。ひとりで集中して遊びたい」って人はスマホを好きな場所に持って行けばいいと。そういうこと?

言わせんな恥ずかしい。

この文脈で使うネタじゃない。
プレゼントをあげるときのモチベーションがおかしい

おわかりかと思いますが。
「我々、お客様にめちゃくちゃ特典をプレゼントしたいんです」

たっぷり間を使ってきたな。

ほかにもいろいろあるんですよ。2023年7月18日17時59分までにDMM GAMES内のゲーム内コンテンツでDMMポイントを使うと、20人におひとりは10%ポイントバックされます。

6月29日まで“超タワーディフェンス祭り!(※)”やってるじゃないですか。そこで課金した分のポイントも対象です。
※超タワーディフェンス祭り!:『千年戦争アイギス』、『御城プロジェクト:RE』、『モンスター娘TD』の合同イベント。合計1万5000円分のパック(5000円×3)を買うと1万DMMポイントが返ってくる。バグではない。

20人にひとりってけっこうな高確率よ?

まだまだあります。対象ゲームを遊ぶとメダルのほかに3000円相当のゲーム内アイテムももらえます。

めちゃくちゃいい。DMM GAMESさんのユーザーってゲームをいくつもやってるイメージがあります。そういう人からすると超お得なのでは。

複数タイトルを遊ばれている方は全体の半分くらいですね。1本だけを集中的にプレイしている方も、これを機にほかのゲームも試していただければ。

ゲーム内でアイテムを受け取れる状態までプレイした方が対象です。たいていチュートリアル後にプレゼントボックス系の機能が使えるようになるので、5~10分も遊べばすぐ。

まだあるので聞いてもらっていいですか?

さっきから勢いがすごいのよ。ずっとアクセルべた踏み。

ルーレットは以前のキャンペーンと比べて1等~3等の当選率を高くしています。当選数は毎日3110名様。

抽選権が当たるんでしたっけ。で、当選者は忘れたころにお小遣いをもらえる。

いえ、今回から引いた瞬間にすぐ結果がわかるようにしました。そっちのほうが実感がわいてうれしいと思って。

でも、ポイント付与は後日なんですよ。今後は何とか即時付与できないかシステム改修を検討しています。一刻も早くあげたい。

お金(みたいなもの)をあげるときのモチベじゃない。
先ほどから“孫にお小遣いをあげる祖父母”を例に挙げてきたが、初孫を溺愛するにしてもそこまでアグレッシブじゃないだろう。
「一刻も早くあげたい」って、その逆カツアゲみたいなモチベーションは何なんだ。いったん深呼吸をしてほしい。
既存ユーザーをもてなしたい
さて。ルーレットの話題が出たところで、ずっと気になっていたことを聞くことにした。
「ルーレットを回し続けるの、めんどうすぎません?」
けっこうな量のルーレットメダルが手に入るのはいいのだが、それを1回1回ていねいに消費していくのが億劫なのだ。
僕は感情を殺して“START”→“SKIP”→“もう一度まわす”をクリックしてきた。悲しきマシーンはこうやって生まれる。

「おれはルーレットを回すだけで一生を終えるのか」と不安になるんです。

感受性が豊かすぎる。たしかに、疲れちゃいますよね。すみません。
しかも、たまに4等でメダル2枚が当たりまくって一向に終わらないときもある。うれしいのだけどゴールが遠のいていく。ふしぎな感情。
この状態は直るのか、直らないのか。さあどっちだ! きっと直らないんだろうな……。ルーレットを楽に回すというおれの夢は一生かなわないんだろうな……手術をするように説得に来たメジャーリーガーはホームランを打つことなく乱闘で退場するんだろうな……。
「やりまーす!」

解決してしまった。

秋以降になるんですけど、ルーレットを改修予定です。メダルがなくなるまで回し続けるとか、10回分まとめて回すとか。方法は検討中です。

そうそう、ルーレットの結果をTweetすると抽選で1名様に3万円が当たります。

この人たち、隙あらば何かくれるな。

そういえば、ユーザー歴の長い人ほど得する傾向がありますよね。いくつもDMM GAMESのゲームやってる人は自動的にメダルが貯まっていくわけですし。キャンペーンってたいてい新規客を呼び込むものじゃないですか?

