gumiの開発スタジオであるStudio FgGよりリリース予定の、スマートフォン向け新作シミュレーションRPG『アスタータタリクス』。その概要を紹介するスペシャル生放送が、2023年5月18日に行われた。
本放送には、ゲーム好きとしても有名な俳優の山田孝之さんがゲスト出演し、話題に。開発陣より基本的な操作方法を教わりながらの実機プレイや、各キャラクターに似合いそうなパンツを予想するコーナーなどが実施され、大盛り上がりとなった。
その模様は、YouTubeにアップされているアーカイブで確認できるので、気になる方はチェックしてみてほしい。
【山田孝之出演!!】「アスタータタリクス」スペシャル生放送
こちらの記事では、放送終了後に行われた、山田孝之さんとプロデューサーの今泉潤氏、アートディレクターの木村将人氏による対談企画の内容をお届けしよう。
※生放送および対談企画では、アンバサダー芸人部門のチーモンチョーチュウ菊地さんがMCを担当。
山田孝之(やまだ たかゆき)
俳優。
今泉 潤(いまいずみ じゅん)
『アスタータタリクス』プロデューサー。
木村将人(きむら まさと)
『アスタータタリクス』アートディレクター。
友人宅にて3日連続でゲームにドハマり
木村生放送、お疲れさまでした。
山田実機プレイでは、いい結果を出せずにスミマセンでした(※1)。
※1:開発陣からアドバイスを受けつつ高難度のクエストに挑戦。勝ち確定といえる状況まで戦闘を進めるものの、そこからまさかの2連敗を喫してしまった。
木村あれはあれでいい配信になりました。「どんなに“勝ち確定”に見えても、最後までどういう結果になるかはわからない」ということが、視聴者の皆さんにも伝わったと思います。
木村ゲームそのものについて幅広くお聞きしていきたいのですが、山田さんは好きになるゲームに共通点はありますか?
山田いろいろと幅広く遊んでいますが、世代的には対戦格闘ゲームにドハマりした世代です。
小学生のときにスーパーファミコンが発売されて、『ストリートファイターII』はめちゃくちゃやり込みました。RPGでは『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』シリーズが好きですが、『アスタータタリクス』のように、物語を進めていく中で“究極の選択”を迫られるゲームには、とくに惹かれますね。
なので今回、作品の概要をうかがったときの率直な感想は「出たよ! こういうのを持っていたんだ」でした。リリースされたら、きっとやり込んじゃいますね。
木村ただ楽しかったり、ハッピーな物語が展開するものより、ある意味トラウマになるほどの高難度なゲームのほうが思い出に残るんじゃないか? そういうゲーム体験をしていただきたい……ということで、本作の開発に取り組んでいます。
――いつもゲームは何時間くらいされますか?
山田日によってまちまちなので一概にはいえませんが、最長だと、友だちの家で3日間やり続けたことがあります。
――帰らずにずっと遊び続けていたと?
山田何人かで遊んでいて深い時間になるとみんな寝るじゃないですか。で、朝になったら友だちは仕事に行かなきゃいけないので、それを見送って。
そのあいだもずっとゲームをして、帰ってきたらまた続きをやる。それを3日やったことがあります。
木村理解のある友だちだからこそ実現できた遊びかたですね。ちなみにRPGをプレイする際はクリアーするまでやる派ですか?
山田それが、最後のほうまで行くと「もういいや」となってしまうことが多くて。
僕はやり込み派なので全員にすべての魔法を覚えさせるんですけど、そうなると個性がなくなってしまい、どのキャラクターも同じ行動をくり返すだけになるので、楽しくなくなるんですよ。
――やり込むことによって生じるジレンマですね。
山田あと性格的に、アイテムをひとつたりとも取り逃したくなくて。
やるからには完璧に揃えたいんですけど、最近のゲームだとコンテンツが膨大なのでそれが難しくて……。さすがに折り合いはつけていますけど、そこも最後まで持続できない理由のひとつですね。
木村『アスタータタリクス』はゲーム内にさまざまな選択があり、つぎつぎに「選ばなかったもうひとつの未来」が発生しますが、そういったプレイスタイルだと、両方見ないと気が済まないのでは?
山田そうですねぇ。ただ、あまりにも時間がかかるようなら、選ばなかったほうのルートはゲーム実況を見て補完しようかと。
ゲームから芝居のインスピレーションを受けることも
木村『アスタタ』では物語を進めるうえで、家族や友人、恋人など、いずれかのキャラクターを犠牲にしないといけない状況が出てきますが、山田さんの場合、どのような選択をされますか?
山田そこまでのゲームプレイを通して築いてきたキャラクターたちとの関係性によりますね。妹を犠牲にしたくないけど、家族だからこそ犠牲を強いることになったり……。極力、つらくなる選択はやめてほしいですね。
木村つらい選択をしたからこそ、得られるカタルシスもあるのではないかと。
山田ちなみに、誰を選ぶかでストーリーも違ってくるんですか?
