2022年12月10日(土)、愛知県のイオンモール常滑にて、ストリートファイターリーグ(以下、SFL)のファン交流キャラバンが開催された。本稿では、現地の様子をリポートする。
SFLは、カプコンの人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV チャンピオンエディション』(以下、『ストV』)における日本最高峰の公式チームリーグ戦のこと。5年目となる2022年シーズンは9月6日より本節がスタートし、全14節の戦いをくり広げた。
そんなSFLや出場チーム、選手を深く知ってもらうために開催されたのが、今回のファン交流キャラバン。出場チームそれぞれが全国8会場を訪れてファンとの交流を図るイベントだ。
第7回となる名古屋では、板橋ザンギエフ選手、ナウマン選手、竹内ジョン選手、うりょ選手らコミュファDetonatioNが参加。本イベントでは、プロ選手から直接アドバイスをもらえる“プロレクチャー”や“プロに挑戦! 道場破り”と題してプロ選手に真剣勝負を挑む企画が行われた。
また、2023年6月2日に発売予定のシリーズ最新作『ストリートファイター6』の試遊も実施され、幅広い層が楽しめる内容盛りだくさんのイベントとなっていた。
“プロレクチャー”には長蛇の列。ルーキーから上級者までさまざまなプレイヤーが参加
本イベントのメインプログラムのひとつが、プロ選手から直接アドバイスを受けられる“プロレクチャー”のコーナー。オープニングのトークが終わり、まずはステージ上でデモンストレーションとして2名のプレイヤーがプロ選手との実戦を交えつつレクチャーを受けた。
ひとり目のプレイヤーはガイル使いで、“ダウンを取られた後の攻めのさばきかた”に悩んでいるとのこと。ここでは板橋ザンギエフ選手が講師役となり、実戦を踏まえながら「ダウンを取られたあとを考えるのではなく、なるべくダウンをしない立ち回りを目指すほうがいいでしょう」と、新しい発想やプレイスタイルを提案していた。
ふたり目のプレイヤーはふだんからコーディーに苦戦しているというネカリ使い。ここでは竹内ジョン選手が担当し、さきほどと同様に試合を行ったあとに、VスキルI“力の集約”の使いかたをアドバイス。コーディー使いの目線から見たネカリに取られたら嫌な行動や、それをベースとした試合運びの指針などを丁寧に伝えていた。
前半のステージプログラムが終わると、つぎは各プロ選手がテーブルにつき、プレイヤーと触れ合いながらレクチャー。このレクチャーに参加するには整理券を受け取ったうえで抽選に当たる必要があるため、整理券配布のタイミングには会場に多くの人が殺到。すぐに長蛇の列ができあがり、コミュファDetonatioNの人気の高さがうかがえた。
道場破りではSFL番外編となる挑戦者チームvs.コミュファDetonationの戦いが勃発!
ファン交流キャラバンのもうひとつのメインプログラムがプロに真剣勝負を挑む“プロに挑戦!道場破り”のコーナー。これは当日に行われた予選トーナメントを勝ち抜いた4名のプレイヤーが、本番さながらの2試合先取の試合をプロ選手と行うというもの。
こちらのコーナーにも多くの参加希望者が集まり、抽選のうえで16名がエントリー。予選は1試合先取となっており、憧れのプロ選手への挑戦権を賭けて、アツい戦いがくり広げられた。
第1試合は、うりょ選手のローズとHyuraさんのラシードがマッチアップ。序盤はラシードが果敢に攻め込み、ローズの体勢が整う前に一気に1セット目を先取。これには試合を控えるほかの挑戦者や、コミュファDetonatioNのメンバーも声援を送る大盛り上がり。
続く2セット目では落ち着きを取り戻したローズが、プロらしい的確な判断によるコンボで取り返したものの、最終セットではラシードが勝負所での絶妙なジャンプを通して勝利。第1試合は挑戦者のHyuraさんが勝利し、あとに続く戦いの火付け役となった。
初戦で挑戦者が勝利したことにより板橋ザンギエフ選手は、即席ながら長年のチームのような団結力を見せる挑戦者側を警戒。「これはただの挑戦企画ではなく、もはや“挑戦者チーム vs コミュファDetonatioN”の戦いだ」と宣言し、続く戦いに臨む竹内ジョン選手を送り出した。
