XD Entertainmentが開発中のスマホ、PC向けタクティクスRPG『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』。本作は、戦乱に陥った古国イリアにある町“鈴蘭”で活躍する傭兵団“鈴蘭の剣”の物語を描いた作品だ。そんな本作には、名作タクティカルRPG『タクティクスオウガ』『ファイナルファンタジータクティクス』などの楽曲を手掛けた崎元仁氏が音楽プロデューサーとして参加している。

 今回、『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』の開発途中のバージョンを先行独占でいち早くプレイできることができたので、プレイレビューを交えながら、同作の魅力を紹介していこう。なお、本作は開発中のタイトルであるため、リリース版とは一部仕様が異なる可能性があることをご留意いただきたい。

※この記事は『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』の提供でお送りします。

『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』公式サイト

懐かしさと新しさが両立したアートスタイル

 プレイしてみてまず印象的だったのは、本作のアートスタイル。古きよき2Dドット絵が採用されながら、3DCGの技術も融合。温かみがありつつ、最先端のライティングなどを通じて豪華なグラフィックに仕上がっている。このアートスタイルになっていることで、往年のRPGのような趣きが感じられつつも、3D技術による美麗さや立体感も融合。ノスタルジックさを存分に味わえるアートになっていると感じた。

 また、街や建物内はどこか親しんだグラフィックだが、光のあたりかたや影の陰影がクッキリと鮮明に表現されていることで、リアルさも体感できるものになっている。

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楽園
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監房
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酒場(昼)
酒場(夜)

 そして、キャラクターの立ち絵も『鈴蘭の剣』ならではの趣を保ちつつ、繊細なところまで綺麗に描かれている。多数の美しい立ち絵の数々の中から、プレイヤーにはきっと好みの立ち絵を見つけられることだろう。

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歯応えのあるタクティカルバトル

 本作のバトルは、ターンごとにユニットに指示を出して戦うタクティカルバトルで展開。各ユニットに用意されたスキルや敵ユニットとの相性を見つつ行動していく。ステージ内には高低差があり、敵ユニットより高い場所から攻撃すると威力が増すといったメリットが存在する。そのため、いかに高低差を利用して相手を倒していくかが勝利のカギを握る。

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 また、ステージ内には火炎樽や巨大な岩といったオブジェクトが設置されていることがある。火炎樽を攻撃すると周囲に爆発ダメージが発生。巨大な岩はたいていステージ内の高所に設置されており、攻撃すると低所へと転がっていく。どちらも敵に当たると大ダメージを与えることができるので、オブジェクトを活用するか否かで大きく勝敗が分かれることもままある。

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崖の下へザコを押すと敵を直接に消滅させる(修正点2のところに挿入)

 ユニットどうしの相性や高低差、オブジェクトの活用など、シンプルな操作性ながら戦略性のあるバトルが楽しめるのが本作の戦闘の魅力。難度は少し高めに感じたが、そのぶん、自身の戦略のもとクリアーできたときの達成感はひとしおだ。

 なお、味方ユニットが全滅した場合には、任意のターンまで巻き戻すことができる機能も存在。シミュレーションバトルに慣れていない人も安心して遊べるのがうれしいところ。

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 オートバトルも存在しており、オンにすると自動的に敵ユニットを攻撃してくれる。ただしオートバトルだと、味方をも巻き込むスキルを容赦なく発動したり、火炎樽や巨大な岩などの有用なオブジェクトを無視したりすることも。オートバトルは、戦力的に余裕のあるステージやユニットがしっかり育成できている場合には便利な機能だ。

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どのユニットでも活躍させられる育成

 ユニットは基本的にガチャで入手。レアリティはSSR>SR>R>Nといった具合だが、本タイトルの育成システムでは各ランクのキャラクター編成でも順調にステージをクリアーできる。それは、バトルでは複数のユニットを活用することが重要で、高レアリティのユニットだけを育成すれば簡単に攻略できるようになっていないことが理由だと思う。RやNのユニットでもしっかりと育成すればしっかりと活躍してくれるので、高レアリティのユニットがいなくても問題なく進められるはずだ。

