2022年10月6日にサービス開始1周年を迎えた、スマートフォン向けアプリ『アイドルマスター SideM GROWING STARS』(以下、『サイスタ』)。1周年を記念して、桜庭薫を演じる内田雄馬さんにインタビューを実施。『アイドルマスター』(『アイマス』)シリーズのプロデューサー(ファンのこと)であるという内田さんの『アイマス』との出会いや、薫を演じるときに意識していることなどを聞いた。

※本インタビューは、9月中旬に実施しました。
※本インタビューは、2022年10月6日発売の週刊ファミ通(2022年10月20日号 No.1766)に掲載した記事に加筆、修正を行ったものです。

内田 雄馬(うちだ ゆうま)

9月21日生まれ、東京都出身。『ファイナルファンタジー 』(グ・ラハ・ティア役)、『Fate/Grand Order』(ディオスクロイ・カストロ役)、『呪術廻戦』(伏黒恵役)など、数多くのゲーム、アニメ作品で活躍している。(文中は内田)

『サイスタ』内田雄馬さん(桜庭薫役)インタビュー。「DRAMATIC STARSの泥臭さは、『SideM』を象徴しているのかなと感じています」
『サイスタ』内田雄馬さん(桜庭薫役)インタビュー。「DRAMATIC STARSの泥臭さは、『SideM』を象徴しているのかなと感じています」

『アイマス』にどっぷりとハマった高校時代

――内田さんは『アイマス』シリーズのプロデューサーとしても知られていますが、『アイマス』とはどのような出会いだったのですか?

内田初めて『アイマス』を知ったのは、ニコニコ動画で投稿されていたアイドルたちの動画だったと思います。そこからしばらくして、父親が誕生日プレゼントにXbox 360本体とソフトを1本買ってくれるということで、僕は『エースコンバット6』をお願いしたら、『アイマス』もいっしょに買ってきて(笑)。それをきっかけに、本格的に触れるようになって、1年を通してアイドルたちと成長していく過程を楽しめる『アイマス』の魅力にハマっていきました。

 そこから、ゲーム以外にもキャストさんたちの出演するラジオを聞くようになり、さらにライブなどにも興味を持つようになりました。それが確か、高校2年生ぐらいの時期だったと思います。その1年間は、ずっと『アイマス』を追いかけていましたね。当時JCBホール(現在はTOKYO DOME CITY HALL)で開催された4thライブの東京公演にも参加しました。僕にとって初めてのライブだったので、印象深かったです。その年に開催された“Animelo Summer Live 2009”にも、キャストの方々が出演されるということで観に行きました。あの1年間の思い出は、いまでも色濃く残っています。

――そうだったのですね。“Animelo Summer Live 2019”では、そのときの思い出も語られていましたね。

内田当時、僕が好きだった『アイマス』のCDが『MASTER SPECIAL』シリーズで、(如月)千早がZABADAKさんの『遠い音楽』をカバーしていて。僕はこの楽曲が本当に大好きなのですが、“Animelo Summer Live 2019”では、僕の出番の前が如月千早役の今井麻美さんで、しかも『遠い音楽』は今井さんにとっても思い入れのある楽曲ということで、ステージで歌われたんです。“Animelo Summer Live 2019”のテーマが“STORY”だったのですが、自分の出番の前に10年前から好きだった楽曲を今井さんが歌っているということに“STORY”を感じて、MCでつい当時の思い出を話したくなりました。

――そういう経緯があったんですね。それだけ『アイマス』に夢中だった1年間だったと。

内田そうですね。『アイマス』を追っかけていて、本当に楽しかったです。ただ、高校3年生になってからは養成所に所属したので、近い世界という感じがして、「このままじゃダメだ」と、少し距離を置くことにしました。

ステージに立つときは薫を感じてもらうことが大前提

――そういった『アイマス』の思い出がある中で、『SideM』のオーディションに参加されることになります。

内田オーディションでは、薫と(鷹城)恭二を受けたのですが、個人的には恭二役に手応えを感じていました。その理由は、恭二を演じているときに、スタッフさんからたくさんディレクションをいただいたからです。逆に薫を演じているときにはディレクションは入らなかったので、それだけ恭二役に可能性を感じていただけているのではないかと思いました。その後、受かったのは薫役で少し意外でしたが、とてもうれしかったです。

――薫役を演じるにあったてのディレクションで印象的だったことはありますか?

内田オーディションのときもそうですが、演じて間もないころは、ディレクションは多くありませんでした。おそらく、それは当時の僕がデビューしてまだ2年目で、お芝居における感情表現の拙さがあったので、薫のクールさや不器用さを自然と演じることができていたからだと思います。

 ただ、少し薫を演じるのに余裕が出始めたころからディレクションをいただくようになりました。薫のお芝居に自信が持てたので、薫の見せかたというのを意識して、少し熱のあるお芝居をしたり、個人的にいろいろな表現をしようとしていたんです。でもスタッフさんから「(芝居が)熱くなりすぎているから、淡々と演じてほしい」とディレクションをいただいて。そういったこともあり、薫を演じるのに余裕が生まれてからも、スタッフと薫のお芝居について意見を交わしながら演じるようにしています。

――つねに、薫のお芝居を追求されているのですね。薫の所属するDRAMATIC STARSは、内田さんにとってどのような存在ですか?

