野球好きじゃなくても育成が楽しめたシリーズ

 いまから24年前の1999年(平成11年)4月1日は、ゲームボーイカラー用ソフト『パワプロクンポケット』が発売された日。

 『パワプロクンポケット』は、コナミ(当時)から発売された選手育成ゲーム。人気の野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』シリーズでおなじみの選手育成モード“サクセスモード”が一本立ちしたような内容で、選手育成に特化しているのが大きな特徴。野球ファンでなくても楽しめることもあって、「野球ゲームはやらないが『パワプロクンポケット』だけ遊んでいた」なんて人もいるかもしれない。

 11年前までは毎年コンスタントに新作が発売されており、ナンバリング作品だけでも『パワプロクンポケット14』まで存在する一時代を築いたシリーズとしておなじみだ。当初の作品はサクセスモードが主体だったが、『パワプロクンポケット8』以降はもはや何でもアリの野球バラエティゲームとして制作されていった。

 『パワポケ』シリーズでおもしろいのは、やはり尖っていたストーリー。『実況パワフルプロ野球』のサクセスが正伝だとするとこちらは外伝になるためか、かなりやりたい放題。コミカルな展開だったのに急に鬱エンドに突入してしまうなど、あまりにぶっ飛んだ展開に思わずびっくりしてしまったプレイヤーも多かったのではないかな。初代の本作は、『実況パワフルプロ野球5』のサクセスでは悪役校だった“極亜久高校”にスポットを当てていたのがユニークなポイント。

初代『パワプロクンポケット』が発売された日。『パワプロ』シリーズの“サクセスモード”から派生した人気シリーズ。衝撃展開満載の尖ったストーリーが魅力【今日は何の日?】

 極亜久高校に転校してきた主人公が仲間を集めながら野球部を立て直す、なかなかの王道ストーリーではあるものの、死人は出るわ人体改造も辞さない組織“プロペラ団”は登場するわで初代からパワポケ節が炸裂していた。シリーズを通してストーリー的な繋がりを感じる部分も多く、そういったところも魅力のひとつだったと言える。

 初代作品にはなかったのだが『2』以降は“裏サクセス”が収録されていた作品も多い。表サクセスのメインストーリーとはまったく別のストーリーになっていて、RPG風に作られているなど、作品ごとにさまざまな遊びかたができた。

 育成した選手はパスワードの表示が可能で、それを『実況パワフルプロ野球6』や『実況パワフルプロ野球'99 開幕版』などの作品に入力すると選手を送り出せるのもおもしろい試み。選手育成ツールとしての側面もあったので、持ち運びできていつでもプレイできるようにと本作を購入した人もいたんじゃないだろうか。

 2011年12月1日に発売されたニンテンドーDS用『パワプロクンポケット14』以降、久しくシリーズの発売がなかったのだが、10年ぶりの新作『パワプロクンポケットR』がNintendo Switch用ソフトとして2021年11月25日に発売された。

初代『パワプロクンポケット』が発売された日。『パワプロ』シリーズの“サクセスモード”から派生した人気シリーズ。衝撃展開満載の尖ったストーリーが魅力【今日は何の日?】
初代『パワプロクンポケット』が発売された日。『パワプロ』シリーズの“サクセスモード”から派生した人気シリーズ。衝撃展開満載の尖ったストーリーが魅力【今日は何の日?】
『パワプロクンポケットR』

 こちらは『パワプロクンポケット1・2』のリメイク作品で、初代の極亜久高校編のストーリーはもちろん、『パワポケ2』の表裏のサクセス“モグラーズ編”と“戦争編”も大幅にパワーアップして登場。オンラインで最大4人プレイも可能なアクションシューティングが楽しめるモード“サイバーバル”や複数のミニゲーム、育成選手でペナントレースに参戦する“俺のペナント”など、ボリュームたっぷりの野球バラエティゲームへと生まれ変わっている。唯一無二の一風変わった野球ゲームなので、未体験の人は遊んでみるといいだろう。

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これまでの今日は何の日?

※本記事は、2022年4月1日にアップした記事を再編集したものです。