唐突だが、どうやら筆者は世界を救う伝説のヒーローだったようだ。

『マーベル ミッドナイト・サンズ』先行プレイレビュー&インタビュー。マーベルヒーローの一員となれ! スーパーヒーローたちと生活し共闘する没入感に圧倒される
仲間のスーパーヒーローとともに、世界を救おうと思います。

 いきなり何の話かと思われるかも知れないが、何十時間もこの『マーベル ミッドナイト・サンズ』を遊んだマーベルファンなら、同じことを言いだして然るべきかと思う。こちらはFiraxis Gamesと2Kによる、アメリカンコミックの大御所“マーベル”レーベルのヒーローたちが集結するカードベース・シミュレーションRPGだ。

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MCU(マーベルシネマユニバース)映画作品のファンに対して本作のプレイ感覚を伝えるならば、最初から最後までつねにアッセンブルしている感じだ。

 マーベルヒーローを取り扱ったゲームは、昔からかなり多い。ただ、本作にはそれらとは一線を画す、本作だけの大きな魅力がある。オリジナルのヒーロー“ハンター”をプレイヤーがキャラクターメイキングし、マーベルヒーローたちと肩を並べて戦い、ともに暮らしていく世界をとことん体感できるのだ。

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あのマーベルヒーローたちと、寝泊りする場所が同じ。パーティーとかも開いちゃったりして。
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バトルシーンでは敵をガンガン吹き飛ばす、ヒーローの圧倒的なパワーに酔いしれることができる。かなり頭を使うバトルなのだが、気持ちよさがそれを優に上回る。

 本作がなぜここまで、マーベルファンには嬉しすぎるし、マーベルを知らない人でもきっとヒーローたちを好きになってくれるであろう“体感型”に仕上がっているのか。2Kからコードを提供してもらっての実際に先行プレイしてみてのレビューに加え、記事の最後には開発ディレクターとプロデューサーへのインタビューも掲載。本作の底なしに深すぎる魅力に、できる限り迫ってみた。

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主人公と一体になり、ヒーローライフを満喫せよ!

 かくいう筆者は、学生のころからのマーベルファンだ。ゲームセンターの某格闘ゲームで彼らの存在を知り、そこからずぶずぶとハマっていった。

 そんな筆者が本作をプレイしていると、あの“アイアンマン”トニー・スタークが素直じゃない言葉遣いで私を褒めてくれたり、戦闘中にあの“ブレイド”エリック・ブルックスが戦いかたを認めてくれたりする会話を、隣に立っているかのような臨場感で聞くことができる。なんなのだ、この耳が幸せすぎる状況は。

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セリフ回しがいかにも“らしい”あたり、シナリオやセリフを考えているスタッフは絶対に全員ディープなマーベルファンだと確信した。

 その魅力を知るために、まずは本作の概要から整理していこう。本作は他メディア作品化されていないが古くから人気のマーベルコミック『The Rise of the Midnight Sons』にインスパイアされ、『Sons』を『Suns』に変えたように、独自のバージョンに昇華したストーリーを築いたシミュレーションRPGとなっている。

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インスパイア元では表立って活躍する“アベンジャーズ”などの有名ヒーローとは異なり、ミュータントや魔術といったスーパーナチュラル(超自然)と神秘の力を持つダークサイド・ヒーローの活躍を描いていた。

 本作でヒーローたちの宿敵となるのは、スーパーヴィラン(悪役)である“リリス”。映画などにはまだ登場していないが、悪魔の母と称される彼女は“サノス”や“アポカリプス”といった有名スーパーヴィランにも並ぶ、銀河最強クラスの存在のひとりだ。

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リリスは強大な闇の力の使い手であると同時に、その力でヴィランどころかヒーローも闇に堕落させ、下僕にできる。正直、映画で言えばストーンを揃えるまえのサノス程度なら簡単に操れるはず。

 本作では、そんなリリスが“キャプテン・アメリカ”の宿敵としておなじみの悪の組織“ヒドラ”によって復活する。リリスはそこに存在するだけで魔法の基礎を歪めるため、“ドクター・ストレンジ”を始めとする神秘の力を使うヒーローたちとの相性は最悪。銀河最強のヒーロー“キャプテン・マーベル”の渾身の一撃すら、平気な顔で跳ね返せる。

