エディアから2023年6月8日にNintendo Switchにて発売予定の『テレネット シューティング コレクション』。メガドライブとPCエンジンのシューティングゲーム4作が現行ハードで楽しめるということで、ひと足早く触った感触をお届けしよう。
収録作品一覧
- グラナダ(1990年11月・メガドライブ)
- アヴェンジャー(1990年・PCエンジン)
- ガイアレス(1990年・メガドライブ)
- サイキックストーム(1992年・PCエンジン)
ちなみに筆者は1990年代初頭はゲームセンターに入り浸りのアーケードゲーマーだったため、これらの作品は当時あまり遊んでいない。一応『グラナダ』はX68000版をクリアーまでプレイしたものの、メガドライブ版は友だちに借りて少し触った程度。
というわけで本稿では、ほぼ“思い出補正抜き”でレビューしていくことにする。
『テレネット シューティング コレクション』特装版 3Dクリスタルセット (エビテン限定特典付)をebten(エビテン)で購入 『テレネット シューティング コレクション』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)当時の説明書や当時のPVまで収録! そのこだわりっぷりにプレイ前からワクワク
クラシックゲームは筆者の大好物だが、それゆえに舌も肥えている。4作品が収録されているとはいえ、単に当時のゲームを詰め合わせただけで7480円[税込]では納得しないかもしれない。
もしかしたら辛辣なレビュー記事を書いてしまうかも……と若干ドキドキしながらゲームを起動。不安はすぐに消し飛んだ。まず、各作品ごとに設定されている以下の項目だ。
- マニュアル
- サウンドモード
- ビジュアルモード
まず目を引いたのはマニュアル。ゲームの解説がテキストで綴られているのではなく、当時(30数年前)の取扱説明書がほぼそのまま読めるのだ。しかも雑なスキャン画像ではなく美麗なデータで、カートリッジや外箱の画像まである。
本作を購入した方は、すぐに遊びたい気持ちを抑えて説明書に目を通してほしい。ストーリーや登場キャラクターの設定がイラストつきで細かく書かれているのに目が釘付けになるはずだ。ゲームを遊ぶ前に読む説明書って、どうして人をワクワクさせてくれるのだろう。
サウンドモードでは各作品のBGM、ビジュアルではオープニングやエンディングなどを鑑賞できた。テレネット作品はBGMや演出に力が入っているものが多いので、手っ取り早く堪能できるのはありがたい。しかも、『アヴェンジャー』と『サイキックストーム』に関しては当時のPVがそのまま鑑賞できることに驚き!
もちろん当時はYouTubeなどない時代なのだから、店頭などで流れていたものと思われる。説明書を読んだときと同様、PVを観ていると筆者の中のワクワク感が高まってくる。いまの筆者の心は1990年代の高校生だ。
そのほかには、キーコンフィグの設定もできた(※)。収録されている作品はすべてボタン押しっぱなしで攻撃可能なため、連射ボタンなどの設定はナシ。携帯モードやプロコンなどでプレイする際、Rボタンに“サイキックストームに変身”などを割り当てると咄嗟に押しやすい。
※『グラナダ』のみキーコンフィグはなく、ゲーム内のオプションでキーアサインを行う。
サイキックストーム
ひと通りの機能はチェックしたので、ようやくゲームをプレイすることに。本来なら年代の古い順に『グラナダ』から始めるところだが、機種は違えども4作品で唯一やり込んだ作品なので、もっとも年代が新しい『サイキックストーム』から始めてみる。
本作は縦画面シューティングで自機が大きめ。敵弾は(少なくとも序盤は)激しくなく、ライフ制のシステムのおかげで知識なしでもユルく遊べる印象だ。任意のタイミング、またはピンチのときは究極の変形攻撃“サイキックストーム現象”を駆使して強力な攻撃をくり出せるようになるのだが、コレがなかなか爽快。ボス戦はもちろん、道中もガンガン使いまくってしまった。
とはいえ、サイキックストーム現象の発動中は無敵というわけではないうえ図体がデカい。ある程度ダメージを受けると解除されてしまうが、使いどころを考えるのもまた楽しい。
あと、自機が4種類から選べるのだが、メイン武器の射程がめちゃめちゃ短く威力が高い、思わず「何だこりゃ!」と言いたくなる機体もいたりする。こういうの嫌いじゃない。ロマン溢れすぎ。
ガイアレス
つぎにプレイしたのは横スクロールシューティングの『ガイアレス』。横シューらしく攻撃方法に趣向を凝らしてあり、学習ユニット“WOZ”を敵にドッキングさせることで武器チェンジやパワーアップなどが行える。「どの敵にWOZをぶつけようかな」と考えながらプレイするのがおもしろい。
難度では、『サイキックストーム』より『ガイアレス』のほうが難しく感じたが、WOZの使いかた次第では楽にプレイできるかもしれない。それにしても、パッケージ絵のお姉さんはいつ登場するのだろう?
