グッドスマイルカンパニーが2022年11月24日に配信開始したスマートフォン向けゲーム『ブラック★ロックシューター FRAGMENT』。ネットワーク上に突如出現した謎の情報生命体“イノセント・クラウド”との生死を懸けた戦いを描くリアルタイムオペレーションバトルゲームだ。




本記事では、世界観やバトルシステムを紹介するとともに、開発者メッセージやプレイレビューをお届け。原作のファンだけでなく、ゲーマーならきっと楽しめる本作の魅力を紐解いていく。
『ブラック★ロックシューター』関連商品の購入はこちら (Amazon.co.jp)『ブラック★ロックシューター』とは?
ブラック★ロックシューターは、イラストレーターのhuke氏によってデザインされた、炎のように光る瞳を持つ少女のキャラクター。彼女を題材にしたオリジナル楽曲が2008年にニコニコ動画に投稿されたことをきっかけに注目を浴び、絶大な人気を獲得した。
その後、フィギュア化やゲームの発売、TVアニメ放送など(※)、いろいろなメディアで展開され、誕生から10年以上経ったいまもなお多くの人々の心をつかんでいる。
※2011年にPSP用ソフト『ブラック★ロックシューター THE GAME』が発売 、 2022年4月3日よりTVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』が放送。
リアルな描写と作り込まれた世界観が魅力のオリジナルストーリー
本作では、TVアニメで描かれた世界とは異なる“もうひとつの世界”を舞台としたオリジナルストーリーが展開される。プレイヤーは人型兵器“シンセティック”を導く指揮官として、謎の情報生命体“イノセント・クラウド”と熾烈な争いを繰り広げることに。荒廃した世界を舞台に描かれる命懸けの戦いや、生まれながらに兵器として扱われるシンセティックの人類への不信感など、緻密に描かれるダークな物語は読んでいて心が揺さぶられるだろう。

あらすじ
――22世紀半ば。
ネットワーク上に突如出現した謎の情報生命体“イノセント・クラウド”は、ハッキング能力でネットワークを支配し、公共交通機関や軍の兵器などを乗っ取って人類への攻撃を開始した。戦いが過激になっていく中、イノセント・クラウドはウイルス兵器を使用。それにより高度な情報通信網を失った人類は、世界各地で分断されて追い詰められた。やがて人類はウイルスに感染しない人型兵器“シンセティック”の開発に成功。人類の代わりに戦わせることで反撃し、戦いは長いこう着状態に入ってしまう。
――時は流れて2209年。
ウイルス兵器のワクチンを投与された主人公は、シンセティックを率いる指揮官として、敵の新兵器を破壊するために施設へと侵入する。そこで主人公が目にしたのは、機械につながれた、炎のように光る瞳を持つ少女だった。見覚えのある顔立ち。困惑したのもつかの間、新兵器が暴走し、少女とともに未知の空間に飛ばされてしまう。それはいくつもの世界と時間をまたぐ、戦いの旅の始まりだった。

物語を彩る個性豊かな仲間たち
炎のように光る瞳を持つ少女・エリシュカとの出会いを発端に複数の世界を渡る戦いの旅が始まる。指揮官であるプレイヤーを支えてくれるのは、シンセティックを主軸に構成された5つの部隊の仲間たちだ。新米兵士を集めた“バニー1”や、エリート揃いの“フォージ5”など、部隊はさまざまで、物語の中では多くのキャラクターが登場。それぞれ仲間や人であるプレイヤーに対して複雑な想いを抱えている。総勢20名以上のキャラクターによって紡がれる人間ドラマや、豪華声優陣による演技も大きな見どころだ。
エリシュカ(声:鬼頭明里)

炎のように光る瞳を持つ記憶喪失の少女。自分自身の欲求が希薄なため、表情や言葉が乏しい。あるものを探しているようだが……。

ユズキ(声:市ノ瀬加那)

バニー1の隊長格であり、ムードメーカー。鋭い直感と異様な幸運の持ち主で、これまでの戦闘で銃弾に当たったことがほとんどない。
フーリン(声:伊藤美来)

気まぐれかつズボラな性格で、泰然自若としたスナイパー。バニー1の副官を務め、リーダーであるユズキをつかず離れずで見守っている。
ナラ(声:本渡楓)

