シンプルながらも奥深いゲーム性で、根強い人気を誇るアクションパズル『パズルボブル』シリーズ。その最新作『パズルボブル エブリバブル!』を手掛けたクリエイター陣&マスコットキャラクターのバブルンにインタビューを実施! 徹底して“かわいらしい世界観”の構築に努めたという開発裏話や、効果音制作における秘話など、さまざまなエピソードをたっぷり語っていただいた。

最大4人で楽しめる! 爽快バブルシューティング

 『パズルボブル』は、画面上方に泡を打ち出し、同色の泡を3個以上つなげて消していくアクションパズル。泡は左右の壁で反射するため、その際の角度も見越して最適な位置に打ち込むことも可能。かわいらしいビジュアルに加え、高度な操作テクニックも必要となる人気作だ。こうした絶妙なゲームバランスは多くのファンから支持され“バブルシューティング”というジャンルを確立した。

 なお、本作のサウンドトラック(CD2枚組)とセットになった『パズルボブル エブリバブル! (オリジナルサウンドトラック付き版)』がAmazonでクーポンコードを入力することで1,000円引きとなるキャンペーンを実施している。

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【ぱよんぱ~!】『パズルボブル エブリバブル!』は5月24日発売! 元祖“バブルシューティング”最新作のこだわりや魅力を開発陣に訊いてみた

戸崎剛志(とざき つよし)

ディレクター

伊与政 秀武(いよまさ ひでたけ)

ゲームデザイン担当

土屋昇平(つちや しょうへい)

サウンド

満を持して、元祖バブルシューティングが復活!

――『パズルボブル エブリバブル!』の発売日が2023年5月24日に決定し、予約も開始されました。本作の制作期間はどのくらいだったのですか?

戸崎開発がスタートしたのは2021年の春ごろです。

伊与政まず、「最大4人で遊べる『パズルボブル』を作りたい」という目標がありました。ずいぶん前から『パズルボブル』復活の構想は練っていたんです。バブルシューティングにオンライン対戦などの要素を盛り込む遊びの骨子は、2021年の時点で生まれていたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で動けない期間が続いて……。本格的に始動したのは2022年に入ってからになります。

――コロナ禍真っただ中での開発だったわけですね。無事に発売日を発表できた、いまのお気持ちは?

戸崎感無量ですね。本当にいろいろありましたから。会社にいれば簡単にやり取りができて、すぐに確認できることでも、リモートだと時間がかかってしまうんですよ。この環境で最後まで開発を進めるのはたいへんでした。

――本作のコンセプトや、開発陣の皆様が考えられている本作ならではの魅力についてお聞かせください。

戸崎コンセプトは「家族や友だちどうしでワイワイ盛り上がれる作品」ですね。

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戸崎剛志氏(ディレクター)

伊与政『パズルボブル』はバブルシューティングというジャンルの元祖だという思いもあり、ひとりでも4人でも遊び込めるよう必死に作りこみました!

土屋改めて考えると、ゲームジャンルの元祖になるというのはすごいことですよね。

戸崎それに加えて、本作ではオンラインで遠く離れた人とも対戦プレイが楽しめるので。そこも魅力だと考えています。

――約3年前からYouTuberとしても活躍中のバブルンは、あいかわらずかわいいですが、本作に登場するミニルンもなかなかいいデザインですね。ミニルンをストーリーに絡めることになった経緯などお聞きしたいです。

伊与政ミニルンは社内でもファンが多くて、機会があれば復活させたかったキャラクターなんです。これまではちょい役ばかりでしたが、今回はスタッフ一同の想いが炸裂して、かなり序盤から登場することになりました。オープニングムービーにもしっかり出てくるので、ミニルンファンの方はこちらもご期待ください。

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――本作の舞台はレインボーアイランド(※)ですが、どのような場所なのですか?

戸崎レインボーアイランドについては、これまで詳しく説明したことがなかったので、この機会に改めて再定義しました。本作をプレイしていただければ、「このかわいいキャラクターたちは、こんな島で暮らしているんだ」ということがよくわかると思います。

――パッケージも青空や虹が印象的でかわいらしいですね。

伊与政レインボーアイランドだけに、ビジュアル面では虹がコンセプトになっています。ステージクリア時の演出にも虹を取り入れているので、どうぞお楽しみに!

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※『パズルボブル』はもともと『バブルボブル』のスピンオフ作品で、1994年に1作目がアーケードで登場。本作の舞台であるレインボーアイランドは『バブルボブル』シリーズの舞台で、2作目『レインボーアイランド』ではゲームタイトルにもなっている。

かわいい世界観&ピンチの際の演出へのこだわり

――楽曲においても、これまでのシリーズ作を意識されたところはあるのでしょうか?