第2試合は竹内ジョン選手のコーディーと、プロレクチャーも受けたはるさんのガイルが激突。解説を行ったナウマン選手いわく「ガイル側が苦労しやすいマッチアップ」ということもあり、試合は終始コーディーがペースをつかんだまま試合を運んでいく。ガイル側も焦ることなく耐え続けるものの、一方的に体力をリードされた展開ではそれも難しく、勝負に出た“EXサマーソルトキック”もさばかれてしまい撃沈。終わってみれば“2−0”とストレートで竹内ジョン選手が勝利した。
竹内ジョン選手は試合後に、「挑戦者側の熱量の高さと勢いを感じていたため、それを崩すべくひたすら冷静な戦い方を貫いた」とコメント。一筋縄ではいかないプロの世界のきびしい戦いかたを見せつけた形となった。
チーム戦であればイーブンで迎えた第3試合は、ナウマン選手のルークとみそらさんのさくらの対決。みそら選手はナウマン選手の大ファンということで、ナウマン選手がさくらをメインキャラクターとしていたころのコスチュームやカラーを選択していた。
試合が始まると、ナウマン選手は的確な距離調節や技選びに加え、冷徹とも言える様子見を徹底。さくら側も意表をついた前ダッシュからの投げを見せるものの、続く攻めをことごとく凌がれてしまう。それでも果敢に攻めを見せるさくらだが、その攻めの甘さを突かれて逆にリードを広げられてしまい、最後までルークの守りを崩すことができず“2-0”でナウマン選手が勝利した。
みそらさんは試合後に「ナウマン選手に憧れてさくらをずっと使っている。今回は徹底した戦いかたに歯が立たず悔しかったから、また強くなって挑みたい」と、同じゲームに取り組む競技者の一面を見せていた。
挑戦企画の最後はチームリーダーである板橋ザンギエフ選手のザンギエフと、まささんのコーリンが激突。挑戦者チーム最後のひとりとして、再度一矢報いるべく戦いに挑んだ。
試合序盤はザンギエフが飛び込みから一気に攻め立てると、続く展開では相手の心理の裏をかくコマンド投げの“シベリアンエクスプレス”が炸裂。さらに、劣勢に立たされたコーリンが脱出するために選んだジャンプの選択を、空中コマンド投げの“ボルシチダイナマイト”で迎撃して1セット目を先取。持ち味のひとつである読み合いの強さを見せつける試合運びを見せた。
そこで勢いを作ったザンギエフは続く2セット目も試合のペースを握り、一瞬の隙をついてクリティカルアーツの“ボリショイ・ロシアン・スープレックス”を決めるなど大暴れ。最後まで勢いを落とさず“2−0”のストレートで、板橋ザンギエフ選手がプロの圧倒的な強さを見せつけた。
『スト6』は格闘ゲーム未経験でも、すぐに対戦の駆け引きが楽しめる!
本イベントでは『ストV』を使った交流に加え、2023年6月2日に発売予定のシリーズ最新作『ストリートファイター6』の試遊台も設置。会場の一部に設置された試遊エリアには、試遊が目的の来場者はもちろん、買い物目的でイオンモールに足を運んだような一般客も集まっていた。
ストリートファイター6(PS5)の購入はこちら(Amazon.co.jp) ストリートファイター6(PS4)の購入はこちら(Amazon.co.jp)また午前と午後の2回で、『ストV』、『スト6』のプロデューサーである松本脩平氏が登壇。『スト6』の簡単操作モードである“モダンタイプ”を使ったプレイの説明後、松本氏からレクチャーを受けた来場者が、プロに挑戦するというコーナーも実施された。
ナウマン選手は『ストV』でメインとして起用したこともあるケンを選択するも、早くもモダンタイプをうまく使う参加者のジェイミーに大苦戦。参加者の方は初心者ながら、スーパーアーツを何度も決めたり、ラウンドを取られたときに悔しそうな表情を見せたりと、白熱した試合の中で、格闘ゲームの魅力を十分に堪能していたようだった。
イベントプログラムを終えてのコメント
板橋ザンギエフ選手
最近はこのファン交流キャラバンのように、チームとして参加するオフラインイベントがなかなかなかったので、この4人で揃って参加できたという時点でうれしかったですね。
交流したファンの方たちは、『ストV』に初めて触れる方やガチ勢の方などバラエティーに富んでいたのが印象的です。みなさんとコミュニケーションする時間は短いものだったんですけど、“いい思い出を持って帰ってもらう”、“明日からのゲームライフがより楽しくなるように”をテーマにしていました。