 ヒドラを我がものとしたリリスは急速に軍勢を広げつつ、MCU映画にも登場した禁忌の書“ダークホールド”の力で、破滅の予言が示す終末“ミッドナイト・サン”を実現しようと画策していく。そんなリリスはただでさえ強いのに、その手駒として闇堕ちし“フォールン”化したヴィランやヒーローまでもが加わってしまう。

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“ヴェノム”ことエディ・ブロックとシンビオートのバディも、フォールン化して残虐な敵となる。ただし、正直なところこれは序の口。
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映画でも大活躍した“スカーレット・ウィッチ”ワンダ・マキシモフまでもがフォールン化。この時点で彼女の力を知るファンは絶望しそうだが、ほかにも「ウソだろ……」とファンを唖然とさせるフォールン・ヒーローが出現する。

 こんなとんでもない相手に立ち向かうことになるのは、おなじみの“アベンジャーズ”の地球圏に残っていた面々と、ダークサイドのはみだし若年ヒーローが多いチーム“ミッドナイト・サンズ”だ。友人であるワンダを救いたいミッドナイト・サンズの面々はあまりに無鉄砲で、ワンダたちより世界を救うことを優先する、大人びたアベンジャーズとの協力は無理というものだろう。

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MCUでもおなじみ、ヒーローどうしのいざこざはここにもしっかりある。むしろ、これを乗り越えられてこその結束と言える。

 そんな彼らの希望となるのが、かつてリリスと相討ちになったという伝説のヒーロー“ハンター”だ。ハンターはリリスの子なのだが、リリスの妹であるサラこと“ケアテイカー”に、リリスを倒すための最終手段として鍛えられたのだという。

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ハンターは本作が初出のオリジナル設定キャラクターであり、プレイヤー自身が外見などをキャラクターメイキングできる。

 リリスと同様に、現代に復活することになったハンター。しかし、どのようにリリスと戦ったのか、その記憶の大半は失われてしまっていた。プレイヤーはハンターとして、問題だらけのヒーローチームを率い、リリスの軍勢に立ち向かっていくことになる。

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母と戦い、究極の犠牲を払ってかつての世界を救ったハンター。また母と戦うことになる宿命を、プレイヤー=ハンターはどう捉えるのか。
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プレイヤーはハンターの過去について当然知らないわけで、記憶喪失となったハンターと同様の境遇となり、徐々に過去の記憶を取り戻していくことになる。

 この記憶を取り戻していく過程も、プレイヤーがハンターに感情移入しやすい要素になっている。また、別次元に存在する本作でヒーローたちの拠点となる“大聖院”とその周辺の土地は、とても広大。その広いフィールドを自由に歩き回って探索ができるなど、自分の意思で行動できるシーンが多いのも感情移入を助けている。

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大聖院周辺の森や洞窟にはさまざまな宝や秘密が隠されており、探索できるフィールドが非常に広い。
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フィールドを歩いていたら、いかにもな洞窟やモニュメントを発見。これらの謎を解いていくことで、さらに探索可能な範囲が増えていき、ハンターやリリスの秘められた過去に近づける。

交流と共闘をくり返し、ヒーローと絆を深めよう

 こうしてハンターと同一化したプレイヤーは、この急造チームを何とか率いてリリスの下僕たちに立ち向かっていく。そのゲームの流れと、交流のシステムについて解説しよう。

 本作では、昼のパートに大聖院の中で各種研究や情報分析などを他ヒーローに任せつつ、出撃するミッション(戦闘)を選択。このミッションをクリアーできたら大聖院に帰還して夜のパートを迎え、特定のヒーローとの休息を兼ねた交流をしたり、特定のストーリーイベントが進行したりする。それを終えたらベッドで眠り、翌日を迎える。

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交流では、会話中の選択肢次第で友情ポイントがどれくらい高まるかが決まる。友情が一定レベルまで深まるたびに、そのヒーローの強力なパッシブ(自動発動型)スキルが得られたり、能力が強化されたりと、戦闘面でのプラスも大きい。

