片手でゲームが遊べる時代に
2012年(平成24年)2月20日は、『パズル&ドラゴンズ』(以下『パズドラ』)のiOS版がリリースされた日。本日でサービス開始11周年を迎えた。
本作は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントから配信された、パズルゲームとRPGを融合させたタイトル。
スマートフォンが普及し始めた2012年にiOS版(当時の最新機種はiPhone4S)が先行配信され、リリース直後から爆発的に広がり、約半年後の2012年7月15日に100万ダウンロード達成。約1年後の2013年3月9日には1000万ダウンロードを達成するメガヒットを記録した。
2022年11月の段階で国内累計ダウンロード数は6000万を達成しており、多くのユーザーに受け入れられた。
※ダウンロード数はガンホー・オンライン・エンターテイメント発表のもの
本作は、5体のモンスターとフレンドのモンスター1体の、計6体でチームを編成しダンジョンに挑み、マッチ3ゲーム方式のパズルで立ちはだかるモンスターを倒していくパズルアクション。
当時のスマートフォンゲームは、フラッシュゲーム(Adobe Flashを用いて作成されたゲームの総称)が主流であり、当時のスマートフォンでのアクションゲームは性能面や技術的に不可能に近かった。
そんな中、『パズドラ』はハードなパズルアクションや演出にも関わらず、当時の最新端末より古い機種でも問題なくプレイが可能だったことに、驚いたユーザーも多いだろう。
ゲーム性はもちろん、機種問わずに遊びやすいという点も人気の秘訣だったと思う。
メインとなるパズルシステムは、4秒間という制限時間のなか、ドロップを自由に操作できるという、当時のマッチ3ゲーム方式としては珍しい斬新なシステムだった。
片手でも遊べるシンプルな操作性で、子どもでも楽しみやすい一方、数百種類以上のモンスターの中からベストな編成を考えたり、素材を集めてモンスターを育成するなどのRPG要素も豊富で、純粋にパズルを楽しむ者もいれば、片っ端からモンスターを育成、攻略を楽しむものなど、ユーザーによっていろんなプレイスタイルで遊べたのも『パズドラ』の魅力のひとつ。
これまで『パズドラ』では数々のダンジョンが実装されてきたが、筆者がとても印象的だったのは“ヘラ 降臨︕”。
実装当時はクリアーまで最短40分という超高難易度ダンジョン。その当時主流だったパーティーは“ゾンビパーティー”というもので、耐久力と勝率は高いものの、運に大きく左右されるものだった。
その理由は、受けられるダメージが1ターンに単発1撃のみで、複数のモンスターから連続で攻撃されると耐えないため、敵の攻撃が被ってしまうと負けが確定してしまうから。
ヘラ降臨の5バトル目以降は単体の敵だったが、そこまでの道のりは敵の数がランダム出現かつ、1バトル進むのに10~20分かかるため、4バトル目に1ターン沸きが複数体出た時にはもう絶望した。
何とか突破し、その先に待っていたボスフロアでヘラを見たときは、まだクリアーしていないのにもかかわらず、達成感に溢れたのをいまでも覚えている。
そんな本作で画期的なアップデートだったのが、2013年9月13日に追加された“能力覚醒システム(覚醒スキル)”。
覚醒スキルとは、モンスターにパラメーターやスキル、リーダースキルのほかに、新たに能力が設定され、ステータスが上昇や特定の属性からのダメージを軽減するものなど、さまざまな種類の能力を新たに付与するシステム。
筆者はとくにドロップの消しかたによって発動する覚醒スキルには衝撃を受けた。同じ色を横1列で消すと攻撃力がアップする“列強化”や、同じ色を4つだけつなげて消しすることで発動し、2体のモンスターに同時攻撃できる“2体攻撃”能力など、従来のパズルシステムを崩さず、よりパズル操作に趣を持たせた。
筆者はとくに列強化が好きで、当時は主力となる属性+他属性の2色盤面にしてパズルを組むのがはやっており、ドロップの個数と配置によって攻撃力が大幅に変わるため、当時は“最大火力配置”と呼ばれる有志のユーザーによってドロップの配置をまとめた画像を暗記していた。
また、『パズドラ』といえば多くのコンテンツとのコラボが開催され、これまでにコラボしたコンテンツは65種類以上、計120回以上。
『ドラゴンボール』や『BLEACH』など少年向けコンテンツから、『ハローキティ ワールド』や『カピバラさん』などの女性向けコンテンツと、幅も広いコラボが実装されてきた。
キャラクターの登場のみならず、『ストリートファイターV チャンピオンズエディション』コラボでは、ダンジョンがアーケード版『ストリートファイターII』を再現した特別仕様のダンジョンになったり、『ワンパンマン』ダンジョンでは、原作通りに敵をワンパンで倒せるなど、原作に忠実な作りこみが多くのファンを魅了した。
ちなみに、ファミ通おなじみのマスコットキャラクター“ネッキー”も登場しており、パラメーターや合成経験値をファミ通にちなんだ“832”という数値にするというこだわりぶり。
そんな同作の10周年を記念した10周年を記念した公式アートブック『パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works』が2023年2月17日に発売されている。
1デイトナやルシャナ、アルテミス、イズン&イズーナなど、“パズドラモンスター総選挙”で上位となったモンスターの原画やラフ画、表情差分などを240ページ収録。
さらに、+2970ポイントと“イベントメダル【虹】×5”が手に入るモンスターメモリーカードも付属されるので、こちらもぜひチェックしてほしい。
パズル&ドラゴンズ 10th Anniversary Art Worksの購入はこちら(Amazon.co.jp)※本記事は、2022年2月10日にアップした記事を再編集したものです。