※本記事は、2022年6月23日にアップした記事を再編集したものです。
64ビットのCPUを搭載したマシン“ロクヨン”
いまから27年前の1996年(平成8年)6月23日は、ニンテンドウ64が発売された日。
ニンテンドウ64は、任天堂から発売された据え置き型ゲーム機。スーパーファミコンの後継機として登場した文字通り“64ビット”CPUを搭載したマシンとなっている。ゲームファンのあいだでは“ロクヨン”の愛称で親しまれていた。当時はゲームのメディアとしてCD-ROMなどの光学ディスクが主流になりつつあったが本機では採用されず、ファミコン時代からユーザーに愛用されていたロムカセットが使われていたのもニンテンドウ64の特徴のひとつと言えるだろう。
同世代のライバルマシンたちよりも後発だったことも影響してか、高速な画像処理が可能で、こと3Dに関する演算処理においてはとくに優れていたのが大きなポイント。性能を十二分に活かしたローンチタイトルの『スーパーマリオ64』は、革命的な3Dアクションゲームとしてゲーム史にも名を残している。
また、コントローラーには、グリップが三叉になったユニークな形状の中央部分に“3D(サンディ)スティック”と呼ばれるアナログスティックが配置されていたのも特徴。
グリップの握り場所によってライトポジション、レフトポジション、ファミコンポジションという呼び名があって当時の筆者は風変わりなハードだなぁと思っていたのだが、時が流れてNintendo Switchの時代になってもJoy-Conでさまざまな持ちかたがあることを考えると、ニンテンドウ64のころから通じるものもあるんだなぁとけっこう感慨深い。
コントローラーの振動機能も本機の時代から一斉に各ハードで採用されるようになったので、ちょうどゲームの転換期にあったハードと言っていいだろう。
ついでに言うと、本体フロント部分にはフタがあり、開けると“メモリー拡張パック”(当初はハイレゾパックと呼ばれていた)が接続できたのもユニークなポイント。無論、本体のメモリ容量を36Mbit拡張可能な代物で、『ドンキーコング64』などの一部のゲームの起動には必須のアイテムだった。
フタを開けると“はがさないでください”と書かれたシールが貼ってあるため、筆者などは封印を破っていいものかいい年してけっこうドキドキしたものだったが、『ドンキーコング64』のCMで小学生のキッズたちが「大丈夫だって!」と平然と剥がしていて衝撃を受けた思い出がある(笑)。
ニンテンドウ64では、名作ソフトも多数生み出されていて前述の『スーパーマリオ64』のほか、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』及び『ムジュラの仮面』、『どうぶつの森』、『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』、『マリオストーリー』と枚挙にいとまがない。
2021年4月に発売された『New ポケモンスナップ』も本機発の『ポケモンスナップ』がベースになっているし、FPSになじみがない時代に『ゴールデンアイ 007』を流行させたのもすごい。本体に4つ分のコントローラーを接続する端子があり、マルチプレイを重視していたのも本機ならではのスタイルかもしれない。『マリオカート64』や『マリオゴルフ64』、『マリオテニス64』など、みんなでワイワイ楽しめるゲームを遊び倒したゲームファンも多かったのではないだろうか。