 交流が可能な回数は、一夜につき一回。つまり一日一回の機会を誰と過ごすか、プレイヤーはよく考えて選んでいく。『ペルソナ4』などでおなじみの、作中の登場人物と仲を深めていく“コミュ”要素とほぼ同じ感覚だ。

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交流可能なヒーローは毎晩ランダムで決まり、直前に一緒に出撃したメンバーが選出されやすくなっている。完全な攻略パターン構築はできないようになっているのが、むしろリアルだ。
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読書やメカニックなど、趣味を同じくするヒーローが結成した“クラブ活動”各種に参加すれば、特定のヒーローとの仲が深めやすい。

 また、交流の際には選択肢によって、ハンターが“光”と“闇”のどちらのパワーに傾いていくかが変化し、ある程度パワーが高まると光や闇、あるいはその中間である“力”の新たな能力を得られる。

 友情や光と闇のバランスは、ほかにも大聖院で一日一回行なえるトレーニング要素“スパーリング”や、各ヒーローからのお願いを聞く“手伝い”などでも変化する。戦闘中に光と闇、それぞれの力を使うことでもバランスは微妙に増減する。

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友情レベルは重要だが、光と闇のバランスとどちらを選択肢で優先するかが悩ましい。明らかにこのヒーローはこの選択肢で不機嫌になるけど光のパワーを上げたい、などという場面も多かった。

 単に相手のご機嫌をうかがうだけではなく、ゲーム的な側面も考える要素に含まれる本作のコミュ要素。これが先述したとおりリアル感を演出しており、各ヒーローの完璧な再現度を誇る会話もあって、ハンターとしての没入感がどこまでも深まっていく。

 この流れがまさにハンターの立場での“ロールプレイ”になっており、たとえば筆者は当初ひたすらファンとしてアイアンマンと友情を育む予定だったが、キャプテン・マーベルと会話するうちに新たな愛着がわき、ついつい話し込んでしまった。

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結果としてキャプテン・マーベルの能力はかなり強化されていくことになり、筆者のチームの頼れる第一線として活躍し続けている。

ノックバックや環境利用攻撃など、戦闘のパターンはほぼ無限

 ハンターとしての没入感が果てしない交流要素だけでも、本作はマーベルヒーローの魅力を存分に伝えてくれている。だが、ヒーローと言えばそのスーパーパワーもまた魅力。それを本作では、バトルシーンでしっかり再現している。

 ガチガチのタクティカルゲームだった『XCOM』の開発スタジオのゲームということで、数値を突き詰めるシミュレーションゲームを思い浮かべる人も多いかと思う。だが、本作には命中率などの概念はなく、ヒーローの攻撃は当然のように命中するし、敵からの攻撃はこざかしくよけずに受け止める。

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本作の戦闘はコマンド入力式などとは異なる、カードを用いたターン制バトルとなっている。

 ターンの形式はかなり特殊だが、覚えてしまうとわかりやすい。毎ターン山札から補充されるカードを、3枚使ったらプレイヤーのターンは終了。敵側のターンは、全ユニットが1回ずつ(一部ヴィランは複数回)行動したら終了し、プレイヤーターンに戻る。

 手札のカードは毎ターン、2枚までは1枚捨てるたびに1枚引き直すことができる。また、パーティーを編成したヒーロー3名のうち、1名のみ好きな場所に1回移動させることも可能だ。

 そして、このカードはヒーローの能力(アビリティ)を表しており、これを使う=その能力を使って行動する、ということになる。たとえばキャプテン・アメリカの“クイックパンチ”カードを選択すれば、キャップが選択した敵に強烈なパンチをお見舞いしてくれるわけだ。

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手札のカードは行動の選択肢ということ。民間人を助けるなど、戦闘中に起こるイベントに対する行動がカードで表現されることが多い。

 また、カードには通常の攻撃や防御行動を示すカードのほかに、より強力な必殺技を放ったり、勝負を決定づけるイベントを成功させるなど、より“ヒロイック”なものを表したカードもある。これらはカードの左上にある数字分の“ヒロイズム”を支払わないと使用できず、ヒロイズムは通常カードを使った際に、左下に書いてある数値の分だけ増加する。