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 育成においては、個性という項目も存在。これは、いわゆるキャラクターの重ね要素にあたるもので、ガチャで入手済みのユニットが出た際に手に入る“○○(ユニット名の名前)の記憶”を使用することでアップ。個性が上昇すると、パラメータやパッシブスキルの効果上昇などの恩恵が受けられる。

 そのほか、武器の強化など、ユニットに付随する育成要素は多岐にわたる。どんなユニットでもしっかりと育成すれば十分活躍してくれる育成の幅の広さは、本作の魅力のひとつだ。

マルチエンディングを採用した重厚な物語

 物語は、イリヤ王国で最も重要な港湾都市“ウェーブラン”からスタート。暴徒化した民衆と王国軍による戦いが行われているこの町の地下牢で目覚めた主人公は、とある目的のために偶然地下牢へ現れた傭兵団“鈴蘭の剣”によって救出される。

 その後、“鈴蘭の剣”とともに戦乱に包まれている“ウェーブラン”から脱出を図るが、民衆と王国軍の戦いに巻き込まれ、“鈴蘭の剣”の面々と主人公は戦乱の中に消えようとしていた。意識も失った主人公だが、謎の存在の呼びかけで再度目を覚ます。

スマホ、PC向け新作タクティクスRPG『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』の魅力を紐解く。戦争を題材とした重厚な物語と戦略性のあるバトル、自由度の高い育成が楽しめる【独占先行レビュー】

 目覚めた主人公が佇むのは、現実とは異なる時間と空間が存在する異空間“混沌の海”。主人公は、自身と世界の運命を変えるための力を得るべく“混沌の海”を冒険していく、というのが本作の導入部となっている。

スマホ、PC向け新作タクティクスRPG『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』の魅力を紐解く。戦争を題材とした重厚な物語と戦略性のあるバトル、自由度の高い育成が楽しめる【独占先行レビュー】

 そうしてユニットを強化しつつ冒険を進めていくと、“運命の螺旋”と呼ばれる機能が開放される。ここでは、主人公たちが歩んだ物語を再びプレイできるが、このとき手に入る固有のアイテムを持ち込むことで、物語内で新たな展開が提示される。

スマホ、PC向け新作タクティクスRPG『鈴蘭の剣:この平和な世界のために』の魅力を紐解く。戦争を題材とした重厚な物語と戦略性のあるバトル、自由度の高い育成が楽しめる【独占先行レビュー】

 この“運命の螺旋”で描かれていく物語が、本作のメインシナリオにあたる部分。サブクエストなどを通じてユニットを強化して戦力を整えて、“運命の螺旋”でメインシナリオをプレイ。メインシナリオ内で悲劇的な展開になってしまったなら、新たなアイテムを見つけて再度同じ物語をプレイしていく。この一連の流れが本作の基本的なゲームサイクルになっている。

遊び応えのあるタクティカルRPGが好きな人におススメ

 戦略性のあるタクティカルバトルや自由度の高い育成、そして戦争を題材とした重厚な物語が楽しめる本作。物語は舞台劇スタイルで進行し、登場人物たちひとりひとりにスポットが当たり、彼らの抱える想いがしっかりと語られるので、かなり没入感となっている。その中で、崎元氏の音楽が加わることで、戦争を題材とした物語の重厚度も倍増。シリアスな戦争ドラマが好きな人にはたまらない内容となっている。

 そんな本作は、2023年リリース予定。基本プレイ無料であり、無課金でも楽しめるタイトルになっているので、遊び応えのあるタクティカルRPGを求めている人は、本作にぜひ注目してほしい。

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ゲーム概要

  • タイトル:鈴蘭の剣:この平和な世界のために
  • ジャンル:進化するドット絵タクティクスRPG
  • 価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
  • 対応機種:iOS、Android、PC(※Nintendo Switchやプレイステーションなどでのリリースも企画中)
  • タグ:#ドット絵 #タクティクスRPG #ターン制 #ストラテジー
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