オーバルコースの壁に接触しながらアクセルフルスロットルで駆け抜け、最終ストレートでごぼう抜き……。昨年NASCARでそんなゲームさながらの“裏技”走法が飛び出して世界をわかせたが、案の定というべきか来シーズンからは公式に禁止されるようだ。NASCAR公式サイトの記事で報じられている。

 この必殺走法が飛び出したのは、昨シーズンのチャピオンシップレースへの出場権がかかったバージニア州マーティンズビル・スピードウェイでのレース。優勝戦線脱落の危機にあったロス・チャステイン選手が最終ラップ最終コーナーで起死回生の一手として繰り出し、見事成功させて5位入賞により望みを繋いだという一戦だ。

 かつてゲームキューブで遊んでいたレースゲーム『NASCAR 2005: Chase for the Cup』で使っていた技を念頭に実際に実行してしまうという命知らずの秘策は世界を驚かせたが、同時に危険走行ではないかとの議論が挙がっていたのも事実。そして今回、2023シーズンに向けた公式な判断がくだされた形となる。

 今後はこの走法のように他のレーサーやオフィシャルや観戦者を危険にさらしかねないものはルール違反(10.5.2.6.A)となり、タイムペナルティが課せられるとのこと。