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通常カードをうまく使って、ヒロイズムを溜めて勝負を決めるカードを使う。現在のヒロイズムの値は、画面右下のゲージで確認できる。

 また、ヒロイズムはカードのコストとして使う以外に、フィールドに転がっている岩や箱、電柱などを蹴り飛ばして敵にぶつけたり、踏み台にして跳躍攻撃を決めるなどといった“環境利用攻撃”をくり出すのにも使用できる。これらはヒロイズムがある限り、カードと違ってターン中何度でも使える。

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ヒロイズムを消費し、大きなコンテナを吹き飛ばして敵にぶつけ大ダメージを与える。環境利用攻撃はオブジェクトとヒーローとの位置関係で攻撃範囲が変わることも多く、移動も絡めた戦略が必須だ。

 戦略性で言うとカード(アビリティ)にもさまざまな特殊能力を持っているものがあり、敵をそのカードで倒せばカード使用回数がカウントされない“クイック”や、さまざまな弱体化ステータスを与えるものなど、非常に多くのアビリティが用意されている。

 その中でも筆者がとくに重要と考え、かつ好んで使用した特殊能力が“ノックバック”。この能力があるアビリティで敵を攻撃すると、一定範囲内の別の敵やオブジェクトへと吹き飛ばして衝突させることができる。

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ノックバック能力があるアビリティで、大きなコンテナを爆発物に叩きつけて起爆し、周囲の敵にも打撃を与える。手数が限られる本作のバトルでは、ダメージソースとして非常に重要だ。

 ヒーローたちを強化したり、研究を進めたりしていくと、トレーニング施設である“庭園”がアップグレードできるようになる。それらを進めると、ノックバックの衝突時のダメージが増えたり、味方ヒーローのほうへ敵をノックバックさせるとバッティングの要領で打ち返してくれたりと、よりノックバックの重要性が高まっていく。

 ふつうのノックバックは、微調整はできるもののヒーローから見て正面方向にしか敵を飛ばすことができない。本作ではさきに触れたとおり、1ターンにできる自由移動は1回のみ。アビリティを使うと対象の敵のところへ自動で移動するため、この際の移動をうまく使って位置を微調整する、ビリヤードのような戦略要素も出てくるわけだ。

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ノックバック以外にも、敵の範囲攻撃の予告範囲から逃げたいときなどにもアビリティでの移動が役立つ。限られた手札とカード使用回数、移動回数でどう立ち回るかが腕の見せどころ。

 3人のパーティーメンバーの位置関係を把握し、誰に環境利用攻撃やノックバック攻撃を使わせるか、あるいは手札と相談してノックバックが使えるヒーローをいかに要所に動かすかなど、戦略のパターンは同じステージでもほぼ無限大となる。

 この戦闘にさらに深みを与えてくれるのが、各ヒーローごとにどのアビリティを戦闘に持ち込むかを事前に決めておく“デッキ編成”だ。

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各ヒーローはアビリティを8枚組み合わせて、デッキを作成する。同じカードは2枚まで、アタックマーク、ディフェンスマークのカードは各4枚までなど、いくつかルールが存在する。

 戦闘中は3人のデッキを混ぜた24枚のカードが山札となり、そこからランダムでカードが手札に加えられていく。なお、一度使用したカードは山札に戻るので再使用が可能だ。

 手札に来るのがどのヒーローのどのカードかは、完全に同確率のランダムなので、自分が動かしたいヒーローのカードがつねに手札に来るとは限らない。引き直しやカードを山札から引くカードなどを活用しつつ、揃った手札で一番効果的な戦略を毎ターンその場で考えるわけだ。

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本作はシミュレーションゲームのような形式だが、このランダムな手札により「こうすれば絶対勝てる」といったワンパターンな定石はとりづらい。毎プレイ、毎ターンごとに、絶妙に頭脳を刺激してくれるのが非常におもしろい。

研究や情報分析でチームを強化し、打倒リリス!

