サムスに忍び寄るE.M.M.I.という名の恐怖
2021年(令和3年)10月8日は、Nintendo Switch用ソフト『メトロイド ドレッド』が発売された日。本日で発売1周年を迎えた。
『メトロイド ドレッド』は任天堂から発売された探索型アクションゲーム。“2D『メトロイド』”シリーズとしては、2003年2月14日発売のゲームボーイアドバンス用『メトロイド フュージョン』以来、約19年ぶりとなる完全新作ということもあって、“Nintendo Direct E3 2021”でのサプライズ発表の際は大きな話題となった。
初公開時の映像では冒頭に“METROID 5”と表示され、5番目のナンバリングであることが強調されていたので覚えている人も多いことだろう。『メトロイド フュージョン』の正当な続編であり、時系列的にも『フュージョン』以降の物語が初めて描かれている。
タイトルにあるドレッド(dread)は恐怖や恐れを意味する英単語で、ゲーム中に“恐怖”のエッセンスが多分に含まれているのが大きな特徴。その最たるものが調査ロボット“E.M.M.I.(エミー)”の存在だ。
E.M.M.I.は通常パトロールモードで“E.M.M.I.ゾーン”と呼ばれるエリア内を巡回しているのだが、音を感知すると検知のために脇目も振らずにやってくる。その際に主人公サムスが視認されてしまうと、命を奪いに執拗に追ってくるようになるのだ。捕まればほぼ即死(逃れる術も一応はあるがめちゃくちゃ難しい)ということもあり、凄まじい緊張感。スルスルというかヌルヌルというか、這うように追ってくる様相に名状しがたい忌避感を抱いてしまったのは筆者だけではないはずだ。探索というおなじみの要素にステルスが加わり、これまでの『メトロイド』とは明らかに異なるゲーム体験に誰もが驚かされたのではないだろうか。
もちろん、サムスには新たなアクションが追加。立ち止まらずに隙間を滑り抜けるスライディングや、特定の壁や天井を移動できるスパイダーマグネットなど、小気味よいアクションのおかげで動かしていて楽しくなる。“ファントムクローク”を獲得すれば、光学迷彩で視認されないようにして前述のE.M.M.I.のセンサーから逃れることも可能だ。移動速度が速く、シリーズでもっともスピーディーな点もよかったんじゃないかな。走りながらメレーカウンターを決められるようになったのもありがたい。
本作は非常に難度が高いという点で、発売当初からSNSなどを賑わしていた。とくにボスは一筋縄ではいかない手強さ。ロボット鳥人兵を筆頭とする嫌らしい敵たちに多くのプレイヤーが悩まされたのではないだろうか。しかしながら、難しい分だけ倒したときの達成感も格別なもの。苦労しながらも突破口を見出し、撃破できたときの興奮は忘れられないものになったに違いない。同様に、ボスにやられた際にロード画面に表示されるTips「避けられない攻撃は無い。よく観察して、突破口を探せ」という文言も一生忘れられないだろう。
とは言え、難しいものは難しいということで2022年2月10日には、敵の攻撃力が抑えられるなど初心者にも配慮した“ルーキーモード”が追加。発売当初よりグンと遊びやすくなっている。一方で、ハードモードですら生ぬるいと感じる熟練プレイヤーには“ドレッドモード”も用意された。こちらはハードよりさらに高難度のモードなので、腕に覚えがあるプレイヤーは挑戦してみてほしいところ。
また、2022年4月8日には無料アップデート第2弾が配信。ストーリーで登場したボスとのバトルを連続で行える3種類のルールの“ボスラッシュ”、“サバイバルラッシュ”、“ドレッドラッシュ”が追加されている。好きなボスを選んで練習可能なプラクティスもあるので未プレイのプレイヤーはぜひチャレンジを。
ルーキーモードが加わり、序盤のボス“コルピウス”との戦闘までできるようになった新しい体験版も配信中なので、『メトロイド ドレッド』に興味が湧いたらまずはこちらを試してみるといいだろう。
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