DCコミックス発の人気ヒーロー“バットマン”を題材にしたオープンワールドアクションRPG『ゴッサム・ナイツ』。本作では、バットマンのサイドキック(相棒)として知られるナイトウイング、レッドフード、バットガール、ロビンたちの活躍が描かれる。

 舞台となるのは暴行、恐喝、窃盗など、あらゆる犯罪行為が頻発するおなじみの犯罪都市ゴッサム・シティ。あらゆる場所から助けを求める声が聞こえるこの街を、ナイトウイングたちはバットマンに代わって救わねばならない。たとえそれが偉大なヒーローでさえできなかった偉業であったとしても……。

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夜の街の守護神ダークナイトとなれ

 本作の魅力といえば、やはりダークナイトの気分を味わえるヒーローアクションだろう。犯罪にいそしむギャングたちを高台から静かに見下ろし、後ろから静かに襲いかかる。

 グラップルやバット・サイクルといった最新ガジェットを使って夜の街を駆け巡り、事件を解決してはまたつぎの事件を探しに行く。これはまさに、ファンが求めたバットマン像そのもの!

 ただし、操作するのはバットマンではない。本作の物語は“バットマンの死”から幕を開けるからだ。その弟子たちが遺志を引き継ぎ、新たなダークナイトとして立ち上がっていく展開は、ファンとしてもかなりの激アツポイント。ある意味では、プレイヤーである筆者もナイトの名を継ぐ者と言える……はず。

『ゴッサム・ナイツ』レビュー。ヴィラン蠢く夜のゴッサムでハーレイ・クインと戦いたくはないか。人に寄生するヒトデ型エイリアン・征服者スターロに会うため、取材班は“ヒロイックアサルト”へ!
『ゴッサム・ナイツ』レビュー。ヴィラン蠢く夜のゴッサムでハーレイ・クインと戦いたくはないか。人に寄生するヒトデ型エイリアン・征服者スターロに会うため、取材班は“ヒロイックアサルト”へ!

 ヒーローもの作品には、ヒーローと同じくらい魅力的なスーパースターが登場する。そう、悪役(ヴィラン)である。名作には名悪役が付きもの。本作はまさに名悪役の宝庫と言っても過言ではなく、Mr.フリーズやクレイフェイス、ラーズ・アル・グール……と、そうそうたる顔ぶれなのだ!

 そしてそして、彼女もプレイヤーの前に立ちはだかる。

 バットマンの宿敵と名高い“ジョーカー”のパートナーであるハーレイ・クインだ。もともとアニメ版ではピエロ風の姿だったのだが、実写映画で描かれたジャケット&Tシャツにショートパンツ、網タイツといったセクシーかつコケティッシュなビジュアルが定着。人気を不動のものにした。

 さまざまなメディアにも登場しており、名前や見た目だけは知っているなんて人も多いはずだ。

『ゴッサム・ナイツ』レビュー。ヴィラン蠢く夜のゴッサムでハーレイ・クインと戦いたくはないか。人に寄生するヒトデ型エイリアン・征服者スターロに会うため、取材班は“ヒロイックアサルト”へ!

 ゲーム内では、相変わらずの軽口をたたきながらバットファミリーを翻弄する。ブラックゲート刑務所で更生したとの噂だが、なにやら不穏なことを企んでいる様子……。

 そして忘れてはならないのが“梟の法廷”だ。梟の法廷は、ゴッサムを長年にわたって陰で支配してきた秘密結社。ゴッサムに住む裕福な人々によって結成されており、その存在はバットマンでさえ知ることができなかったほど謎に包まれている。梟の法廷の暗殺者・タロンは、フクロウモチーフの秀逸なデザインと高い戦闘力で、ファンからの支持も厚いヴィランとなっている。

『ゴッサム・ナイツ』レビュー。ヴィラン蠢く夜のゴッサムでハーレイ・クインと戦いたくはないか。人に寄生するヒトデ型エイリアン・征服者スターロに会うため、取材班は“ヒロイックアサルト”へ!
『ゴッサム・ナイツ』レビュー。ヴィラン蠢く夜のゴッサムでハーレイ・クインと戦いたくはないか。人に寄生するヒトデ型エイリアン・征服者スターロに会うため、取材班は“ヒロイックアサルト”へ!

 と、やや早口になってしまったが、とにかく『ゴッサム・ナイツ』では魅力的なヴィランと戦える(ハーレイ・クインとも殴り合える)。それだけでもDC作品好きとしてはすごくうれしいのだが、中でも気になるヴィランがいるのだ。

 その名も“スターロ”という。

新モード・ヒロイックアサルトでスターロが登場!

 スターロは、宇宙からやってきた巨大なヒトデ型の生命体。顔に寄生して生きものを乗っ取る分裂体を放つ少々グロテスクな敵だ。最近では2021年公開の映画『ザ・スーサイド・スクワッド』にも登場。まさかの映画化でDCファンの間で話題となっていたが、まさかここにきてゲームにも登場するとは夢にも思わなかった。

 そんなスターロが、一部の敵キャラクターを乗っ取る形で登場するモードが、11月30日に実装された。

 その新モードは、“ヒロイックアサルト”といい、さまざまな敵が登場する計30フロアのステージを順番に攻略していくというもの。最大4人で協力プレイできる。

 本作のオンラインマルチはもともとふたりまで。ナイトウイング、レッドフード、バットガール、ロビンの4人のヒーローが登場するも全員が揃う姿を見られないという部分がネックだったのだが、本モードの実装でその問題が解決されたと言える。

 ヒロイックアサルト専用の場所のみという縛りはあるが、バットファミリー勢揃いで敵と闘える本モードを心待ちにしていたファンは多いだろう。しかも、あのスターロが登場するというのだから、かなり驚かされた。

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 さあ、ヒロイックアサルトに挑戦しよう。歯ごたえは如何に!?

