『グランブルーファンタジー』が2023年3月10日に9周年を迎えた。週刊ファミ通2023年4月13日号(No.1791号/2023年3月30日発売号)では、同作の9周年記念特集を掲載。9周年アップデートのおさらいを始め、騎空士アンケートの結果発表や開発チームからのコメントなども掲載されているので、お見逃しなく。
今回は、ルナール役の声優・大久保瑠美さんへのインタビューを掲載! ルナールを演じるうえでのこだわりや、収録時の裏話、『グラブル』のプレイ状況などを語ってもらった。
『週刊ファミ通 グラブル9周年記念号』(電子版)の購入はこちら(Amazon.co.jp)大久保瑠美(おおくぼるみ)
9月27日生まれ。埼玉県出身。代表作は『ゆるゆり』(吉川ちなつ役)、『スイートプリキュア♪』(調辺アコ/キュアミューズ役)、『Fate/GrandOrder』(エリザベート・バートリー役、アストルフォ役など)、『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』(アンジェラ役)など、多数。(文中は大久保)
愛されキャラ・ルナール。妄想を話す場面は共感性羞恥で気が重かった
――大久保さんが演じられているルナールとは、どんなキャラクターですか?
大久保ルナールはハーヴィンという種族の女の子です。耽美絵、いわゆるBLが好きで、そうした絵を描きたくて画家をしているんですけど、どんな絵を描いてもおどろおどろしくなってしまうことを悩んでいたところ、団長たちに出会い……という形で、ストーリーに登場します。
メタ発言が多く、書物見本市という即売会に作品を出展するためにがんばるなど、『グラブル』の中でもかなり珍しいタイプのキャラクターですね。「ルナールが出てくるイベントはおもしろい」、「いてくれると楽しい」と言ってくださる方も多くて、大勢の方から愛していただいている女の子です。
――演じるうえでこだわられた点を教えてください。
大久保アドリブが多かったですね。セリフ自体を変えるというより、言葉の発しかたをアレンジしました。「ここは興奮気味に話したほうがおもしろい」とか、「ここは途中でテンションを爆上げして緩急をつけよう」とか。かわいく言える場面でも、あえてハアハアしながらしゃべるなど、話しかたで遊べるキャラクターだったので、いろいろと私のほうで考えて。その都度、収録チームの皆さんに確認していただいて、この形になりました。
――そうしたアドリブに対して、「もっとやってください」とか、「いまのはやり過ぎです」と言われるようなことはありましたか?
大久保ほとんどなかったです。ルナールの芝居に関しては、ほぼ采配を任せてもらっていました。アクセントが違うとか、活舌が甘くてリテイクになることはありましたが、それ以外の理由でのリテイクはほとんどなかった気がします。
――印象に残っているセリフやシチュエーションはありますか?
大久保ルナール(アナザーバージョン)(以下、光ルナール)という、もうひとつの姿があるんですけど、こちらが中二病の塊で……。“共感性羞恥”を煽られるシナリオになっていて、『グラブル』をプレイしていたら誰もが思うであろう妄想がくり広げられるんですが、少し気恥ずかしかったですね(笑)。あのキャラと仲よくなって、あんなことをして、みたいな自分の妄想をカッコいい口調で話すのですが、これを全騎空士に聞かれるんだと思うと、いろいろな意味でドキドキしました(笑)。
――光ルナールのほうが、演じるうえでのハードルは高かったと。
大久保その一方で、光ルナールのクロスフェイトエピソードには、私が最強に推しているヴェイン君が出てくるんですけど、ルナールのことを全肯定してくれるやり取りがあって、ここには癒されました。耽美絵を描いていることも含め、ルナールががんばっていることに対して「かっこいいじゃん」と言ってくれるんですよ。それもあって、ますますヴェイン君のことが好きになってしまって。これ以上、私を沼らせてどうするつもりよ……という感じでしたね(笑)。
――(笑)。ちなみにルナール関連のイラストで印象に残っているものはありますか?
大久保ルナールが初めてSSレアになったときはうれしかったですね。もちろん、レアのときのイラストも素敵なのですが、SSレアは衣装のデザインがすごくかわいくて。さらに上限解放すると、ちょっと恥ずかしそうな表情で見本市にサークル参加している姿も公開されるんです。この姿もめちゃくちゃかわいかったですね。
――あのイラストはいいですよね。「夢にまで見た見本市に参加できた!」という、ルナールの喜びが伝わってきます。
大久保自分ひとりではなく、皆といっしょに作品づくりに取り組んで。その集大成がこのイラストなんだという、それまでのストーリーも蘇ってくるのがいいですね。最初はひとりぼっちで、心を許せる人もいなかったルナールですけど、団長たちと出会ってこんなにも変われたということが伝わってきて、私自身もうれしくなりました。
ルナール(アナザーバージョン)の登場をきっかけに、『グラブル』に再挑戦!
――大久保さんはいつごろから『グラブル』をプレイされているのでしょう?