内田『SideM』は、第2のスタートを切った男たちの物語ですが、DRAMATIC STARSはそれを象徴するユニットだと思っています。彼らには明確な共通点はありませんが、自分たちが叶えたい夢のために、年齢も経歴も違う3人で活動しています。(天道)輝は28歳、薫は26歳、(柏木)翼は24歳と、一般的な感覚では、アイドルとしては遅いデビューですが、315プロダクションのほかの子たちに負けないぐらい努力をしています。自分たちの夢のために、泥臭さを感じるほど努力しているその姿が見ている人にパワーを与えていますし、応援したくなると感じさせているんだなと。それが、彼らの美しさであり、『SideM』らしさも表しているのかなと思います。

――そんなDRAMATIC STARSの輝と翼にはどのような印象を持っていますか?

内田輝が3人の中では大人だと思っています。事務所の子たちといっしょに盛り上がったりする場面は多く見かけますが、場の空気を読んで、あえてそうしているのかなと。ユニット内では薫とよくケンカしていますが、3人が困ったときには率先して導いてくれたり。人生経験が豊富だからこそ、まわりを見て行動ができるし、リーダーシップも発揮できる。そんな余裕のある大人のかっこよさを持っているのが輝だと思います。

――翼についてはいかがですか?

内田翼は、柔和な性格をしていますが、一方で胆力もある人だなと思っています。自分自身と向き合うことを忘れない、つねに自分と戦い続ける翼の姿は、ほかのふたりのアイドル活動におけるモチベーションにもつながっているのかなと思います。

――ふたりを演じる仲村宗悟さんと八代拓さんとも数多く共演されてきたと思います。おふたりとの印象深い思い出はありますか?

内田3人で『SideM』のラジオのパーソナリティーを1年間務めさせていただいたのは、いい思い出ですし、役者として成長させていただく機会でもあったので印象に残っています。僕は負けず嫌いなところがあり、当時は周囲の役者をライバルだと思っていました。その中で、ラジオを通じてふたりのいいところをたくさん見ることができて、ほかの役者から学ぶことも大事なんだと気付くことができました。ラジオを通して、切磋琢磨し合う仲間を得られたということもあり、当時の思い出は僕にとってかけがえのないものとなっています。

――ちなみに、DRAMATIC STARSとして、薫としてステージに立つときには、どのようなことを大事にしていますか?

内田プロデューサーさんたちに、薫を感じてもらうということは、何よりも大事にしています。外見からアイドルたちを感じてもらうことはどうしても難しいので、歌やパフォーマンスでアイドルの姿を感じてもらえるように意識して取り組んでいます。また、ライブは生のイベントなので、会場の空気感から生まれるパフォーマンスというのも大事にしています。そうすることで、薫を皆さんに感じていただきつつ、ライブももっと楽しくなると思います。ですので、このふたつはいつまでも忘れずに心掛けていきたいです。

――これまで立たれたステージの中で、とくに印象に残っているものはありますか?

内田まずは、1stライブ(※1)ですね。僕にとって初めてのライブステージだったので、とても緊張していたことを覚えています。続く2ndライブ(※2)は、1stライブには出演していなかったユニットも参加したステージで、しかもアニメの発表もあったので思い出深いです。3rdライブツアー(※3)は、アニメが終了して間もないライブだったのですが、DRAMATIC STARSのユニット曲がありつつ、ソロ曲もたくさん披露できたので、アニメで培ったものをすべて表現できたという意味で印象的でした。

※1…“THE IDOLM@STER SideM 1st STAGE〜ST@RTING!”。2015年12月6日に舞浜アンフィシアターで開催。
※2…“THE IDOLM@STER SideM 2nd STAGE ~ORIGIN@L STARS~”。2017年2月11日、12日の2日間、幕張メッセ イベントホールで開催。
※3…“THE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR 〜GLORIOUS ST@GE!〜”。千葉、宮城、福岡、静岡の4都市を巡るツアーとして開催。

――なるほど。ところで、今回のインタビューが掲載されている週刊ファミ通は、桜庭薫、伊集院北斗、眉見鋭心が表紙を飾っていますが、彼らの仕事ぶりはいかがですか?

『サイスタ』内田雄馬さん(桜庭薫役)インタビュー。「DRAMATIC STARSの泥臭さは、『SideM』を象徴しているのかなと感じています」
週刊ファミ通2022年10月20日号 No.1766掲載時とは、一部デザインが異なります。

内田いい笑顔ですね。彼らのお仕事のときの表情はなかなか見る機会がないので、貴重だと思います。こういった姿を描き下ろしていただけたのは、キャストとしてもうれしいです。願わくば、全員分の表情も見てみたいですね!

――それでは最後に、プロデューサーさんへのメッセージをお願いします。

内田『SideM』の活動が始まってから、約8年経過しました。これほど長い期間応援してくださっているプロデューサーさんには、作品に携わっている身として、とても感謝しております。『SideM』は、一歩一歩、自分たちの足で、みんなでがんばっていく姿が胸を打つ作品だと思います。そんな彼らの歩みのパワーとなるのが、皆さんの応援です。これから彼らが歩み続けるためにも、『SideM』、そしてアイドルたちを愛してくれたらうれしいです。

週刊ファミ通2022年10月20日号 No.1766では、『サイスタ』1周年記念特集を掲載

 週刊ファミ通 2022年10月20日号 (No.1766)では、『アイドルマスター SideM GROWING STARS』(『サイスタ』)1周年記念特集を掲載。1年目の振り返りやプロデューサーアンケートなども掲載しているので、こちらも要チェック!

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