たしかに新規獲得は大事ですけど、長いお客様ほど相対的に損をする(ように感じる)のはよくないと思うんですよ。

そのお客様にこれまで支えられているわけなので、やっぱりその方に還元したい。
新規向けの入口は豪華だけど既存ユーザーはほったらかしというのは、あらゆる業界で聞く話だ(事実はさておき)。DMM GAMESとしても新規向けのアプローチが増え過ぎた時期があり、いまは原点に立ち返ったとのこと。
ちなみに、そこで苦言を呈したのは、この場にいるキャンペーン担当の山田さんらしい。やるじゃん。

ユースケさんも仰るように、メダルが多くてルーレットを回すのがたいへんとか、特設サイトを読むのがたいへんとか、長い人ほどストレスを感じるのはたしかによくないです。……ちょっと言い訳させてもらっていいですか?

手短にお願いします。

そういうとこ、けっこう厳しいんですね。
特設サイトのユーザビリティ等に関してはユーザーからも声が届いている。内村さんも山田さんも状況は把握していて、可能な限り改修していくつもりだという。
とはいえ、DMM GAMESはもう12年目のサービス(DMM GAMESは2022年12月13日で11周年)だ。簡単な改修に見えて根深い部分だったりして、それなりのコストが発生してしまう。

せっかくのいい意見なのに「できません」だと悪いじゃないですか。僕らの都合なのに。参考にさせていただきつつ、せめてDMMポイントでお返しできないかなと。

変に手を付けてもっと大きなトラブルになったら困るもんなー。仮にDMM GAMESさんが個人情報を流出させたら社会的に死ぬ人いっぱいいますよ(会員数はおよそ3400万人)。趣味嗜好ってけっこうナイーブな問題だから。
実直に不器用なユーザー感謝祭
特典をたくさん用意したからと、特設サイトは足し算足し算で長くなっていった。結局、DMM GAMESは何を目指していくのだろう。

加湿器みたいな存在でいたいんですよ。

スピリチュアルな話ですか?

違います。
意識高い系みたいなことを言い出したと思ったら、そうではないそうだ。内村さんの中では“DMM GAMES=生活にうるおいを与えるもの”。
エンタメ全般は衣食住に関するものとは違い、極論を言えばなくても生きていけるものだけど、あったらうれしいもの。そういうものを提供していきたい。

めちゃくちゃ評判いいけど生半可な気持ちで始めにくいゲームってありますよね。ハードなゲームばかりだと息が詰まってしまう。なるべく(始めるまでの)ハードルを低くしたいんです。

それと、DMM GAMESユーザーは、ながらプレイというより、がっつり遊びたい志向が強いと思っています。そういう人は、好きなゲームがサービス終了したら燃え尽きてしまうかもしれない。

「サービス終了するかも」と不安があると、本気を出したくても出せないですよね。

もちろん我々も可能な限りサービスを継続していきます。とはいえ、どうしても終了せざるを得ない局面におけるリスクヘッジとして、課金して余った端数のポイントがあっても、ほかのゲームで使えます。だから、それなりのコストをかけてでも選択肢を提示したい。

押しつけがましいのもよくないから、「いろいろなゲームをお得に遊べますよ」と、特典を広げて待っている感じです。
内村さんは「これまではユーザーコミュニケーションを疎かにしていて、一方通行なキャンペーンばかりだった」と反省していた。ユーザーに歩み寄りたい一心で進めているのが、“既存ユーザーへの還元”である。

キャンペーンって、僕らからするとお客様への感謝祭なんですよ。押しつけがましいかもしれないですけど。
先ほど書いたように、大きなキャンペーン1回につき、単純計算で6000万円分ものDMMポイントを還元する見込みだ。どう考えても安いコストではない。
歩み寄りたいけど、どこか不器用。でもまあ、悪いことではないのだろうなと思う。

キャンペーンはだいたい春夏秋冬の4回だったんですけど、大小合わせて今年は8回やる予定です。

まだ増やすの!?
不器用にもほどがある。