オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)のPvP(対人)コンテンツ”クリスタルコンフリクト”の初となる公式大会“Community Cup”が、2023年2月3日から5日にかけて開催された。

 クリスタルコンフリクトは、パッチ6.1で実装された、5人対5人の対戦が楽しめるPvPコンテンツ。ステージにあるタクティカルクリスタルを相手チームのゴールへと進めることで、勝敗を競い合う。最新大型アップデートとなるパッチ6.3では、各ジョブの調整のほか、新ステージの“東方絡繰御殿”も追加された。

『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」

 これまでにもプレイヤーコミュニティ主催でのクリスタルコンフリクト大会は開催されてきたが、公式大会は今回が初。“クリスタルコンフリクトの楽しさを感じてもらう”をコンセプトにした本大会は、昨年末にエントリーが開始され、約100チームが参加を表明。その中から抽選で選ばれた32チームによるトーナメント戦が、オンラインにて開催された。

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『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」
ふだんからご自身のチャンネルでカスタムマッチの配信も行っているso5u(そす)さん(写真中央)が実況、芸人のにしむらベイベーさん(写真右)が解説を担当。『FFXIV』コミュニティチームの武田諒治さん(写真左)が番組の進行を務めた。

 2月3日、4日に行われた予選では、A~Dの計4ブロックのトーナメントを実施。コミュニティ主催の大会で常連となっている強豪チームのほか、クリスタルコンフリクトの初心者たちが集まったチーム、配信者が集結したチームなど、さまざまなチームが参加。いずれの試合も見応えのあるものばかりだった。

『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」
『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」
試合前に表示される”ポートレート”機能を使ってアピールするチームも多かった。Bブロックに出場した“クリコン幼稚園 2期生”は、見た目のインパクトと圧倒する試合展開で、一時Twitterのトレンド入りもはたした。

 そして2月5日の決勝では、各ブロックを勝ち上がった4チームによる準決勝、決勝の模様が配信。いずれも強豪チームだけに、予想をはるかに超える熱い戦いがくり広げられた。

 大会の結果としては、プレイヤー主催のコミュニティ大会を連覇していた“MALIGE(マリージュ)”が優勝。準決勝、決勝ともにいずれも接戦で、手に汗握る試合展開だった。

『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」

 なお、各日の予選、準決勝/決勝の模様については、配信アーカイブが残されている。実際の試合の様子は、以下からチェックしてほしい。

【予選1日目】クリスタルコンフリクト Community Cup

【予選2日目】クリスタルコンフリクト Community Cup

【決勝】クリスタルコンフリクト Community Cup

優勝チーム“MALIGE”インタビュー

 ここからは、初の公式大会を制した優勝チーム”MALIGE”へのインタビューをお届け。実況を担当したso5uさんも聞き手として参加いただき、本大会の感想や準備してきたことなどをうかがった。なお、メンバーと決勝戦でのジョブは以下のとおり(敬称略)。

  • Emil Sarasun(賢者)
  • Ace Pu(忍者)
  • Mame Poporu(ナイト)
  • Laz Line(機工士)
  • Imber Yy(ガンブレイカー)
『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」

――まずは優勝してのご感想をお聞かせください。

Emil Sarasunチームとして出場した初めての大会から約半年経ちました。チームとしては過去に2回、コミュニティ主催の大会で優勝していますが、僕自身が出場した大会では優勝したことがなかったので、今回、公式大会という場にスタメンで出場して優勝できたことを、うれしく思っています。

Imber Yy初めての公式大会で優勝できたことがすごくうれしいです。予選から強豪チームも多かったのですが、練習どおりの実力を発揮できたのでよかったと思います。チームのみんなにも感謝したいです。

Mame Poporu予選のブロックから見た目がおもしろいチームばかりで、内心震えながらプレイしていました(笑)。いっぽう、Dブロックの代表を決める試合からはとにかく必死で、あまり記憶がないです……。今日もすごく緊張していて、今度は手が震えながらプレイしていました。準決勝や決勝では1本、2本と取られて「どうしよう」と不安になったりもしましたが、いままでずっと長いこと使ってきたナイトというジョブやチームメンバーを信じて、全力を出し切れた結果が優勝につながったと思うので、とてもうれしいです。

