テレビを快適かつおもしろく観るアプリ
いまから13年前の2010年(平成22年)3月18日は、プレイステーション3用のtorne(トルネ)が発売された日。
torneは、プレイステーションシリーズやスマートフォンなどでテレビの録画・視聴が楽しめるアプリケーションの名称。他の追随を許さない快適な操作感が最大の魅力となっているため、初登場から13年も経過した現在でも愛用を続けるユーザーはけっこういるんじゃないだろうか。
最初はプレイステーション3をさらに拡充させる専用周辺機器として登場。torneと地上デジタルチューナーをセットにしたレコーダーキットとして発売されていたのだが、2011年12月22日の時点でなんと累計売上100万台を達成する大ヒットを記録してしまったのだから驚いた。当時はアナログテレビが放送中で、地デジ対応機器がまだまだ普及途上だったことも大いに影響していたようだ。
2012年7月19日に、地上・BS・110度CSのデジタルチューナーを内蔵したネットワークレコーダー&メディアストレージのnasne(ナスネ)が登場してからはtorneのアプリが単体でも配信開始。以降はnasneとの連携が前提となり、現在使用しているtorne愛用者のほとんどがnasneユーザーでもあるんじゃないかな。
プレイステーション4やスマートフォン・タブレット端末などのtorneアプリも順次配信され、ユーザーは数年間の至福の時間を過ごしていたのだが、連携必須の相棒nasneが2019年6月にまさかの出荷終了。悲劇的なニュースにtorneユーザーは阿鼻叫喚し、嘆きの声がSNS上に広がったのだが、2020年10月7日パソコン周辺機器メーカーとして有名なバッファローが救世主として名乗りを上げ、nasneを継承することが発表された。“新型nasne”発売の一報にファンたちは大いに沸き、一時はTwitterのトレンドで1位になるほどのお祭り騒ぎだったのをいまでも覚えている。
かくしてバッファローの新型nasneは2021年3月末に発売。全torneユーザー待望のプレイステーション5版のtorneも2021年11月24日に配信を開始して、現在にいたるというわけだ。
PS5版torneだってもちろん、サクサクと軽快なユーザーインターフェースの操作感を実現している。番組表のズームアウト機能は従来よりも1段階多く追加されて多くの情報が表示されるようになったのもありがたい。torneが初めて登場したころは家庭用レコーダーのフラッグシップモデルですら番組表の読み込みに相当な時間が必要だったので、爆速のtorneは本当に革命的だった。
マスコットキャラである“トルネフ”が注目番組をひと言添えてピックアップしてくれたり、独自のアンケートを行ってくれたりする機能も健在。オンラインに接続しているユーザーが録画予約した番組を“トル数”として確認可能で、いま注目されている番組が丸わかりだ。ただ、PS5版はリアルタイム視聴している番組を“ミル数”で見られなくなってしまったのは残念なところかもしれない。
torneの視聴機能の中でもライブ感に溢れていて非常に熱いのが“ニコニコ実況連携”機能だろう。これはニコニコの各サービスと同様に画面に実況コメントを流して、みんなでいっしょに番組を観ている感覚を味わえるというもの。
じつは2020年12月16日に惜しまれながらサービスを停止していたのだが、2022年4月13日からPS5版が、4月25日からはPS4版やスマートフォン版がサービスを再開。いまでは以前のように実況とともに番組を観られるようになっている。とくにスポーツ観戦などは画面がコメントで埋め尽くされるくらいの盛況ぶりで、一体感も半端ではない。ツッコミどころ満載のドラマなんかも楽しく観られるので、もしまだ利用していないユーザーがいるなら、torneと実況機能をぜひとも体験してみてほしい。
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