明るく前向きながんばり屋の観測手。気も押しも弱く、いつも慌てふためいており、姉のような存在であるユズキとフーリンを頼りにしている。
配信を記念してシナリオライターからコメントが到着!
プレイヤーの心を引き込む世界観と濃密なストーリーを設計するのは、メインシナリオ・設定担当の榊一郎氏と神野オキナ氏。本文の配信を記念してメッセージをいただいたので、ふたりの想いを感じ取ってほしい。
榊一郎氏のコメント

物語系文筆何でも屋の榊一郎です。『ブラック★ロックシューター』という有名IPのお仕事の依頼が来たときには、驚くとともに、世界観やキャラクターも完全新規オリジナルでという発注だったため、ありがたいやら、恐ろしいやら。雰囲気や世界観を広げるべく、神野オキナ氏にもお手伝いしていただいて、ふたりでああでもないこうでもないと試行錯誤しながら組み立てていきました。原作のファンの方から、御新規の方々まで、皆さまに楽しんでいただければ幸いです。
神野 オキナ氏のコメント

はじめまして、神野オキナと申します。榊一郎氏のお誘いで本作に参加させてもらい、シナリオ設計のお手伝いをしています。『ブラック★ロックシューター』という大きな名前は知っていましたし、キャラクターデザインが気になってフィギュアも買っていたのですが、まさか自分がその作品に関わることになるとは思いも寄りませんでした。本作では、物語のウェットさ奇想天外さの幅を広げる係を引き受けさせていただいています。どうかユーザーの皆さまが楽しんでいただければと願っています!
指揮官としての腕が試される“リアルタイムオペレーションバトル”
最大6人のキャラクターを指揮して戦う“リアルタイムオペレーションバトル”では、戦略性と自由度の高い骨太なバトルを味わえる。キャラクターの特徴や相性を考えて編成したり、特殊な能力を持った武器を装備させたりできるため、自分好みの戦術が練られるだろう。攻略法を考えて戦い、想像通りに倒せたときの喜びはひとしお。オート機能もあるのでバトルが苦手な方も安心してプレイ可能だ。
キャラクターを移動させて敵を迎撃
キャラクターの攻撃範囲に敵が入ると自動で攻撃してくれる。キャラクターをスライドして移動させ、フィールドに無数に出現する敵を攻撃しよう。耐久力が高い前衛のキャラクターで敵を足止めし、攻撃力が高いが打たれ弱い後衛のキャラクターを守りながら戦うのがバトルの基本。体力が減ると自爆してくる敵や遠くから離れて攻撃してくる敵もいるので、状況に合わせてキャラクターを移動させながら戦おう。
取れる戦術の幅は広い。タワーディフェンスのように堅実に守るだけでなく、ときには果敢に前線を上げて攻めることも重要だ。

戦闘に影響を及ぼすフィールドギミック
フィールドには、壊れる障害物やエリア内にいる敵や味方全員に特定の効果を付与する“ギミックエリア”など、いろいろなオブジェクトが設置されている。味方が有利になるようにうまく活用しよう。


手に汗握るボスバトル
ステージによってはボスが出現することも。右上に表示されるオレンジ色のゲージが溜まると強力な広範囲攻撃を行うため注意が必要だ。適宜キャラクターを移動させて攻撃を避けよう。


“メインスキル”を駆使して戦況を優位に
各キャラクターは、時間経過で“メインスキル”が使用可能に。メインスキルの効果は大ダメージを与えたり、体力を回復したり、敵をスタンさせたりと能力はさまざま。戦況を見極めて計画的に発動させよう。

“キルゾーン”を活用してバトルを勝利に導け
前衛と後衛の攻撃範囲を重ねることで“キルゾーン”と呼ばれる青いエリアを形成できる。このエリアに入った状態で敵を攻撃することで“キルゾーンスキル”が発動し、強化された状態での戦闘が可能だ。
また、キルゾーン内の敵を攻撃すると画面左下のゲージが溜まり、キャラクターの必殺技を一斉に発動させる“キルアビリティ”が使えるようになる。戦況を一転させる強力な切り札なので、キルゾーンをうまくキープしてゲージを溜められるように意識して立ち回ろう。


