この存在しないアニメ、どこかでめっちゃ見た気がするんだが? アメリカのインディースタジオTruant PixelがVRゲーム『RUNNER』のローンチトレイラーを公開した。日本語のアニソン付きの架空のアニメのオープニング風の内容となっている。

 本作は運び屋(Runner)のミナとなって、邪魔者を銃で蹴散らしながらバイクで未来都市の高速道路を爆走していくVRシューティングゲーム。Meta Quest 2向けに本日リリース予定となっている(ただし現状での対応言語は英語のみ)。

 そのスタイルは1980年代から1990年代あたりのアニメに大きな影響を受けたものとなっており、ゲームでは爆発エフェクトなどもアニメ調になっているだけでなく、敵として多脚戦車が出てきたり、さらにはボイスにわざわざ当時のアニメの英語版吹き替えをやっていたベテラン声優たちを起用。

 本誌で入手した資料には、インスピレーションを受けたアニメとしてバブルガムクライシス、AKIRA、カウボーイビバップ、新世紀エヴァンゲリオン、ガンダムシリーズ、マクロス(ロボテック)、攻殻機動隊、機動警察パトレイバー、特捜戦車隊ドミニオン、トライガン……といった作品が挙げられており、「“おたく”も好きねぇ」としか言いようがない。

flak_attack
多脚戦車なんかも出てくるぜ。
bike_kill
爆発の煙なんかもアニメっぽいエフェクトになってる。

 そしてそのこだわりは今回のローンチトレイラーにもこめられまくっていて、「1990年10月6日にアメリカのテレビ局で放送された回のオープニング」という体裁で、Fat Bardによるノスタルジー全開のシンセトラックに乗せて日本のアーティスト“糸奇はな”が歌うという、ちょっとどうかしているもの。

 関係者と話す機会があったので、「往年のFPS『Shogo: Mobile Armor Division』を思い出した」(※オリジナル曲付きのアニメオープニングが入っていた)と伝えたところ、「もちろん昔やったよ、あのオープニングは良かったよね」との完全に踏まえている回答。いやぁ、仕上がりすぎですねこの人達。

 先述したようにゲームは英語のみなので日本語ローカライズの予定がないか一応聞いてみたのだが、「日本からの引きがあって、かつローンチでローカライズ費用の分を稼げたらぜひやりたい」とのこと。

 なおこちらも英語のみになるが、本作の前日譚を描いたビジュアルノベルスタイルの無料ゲーム『RUNNER: PREAMBLE』がPC/iOS/Androidで公開されているので、どんなテイストなのか気になる人はそちらもチェックして(こちらでもアニメスタイルのカットシーンを大量に見られる)、SNSでシェアしたりして盛り上げてみるといいんじゃないだろうか。

splashdown
雨降りしきる街を撃ちながら爆走。