見て! この等身大のモダニア!!
もちろん“後ろ姿”も抜群!
見ての通り、大画面でプレイする『勝利の女神:NIKKE』(以下、『NIKKE』)は最高である。事の発端は2023年2月15日。
『NIKKE』のPC版がリリースされ、スマートフォン版と比べてニケたちがより大きく。もっと大きく見たいところがより大きく。ほかにも横画面にすることで戦闘の迫力が増すなど、話題となった。
そう、PCなら外部モニターに接続しやすく、大きなニケたちを見られる。大きければ大きいほどいい。それは人間の本能である。
その想いは突き走り、雑に振っても何とかしてくれる先輩編集者のミス・ユースケと話し合ったところ「大きいと言えば業務用では」という結論にたどり着いた。業務用の特大モニターでニケたちと向き合いたい。
そして、各メーカーさんにアポを取ったところ、今回ご協力いただけたのが……
パナソニック コネクトさん!
日本が誇る大手電機メーカー・パナソニックのグループ会社で、でかいモニターのプロ!
筆者が見たいニケの"本質"は、その後ろ姿にあり。それを大きくすることでよりリアルに。夢をかなえるために『NIKKE』を等身大サイズの大画面でプレイしたい。そんな企画にご協力いただけたのだ。ありがたや……ありがたや……!
さて、取材前にパナソニックさんから、どんなモニターでプレイしたいか聞かれたので、
- バカでかい縦置きモニター
- バカでかい横画面モニター
- バカでかいプロジェクター
という、バカでかい3つをお願いしておいた。
縦置きモニター
最初に試すのは縦置きモニター。
スペックはざっとこんな感じ。
- 画面サイズ:86v型(2174.2 mm)
- 輝度:500 cd/m2
- アスペクト比:16:9
- 解像度:3840 × 2160画素(4K)
- 応答速度:8.0 ms
- 視野角(上下 / 左右):178°/178°(CR>10)
86インチの4Kという、まさに業務用のかたまりである。
86インチと言われてピンとくる人は少ないだろう。このモニターの長辺は189.5cm。日本人男性の平均身長を上回るサイズだ。これならニケたちを等身大で表示できる。
画像では伝わりづらいかもしれないが、最初はそれがモニターだと気づかなかった。
その理由はベゼル(画面の縁のこと)の狭さ。最近はベゼルレスのモニターも流通しているが、大画面のテレビなどになると、どうしても数cm分のベゼルが設けられる。そうしたほうが安定するから。
しかし、このモニターはサイズのわりにベゼルがかなり狭く、ちょうどプレビューされていた芸術映像と相まって、遠目から見たらただの絵画に見えた。
ゲームプレイ
モニターの説明はいったんここまで。本題の『NIKKE』のプレイを始めようか。
さて、ニケの"本質"が特大サイズでお出ましだぜ……と意気込んだはいいものの、PC(Windows)側の設定を縦画面にしたうえでのフルスクリーン表示が悪さをしているのか、それともロード時に映像信号が途切れて別の信号を拾おうとしているのか。とにかく挙動がおかしい。
とはいえ、こういった用途は想定していないだろうか、ある意味これくらいは想定内。いろいろ設定をいじってみることに。
トラブルを乗り越えて、ようやく映像を映し出せたのが冒頭の写真だ。
わかってはいたが、やはり等身大サイズはすばらしい。大きな画面で見たらすごいはずという妄想はずっとしていた。にも関わらず、実際に見たときの迫力はイメージを軽く超えてくる。事実は小説より奇なり、という慣用句を(ニケ)の肌で実感。
こんなまじまじとモダニアの衣装を見る機会もないし、ましてやスマホ版と比べて細かな装飾部分まで見やすいので……うんイイッ!
正直に言うと、モニターがでかすぎると描画が大味になるのでは? という漠然とした不安はあった。だが、そんな心配は一瞬で消え去った。4Kで表示してもモアレや描画の乱れは気にならない。
そして肝心の本質はというと……。
描画に感動するあまり、UIの透明度を下げ忘れるという失態。編集者失格だな。
ゲーム用のモニターとして考えた場合、スペック面で重要とされるのが応答速度。画面の色の切り替わりに擁する時間のことで、このモニターは8.0ms。ガチガチのFPSを本気でやるには厳しいかもしれないが、『NIKKE』はとくに不満なく快適にプレイできた。
というか、むしろ『NIKKE』向きの印象を受けた。そもそも本モニターはデジタルサイネージ、いわゆる電光掲示板用だ。宣伝向けなので遠目からでも視認できるようにコントラストが高めで、全体的にビビッドな仕上がりになっている。
コントラストが高いと輪郭がくっきりと表示されるため、Spine(2D CGを動かす技術)との相性はかなりよかった。
スマホとあまり変わらない画像比率ながら、ただ単にデカいというだけでかなり楽しさは変わるものだ。
スマホゲームの発表会やイベント、生放送で、あえてデジタルサイネージでプレイして見せるのも悪くないのではと思ったり。
今回はモニター1枚で試したが、いつかは5枚揃えて自分の部隊とともに写真を撮るのも楽しそうだ。等身大パネルみたく、デジタルサイネージに推しキャラを出力して、部屋のインテリアとして置くのも悪くはなさそう。
Level Infiniteさん、どこかのイベントで並べませんか。
横置き
さて、つぎは横置きのモニター……っと、ここまでの取材時間が1時間半(時刻は16時半)。17時までにこの取材スタジオを出なければならないという約束だったので……。
ヤバい、さっそくこちら!