戦術の幅を広げる6つの“ジョブクラス”と装備
キャラクターは得意分野に合わせて6つの“ジョブクラス”に分けられる。HPと防御力が高く前衛の要と言っても過言ではないブリーチャーや、移動速度が速く中距離での攻撃を得意とするイエーガーなど、キャラクターを6人まで編成し、自分だけの部隊を作り上げよう。バランスのいい部隊にするのもよし、攻撃的な部隊でアグレッシヴに戦うもよし。すべては自分次第だ。
また、各キャラクターには装備種に対応したメイン装備をひとつ、サブ装備をふたつの最大3つまで装備可能。装備することでステータスアップの恩恵を受けられるほか、装備が所持する“装備スキル”が発動するように。手軽に戦力を増強できるので、ぜひとも活用しよう。


ジョブクラス一覧
- ブリーチャー:HP・防御力が高く、前線で味方を守るのを得意とする
- ラベジャー:攻撃間隔が短く攻撃力が高いため、攻撃に特化している
- イエーガー:移動速度が速く、さまざまな戦況に対応可能
- デストロ:範囲攻撃を得意とするアタッカー
- エンフォーサー:打たれ弱いが長距離から高火力の攻撃を行える
- スペシャリスト:味方の支援や敵の弱体化に秀でている
充実した育成システム
キャラクターや武器には、レベルアップだけでなく“覚醒”や“限界突破”といった豊富な強化要素が用意。手軽に行えるものからハードルの高いものまで充実しており、やりこみ要素のひとつになっている。
キャラクタービジュアルが変化する“覚醒”
キャラクターを重複獲得した際に手に入る“専用ブースター”を使うことで、キャラクターの覚醒レベルを上げることができる。レベル上限が解放されたり、パッシブスキルを獲得できたりと覚醒のメリットは絶大だ。
覚醒レベルが3に到達すると変化するキャラクタービジュアルも見逃せない。好きなキャラクターをとことん育てられる楽しみがある。

最大4回まで行える装備の“限界突破”
同じ装備を強化素材として使用することで限界突破を行える。限界突破をするとレベル上限が上昇し、限界突破4回目には装備の固有特性が大幅に強化される。
装備は武装製造(ガチャ)で手に入るほか、クエストの報酬で一定確率で入手可能。手に入る装備は、種類が同じでもひとつひとつ性能が異なるため、ハクスラ要素を味わうことができる。


レビュー
ここからはメインストーリーの序章と第1章を先行してプレイした編集者のレビューをお届け。本作をプレイしようか悩んでいるという方は要チェックだ。
原作を知らなくても楽しめる圧巻のクオリティー
私は『ブラック★ロックシューター』のオリジナル楽曲を昔聴いていた程度のライトなファンで、本作を楽しみきれるか正直不安でした。しかし、遊んでみたところ、その作り込まれたストーリーとバトルに徐々に没入。気づいた頃にはひとつのシミュレーションRPGとして楽しんでいました。
謎の情報生命体“イノセント・クラウド”との戦いを描くストーリーは、暗く重いです。これは戦いの残酷さや、本来味方であるはずのシンセティックの裏切りなど、どろどろした部分が細かく描写されていることによる特徴と言えます。没入感の高いシリアスなストーリーは、読んでいて思わず息を吞んでしまうこともしばしば。
一方、ギャグやくすっと笑ってしまうエピソードも散りばめられていて、緩急のバランスがよく、どんどん読み進めることができました。同じ部隊のユズキやフーリンにいじられてぷりぷりと怒るナラちゃんのかわいらしさに何度も癒されましたね(笑)。

敵の殲滅を目的としたバトルでは、戦略性の高さに感心しました。キャラクターの移動制限がなく、自由自在に移動させることができるため、多彩な戦術を取れます。敵の発生地点に前線を構えて、敵が出現した瞬間に集中攻撃をしたり、戦力をあえて分散させて、メインスキルのクールタイムを稼ぎながら戦ったり……。
最初は操作できる幅の広さに困惑してしまったものの、慣れていくと、その自由度の高さから試行錯誤してクリアー方法を模索する楽しみを味わえました。濃密な物語と骨太なバトルが魅力の本作。原作を知らない方にもおすすめできる作品です!