 アビリティカードは同じものを掛け合わせることで、より強化されていく。これらの強化用のカードや新たなカードは、クラブ活動などの交流要素での報酬に加え、戦闘で得られた“ガンマコイル”を使うことで、アイアンマンとドクター・ストレンジが管理する製造施設“煉魔炉”で得ることもできる。

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ガンマコイルはすべてのミッションで得られる。そのミッションに出撃したヒーローのカードをランダムで生成し、そこから一定枚数のカードを選んで獲得する。

 煉魔炉で狙って特定のカードを作る“アビリティクラフト”には、大量の素材が必要だ。また、煉魔炉では特定のヒーローがミッションに一定回数参加するなどの条件で解放される“研究”を進めることが可能。ハンターのパッシブ能力を得られる新たなバトルスーツや、各施設でできることが増える拡張設備などを造れるようになる。

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 アビリティカードは、“戦略室”に一部ミッションで得られる“情報キャッシュ”を持ち込むことで発生する、“ヒーロー任務”でも獲得可能だ。こちらでは任務を割り当てたヒーローのカードが手に入るので、積極的にお気に入りのヒーローを向かわせたいところ。

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情報キャッシュや通貨“クレジット”など、ミッションでどんな報酬が得られるかはミッション選択画面で確認できる。

 メインストーリーミッションで物語を進める前に、できればほかの通常ミッションもこなして報酬を得ておきたい。交流の回数も出撃回数の分だけ増えるので、一石二鳥だ。

 なお、ゲームの難易度はオプション画面から出撃前に変更が可能。高難度にするほど得られる報酬なども増えるので、ときには高難度にチャレンジしてみるのもおもしろいかと思う。

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高難易度は一定条件を満たすと解放されていく。ヒーローとアビリティデッキの組み合わせに難易度の幅まで加わり、バトルの奥深さが本当に底知れない。

 戦略的な要素が強いバトルとはいえ、やはりスーパーヒーローということで各ヒーローの固有のパワーは非常に強力。これらを活かせると、一方的に敵を蹴散らせたりするのがまた気持ちいい。

 このスーパーパワーを加味すると、またアビリティデッキの編成が楽しくなる。いざ本気で考え始めると、余裕で数時間を溶かせる。サポート役や攻撃役などの役割分担については、とくにハンターはサポート寄りの光、攻撃寄りの力、代償が大きいがより強力な闇という3種類のアビリティを使いこなせるので、幅広い構築が可能だ。

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たとえばキャプテン・マーベルは、自分のカードを3枚使用した時点で“バイナリー”能力を発動可能。大量の追加体力“ブロック”を獲得し、攻撃力が劇的に増加する。盾役とダメージディーラー、どちらにおいても最強クラスなのはまさに解釈一致。

 さて、ここまで本作の魅力を紹介してきたが、肝心のストーリーについては一切触れていない。王道かつ熱いストーリーラインもまた大きな魅力であり、これに関してはネタバレを少しでもしたくないためだ。

 映画に勝るボリュームと出来栄えのストーリーに、その合間に体験できるヒーローたちとの没入感がすごい交流の数々。バトルに関しても非常に奥深く、それでいてヒーローらしさも存分に味わえるという、本作はあまりにも豪華な仕様になっている。

 MCUの映画作品のように、本作をきっかけにマーベルヒーローにほれ込んでくれる新規層が生まれたり、よりマーベル沼にハマってくれるファンが増えることを、筆者としては確信している。

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マーベル映画作品ファンが「ここが好き」「こうでなくちゃ」と思うであろう部分が、これでもかと詰め込まれたストーリー。マーベル作品の世界観も自然と学べるようになっているので、ぜひぜひ自身の目で確かめてみてほしい。

ディレクター&プロデューサーに魅力の秘密を訊く!