憧れのスターロに会うため、新モードにさっそく挑戦!

 結論から言うと、ヒロイックアサルトは難度高めのモードだった。

 本作では、装備するスーツや武器、MOD(スーツ・武器の強化用アイテム)で変動する数値・パワーが戦闘力の基準となるのだが、ヒロイックアサルトのステージ1で推奨パワー3300。ストーリー2週目となる“ニューゲーム+”クリアー時のパワーが3000ぐらいなので、ストーリーを2週して上達したプレイヤー向けのやり込み用モードと考えるとしっくりくる。

 実際にプレイしてみると、ガイドにしたがって各ステージの目標をクリアーしていくという内容だった。複数の発電機を修理したり、敵を全滅させるウェーブ戦を生き残ったり、オブジェクトを防衛したりといった目標が、各フロアにだいたい3つほど用意。上位のフロアへ行くほど、より強力なMODが手に入るトレジャーハンティング要素もやり応えがある。

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 ひとりでもプレイ可能だが、筆者はひとまずフレンドと協力してふたりプレイ。そこそこやり込んでいたので、最初のうちは問題なかったが、だんだんと高くなってくる難度に苦戦するようになり、フロア10ほどで行き詰ってしまった。早くスターロに会いたいというのに。

 ひとりひとりの敵は対処可能なのだが、問題はその数。上位のフロアに進むたびに敵の処理に時間がかかってしまうため、数で押されてしまうのだ。何度か挑むものの、なかなか光明が見えない。ふたりでなければもっと早くにリタイアしていただろう。サンキュー、相棒。

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ふたりで連携するチームアップ攻撃は超強力。アクションもカッコいいので何度も狙いたくなる。

 何度も失敗したが、悪いことばかりではない。本モードでより強力な装備が手に入ったことで、ヒロイックアサルトとともに実装された“決戦”モードに挑戦できる道筋が見えた。

 決戦モードでは、ハーレイ、Mr.フリーズ、クレイフェイスといったボスが強化されて再登場。ストーリーで戦った名ヴィランたちとのさらなる戦いが楽しめる。

 ……のだが、本腰を入れて挑戦するのを躊躇していた。勝てる気がしなかったのだ。

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 じつはアップデート後すぐにいちばん弱いとされる決戦(Mr.フリーズの初戦)に挑戦したものの、あまりの強さに瞬殺されたのである。

 多すぎる体力と地雷でより動き辛くなったステージから見えてきたのは、勝利へのルートではなく絶望。Mr.フリーズは病気のせいでふつうに生活できず、犯罪者にならざるをえなかったという苦しみを背負ったヴィランで、好きなキャラクターだったが、決戦モードの彼は強すぎてさすがに嫌いになりそうだった。

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 ヒロイックアサルトで手に入れた強いMODのお試しも兼ねて、Mr.フリーズにリベンジ。苦戦を強いられたが、攻撃力と防御力がかなり上がっていたのでクリアーできた。しかも、クリアー報酬でより強い装備をゲット!

 ここではたと気が付いた。ヒロイックアサルトで強力なMODを集めつつ、“決戦”で強い装備をゲットして徐々にパワーを上げるというムーブが、今回のアップデートにおける重要なポイントのようだ。

 その後も交互にプレイしていくことで、パワーもどんどん上がっていき、2周目クリアー後で3000ほどだったパワーが現在16000ほどにまでアップ! 10で行き詰ったフロアも25まで進められた。

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 いま思えば、ただでさえ強力なタロンがスターロに乗っ取られてパワーアップしたり、つぎのフロアへ行くためにポンコツなレーザー砲を護衛したりと苦労は絶えなかった。

 とくに、フロア10、フロア20の最深部に待ち受けるレーザー砲の護衛は本当に苦い思い出。何度も止まってしまって再起動しなきゃいけないし、無限湧きする大量の敵がつねにレーザー砲の破壊を狙ってくるし。ひとりプレイだったら確実に心が折れていただろう。サンキュー、相棒(2回目)。

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精鋭中の精鋭がふつうの敵として大量に来るためかなり手強い。しかも、護衛のためレーザー砲からあまり離れらない移動制限付き。

 しかし、ヒロイックアサルトもいよいよ大詰め。フロア30に向けてもう一度ヒロイックアサルトに挑むことに。フロア30ともなれば、憧れのスターロ本体にも会えるかもしれない。おれたちの戦いはこれからだ!

作品概要

  • タイトル名:『ゴッサム・ナイツ』
  • プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)
  • 発売元:WB Games
  • ジャンル:アクションRPG
  • 価格
    • PS5、Xbox Series X|S:スタンダード・エディション/8580円[税込]、デラックス・エディション/10978円[税込]
    • Steam、Epic Games Store:スタンダード・エディション/7480円[税込]、デラックス・エディション/9878円[税込]
  • CERO:18才以上のみ対象