土屋本シリーズには『パオパオ島へ行こう!』という楽曲があり、そちらのイメージが強いんですけど、それをそのまま使うのも芸がないなと思ったんです。なので、リブートといいますか、ここから新しくスタートするぞ! という気持ちを込めて、新規で曲を制作しました。

 とはいえ、過去作へのリスペクトはもちろんあって『バブルボブル』ならではの“南国感”はしっかり引き継いでいます。それと、最初にいい渡されたコンセプトの中に「本作の舞台はシリアスな事件が起きない“平和な島”」というのがあります。かわいらしく、ほのぼのとした世界観がブレてはいけない……ということを肝に銘じつつ作曲しました。

伊与政ストーリー面では、物語を盛り上げるためにさまざまなエピソードを盛り込んでいますが、怖かったり、衝撃的な表現は抑えているので、その点はご安心ください。

土屋事件というより、「バブルンたちがいろいろないたずらに巻き込まれる」といった感覚ですね。ちなみにステージ曲は、いくつか過去作を参考にしたものもありますが、基本的にはすべて新曲で構成しています。とにかく数が多くてたいへんでした。

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土屋昇平氏(サウンド)

――続いて楽曲について、工夫されていることをお聞かせください。

土屋ピンチのときに曲が変わる演出は最初から考えていましたが、ただ曲調が早くなるだけだとつまらないですよね。そこで、楽器そのものを変えることで、同じ曲なんだけどちょっと違うようにも感じられる。そうした演出でゲームプレイ時の緊張感をさらに煽ってみました。曲のアレンジとはまた違う手法になるので、プレイしていただければ不思議な体験ができると思います。

伊与政最大4人で遊ぶと画面上の情報量が多くなるので、ほかの人がどのような状況にいるのか把握しづらいです。でも曲が変われば、「誰かがピンチだ」とすぐにわかるので、協力プレイもしやすくなるというわけです。順調にプレイできている方に対しても自然と焦らせることができるので、楽曲がゲームそのものに与える影響は大きいですね。

土屋ただ、プレイがうますぎると変化後の曲は聴けないので、たまにピンチになっていただけるとうれしいです(笑)。

――曲数はかなり多い、とのことですが……。

土屋本来ならもっと少なくする予定だったのですが、想定していた以上にストーリーがよくて。これなら物語の進行に合わせて曲数も増やしたほうがいいなと思い、ステージごとに曲を作らせてもらいました。

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ファンタジーらしさと爽快感を追求した“泡の炸裂音”

――本作のテーマソングはシリーズ初の歌モノになるとお聞きしています。どのような楽曲なのか、詳細を教えていただきたいです。

土屋最初から歌モノにしようとは考えていなくて、結果的に歌も入れることになった……という感じですね。ゲームの主題歌というより、レインボーアイランドというアミューズメントパークがあって。「ここでは楽しく、かわいらしい出来事がつぎつぎに起こるんだよ」ということを1曲のなかに集約して表現したいと思い、紆余曲折を経て、こちらの形に落ち着きました。

戸崎初めて曲のほうを聴かせてもらったときも、そうしたコンセプトはすぐに伝わってきました。この曲のおかげで、スタッフ全員の作品に対するイメージも共有できたように思います。

――各キャラクターのボイス収録もたいへんだったと思うのですが、苦労されたことはありますか?

土屋この作業もたいへんでしたね。そもそも、バブルンが話す「ぱよんぱー!」の意味もわかっていなくて。過去作のキャラクターたちの言葉から、伊与政さんに世界観を膨らませてもらって。そこから作りこんでいった感じですね。

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伊与政キャラクターたちのセリフはすべてオノマトペになっています。なので、世界中のプレイヤーが同じ感覚で、彼らの発する言葉を受け取ることができるのではないかと!