 今回は先行プレイを体験したいまだからこそ訊きたい内容について、本作ディレクターのジェイク・ソロモン氏にオンラインインタビューを敢行した。インタビューに同席していただいたプロデューサーのガース・デアンジェリス氏からも、本作への愛が溢れるアピールメッセージをいただいたので、以下に掲載していく。

ジェイク・ソロモン氏

Firaxis Games ディレクター

ガース・デアンジェリス氏

Firaxis Games プロデューサー

ヒーローの魅力とパワーをタクティカルRPGでフルに表現

――まず、本作で注目してほしい部分、アピールポイントを改めて教えていただけますか。

ジェイクいくつか特徴はありますが、“タクティカルコンバット”である点と、登場人物“マーベルヒーロー”たちがこのゲームの大きな魅力です。そしてマーベルのスーパーヒーローたちと、ゲームをプレイする皆さんが関係性を構築し、友人になることができる点も魅力となっています。

――友人になれる、という点がポイントですね。

ジェイクこういった内容については、日本のゲームの伝統的なスタイルの中に多く学ぶところがあり、私自身も日本の過去のゲームからヒントを得て開発にあたりました。デザインなどの面でも参考にした部分が多くあります。日本のゲームからは、まだまだ多く学べるところがありますね。

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拠点となる“大聖院”ではヒーローたちと交流でき、仲が深まったヒーローはより力を発揮してくれる。近年の日本RPGでいうところの“コミュ”要素にあたるわけだが、あのキャプテン・マーベルといっしょにゲームを楽しむなんて、想像の斜め上を行く光景だ。

――マーベルのスーパーヒーローを活躍させるという点で、これまで開発してきたゲームとは方針などにも違いはあったのでしょうか。

ジェイク鋭いところをご質問いただいたと思います。というのも、スーパーヒーローが登場人物となると、我々としては当初は『XCOM』にマーベルヒーローを投入すればいいゲームになると考えていました。しかし、それではうまくいかないということが判明していったのです。

――Firaxis Gamesの『XCOM』と言えば、タクティカルの緊張感をリアルに表現した完成度が高いタイトルだったと思うのですが、どの辺がうまくいかなかったのでしょうか。

ジェイク『XCOM』はご存じの通り、そんなに強靭でもないふつうの人物が兵士となり、ものすごく強い存在に挑んでいくという面に、プレイヤーが感じるファンタジーがあると思います。その状況下で、タクティクスを駆使して敵と渡り合っていくという部分ですね。

――たしかに、圧倒的な戦力差を覆すところにカタルシスがありました。

ジェイクですが、登場人物がスーパーヒーローとなると、兵士が苦労して自分の弱さに打ち勝って進んでいく、といったファンタジーは成り立たなくなるわけです。そのため、本作ではいちから新たなタクティクスゲームを構築していくというくらいの気持ちで臨みました。

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本作の戦闘には『XCOM』のようなリアルな戦場というよりも、圧倒的なスーパーパワーのぶつかり合いを、自分の肌で感じられるかのような臨場感がある。

――マーベルヒーローについては、日本ですと近年の実写映画(MCU作品)から存在を知ってファンになったという人も多くいます。本作でも映画のように、マーベルヒーローの魅力を伝えるための工夫は盛り込まれているのでしょうか。

ジェイク当然ながら、本作が新しいマーベルファンを取り込むきっかけになれば嬉しい限りです。本作でもいくつか魅力を伝えるポイントがありまして、とくにコンバットスタイルの戦場でいろいろなシーンが演出されるということと、ヒーローたちの生活の場となる“大聖院”での描写が大きな魅力となっています。

――プレイしてみると戦闘だけでも相当おもしろく感じていますが、正直なところまだまだ底が知れません。

ジェイク戦場においては12のヒーローたちが登場し、それぞれが独自の戦闘スタイルを持っています。そのユニークなスタイルを楽しんでもらうには、60時間くらい遊んだとしてもまだまだ入口であり、非常に奥深い要素となっています。

――そんな戦闘要素の魅力だけに終わらず、その合間の生活を描くパートも魅力的なわけですね。

ジェイクそうですね。大聖院のシーンでは人間関係が構築され、ヒーローと仲よくなったり、何かに対して意見が違って議論したりと、そうしたドラマがくり広げられていきます。また、本作では12人の既存のヒーローたちに加え、“ハンター”というプレイヤーが実際にキャラクターメイキングできるヒーローも登場します。