1日をあっという間に感じる濃密な時間を過ごすことができました。このイベントで出会えたみなさんと、ぜひまたもう一度オフラインイベントでお会いしたいです。
ナウマン選手
まず、たくさんの方に来場していただいたということに、うれしさのあまり驚きました。しばらくオフラインイベントができなかったので、自分としては「どんな雰囲気だったっけ?」とか、「どれくらいの人数が来てくれるんだろう?」という不安が直前まであったんですよ。でも、始まってみたらたくさんのファンと触れ合うことができましたし、コミュファDetonatioNのいいところである“和気藹々とした雰囲気”がうまく出せたのかなと思います。
僕がレクチャーさせていただいたプレイヤーはガチ勢の方が多く、より実戦的な部分の悩みや細かいプレイングのアドバイスを求めていました。その本気度を感じられたのが刺激的で、こちらも伝えられることはなるべくうまく伝えようと思ったんです。そんなふだんの競技とは違うところの“真剣勝負”ができたのは今後の活動にも活きる貴重な経験でした
竹内ジョン選手
名古屋の方たちと交流できて楽しかったのは当然なんですけど、中には遠方からはるばる来場してくれたファンもいてありがたかったです。
いまはオンラインでのコミュニケーションがほとんどなので、直にお会いして「配信見ています」とか「応援しています」という言葉をいただけたり、楽しそうな表情をうかがえたのは励みになりましたね。こういった経験はオフラインイベントならではの魅力なので、また機会があったらぜひ参加したいです。
一方で、ふだんの配信ではあまりたくさん話すほうではないので、早い段階から喉が枯れそうになったのは個人的な反省点です(笑)。またみなさんと交流できる機会に向けて、たくさんお話ができるように鍛えようと思います。
うりょ選手
やっぱり直前まではどれくらい来場者がいるか不安でしたね。でも蓋を開けてみたら満席どころか立ち見の方も多くいらっしゃったので、ホッとしたというのが本音です。
僕自身は昔からゲームセンターでガツガツ対戦していたプレイヤーなので、オフラインの対戦ってすごく好きなんですよ。それがまた味わえたっていうのは、来場したファンの方たち以上に楽しんでいたかもしれないです(笑)
レクチャーに来ていただいた方も、「とにかく対戦したい!」という方が多かったので、昔の雰囲気のようにお互いがのびのびとプレイして、その後のコミュニケーションで仲よくなるという素敵な時間を過ごせました。
取材を終えて
どうも格闘ゲームなら何でも来いというライターのベックスです。今回の名古屋取材ですが、まず印象的だったのは松本プロデューサーも仰っていたように、来場者みなさんの“高い熱量”とその“熱量の源泉”。
ファンのみなさんは、“プロ選手を一目でもいいから見てみたい”という方や“強くなるためにレクチャーを受けたい”、“真剣勝負で倒したい”など、いろいろな思いがあって来場されていました。そんなみなさんが一堂に会してアットホームな雰囲気で楽しんでいたというのは、優勝を目指す大会とはまた違う、ファン交流キャラバンならではの魅力だなと感じました。
筆者自身が『ストV』をプレイするときは、ランクマッチなどガチな対戦をするほうが好みなのですが、今回のようなイベントで『ストV』へのいろいろな触れ合いかたを感じられたのは、ゲームの幅広い楽しみかたを改めて学べるいい機会でした。
個人的にオフラインイベントへの参加は、仕事かプライベートかを問わず大好きです。新しい出会いや思い出作りにこれからも足繁く通いたいと思いますので、お会いしたときはぜひよろしくお願いします。
ちなみに、じつは今回が初名古屋でした。来訪中は味噌カツとひつまぶしを食べたのですが、どちらも感動するほどおいしかったので、また絶対に来ようと決意しました。
ライター:ベックス
大会チケット販売中!
“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022”プレイオフ・グランドファイナルWeb先行視聴チケット及び、会場観戦チケット販売中!