戸崎伊与政さんには膨大な量のセリフを考えてもらったんですけど、収録時には不在で……。我々で意図を汲み取って、声優さんに伝えるのは本当にたいへんでしたね。

伊与政僕の考えた方向性だけで本作の世界観を固めてしまうのはよくないので、あえて収録は抜けさせてもらいました。僕が考えたものを、ほかの人の脳みそを通して再変換してほしかったんです。結果的に、考えていた以上にいい形に仕上げてもらえたので、たいへん満足しています。

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伊与政 秀武氏(ゲームデザイン担当)

――効果音なども含めて、サウンド面での注目ポイントや、制作時に苦労されたことがありましたらお聞かせください。

土屋なんといっても泡の破裂音ですね。二転三転して、なかなか決まらなくて。『パズルボブル』の効果音といえば、やはり“泡のはじける音”が肝なので、パンパンパンとテンポよく割れるように調整したのですが、いざ実装してみたところ、「音が怖い」という感想が多かったのには驚きました。

――確かに、風船が割れる音を怖いと感じる人もいますからね。

土屋YouTubeで動画を公開した際にも、破裂音に対するコメントが多数寄せられたので、これはなんとかしないといけないな……と思ったんです。そこで悩んだ末「ファンタジーの世界にリアルな音を入れたから違和感が生じたのかも。泡のはじける音にも“ファンタジーらしさ”を追求しなければ!」と気づき、現状の効果音に行きついたわけです。結果的に、評判もいいようでホッとしています。泡はいっせいに破裂するのではなく、連続して割れていくのが気持ちいいところなので、そこはプログラマーと密に連絡を取り合いながら調整しました。

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協力対戦のロジックや直感的な操作性も秀逸!

――本作からの新要素についてもお聞きします。まずはオンライン対戦とローカル対戦、それぞれの特徴を教えてください。

伊与政本作で初めて『パズルボブル』シリーズに触れられる方も大勢いらっしゃると思うので、まずはシンプルに対戦を楽しんでいただきたいと思いました。ですので、オンラインモードでの対戦形式は、あえて1vs1のみとさせていただきました。一方のローカル対戦では、従来の1vs1に加え、ふたりひと組のチームを組んで行う“2vs2の協力対戦”も楽しめるので、こちらもぜひ、遊んでいただきたいです。

――ローカル対戦は2人1組でのチーム戦ができますが、調整がたいへんだったのでは?

伊与政途中で生じたアイデアではなく、最初からそれありきで対戦のロジックを組んでもらっていたので、作業自体はスムーズに進みました。「ふたりで同時に同じ泡を消したときはどう処理するか?」など、さまざまな問題はあったものの、いずれもプログラマーが解決してくれたので、本当に助かりました。

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土屋ゲームバランスという意味では、本作はかわいらしいビジュアルで、一見すると「誰でも簡単にクリアできるゲーム」と思われがちですが、じつはかなりやり応えのあるタイトルでもあります。コアなゲームファンの方にもぜひ遊んでいただきたいですね。

戸崎これまでシリーズ作を遊んできてくださった皆さんをメインターゲットにしているので、ステージのチューニングはある程度の中級者向けになっています。もちろん、初心者の方にも安心して遊んでいただけるように調整もしているのでご心配なく。

――操作性に関しても、より直感的かつ精密な操作が必要になるみたいですね。

伊与政パズルゲームの皮を被ったアクションゲームですので(笑)。エイムだったり、角度を考えて狙うビリヤード的な直感操作を楽しんでいただけるはずです。ちなみに本作では、壁だけでなく天井でも泡を反射させられるので、ガッツリやり込んで、これまでにない新たな攻略テクニックを見つけ出していただきたいですね。

 それともう1点、ストーリーモードでは盤面がリアルタイムで降ってくる仕様になっています。従来作では数ターンに1段というサイクルで降りてきていたものが、本作では1ドット単位で位置が変わるので、先を読んでエイムを合わせるなど、緊張感のあるゲームプレイを楽しんでください。

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――最後に、本作の発売を楽しみにしている皆さんに向けてメッセージをお願いします。

土屋サウンド担当としては、楽曲でも不思議な世界観を表現できたと思っています。たまには、あえてピンチになったりして、不思議な感覚を楽しんでいただけるとうれしいです。

伊与政なにかとたいへんな世の中ですが、せめて本作をプレイしているあいだは、やさしくてかわいらしい世界に触れていただいて、ゲーム本来の楽しさに浸ってもらえるとうれしいです。『パズルボブル』をプレイするのはひさしぶりという方でも、すぐに勘を取り戻せるくらい遊びやすく、長く遊べる奥深さも加えていますので、ぜひ手に取っていただけますと幸いです。

戸崎ひさしぶりに発売される『パズルボブル』シリーズの最新作ということで、ファンの方たちはもちろん、新規で遊んでくださる皆さんにとっても楽しんでいただける作品になるよう、ただいま仕上げの作業を進めているところです。バブルンたちが織りなす、かわいらしい日常を堪能しながら、レインボーアイランドの危機を救ってあげてください。

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