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ハンターは外見のキャラメイクだけでなく、戦闘スタイルについても3つの系統が用意されている。どんな戦い方や育成を選ぶか、どのヒーローと仲を深め、どんな物語の選択をしていくかはプレイヤー次第だ。

ジェイク自分自身のスーパーヒーローを、自分で操作できるというのもまた大きな魅力になるかと思います。また、ハンターの存在は既存のマーベルワールドに対する新たなプラスアルファであり、ここから新規のファン層へ訴えかける魅力になるのではとも考えています。

――プレイしていると、自分自身がまるでハンターとなって隣にいるアイアンマンやドクター・ストレンジと実際に会話しているような気分になれて、ファンとして非常に嬉しく思っています。彼らのセリフやシナリオについては、どのように監修されているのでしょうか。

ジェイク我々自身もマーベルの大ファンでして、ライターチームがけっこうな人数で編成されており、セリフやシナリオを用意しています。どんなストーリーにしたいか、ブレイドのヴァンパイアハンターらしいキャラクター性をどう打ち出すか、アイアンマンならどう言うだろうか、などとチーム内で練りこみながら創出しました。出来上がったものはマーベル側にもチェックしてもらい、意見をインプットし修正していった部分もあります。

――納得しました。ファンとして、たとえば「ここでアイアンマンにはこう言ってほしい」というところをしっかり言ってくれたりすることがあり、非常に嬉しくなるんですよ。

ジェイクありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいですね。

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交流時だけでなく戦闘中にも、各ヒーローはチームメイトと掛け合いをしてくれる。この短くもユーモアたっぷりの掛け合いがファンには本当に嬉しいし、マーベルヒーローを知らない人にも彼らの魅力を知るすばらしいきっかけになるかと思う。

パズルなのにランダム。最適解が無限に変化するタクティクス

――ヒーローの魅力に続いて、ゲームとしての魅力についても伺っていきます。カードとヒロイズムポイントというふたつの軸になっているシステムについて、導入までの経緯を教えていただけますか。

ジェイクそこに関しては、プレイヤーの皆さんにファンタジーを感じていただけるかどうかがゲームメーカーとしても非常に重要だと考えています。アイアンマンにしてもキャプテン・マーベルにしても、彼らは初めからものすごく強い力を持っているパワフルなキャラクターであり、それを表現したのが“ヒロイズム”です。

――それはもう、プレイヤーが手を出すまでもなく、どんな敵が来ても負ける気がしないパワーを持っている気がしますよね。

ジェイクしかし、ゲームとしてはビルドしていく要素もないとおもしろみに欠けてしまいます。そこであえて、最初から当然強いわけですが、ビルドする楽しみを加えるためにカードとヒロイズムポイントという手法に至りました。

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ジェイクたとえば、カードについては全部のカードが手元にあるわけではなく、あれを使いたいけど手札に回ってくるまで待たなくてはならない、といったランダム要素があります。このランダム要素がゲームの複雑性に一役買い、おもしろさにつながっていると思います。

――パズルとしてのおもしろさとランダム性、このふたつを重視しているというお話を別のタイミングで伺いました。ランダム性がカードシステムとして、パズルとしてのおもしろさはどのように追求されたのでしょうか。

ジェイクパズルとしてのおもしろさというのは、とにかく本作では組み合わせが未知数なほど多くなり、いつまでプレイしても網羅したということにはならず、いつまでも遊び続けられる環境を提供できるという部分にあります。

――たしかにカードシステムの関係で、同じステージであったとしてもまったく同じ展開はまずあり得ませんよね。

ジェイク本作はターンベースのタクティクスゲームですが、カードの部分がパズルかつランダムの要素にもなっています。自分が想定しないピースが回ってきたり、求めるピースがそこにはない、というランダム性が生まれます。

――パズルと聞くとランダムというより、最初から答えありきで最適解を探っていくイメージですが。

ジェイクカードを使って敵を攻撃したり、味方を助けたりする際の組み合わせは、パズルを作っていくようにピースをはめ込みつつも、決まった形があるわけではないんです。毎回、無限のパターンが生まれるというのが本作の特徴になっているわけです。