今泉選択次第でプレイヤーと他のキャラクターの関係性は変わるので、敵対する勢力も変化します。こちらのルートでは味方になるキャラが、別のルートでは敵になったりするので、慎重に選んでいただければ。
――視聴者の皆さんからは「山田さんのゲーム実況を見てみたい」という声も届いています。
山田いままでやったことがないんですけど、さっきの実機プレイもある意味ゲーム実況ということになるのかな? ただただ騒いでいただけですが、やってみると楽しかったですね。確かに、視聴者の方とやり取りをしながらゲームができるのはおもしろいなと感じました。
今泉続いて、ゲームをプレイする際の姿勢についてもお聞きしたいと思います。シンプルに一ユーザーとしてゲームを楽しまれているのか? それとも俳優の目線から、何かを吸収しよう……という考えでプレイされているのか? ご意見をお聞きしたいです。
山田そこまでガッツリではないですけど、「何か吸収できるものがあれば」という考えはあります。ゲームをするときだけでなく、マンガを読んだり、音楽のライブに行くときも、「何かピンと引っかかるものがあればいいな」とはつねに思っていますね。
今泉ゲームの場合、感銘を受けるのはどういった場面になりますか?
山田キャラクターの作り込みや会話におけるセリフの返しかた、こういう曲をこのタイミングで入れるんだ……という演出などいろいろですね。
――ゲームのキャラクターからお芝居のインスピレーションを受けることもあるんですね。
山田たとえばプライベートで仲のいい友だちや知り合いの中にも、しゃべりかたに特徴のある人っているじゃないですか。
いただいた役柄に対して「この役、あの人に似ているな」と思ったら、その人の癖とかを取り入れたりしているんです。同じ要領でゲームのキャラクターを参考にすることもちらほらあります。
絶対にクリアーできない超高難度ゲームを作ってみたい
今泉話題は変わりますが、今回はパンツ企画(※2)にもお付き合いいただきましてありがとうございました。
※2:『アスタタ』のキャラクターたちがどんなパンツを履いているか妄想。用意された複数のパンツの中から、各キャラにぴったりな1着を決めていく……という企画で、選ばれたパンツは、山田孝之さんのサイン入りでTwitterキャンペーン投稿者にプレゼントされることに。
山田盛り上がったのは、大量のパンツを提供してくれたグンゼさんのおかげですね。思ったより多くてびっくりしました。よくこんなに出してくれましたね。途中から、パンツの通販番組かな……という気持ちになっていました。
――こちらにサインしていただいたものを、Twitterキャンペーンの特典として、視聴者の皆さんにプレゼントさせていただきます。
山田届いたら履かずに飾ってくれますかね?
今泉「山田孝之のサインだ」といって、銭湯などで見せびらかしたりするかもしれないですね。
山田ぜんぜん履いてもらって大丈夫ですけど、洗濯機を使うとサインが消えてしまうので、手でやさしくもみ洗いをしてください(笑)。
――山田さんからゲーマー目線で開発陣に向けて何か質問はありますか?
山田ガンガン戦って強くなっていくゲームが好きなので、どれくらいの頻度で戦闘が発生するのかが気になります。
今泉コンシューマーゲームのような作りですが、あくまでもスマホゲームですので、どんどん戦ってレベルを上げることができます。
そのうえで“学園モノ”というコンセプトも重視しているので、仲間といっしょに過ごすことで絆を深めたりもできます。1日の過ごしかたに応じてゲームの進路や内容が変わる要素も取り入れているので、ひたすら戦闘をこなして経験値を貯める……という過ごしかたも可能です。
基本的にはソロプレイで楽しめますが、ゆくゆくは闘技場やギルドといった、ユーザー同士で遊んでいただける機能も導入していく予定です。
――ちなみに、もし山田さんがゲームを作るとしたら、「こんな内容にしたい」といったアイデアなどあったりしますか?
山田10年くらい前から「いつかそういう機会があれば……」と秘かに考えていたんですけど、絶対にクリアーできないような超高難度のゲームを作ってみたいですね。
「これは無理ゲーだ」とさんざん批評されるんですけど、いつかそれをクリアーするスゴ腕のプレイヤーが現れて……。そのさまを実際に目にすることができたら、もう思い残すことはありません(笑)。
今泉僕もシミュレーションRPGはめちゃくちゃ難しいほうがおもしろいと思っていて。以前、別のゲームで「絶対に無理」といわれるような高難度のステージを作ったんですけど、実際に世に出したら、それを越える人が出てきてくれるんですよ。
そうやって作り上げたものに、ちゃんとユーザーさんが応えてくれることが、ゲームを開発していて何よりもうれしいところですね。
山田僕たちも日々、人生をハードコアでプレイし続けていますからね。なんだかんだでみんな、高難度のゲームが大好きなんですよ。