黄色い見た目の磁気メディア“ディスクカード”が登場
いまから37年前の1986年(昭和61年)2月21日は、ファミリーコンピュータ ディスクシステムが発売された日。
ディスクシステムはファミリーコンピュータ用の周辺機器のひとつ。ディスクシステム本体の上にファミコン本体を載せ、カセットの代わりに“RAMアダプタ”をセットして使用する。専用の磁気ディスクメディアである“ディスクカード”をディスクシステム本体に挿入し、記録されたデータを読み込むことでゲームがプレイできた。
ディスクカードの容量は、当時の一般的カセットの約3倍。表裏のA面とB面が存在し、ゲームによっては途中でディスクカードを抜いて裏返して再度読み込ませる必要があった。いまではゲームのローディングは当たり前で何も感じないが、当時は“Now Loading”をディスクシステムで初体験するユーザーがほとんどだったため、待ち時間にやきもきさせられた人も多かったのではないだろうか。また、セーブ機能が標準搭載。ゲームを続きからプレイするのはもちろん、記録したハイスコアを友だちに自慢するなど、コミュニケーションツールとしても大いに活躍してくれた。
そして、ディスクシステム最大のセールスポイントとも言えるのが、ゲームの“書き換え”。「ソフトは買う時代から、書き換える時代へ!」という謳い文句の通り、全国の玩具店などに設置されていた“ディスクライター”を利用すれば、ディスクカードの内容を別のゲームに書き換えることができた。書き換え料金500円という安価で書き換えできたため、当時キッズだった筆者も大助かり(ディスクカードのゲーム自体、ロムカセットの半額くらいだったのも最高だった)。容量が少ないゲームなら、A面とB面に別のゲームを書き込んで楽しむこともできたため、頻繁に利用させてもらった記憶がある。ソフトの発売日と書き換え開始日は必ずしも同じではなかったが、書き換えが始まってさえいれば売切れがなかったのも本当にありがたかった。
ローンチタイトルの目玉は『ゼルダの伝説』。現在でも世界的人気を誇るシリーズの記念すべき1作目は、このディスクシステムで発売された。ほかには『スーパーマリオブラザーズ』、『ゴルフ』、『テニス』、『ベースボール』、『サッカー』、『麻雀』といった既存タイトルがラインアップ。当初は『謎の村雨城』もローンチタイトルの予定だったが、2回延期して4月に発売された。筆者はその都度、玩具店へ買いにいって悔しい思いをしたため、いまでも強烈に記憶に残っている(笑)。そもそもディスクシステムが1回延期していて……(略)。
そのほか、シャッター付きの青いディスクカードに記録したスコアなどのデータを、“ディスクファックス”で任天堂に送信して、ゲーム大会などに参加するといったネット対戦の先駆けのような画期的な試みも行われていた。対応ソフトには『ゴルフJAPANコース』、『ファミコングランプリ F1レース』などがあり、変わり種としては『中山美穂のトキメキハイスクール』があった。
以降、ディスクシステムでは『メトロイド』、『悪魔城ドラキュラ』、『探偵 神宮寺三郎』、『ファミコン探偵倶楽部』などの名作シリーズを数多く世に送り出している。
※本記事は、2022年2月21日にアップした記事を再編集したものです。