“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022”リーグ本節終了後、本節2位から5位のチームが“プレイオフ”へ進出、さらに“プレイオフ”を勝ち上がった上位2チームと、本節1位のチームが決勝大会である“グランドファイナル”へ進出し、2022年シーズンの優勝と、総額800万円の賞金を懸けて激突する。
2022年シーズン王者を決めるための“プレイオフ”、“グランドファイナル”の開催日程が決定し、のWeb先行視聴チケットが販売中。また“グランドファイナル”に関しては、会場観戦チケットも数量限定で販売している。
全14節を戦い抜きリーグ本節1位となった“Good 8 Squad”は、2年連続の本節1位通過という快挙を成し遂げ、2023年1月21日(土)に開催されるグランドファイナルで挑戦者を待つ形となる。
2022年12月29日(木)のプレイオフでは、“名古屋OJA BODY STAR Mildom”、“Saishunkan Sol 熊本”、“v6プラス FAV gaming”、“忍ism Gaming”の4チームがグランドファイナル出場をかけた最後の戦いへ挑む。
熾烈な戦いを勝ち抜き、日本一の栄冠をつかむのはどのチームなのか。優勝チームの誕生を、その目で確かめてみよう。
■プレイオフ:2022年12月29日(木)開催
ライブ配信サービスZAIKOにてWeb先行配信が行われる。今回はプレイオフのみを視聴できる“プレイオフWeb先行視聴チケット”と、プレイオフとグランドファイナルの視聴がセットになったお得なチケット“プレイオフ+グランドファイナルWeb先行視聴チケットセット”の2種類が販売される。
■Web先行視聴チケット
“プレイオフWeb先行視聴チケット” 価格:3,000円(税込)+手数料
チケットの購入はこちら“プレイオフ+グランドファイナルWeb先行視聴チケットセット” 価格:5,000円(税込)+手数料
チケットの購入はこちら■グランドファイナル:2023年1月21日(土)開催
ライブ配信サービスZAIKOにてWeb先行配信が行われる。今回はグランドファイナルのみを視聴できる“グランドファイナルWeb先行視聴チケット”と、プレイオフとグランドファイナルの視聴がセットになったお得なチケット“プレイオフ+グランドファイナルWeb先行視聴チケットセット”の2種類が販売される。
グランドファイナルに関しては、ライブ配信に加えて、日本最高峰の闘いをリアルで楽しめる会場観戦チケットもチケット予約・販売サービスのイープラスより数量限定で販売される。初回販売であるプレオーダー(抽選販売)の受付は終了しており、抽選の当落発表は、12月7日(水) 13:00に予定されている。なお、会場観戦チケットは、2023年1月10日(火)に先着販売での追加販売も予定。
グランドファイナルの会場では、ホワイエにて『ストリートファイター6』の試遊や物販などが楽しめる。
※『ストリートファイター6』の試遊は10時~13時までの体験となり、先着順での試遊整理券配布のため、ご体験いただけない場合がございますので、あらかじめご了承ください。
■Web先行視聴チケット
“グランドファイナルWeb先行視聴チケット” 価格:3,000円(税込)+手数料
チケットの購入はこちら“プレイオフ+グランドファイナルWeb先行視聴チケットセット”価格:5,000円(税込)+手数料
チケットの購入はこちら■会場観戦チケット
A席(会場前方席+優先入場) 価格:6,000円(税込)+手数料
B席(一般) 価格:5,000円(税込)+手数料
チケットの購入はこちら【初回販売】
2022年11月18日(金)より“プレオーダー(抽選販売)”の受付を開始。
【受付期間】2022年11月18日(金) 12:00 ~ 11月30日(水) 23:59
【当落発表】2022年12月7日(水) 13:00 ~
【追加販売】
2023年1月10日(火)“先着販売”にて販売。
(開催直前の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて販売席数を調整)
※席種によって入場時間が異なります。指定の時間より前にご来館いただいても、ご入場いただけません。
※ホールに入ってからの座席は、席種ごとに全席自由席、入場順での着席となります。
※『ストリートファイター6』は先着順での試遊整理券配布の為ご体験いただけない場合があります。
※本イベントの詳細やチケット販売に関する注意事項はSFL公式サイトや各プラットフォーム券売ページをご確認ください。