アヴェンジャー
こちらは『サイキックストーム』と同じくPCエンジンでリリースされた縦スクロールシューティングだが、プレイ感覚はまるっきり異なる。自機はヘリコプターで、左右にちょっとだけ自機を傾けて斜め方向に攻撃できることが特徴。
一般的な横画面の縦スクロールシューティング作品は画面が窮屈に感じがちだが、左右に大きく動きまくる本作に関しては画面の比率がちょうどいい。ボスの弾幕を大きくかわして死角から斜めに撃ち込むのがクセになる。
ただ、難度はけっこう高い。筆者もほぼ初見とはいえ腕にそこそこ自信があるほうだったが速い敵弾をかわしきれないシーンが序盤から頻発した。でも大丈夫。『テレネット シューティング コレクション』には巻き戻し機能があり、うっかりミスしても何事もなかったように直前からやり直せる。しかも何度でも。
高校生の当時だったら血反吐を吐きながら修行僧のようにプレイしたかもしれないが、本作なら「あっミスっちゃった……いまのナシナシ!」と、とことんユル~く楽しめる。セーブも最大4ヵ所まで可能だし、ちょっとした空き時間に少しずつ進めてエンディングを目指すのもいいだろう。
グラナダ
最後にプレイする『グラナダ』は、戦車を自由に操作し攻略ルートもプレイヤー次第な全方位スクロールシューティングのため、ほかの3タイトルとはゲームの方向性が大きく異なる。
冒頭で述べたように、筆者は当時X68000版をクリアーまでプレイしたため、完全に“思い出補正抜き”というわけにはいかないが、プレイで感じたことを綴っていこう。
まずはBGM。テンポが心地よく、「やってやるぞ」という気持ちを高めてくれる。ちなみに楽曲は『スターオーシャン』シリーズや『テイルズ オブ』シリーズでおなじみの桜庭 統氏も携わっている。
そしてゲーム内容だが、レーダーでステージ上のクリアポイント(※)をどのような順序で回っていくかを考えながら攻略するのが楽しい。敵弾は“見て避ける”というより“地形を盾代わりにして防ぐ”のが基本。この泥臭さ、いかにも戦車ゲーらしい。
※拠点のようなもの。全部破壊するとボス戦になる。
SF作品なので各ステージのボスは巨大なメカが登場するのだが、いちいちカッコいい。それを撃破する自分もまた、ゲームがうまくなったと錯覚させてくれる。ステージ上で拾い集める装備も派手で強力なものが多く、プレイしていてひたすら気持ちいい。
正直、当時は本作を十分に楽しめるのはX68000だけのもので、メガドライブに移植できるとは思っていなかった(というかX68000のときも相当な無茶をしていた作品だと思う)。今回プレイして思ったのは、この『グラナダ』の楽しさを損なわずにしっかり移植されていたこと。改めてメガドライブはすごいハードだと思う(※)。
※誓って言うが、筆者は熱烈なセガ信者というわけではない。
つい『グラナダ』ばかりスクリーンショットを多く撮ってしまった。正直、筆者は『グラナダ』のためだけに本作を買っても十分満足できるが、他3作品もそれぞれ方向性が違っているため、自分に合った作品は必ず1~2本は見つかると思う。
途中セーブや巻き戻しなどの機能も充実していてライトに楽しむこともできるので、当時を知らない人も気軽に手に取ってほしい。あと最後にもうひと言。
『グラナダ』は神ゲー。
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