――なるほど。パズルの答えすら毎回無限に変化していくわけですね。

ジェイク永遠に続くパズルは完全に完成することはまずなく、マトリックスがすごくあり、いろいろなゲームの進行の可能性が生まれていく。これを本作ではパズルとしてのおもしろさ、という表現をしています。『XCOM』を思い起こしていただくとそういった要素はかなりあったかと思いますが、それを応用して『マーベルミッドナイト・サンズ』に取り入れた形です。

『マーベル ミッドナイト・サンズ』先行プレイレビュー&インタビュー。マーベルヒーローの一員となれ! スーパーヒーローたちと生活し共闘する没入感に圧倒される
攻撃カードを多めに入れるなどして、カードデッキの構築である程度手札に回ってくるカードの確率は制御できるが、つねに想定通りになるとは限らない。毎ターン変化する最適解をそのたびに探るべく、ターンごとに頭をリセットしてフル回転させるのがまた心地よい。

『XCOM』をも越える革新性と衝撃に備えよ!

――『XCOM』と言えば革新的なタイトルとして多くのファンを魅了してくれたタイトルであり、本作でも同じような衝撃を期待しているファンも多いかと思います。そんなファンに向けて、アピールとメッセージをいただけますか。

ジェイク革新性ということでしたら、先述しましたカードの要素と、さまざまな環境を設定することで世界観を生みだしたという点で本作は革新的になっているかと思います。独自性、新規性についても、本作を開発するにあたり大きな手ごたえを感じています。

――たしかに、『XCOM』シリーズをプレイしたときにはいままでの常識が覆されるような衝撃がありました。

ジェイクそれらは『XCOM』を作っているときにも私たち自身が感じたことであり、そういった意味では『XCOM』と同じ衝撃を、本作でもファンの皆さんにお届けできると確信しています。

――ありがとうございます。続けてプロデューサーさんからも、本作についてファンへのメッセージをいただけますか。

ガース私も『XCOM』は大好きですが、本作はそこからさらに進化していると思います。イノベーション、革新性と言う意味では、自信と誇りをもって『XCOM』よりもさらに、さらにさらに進化していると私のほうからも言えます。

――『XCOM』をプレイしたことがある人からすると、本当にあの衝撃を越えられるのか? と思ってしまうところですが。

ガースコンバットのシーン以外でも、何が起きるかという点でも革新性に溢れており、プレイヤーが作ったキャラクターがヒーローたちと関われることもまた新たな魅力になっています。あのトニー・スタークと直接会話ができる、こんな機会はまずないはずです。

――それはもう、本当にありがとうございますとしか言えません。

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アイアンマン、トニー・スタークがいつも通り斜に構え、プレイヤー=ハンターにユーモアたっぷりの言葉を投げかけてくれる。マーベルファンとしてはこれだけでも感涙ものの革新的な体験だし、アイアンマンを知らない人が彼を好きになる入り口としても、最高の体験になるかと思う。

ガースまた、本作はタクティカルな要素をたくさん盛り込んだことで、タクティカルの枠を超えてもっと多くを包含するストラテジー(戦略)の域までプレイヤーを引き上げてくれるゲームだと思っています。ジェイクが触れていたとおり、日本のRPGからもたくさん学びましたし、ほかにも現存しているあらゆるゲームの「ここがいい!」という部分を徹底的に研究し、取り入れられるところは取り入れた作品になっています。

――マーベルファンだけでなく、ゲームファンとしても欲しいものが全部つまったタイトルになっていそうですね。

ガースまさに私にとってはドリームゲーム、夢がかなった作品だと言えますので、ぜひ皆さんにも体験してみていただければと思います。

マーベル ミッドナイト・サンズ

  • 対応機種:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC
  • 発売日:2022年12月2日発売予定
  • 発売元:2K
  • 開発元:Firaxis Games
  • 価格:8250円[税込](PC版)、エンハンスド・エディションは各9350円[税込]、デジタル+エディション(ダウンロード版)は各10450円[税込]、レジェンダリー・エディションは各12980円[税込]
  • ジャンル:シミュレーションRPG
  • CERO:15歳以上対象
  • 備考:Xbox Series X|S版とPC版はダウンロード専売 Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One版も2023年発売予定
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