2022年に発表された基本プレイ無料のモバイル新作『ディビジョン リサージェンス』。ウイルスの蔓延により崩壊したニューヨークを守るエージェントとして活動する『ディビジョン』シリーズの最新作だ。

 本作の配信に先駆けて実施されたメディア向けのハンズオンデモ(体験会)の模様をお届け。開発者への囲み取材も行われたので、そちらの内容も併せて掲載する。

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!
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これまでの『ディビジョン』と変わらぬゲーム体験が可能

 じつは筆者は『ディビジョン リサージェンス』が発表されてから、少しばかり不安を抱いていた。

 過去の『ディビジョン』シリーズでは、リアルなグラフィックで描写されたニューヨークの街を自由に探索でき、敵との戦闘では手に汗握る硬派なカバーアクションが楽しめた。そのゲーム体験が、スマートフォンでは損なわれるのではないかと思っていたからだ。

 結論から述べると、それはまったくの杞憂で、本作でも『ディビジョン』というタイトルにふさわしいゲーム体験が楽しめた。

 今回のハンズオンでは、序盤のゲームプレイを体験できたのだが、ゲームの挙動は快適そのもの。美麗なグラフィックで表現されたオープンワールドのニューヨークを駆け回り、治安を乱す敵対勢力と激しく撃ち合う。プレイを開始してすぐに、過去の『ディビジョン』でのエージェント活動の思い出がよみがえってきた。

『ディビジョン リサージェンス』最新ゲームプレイ映像

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!
1回のタッチで近くの遮蔽に身を隠す、乗り越えるといった動作が可能。

 クルマや壁などの遮蔽を使うカバーアクションや、それぞれユニークなスペシャリゼーション(クラスのようなもの)のスキルを活用する戦闘の楽しさは過去の『ディビジョン』そのまま。なおかつ、それらのアクションがスマートフォンで違和感なく快適に操作できるようになっている。

 ほかにも、レアなアイテムを入手できるPvPvEエリア“ダークゾーン”や、エージェントどうしで戦える“コンフリクト・ドミネーション”などの要素も健在だ。

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!

 また、本作からの新要素も数多く盛り込まれており、なかでもスペシャリゼーションには“Field Medic”が登場。マルチプレイでの回復役をこなせるスペシャリゼーションで、毒による範囲攻撃も得意とする。

 筆者は今回のデモではこのField Medicでプレイしたが、毒の範囲攻撃で敵の体力がみるみる削れていく様は爽快で、ひとりでも楽しくプレイを進めることができた。

 全部で5種のスペシャリゼーションが登場し、敵を自動で追尾する爆弾などを使える“Demolitionist”や、カバーに活用可能な盾を展開できる“Vanguard”、ドローンに戦闘を支援させる“Tech Operator”など、おなじみの能力を持ったスペシャリゼーションも確認できた。

 モバイル向けの運営タイトルということもあり、デイリークエストや、ウィークリークエストも用意されていた。“マークスマンライフルで15キル”、“5つの武器を集める”といったクエストを達成すると、キャラクターの経験値が獲得できる仕組み。

 装備集めなどを目的にストーリークリアー後も継続してプレイすることになる『ディビジョン』の新たなスパイスになりそうだ。

 ハンズオン中に行われた発表では、リリース時期も今秋予定と明かされた。スマートフォンという舞台で展開される新たなエージェント活動がいまから楽しみだ。

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!

『ディビジョン リサージェンス』はリリース後も進化を続ける

 先行プレイ終了後は、Ubisoft Mobile APACのビジネスデベロップメント・パブリッシングディレクターのオザン・コチョール氏と、同じくUbisoft Mobile APACのパブリッシングプロダクションディレクターのシム・カンハン氏への囲み取材が行われた。

 過去シリーズとのストーリーのつながりや、課金形態などの話題も上がったので、ぜひ最後までチェックしてほしい。

――モバイル版の開発に着手した経緯をお聞かせください。

オザン ずっと作りたいと考えていたのですが、過去の『ディビジョン』では最先端技術を駆使して開発していたこともあり、技術的に難しかったんです。しかし、最近ではPCとも比べられるくらいモバイル端末が進化しているので、問題なく開発できると判断しました。「やっと作れる」という感じですね。

 それから、ユーザー層の拡大も大きな目標になっています。PC、家庭用機を持っていない方にも『ディビジョン』をプレイしていただきたいという思いがありました。

――スマートフォンで美しいグラフィックを描画するうえでの工夫されたことなどがあれば教えてください。

オザン 『ディビジョン リサージェンス』は最大で60fpsで遊べるようになっていて、fpsを落とせばスペックがあまり高くない端末でも問題なく遊ぶことができます。それが実現したのはやはり開発陣の腕かなと(笑)。言えないことが多いのですが、Unreal Engineのいいところを活かしながら、できるだけいい体験をお届けできるように開発を進めました。

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!

――ストーリーの時系列について教えてください。

オザン 『1』と『2』のあいだのストーリーです。世界観やエージェントの目的は同じで、過去作とつながっている部分もありますが、完全に新しいストーリーを用意しています。

――スペシャリゼーションの解除の流れについて教えてください。

シム リリース時に実装される5種のスペシャリゼーションは、ゲームをプレイしていけばこれまでの『ディビジョン』と同じ流れで解除することができます。

オザン スペシャリゼーションはそれぞれ能力が違うので、なかには扱うのが簡単ではないものもあります。そのため、プレイヤーの成長に合わせて、ゲームプレイの流れの中で解除していく仕組みになっています。

――今回のデモではハンドガンが確認できなかったのですが、ゲーム中に登場するのでしょうか?

シム スペシャリゼーションの“Bulwark”では盾を構えながらハンドガンで戦うパワフルなプレイが楽しめるようになっています。

――基本プレイ無料となっていますが、課金形態について詳しくお聞かせください。

オザン いわゆるPay to Winになるようなものはありません。課金要素はコスメティックなどの要素がメインになっていますし、基本的にそうしたアイテムは無課金でも入手することができます。

――日本語への対応はどうなるのでしょうか?

オザン 今回プレイしていただいたビルドは英語バージョンでしたが、日本語の字幕に対応します。

――ストーリーをクリアーしたあとはどのような遊びが用意されているのでしょうか?

シム PvPvEエリアのダークゾーンなどでは、ほかのプレイヤーと協力したり、ときには敵対したりして楽しんでいただけると思います。

オザン リリース後もアップデートでコンテンツの追加を予定しているのでご期待ください。

『ディビジョン リサージェンス』先行プレイレビュー。エージェント活動はスマホでもまったく違和感なし。リリースは今秋に決定!

――シーズン制について詳しくお聞かせください。

オザン 4ヵ月ごとにシーズンが切り換わり、ストーリーを始め、さまざまなコンテンツを追加予定です。もちろん、アップデートはシーズンのあいだにも行う予定です。

――ミッションのボリュームは過去作に比べてどうなっているのでしょうか?

シム モバイルでのプレイがメインになるので、気軽に遊べるように全体的にミッションはコンパクトになっていますが、十分なクオリティーでプレイしていただけると思います。

オザン もちろん、ボリュームのあるミッションも用意していますが、ミッションの内容は事前に確認できるので、「これは時間がかかりそう」といった感じでそれぞれボリュームがわかるようになっています。