Ace Pu初めての公式大会で優勝できてとてもうれしいです。決勝前の話し合いで「(いまの構成では)決め手に欠ける」という結論になり、構成をかなり変えて挑んで、2マップ目まではその戦術が刺さっていたのですが、徐々に対応されてきてかなり苦戦しました。最後のマップではこちらのペースに持ち込めて勝てたので、チームメイトに感謝したいです。

Laz Line準決勝までは踊り子で出場していましたが、じつは踊り子というジョブをあまり使ったことがなくて……。1月から練習し始めたのですが、スクリム(練習試合)でたくさん練習して、大会で出せる練度まで上げることができてよかったです。

so5uLazさんはもともと機工士や黒魔道士をメインにプレイされていて、赤魔道士も選択肢にあったと思います。その中で踊り子を選んで練習しようと思ったのはなぜなのですか?

Laz Line今回の大会では、チームメンバーにリーダーのGomamada Alleさんがいなかったのですが(※)、それについてはGomamada Alleさんの指示ですね。メンバーのジョブのピックプールを考えたときに、Emilさんの賢者が強いということで、「それに合う踊り子を練習してほしい」とリーダーに言われて、そこから練度を上げていった感じです。

※Gomamada Alleさんは、兄弟チームである“SHAVAL”のメンバーとして出場。

so5uリーダーの指示だったんですね。それを1月から始めてここまで仕上げてきたのはすごい!

――ほかにもチームとして、今回の大会に向けてどのような準備と練習をされてきたのでしょうか?

Imber Yy大会に向けての準備としては、兄弟チームの“SHAVAL”と練習することが多かったですね。新しいステージも追加されたので、その長所と短所を把握することを考えて、いろいろなジョブの編成を考えて試行錯誤してきました。

Mame Poporu踊り子やリーパーなど、本当にいろいろなジョブを研究していって、最終的に自分たちの中で「これがいけるだろう」という編成を固めて練習を重ねていきましたね。

――決勝戦でのガンブレイカーの構成はかなり刺さっていましたね。

Imber Yyそうですね。タンク×2の構成のときは、全体的に火力が落ちるというデメリットがあるので、だからこそ(火力でも貢献できる)ガンブレイカーが強いという持論があります。さらに相手チームに吟遊詩人がいた場合、吟遊詩人のメインの火力が“短時間で連続して攻撃をくり出す”といったものなので、それに対してガンブレイカーでタンクに“ブラッドドロー”を使ったときの“ネビュラ”の反撃ダメージがすごく相性がいい。要は、ガンブレイカーを狙いづらい状況を作ることができるんです。それを利用して、わざと僕のガンブレイカーが前に出て攻撃を引きつけながら、後方の仲間が手前の敵から倒していくという作戦がいいのではないかと。そんな作戦を今朝思いついて、皆に相談して試した感じですね。

――実況されていたso5uさんはどう感じられましたか?

so5u正直、ひとつ前の編成の踊り子、リーパー入りのままでいくとしたら、どうするんだろうなと思ってはいました。オーバータイムまでいけば強い構成ではありますけど、(クリスタルの進行度の)パーセンテージ有利が取りづらいので、「そのままの構成でいくのは苦しいだろうな」と予想していたんです。それに対して決勝でガンブレイカーと機工士を出してきて、「この構成は過去に行われた大会でも見たことがあるな……」と思いつつ、これは勝負がどうなるかわからなくなってきたな、と。

――基本的にどの試合もおもしろかったのですが、決勝までの戦いの中でもっともピンチに感じたのはどの試合でしょうか?

Mame Poporu決勝以外だと、やはり準決勝ですね。

Imber Yy準決勝で戦った“LimitBreakTV”は、現環境では珍しいナイト抜きの編成で、AoE(範囲攻撃)とバーストで押し切ろうという構成でした。丁寧に対処すれば問題ないのですが、気の抜けない状態が続いていて、すごく辛く感じましたね。

Mame Poporu実際に1-1のスコアで最後のマップのクラウドナインを迎えましたけれど、あとちょっと誰かがクリスタルのサークルに乗らなかっただけで勝敗が変わっていたと思います。あそこは本当に気が抜けなかったですし、緊張しましたね。

so5uあの試合は、Imberさんのリーパーの“ヘルズイングレス”の判断がすばらしかったですね。残り0秒でリミットブレイクを使って、敵をサークルから追い出してそのまま勝利も狙えたと思うのですが、あえて撃たなかったですよね?

