2023年6月13日、iOS/Android向けの『ドラゴンクエスト』シリーズ最新作となる『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』(以下、『DQチャンピオンズ』)がサービス開始を迎えた。
本作は『DQ』らしいコマンド選択式RPGを中心に据えながら、最大50パーティによる乱戦バトルが楽しめる作品。いわゆるバトルロワイヤル的な遊びをどのようにコマンドバトルに落とし込むのかという部分で、筆者も注目していた。
そんなわけで、βテスト体験会もプレイ済みの筆者が、正式サービス版のプレイインプレッションをお届けする。
まずは基本システムについて。開始からしばらくの流れは、これまで『DQ』シリーズのゲームをプレイしたことがある人からすれば、おなじみのもの。冒険をガイドしてくれるホミットの誘導に乗っかり、ひとりで遊びながら基本システムを習得できる。
このチュートリアルではコマンドバトルのやりかた、装備品の入手方法や強化のしかたから始まって、乱戦バトルのやりかたまでを教えてくれるので、プレイに困ることはないはず。本作のキモである乱戦バトルを(弱めな)CPUキャラクターたちと遊ばせてくれるので、いきなり強力なほかの冒険者と戦ってヘコまされることがない。このあたりは、“初心者だいじに”的な配慮を感じた。
もっと言えば、本作はほかのプレイヤーとの乱戦バトルを楽しむ“大会”に出場しなくても遊べる。コツコツとクエストをクリアーしていきながら、ひとりプレイだけしていてもいい作りなのだ。
もちろん、ゲーム的には大会をプレイしたほうがさまざまな報酬をもらえてお得だし、さすがに本作を遊ぶ人は「対戦したい!」と思っている人が大半のはずだが、対戦しなくても遊べる仕様にしておくところは『DQ』らしいやさしさのような気がする。
さて、件の大会だが、“レベルが高いほうが強いに決まっている”、“たくさん課金して装備を整えたら強いに決まっている”的なイメージを持たれるかもしれない。もちろんそういう側面がないとは言わないが、必ずしもそうだとは言い切れない。
なぜなら、戦略や技術で不利を覆すこともできるだからだ。たとえばライバルが初動でしくじったりした場合、こちらの装備品がライバルに比べてやや弱いくらいなら、勝ちを拾えることも現実的にあり得る。
なぜそれが可能なのかと言えば、 大きくは“成長玉”と“せかいじゅのきのみ”というシステムのおかげだ。
まずは成長玉から説明していこう。成長玉は2種類あり、赤い“こうげき玉”を取ればこうげき力が、青い“しゅび玉”を取ればしゅび力が上がる。これはフィールドに落ちているほか、ライバルのパーティを倒したり、生息しているモンスターを倒したりすることでも獲得可能。上限はあるが、その大会中に限り、取れば取るほどにパーティの能力がみるみる上昇する。
“せかいじゅのきのみ”は、“きのみのせいれい”を倒すと入手できるアイテムで、取ると成長玉と同じようにHPとMPの上限が上昇していく。
また、乱戦バトルが最大3パーティで行われるという点も、実力差を埋める要因となり得る。なぜなら、同じくらいの強さのパーティはいったん無視して、明らかに強そうなパーティをふた組で集中攻撃するという作戦が取れるからだ(相手が同じことを考えてくれれば、だが)。
さらに、フィールドにいるときにライバルの背後からぶつかるか、攻撃を当てることで “ふいうち”ができる点もバトルをスリリングにしている。ふいうちが成功すれば、バトル突入後に相手より先に行動できる。実力差がわずかなら、この先制攻撃が勝敗を分けることも十分にあり得るのだ。
前述のようなシステムがあるため、先にも言った通り初動でしくじると、それなりに強力な装備品を持っていてもパーティの能力を向上させられず、ボコボコにされるという危険性がある。もちろん、テクニックのある人が強力な装備品に身を包んでいるとどうしようもないこともあるが、それはもう現実として受け止めるしかない。
ただ、装備や強化玉によるパーティの能力向上だけでなく、しびれそうや落とし穴といったフィールド上のアイテムを活かせばワンチャン狙えることも……!?
さて、話題に上がった装備品だが、本作では基本的に“ふくびき”(いわゆるガチャ)でゲットすることになる。最上級の装備品のランクは★5になっているが、その提供割合は7%。ほかの『DQ』シリーズのゲームアプリからすると、かなり甘めでありがたい。これはきっと対戦がメインになるという前提から甘めの設計にしたのだと思われる。
そして、いまはサービスが始まったばかりということもあり、ふくびきに必要なジェムがガンガン手に入るお祭りモード中。少しプレイしただけで、50~60連ふくびきは楽しめるはずだ。
気が利いていると感じたのは、ゲームをある程度まで進めると、何度でも引き直せる★5限定のふくびきチケットがもらえるということ。本作では好きなタイミングで転職することが可能なのだが、ひとまずこのふくびきを引く前にパーティ編成を決めてしまえば、その職業に必要な★5武器が手に入るというわけだ。
ちなみに筆者は、βテスト体験会ではふくびきの内容が育てている職業に合わず悶々としていたので、このサービスは非常にありがたいと思った。たぶん、同じことを思っている人はけっこういるだろう。
ふくびき運が気になる人でも、地道にクエストを進めてモンスターを倒していれば、装備品のエンブレムをゲットできるはず。エンブレムはモンスターごとに底上げできる能力が異なるが、自分の職業にマッチしたエンブレムを地道に集め、錬金でグレードを上げることで、ふくびき運をフォローできるくらいの能力上昇が見込める……かも?
レベルの概念があることも含め、さまざまな手段でパーティを強化する手段が用意されているのは、“RPG”と名乗っているだけのことはある。もちろん課金すれば手っ取り早く強くなれるのだが、これだけ配慮のある作品なら、無理せずコツコツ遊び、ジワジワ強くなっていくというスタイルでも十分楽しめそうだ。“継続はチカラなり”というやつですよ!(効果には個人差があります)
というわけで、筆者が本作から感じたフィーリングを徒然に書いてきたわけだが、もうひとつ『DQ』シリーズならではのお楽しみが用意されている。それは……必然的にコラボ作品が豪華になるということ。2023年6月19日からさっそく『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』とのコラボが開催される。シリーズファンはぜひチェックを!