大久保数年前から何度か挑戦はしていたものの、そのときは難しくて断念してしまって。最初は、キャラクターさえ育てれば強くなれると思っていたのですが、武器を強化して、上限解放して、召喚石も育てて、その組み合わせを考えないといけない。それらに加えて、さらにジョブも育てるとなると、やることが多すぎて。しかも育成するには素材を大量に集めないといけないので、途中であきらめてしまったことが何度かあるんです。
――武器を強化するにしても、スキルLvを上げるための素材集めなど、やることが山積みですからね。
大久保でも、光ルナールが登場するときに「闇ルナールに続いて、こちらもSSレアにしてもらって。しかもイベントにもたくさん出させていただくなど、ここまで優遇してもらったからには、もう一度挑戦するしかない!」という気持ちになりまして。再チャレンジした結果、いまに至る……という次第です。しかもこのとき、たまたま学生時代の先輩に会う機会があったんですけど、何気なく『グラブル』の話をしたところ、その方が熟練の騎空士だった……ということが判明しまして。運がよかったですね。そこで「イチから教えてください!」とお願いして、ゲームプレイのコツをすべて教えてもらって。その甲斐あって、いまでは救援に行けるくらいには成長しました。
――本格的にプレイするようになってからの期間はどれくらいですか?
大久保約1年ですね。強くなるための道のりは長くて、現在はRank177(※取材時)です。ほかにもすることがあるので、なかなかやり込めていないんですけど、時間を見つけてはコツコツ進めています。
闇編成に自信アリ! 今後は水属性の強化もがんばります!
――続いて、大久保さんの『グラブル』のプレイ状況も教えていただければと思います。現在、Rank177とのことですが、いちばん自信のある編成は、どの属性ですか?
大久保そこまでしっかりとした編成は組めていないのですが、ピックアップするとしたら闇と光ですね。現在はとくに闇のほうが強いと思います。闇だとリッチやフェディエル、十天衆のシスなどをスタメンとして入れています。
武器は、あまり自信がなくて……。セレストクロー・マグナが3つ、ペイン・アンド・ストレインはふたつ入っています。これは凸らず(※1)に持っていてよかったですね。あとは、まだ解放できていない天司武器(セラフィックウェポン)と六竜武器(アンセスタルシリーズ)がいくつかある感じですね。
全部の武器を上限解放しきれたら、もっと強くなると思うんですけど、まだセレクトクロー・マグナも最大まで解放できていないものがいくつかあって。素材を使うのがもったいなくて、ついつい躊躇しているので、そのあたりを進めていきたいと思っています。逆に、あまり自信がない属性は水属性です。
※1:凸らず…… 上限解放を行わないこと。上限解放を行うときは“凸る”。今回の場合は、同じ武器を使用して上限解放せずに2本残していたことがよかったという話
――大久保さんが仲間にしている水属性のキャラクターを拝見しましたが、ヴェインやポセイドンが強いのでオススメですね。
大久保最初、ヴェインを前線に入れていたんですけど、その話を先輩にしたら、「なんでポセイドンがいるのに編成に入れないの!」とダメ出しをされてしまって。なのでいまは、泣く泣くヴェインをサブに回してがんばっています。
それと“銀片”を稼ぐために十天衆を入れておかないといけない(※2)ので、カトルも必ず入れるようにしていますね。
※2:“銀片”を稼ぐために十天衆を入れておかないといけない……ディメンション・ヘイローをプレイする際に十天衆キャラクターを編成していると、編成した十天衆に対応する“銀片”と名の付くトレジャーがドロップする。カトルを編成に入れると“刃の銀片”がドロップする
――ちなみに最近は、どれくらいの頻度で『グラブル』をプレイされているのでしょう?
大久保日課として、毎日必ずエンジェル・ヘイローを周回しています。あとは自分が「この武器は必要だな」と思ったら、その武器を強化するための素材集めにコツコツ取り組む感じですね。
ほかにも、この素材は取っておかないと困るというときはマルチバトルをしたり。現在はシエテを限界超越するための素材集めをしていますね(※取材時。3月2日にSNSで限界超越を達成されたことを報告されていました)。日によってですが、3~4時間くらい平気でやっているときもあります。
――おお。かなりプレイされる日もあるということですね。2023年1月20日~22日にかけて、リアルイベント“グラブルフェス2022-2023”が開催されましたが、こちらに出演された際の感想を教えてください。
大久保登壇者も多く、和気あいあいとしたイベントでした。ゲームの最新情報を発表するだけでなく、みんなで参加できる遊びのコーナーも満載で。もともと、人前に出てお話しをするのは得意で、バラエティー番組なども大好きなので、当日はトークステージに出演して、思いきり楽しませていただきました。とくに推しキャラが関わっている企画が実施されたときは、テンションが上がりました。
――ご自身が出演したコーナー以外で、出てみたいコーナーはありましたか?
大久保“ぐらぶるTVショッピングっ!”のコーナーがおもしろくて、「参加したいな~」と思いながら見ていました。グッズを集めるのが好きなので、いろいろな最新グッズが発表されておもしろかったですね。
“人のやさしさ”に触れられるのも『グラブル』の魅力
――もし『グラブル』未プレイの人に本作を紹介するとしたら、どういった点をオススメしますか?