Imber Yyそうですね。0秒勝利を狙える状況も見てはいましたが、マップ全体を見渡してサークルに入ろうとしている人が見えたので、撃たなかったんです。

so5uあれがあったからこそ、苦しめられてきたAceさんの忍者の“星遁天誅”でやり返せる状況を作れましたよね。それまでのAceさんの精神状態はいかがでしたか?

Ace Pu常時狙われているので地獄でした。前線に戻ったらまた自分を狙ってくるので「はぁ……」ってなりました。

Mame Poporuナイトとして味方のHPやデバフにも注目していたのですが、Aceさんに対してはスタンや沈黙、バーストの量が圧倒的に多くて。そこで防御して耐えても、さらにそこから追いかけてきて……というシーンが多かったですね。

Ace Pu最後は「いままでよくも自分を狙ってくれたな」と思って“星遁天誅”を決めましたよ(笑)。

so5u最後のシーンはMameさんのナイトの“ファランクス”→Emilさんの賢者の“メソテース”とつないでいってからの“星遁天誅”での2KOが響いていますよね。

Mame Poporu私から入って“ファランクス”まではイメージしていたのですが、そこからEmilさんが“メソテース”を展開する前に「狙われる!」と声をかけてくれて、それを聞いて“ガーディアン”を使った結果、きれいにつながったので、Emilさんに感謝です。

Emil SarasunHPもなくて沈黙も入れられて、浄化の反応も遅かったのですが、神“ガーディアン”でした(笑)。Mameさんに助けられました。

――決勝戦は2-2のスコアになってからの優勝となりましたが、最終的に勝因の決め手になったのは何だったのでしょうか?

Laz Lineみんなが無理をしなかったことですね。

Imber Yy落とされていたのが辛かったので、自衛意識がうまくまわって耐えられて、「決めるべきところで決められた」のが勝因かなと思います。

――so5uさんは実況されていていかがでしたか?

so5u決勝は最終試合もそうですが、勝っていた試合の縁の下の力持ちとして、Emilさんの“メソテース”のタイミングがすごくよかったなと思います。最終試合はAcceleratorさん(決勝戦の相手である“Break Down”の戦士)を守りにきたFiroさん(“Break Down”のナイト)が防御を使う前に、Imberさんが微妙にHPを削っているんですよね。それがあったことによって、Aceさんの“星遁天誅”の2KOにつながっているんです。そこから崩れたところにさらに“メソテース”を展開して、El' Shaさん(“Break Down”の吟遊詩人)が“英雄のファンタジア”を使わざるをえない状況に追い詰めて……。そして優勝を決めたのがLazさんの機工士の“魔弾の射手”だったので、(前回コミュニティ主催で行われた大会で優勝を決めたときのシーンが)フラッシュバックしましたね(笑)。

――観ている側も、本当に手に汗握るようなハラハラした試合でした。それではつぎに、今回の試合に関わらず、クリスタルコンフリクトにおける好きなジョブとステージを教えてください。

Emil Sarasun好きなジョブは賢者で、好きなステージはヴォルカニック・ハートです。

Imber Yy好きなジョブはモンクで、好きなステージは東方絡繰御殿です。とくに畳の上が大好きで、畳の上では世界いち楽しくクリスタルコンフリクトをしていると思います(笑)。

Laz Line好きなジョブは黒魔道士で、好きなステージはクラウドナインです。一方的に攻撃できるのが楽しいので(笑)。

Mame Poporu好きなジョブはナイトで、好きなステージはパライストラです。仲間を助けに行くにしても動きやすいですし、攻めるにも動きやすい。とてもバランスがいいステージだと思っています。

