プレイステーションの定額サービスであるPlayStation Plusプレミアムの新機能として、プレイステーション5のゲームのクラウドストリーミング(※)対応がテスト段階に入っていることがわかった。提供時期等は未定。

 クラウドストリーミングは、ゲームプログラムをダウンロードしなくてもネットワーク越しにゲームをプレイできる機能。従来の対応タイトルはPS4以前のものに限られていたが、現行世代のPS5が新たに追加される形となる。

 なおローンチ段階ではPS5タイトルのストリーミングを利用できるのはPS5本体からのみとなり、PS Plusのゲームカタログとトライアルの対象ゲームに加え、ユーザーがデジタル版ライブラリーに所有しているPS5タイトルもプレイできるという。

1周年を迎えた新PS Plusのパフォーマンスは「非常に満足」

 これは、PS Plusのリニューアル1周年を記念して行われたソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のヴァイスプレジデントであるニック・マグワイア氏への取材の中で明かされた。

 同氏は2018年に入社し、定額サービスを担当してきた人物だ。PS Plusでは2022年6月2日(日本)にサービスをリニューアルし、従来版の“エッセンシャル”に定額で遊べるゲームカタログなどがついてくる“エクストラ”と“プレミアム”を加えた3プランに拡張している。

 マグワイア氏に“1年目”の成績について聞いてみたところ、「ローンチからのパフォーマンスには大変満足しています」とのコメント。サービス内のエンゲージメント率(反応・行動を示す指標)も高く、ファンからのフィードバックもポジティブなものを得られているという。

 人気のタイトルとしては、全体のベストで『Ghost of Tsushima』、またリリースと同時にカタログ入りした『Stray』も人気だったとか。世界全体でのプレイ時間トップ10には『Ghost of Tsushima』に加え、傘下スタジオのPlayStation Studiosから『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』、『Horizon Fobbiden West』、『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』と合計4本がランクインしているそう。

 一方意外な発見として、発売から1~2年が経過したようなタイトルでもかなりしっかり遊ばれていたことに言及。自社タイトルとサードパーティー製タイトルを織り交ぜつつ、幅広いジャンルのハイクオリティで多様なタイトルをこれからも提供していきたいとの意向を語ってくれた。

 ちなみにPS5タイトルのクラウドストリーミングがPCやモバイルから利用可能になるのか聞いてみたが、残念ながらこちらは現時点ではノーコメントとのことだった。

映像でもゲームでもカギは「利用者が次にプレイするものを見つけられるか」

 ところで、ゲームの定額制サービスはかつて「Netflix of Gaming」(定額制映像ストリーミングサービスNetflixのゲーム版)と称されていたが、実はマグワイア氏はテレビ・映像業界出身で定額制映像サービス(NOW)に関わった経験があり、まさにNetflixが映像業界に与えた変化を目の当たりにしてきた人物だ。

 そこで同氏ならではの経験から定額制サービスで重要と考えることは何か聞いてみたところ、結局のところ映像でもゲームでも「人々を惹きつける適切なコンテンツを見つける」というシンプルな部分に着地すると考えているそう。

 いわく、プラットフォーム側で幅広いラインナップを用意しておくことで、2本目・3本目と体験したいコンテンツを発見できるかどうかが、利用者がサービスに価値を感じられるか、ひいては長期的な利用に直結してくるものであり、そこに業界の違いはあまりないと捉えているらしい。

6月20日からのカタログラインナップも公開。1周年を記念した各種施策も

 一方、エクストラとプレミアムでプレイできるゲームカタログに6月20日から追加されるタイトルラインナップも公開された。PS Plusではこのタイミングに合わせて1周年を記念した各種施策が行われるようだ。

  • ファークライ6(PS5/PS4)
  • ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐(PS5/PS4)
  • ローグ・レガシー2(PS5/PS4)
  • Inscryption(PS5/PS4)
  • デウスエクス マンカインド・ディバイデッド(PS4)

[2023年6月15日1時05分修正]
ゲームカタログのラインアップについて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント提供の日本での配信予定に合わせて記載をアップデートしました。