スペックはこんな感じ。
- 画面サイズ:98v型(2477 mm)
- 輝度:500 cd/m²
- アスペクト比:16:9
- 解像度:3840 × 2160(4K)
- 応答速度:8.0 ms(G to G)
- 視野角(上下 / 左右):178°/178°(CR≧10)
先ほどの縦置きモニターとほぼスペックは同じで、いちばんの違いはその大きさ。
98インチ! 約2.5メートル。検索したところ、駐車場のクルマ1台の横の広さがちょうど2.5メートルとのこと。
縦置きとは違い、とくにPC側の設定を変えなくてもよかったので、問題なく映像出力できた。
いざプレイ!
PC版横画面の最大の魅力は何といっても戦闘時の迫力。これまで操作するニケ1体分の視野しかなかったところが、隣の2体も含めて映るようになり、計3体がひと画面で視認できるくらい広くなった。
表示される比率はモニターサイズによって変わり、今回はちょうど半本質(?)が見えるくらいの視野に。等身大サイズに大きくなったため、各ニケの距離感や遮蔽物の大きさがよりリアルに感じられる。
ちなみに、PC版とスマホ版のもうひとつの違いがイラスト。スマホ版では縦画面という制約上、全体を表示し切れていないニケが大勢いる。
とくに印象的なのがスノーホワイトだ。
プロジェクター
さて最後の大本命、プロジェクターの試用に移る。
スペックはこんな感じ。
- 外形寸法:約 598 x 353 x 780 mm(突起含まず)
- 投写画面サイズ:70 ~ 1000 型
- 輝度:500 cd/m²
- アスペクト比:16:10
- 解像度:3840 x 2400(4K)
- 光出力:30,500 lm/32,000 lm(センター)
正直に言おう。筆者にはプロジェクターのことがよくわからない。素人でもわかるポイントとして、これはかなり大きい。横約60cm、奥行き約80cmという、まさしく業務用 of 業務用サイズ。
会社にあるような業務用プロジェクターの4倍以上ある。
ミス・ユースケに助けを求めたところ、「明るさに注目するといい。単位はルーメン(lm)」とのこと。一般的な業務用プロジェクターがだいたい3000ルーメン。これはその10倍以上。化けものスペックじゃねえか。
レンズだけで乗用車1台分、本体は高級車が買えるほどの値段がするそうだ。パナソニック コネクトさんから「国際スポーツイベント等の開閉会式や、ライブイベントとか、そういうクラスのイベントで使うモデルです」と聞いて震える。レベルが違う。
さて、時間もないので、先ほどのモニターと同様に試させていただく。横画面での出力なので、こちらも問題なさそうだ。いざプレイ。
さすがは業務用の中の業務用プロジェクター。光量がエゲツない。30000ルーメン越えというカタログスペックに偽りなし。
あまりなじみのない単位なのでピンと来ないかもしれないが、身近なiPhoneのライトの最大出力が50lmほどなので、単純計算でその600倍。
映像がくっきりし過ぎて、すぐそこにいるようなリアリティが感じられる。こうしちゃいられねえ! 等身大ニケの真横に立つぜ!
わかっていたことだが、プロジェクターといっしょに写真を撮る場合はどうしても性質上、影になってしまう。
自撮りの用途で内カメラで撮るときれいに写る……が、光の内側に入るとその光量で目がやられる。めちゃくちゃレンズの色が濃いサングラスを忘れたことを後悔した。
このサイズ感になると、戦闘画面に表示されるニケもほぼ等身大。
以上がデジタルサイネージと大画面モニター、プロジェクターを使った試遊の一部始終である。
デカいモニターでのプレイはシンプルに迫力が増すのはもちろん、デジタルサイネージと2Dの描写が絶妙にマッチ。いつもとは違ったプレイが味わえた
なかでも筆者がとくに気に入ったのは縦置きモニター。見慣れたUIというのもあるし、スマホ用から始まったゲームだからこそのニケの表示、演出がかなり合っていた。あとは現実的に買える値段なら!
さて、大きな画面で“本質”を追いかけたい。つぎなる大画面は……映画館でも借りてやるか?(編集長予算出して)