Ace Pu好きなジョブは忍者で、好きなステージはクラウドナインです。スタンからの打ち上げが決まりやすいのが理由ですね。

――これからクリスタルコンフリクトを始めたいという光の戦士に向けて、クリスタルコンフリクトの魅力をお聞かせください。

Emil Sarasunクリスタルコンフリクトは、ザ・フィーストと異なり、ロールによる縛りがありません。好きなジョブで参加できるのがいいところだなと。ジョブによって戦いかたや楽しみかたも違いますし、それがステージごとに変わります。ステージごとの楽しみがあるのが、最大の魅力を感じる部分です。

Imber Yy運営の方のがんばりのおかげでいろいろなジョブの調整をしてもらって、すべてのジョブに可能性があるところがすごく魅力的だと感じています。新ステージも追加されて、いろいろなフィールドギミックもあって、初心者から上級者まで楽しめると思います。

Laz Line『FFXIV』のPvPコンテンツは、好きなキャラや好きなジョブでプレイできるのが、ほかの作品のPvPコンテンツと違うところだなと思っています。そこが大きな魅力だなと。

Ace Pu毎回異なる構成があって、そのジョブに合わせた立ち回りがあって、試合ごとに新鮮な気持ちで遊べるところが魅力だと思います。

Mame Poporu『FFXIV』にはいろいろなジョブがある中で、自分に合ったジョブを選んで遊べることもそうですし、“『FFXIV』という大きな世界の中にあるPvPコンテンツ”なので、いままでほかのコンテンツをいっしょに遊んでいた方と情報を共有しながら楽しくプレイできるのがいいところだと思います。個人的には、自分が強くなっているなと実感しているときがいちばん楽しいです!

――最後にso5uさんから優勝チームの皆さんにメッセージをお願いします!

so5uまずはおめでとうございますという感じですね。プレッシャーもあったと思うので、よく勝ったなと(笑)。つぎの大会での活躍も楽しみにしております。

――早くも、つぎの大会の開催を期待してしまいますよね。

Imber Yy個人的な思いですが、オフラインでの大会もあったらおもしろそうだなと。いろいろと都合があって開催が難しいとは思いますが……。

so5u東京ドームで戦う姿を観たいというのは、僕らの願いですよね。

――2024年1月の日本のファンフェスティバルが東京ドームで開催されるということは、「もしかしたら公式大会もここで……?」と思ってしまいますよね(笑)。

so5u素直にそう思いますね(笑)。

実況・解説、進行メンバーにインタビュー

 優勝チームへのインタビューに続き、本大会で実況を担当したso5uさん、解説を担当したにしむらベイベーさん、そして進行を担当した『FFXIV』コミュニティチームの武田諒治さんへのインタビューをお届けする。

『FF14』クリスタルコンフリクト初の公式大会が開催。優勝チームと運営インタビュー。「クリスタルコンフリクトは観て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツ」

――予選から決勝までを振り返って、改めてご感想をお聞かせください。

にしむらベイベークリスタルコンフリクトの初の公式大会ということで、応募数もかなり多かったと聞いています。そのうえで今回出場された方々は、いずれも「今大会を楽しもう」という意識を持たれていたのが印象的でした。ポートレートや演出面で視聴者を楽しませてくれたチーム、純粋に圧倒的な試合展開で大会を盛り上げてくれたチーム、初心者が集まったチームなど、バラエティー豊かな方々が集まったなと。

――ユニークなチームが多かったですよね。

にしむらベイベーそうですね。試合も見応えのあるものばかりで、改めて「クリスタルコンフリクトは観て楽しむのに向いているな」と思いました。今日の決勝もおもしろい試合ばかりで、帰ってからso5uさんの実況を聞きながら配信を見直したいなというぐらいの濃厚さでした。僕は解説として参加しましたけど、言葉が追いつかず、叫んでいるだけでしたね。明日になったら肌が若返っているんじゃないかな(笑)。

so5uどの試合もおもしろかったですね。初の公式大会は、僕としても「待っていました」という感じではありました。

――so5uさんはクリスタルコンフリクトが実装されてから頻繁にカスタムマッチを開催されていますよね。始めたきっかけは何だったのでしょうか?