大久保「ものすごく魅力的なキャラクターがたくさん登場する」。この一点につきますね。私の場合は台本をいただいた時点で、ヴェインというキャラクターがいることは知っていたんですけど、実際にゲームをプレイして、イベントのイラストを見て、コミカライズ作品なども読むうちに、すっかり彼にハマってしまいました。
いまはルナールだけじゃなく、半分はヴェイン君のために『グラブル』をプレイしていると言ってもいいくらいです。
――確かに、キャラクター数も非常に多くて、プレイすれば必ず推しのキャラクターが見つかるというのも、『グラブル』ならではの魅力と言えますね。
大久保「この人とこの人はどういう関係なんだろう?」という、キャラクターどうしの関係性がしっかり描かれているところも惹かれるポイントですね。推しとのやり取りを見ているうちに、こっちのキャラクターにもハマっちゃった……となるケースも多いみたいです。
せっかく好きなキャラクターを見つけても、その子がメインのイベントが終わっていたら悲しいので、ちょっとでも気になった方はいますぐプレイすることをオススメします!
――大久保さんの推しはヴェインとのことですが、ほかにも気になるキャラクターはいますか?
大久保いま仲間にしているキャラクターの中ではネハンですね。初めて見たときは、背中がガラ空きのえちえち衣装だったのでびっくりしました。このキャラクターのメインイベントの“こくう、しんしん”は後にSIDE STORYに入ったので、そちらもしっかりプレイしました。
――キャラクター以外にも、本作で魅力を感じる要素はありますか?
大久保やることはたくさんありますが、毎日コツコツ続けることで、だんだん強くなっていく感覚が気持ちいいので、ぜひ体験していただきたいです。とくに、救援を出して倒してもらっていたマルチバトルをひとりでクリアーできたときの達成感は格別ですよ。
――自分の成長が実感できる瞬間ですね。
大久保それと救援依頼を出したときに、大勢の騎空士さんが助けに来てくれるところも、“人のやさしさ”を感じられて、心が揺さぶられるポイントですね。
熟練の方は、もうマグナの救援にはふだんあまり行かないんじゃないかと思うのですが、それでも「この子が困っているから」という理由で助けに来てくれてるんだろうなと感じました。それが本当にありがたくて、そのときはスタンプを連打して、感謝の気持ちを伝えさせていただきました。
学生時代はオタク趣味を隠し、ギャルに擬態していました
――『グラブル』のほかにも、ハマっているゲームはありますか?
大久保お仕事の延長になってしまいますが、『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)はリリース時からずっとプレイしています。ラジオでMCをさせていただいていることもあって、つねに最新の情報をチェックしているんですけど、やり込んでいるゲームといえば、『グラブル』と『FGO』くらいですね。
私自身はオタクなんですけど、どちらかというとマンガやアニメが中心で、ゲームにはほとんど触れてこなくて……。これまでの人生をふり返っても、最後までちゃんとクリアーできたゲームは、片手で数えられるほどしかないんです。ほかにも時間のあるときには、『LINE:ディズニー ツムツム』のような難しく考えずに遊べるゲームをプレイすることもあります。
――休日の過ごしかたやリフレッシュの方法を教えてください。
大久保とにかく家が大好きなので、休みの日は前日のうちに食べるものを用意しておいて。一日中、ベッドから出ずに生活することも多いです。誰かと会ったり、出かけたり、何かをしていないと落ち着かない……というタイプではないので、月に1回、できれば2回くらいは、こういった過ごしかたをしていますね。
――プライベートは超インドア派なんですね。オタク趣味は昔からですか?
大久保学生時代からマンガやアニメは大好きでした。ただ、当時はまだオタク趣味はあまり広く理解されていない時代だったので、学校でもそのことは秘密にしていて。なぜかオタクとは正反対のギャルグループに属していたんです。
なので、アニメグッズなどを買いに行くときは、まわりに同じ学校の子がいないか確認して、サッとお店に入るようにしていました。
――ギャルグループに!? グループ内では、オタク趣味はバレなかったのですか?
大久保卒業するまで、なんとか擬態でやり過ごしました。でも、ギャルの友だちからお化粧やファッションを教えてもらったおかげで、それが好きになったところもあるので、あえて真逆の世界に飛び込み、そこでいろいろな経験を積むのも悪くはないな……と思っています。
――貴重なお話、ありがとうございます。それでは最後に、9周年を迎えた『グラブル』および騎空士の皆さんに向けて、ひと言お願いします。
大久保改めて、『グラブル』9周年おめでとうございます。まだ本格的にプレイし始めて1年弱の新米騎空士ですが、リアルイベントでも大勢の方に温かく迎えていただけて。本当に楽しい気持ちで参加できたのは、そうした空気を作ってくださった皆さんのおかげですし、大勢のスタッフさんや共演者の方々に支えていただいて、『グラブル』そのものも毎日楽しく遊ばせていただいています。
これからもルナールを演じている声優としてはもちろん、一騎空士としても、皆さんといっしょに『グラブル』を盛り上げていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。