so5uもともと『FFXIV』を『新生エオルゼア』からプレイしていました。そしていまはeスポーツ関連の会社に所属しているのですが、パッチ6.1でクリスタルコンフリクトが実装されて、「これはeスポーツの大会が開けるな」と感じたんです。ですから自分たちがユーザーのコミュニティ大会を開催していれば、いつか公式の大会にもつながるかもしれない。そんな思いがありました。

 さらにひとりのユーザーとしても、ずっと楽しんでいる『FFXIV』に恩返ししたいという気持ちがあり、クリスタルコンフリクトを盛り上げるためにカスタムマッチで人を集めて夜な夜な対戦を楽しんでいたわけです。そしてその際、「どうせなら実況があったほうが、観ている方々もさらに楽しめるだろうな」と思ったのが実況を始めたきっかけですね。結果、今回の大会でも実況としてお声がけいただけました。

――いま日本でso5uさん以上にクリスタルコンフリクトを実況できる方はいないと思います。

so5u実際は、時間をかければ実況できる人はいっぱいいるとは思っています。でもその中で僕が1番だと言っていただけるように、日々精進していければと。そういった中での待ちに待った公式大会だったので、出場した皆さんよりも僕がいちばん待ち望んでいたかもしれません(笑)。

――今回の大会について、ふだん開催されているカスタムマッチでの実況と比べて、違いを感じたことはありましたか?

so5uほかのコミュニティの大会でもチームを組んで対戦を行うという点は同じなので、試合の熱さという面では違いはありませんでしたね。上級者たちが集まる強豪チームもいれば、初心者たちのチームもある。当然、実力の差はありますが、誰がやっていてもかっこいいな、楽しいなと見せるのが自分の仕事だと思って実況させていただきました。

 『FFXIV』のプレイヤーの中にも、まだまだ「PvPって怖そうだな」というイメージを持っている方々は多いと思います。今回は公式大会ということで、視聴者の数も多いので、そういう方々に「PvPは自分で遊ぶだけじゃなくて、観て楽しむのもスポーツ観戦みたいでおもしろいんだよ」ということを伝えるチャンスだなと。そのための一端を自分が担えて、やれてよかったなと思います。

――そんなso5uさんのおかげで、どの試合も楽しませていただきました。つぎに進行の武田さんは今回の大会を振り返っていかがでしたか?

武田まず今大会を開くにあたって、約100チームと多くの方々が応募していただけたことに感謝したいです。また、その中から32チームしか出場できず、多くの方に出場する機会をお渡しできなかったのが、心苦しい部分でもあります。

 そして、参加してくださった方々が大会のためにポートレートをセッティングして視聴者を賑わせてくれたり、観ている方々がコメント欄やSNSで盛り上がってくれたりしたのが、なによりもうれしかったですね。自分自身、プレイしていないタイトルでもeスポーツの大会を観て楽しむことがあって、クリスタルコンフリクトもそうなれるポテンシャルがあると感じています。遊んではいないけど「観ていて何となくおもしろいな」と思っていただいて、そこを入口にして興味を持って、少しでも触れてくれる人が増えたらいいなという思いがあります。

――参加者や視聴者の方もいっしょになって大会を盛り上げてくれていましたよね。

武田あと、今大会はチーム戦だったので、多くのプレイヤーにとっては、自身がプレイしている通常のランクマッチとは違ったチームプレイが見られたのではないでしょうか。

――たしかに、コンテンツファインダーでの申請では、どうしても個人のプレイの集合体になりますよね。

武田ジョブの構成やフォーカスの練度など、練習してきたからできるチームの連携が見られたかと思います。今大会を観て興味がわいたという人は、仲のいいフレンドでチームを作ってみたり、チームを組むために募集をして新しいつながりを作ったりしながら、コミュニティで開催されているカスタムマッチに参加してみていただければなと。大会を通じて、徐々にチーム対チームの楽しみを感じてくれる人が増えたらいいなという気持ちになりました。

――予選から通して印象に残っているチームや試合を教えてください。

にしむらベイベーチームとしては“Leff”が印象に残っています。

so5uゴッドベルト集団ですね(笑)。

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にしむらベイベーあれは目を閉じてもそこに現れるぐらい印象的で(笑)。映像としても楽しませてくれました。一気に攻め込んで勢いのまま勝って、姿形から出るオーラで押し切ったなという感じですごく印象に残っています。ほかにも、“†揮発性ゴリラ†”も印象的でしたね。機工士を起点として、同じ衣装でブルーに染まって走っていく彼らの試合も見応えがありました。

so5u自分はチームでいうと“MIKOSHI CARRIERS”ですね。すごく練習してきたんだなというのが如実に見てわかったので、そこは素直にすごいなと思いました。印象に残っている試合でいうと、やはり決勝ですね。

――5マップ戦って、全部オーバータイムという接戦でした。

so5u決勝は、どこか一歩でも違うと結果が変わっていたと思うので、非常におもしかったですね。

武田自分は“Streamer Girls”と“ピザポテト”の対戦でしょうか。一方はチームのカラーや一言コメントをかわいくまとめているチーム、一方は初心者が集まってできたチームというカジュアルチーム同士の試合でしたが、試合内容が激熱でした。「始めたてのチームでもこんなに楽しく熱い試合ができる」ということを体現していて、すごく印象に残っています。この試合にクリスタルコンフリクトのカスタムマッチの楽しさが詰まっているなと。チームで言うと、“クリコン幼稚園 2期生”のチームカラーが際立っていましたね(笑)。

so5uそこもクリコンのよさですよ。

――ポートレートを工夫されているチームが多かったのも、すごくよかったですよね。あの機能のおかげで、ふだんPvPをやらない人たちでも興味を持ちやすかったのかなと。

にしむらベイベー心をつかめる要素になっていますよね。3試合ぶんのポートレートを個別に用意してきたチームもあったりして。

――それではまとめとして、皆さんそれぞれが考える“クリスタルコンフリクトの魅力”を教えてください。

にしむらベイベークリスタルコンフリクトは“5人でクリスタルを運ぶ”という目的が設定されているゲームです。ですから倒す、倒されるといった要素だけでなく、クリスタルの運搬の駆け引きもあって、チームワークを楽しむゲームになっています。「相手を倒せた」、「クリスタルを運べた」など、1回遊べばその魅力を感じられるものになっているので、放送を観て「おもしろそうだな」と思った人はぜひ触ってみてほしいですね。

so5u試合時間が短いので、PvPコンテンツの中では触りやすい部類かなと思います。さらにさまざまなPvPの中でも一発逆転の要素が色濃いなと。当然、練度の差で勝敗が決することは多いですが、「各々のジョブがどうだったから一方的な試合展開になる」ということはなく、何かひとつ判断をミスするとすぐにひっくり返る。個々のジョブに一発逆転の可能性を秘めたリミットブレイクがあるからゆえに、それが起きているのかなと。そこがクリスタルコンフリクトの魅力だと思います。

 さらに、相手チームを倒しているだけで勝てるゲームではありません。相手を倒してもクリスタルを動かさなかったら、勝ちにはつながらない。だからこそ、戦闘が苦手な人でも、クリスタルの運搬で輝ける可能性がある。そこも楽しい部分かなと。うまくなるためには相手の技やアクションのリキャストなど、覚えないといけないことは多いですが、それを助けてくれるためのカスタムマッチなども頻繁に開かれているので、興味がある人はぜひ参加してみてほしいです。

武田クリスタルコンフリクトは、見て楽しめるポテンシャルを秘めているコンテンツだと思っています。“クリスタルを奥まで運んだチームが勝つ”というシンプルなルールで、ゲージや進行度のパーセンテージも表示されていますから、それを把握すれば観戦もしやすいでしょう。もちろん細かい状況などプレイしていないとわからないこともありますが、そのための実況と解説ですので、まずは全体としてどっちが勝っているかをゲージで判断して、その瞬間の押し引きを実況と解説を聞きながら何となく感じられれば、試合の展開もつかみやすいと思います。今回の放送を見ていただいて、そこから興味を持った人はぜひ触ってほしい。そうやってどんどん人の輪が拡大していけばうれしいですね。

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