PLAIONから2022年9月29日に発売されたNintendo Switch、プレイステーション4用ソフト『クリード チャンピオンズ』は、映画史に燦然と輝く『ロッキー』と『クリード』シリーズをテーマにした格闘ボクシングゲームだ。ここでは、そんな本作のレビューをお届けする。

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※本記事はPLAIONの提供でお届けしています。

『ロッキー』と『クリード』シリーズおなじみのボクサーが続々登場

 『ロッキー』と言えば、シルヴェスター・スタローン演じる“イタリアの種馬”こと、ロッキー・バルボアが、世界チャンピオンのアポロ・クリードの対戦相手として指名されてから、過酷な特訓に打ち込む姿や誰もが負けを確信している試合で必死に戦う姿が熱い、言わずと知れた世界中で大人気のボクシング映画。1977年にアカデミー賞の作品賞、監督賞、編集賞を受賞するほどの人気を博し、その後シリーズ化されたことはご存じのとおり。シルヴェスター・スタローンの名を一躍有名にした映画としてもおなじみだ。

 そして2015年には、アポロ・クリードの息子、アドニス・クリードを主人公としたスピンオフ作品『クリード チャンプを継ぐ男』が公開、2019年には『クリード 炎の宿敵』が公開されている。2023年にはシリーズ3作目も予定されているのだとか……。まさに50年近くにわたって、ボクシングの魅力を追い続けている映画シリーズと言える。

 今回リリースされた『クリード チャンピオンズ』は、『ロッキー』と『クリード』をテーマにしたアクションゲーム。本作には、“アーケードモード”と“対戦モード”が用意されており、『ロッキー』と『クリード』に登場するキャラクターを操作して、ボクシングの世界チャンピオンを目指すための物語を楽しめる。両モードでは、初期状態でロッキーやアドニス、リッキー・コーラン、ヴィクター・ドラゴなど10人のキャラクターで遊ぶことが可能で、キャラクターはアーケードモードのクリアーや対戦モードに何度も挑戦することで解放される。最終的には20人のキャラクターで遊べるようになるようだ。

『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!
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アーケードモードをクリアーすることでキャラクターの見た目を変えられる衣装が解放される。

 本作の対戦モードは、好きなキャラクターとリングを選んで、オフラインでほかのプレイヤーやAIを相手に戦える。友だちと楽しむには格好のモードと言えるだろう。一方のアーケードモードでは、選んだキャラクターによって異なるストーリーが楽しめる。今回筆者は、せっかくなので、『ロッキー』と『クリード』のそれぞれの主人公であるロッキーとアドニスの2キャラクターでアーケードモードをプレイしてみることにした。

 ロッキーのストーリーだと、まず最初に世界チャンピオンを決めるアポロ・クリードとの試合からスタート。勝利することで、ロッキーが世界チャンピオンになり、その後のシリーズ作品に登場した敵との戦いが待っている。

 クリードだとロッキーがトレーナーになったところから始まる。映画のようにロッキーと厳しいトレーニングを重ねながら、リッキーやヴィクターとの戦いに臨む姿が描かれていた。

『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!
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 このような感じで、映画の内容を追いながらのストーリーが展開され、試合に勝利することで進行していく。映画では厳しいトレーニングをしているシーンがあるが、ストーリーの途中に途中にクリードとロッキーのトレーニングを再現したミニゲームが挿入されるのも、映画ファンにはうれしいポイントだ。

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ミニゲームは、指示されたボタンを順番に押したり、早押しするといったわかりやすいものばかり。

 肝心のボクシングだが、ふつうのボクシングと同様に、ダウンして10カウント以内に立ち上がれなかったら負けとなるルールだが、一発KOはなしとなっている。

『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!

 格闘ゲームでは、体力がなくなるとその時点でそのラウンドは終了するが、本作では、体力が0になるとラウンドが終了するのではなく、ダウンとなるシステム。そこからカウントが始まり、ボタンを連打して10カウント以内にゲージを溜めることで、立ち上がって復帰できるようになっている。ただし、ダウンする回数が多くなるにつれ、復帰までに必要なゲージが溜まりにくくなるので、何度でも立ち上がれるわけではない。

 プレイ中には、ダウンから復帰する場面は何度も訪れるが、3回目のダウンからの復帰では、ボタンをかなり連打する必要があり、非常に大変。現実のボクシングと同じく、3回もダウンしないような立ち回りが重要になりそうだ。

『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!
ダウン後は、体力が最大の状態で再開。ダウンさせた側も少し体力が回復する。

 操作は基本攻撃、パワー攻撃、グラッブル、スーパーの4種類の攻撃にガードやドッジを組み合わせるというもの。

 基本攻撃は、いわゆるジャブのように速い攻撃を連続で行う。試合中の基本となる攻撃で、基本攻撃を何度か行ってからほかの攻撃に派生させるのが鉄板と言えそうだ。

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 パワー攻撃はその名前の通り、強力な攻撃。隙こそ大きいが、大きなダメージを与えることができる。また、ボタンを長押しすることで、力を溜めてさらに強力な攻撃をすることも可能だ。

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方向キーやスティックを入力しながら攻撃すると叩きつけるようなパンチを放ったり、下からすくい上げるような攻撃を仕掛けたりと動きが変わる。
『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!
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単発で攻撃するのではなく、隙の少ないジャブから、隙の大きいアッパーなどの連携が重要。

 グラッブルは、相手のガードに関係なく、ダメージを与えられる技。隙が大きく、攻撃範囲も広くはないので当てるのは難しいが、ガードに関係なくダメージを与えられるのは魅力的。相手をコーナーに追い込んだときなど、要所要所で重要な働きをしてくれる。

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 スーパーはそのキャラクター固有の必殺技のようなもので、攻撃を当てたり、受けたりしたときに溜まるゲージが最大になったときに使用できる。カットインの後に、ロッキーだと強烈なボディからのフック、アドニスだと連続コンビネーション、ほかにも一撃で大ダメージを与える強烈なストレートなどキャラクターによって異なる演出となっており、大きなダメージを与えられる。

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ほかの攻撃とは違い、発動に条件があるが、演出、ダメージともにそれに見合ったものになっているので、勝利のためにうまく使用したい。

 現実のボクシングを見ていると、ボクサーの動体視力がものすごく、相手のパンチを見切ってかわしているような瞬間に接することもあるが、本作でもしっかりとそれが再現されており、敵のパンチが当たりそうになる瞬間に、タイミングよく攻撃やガードをすると、敵の攻撃を回避して相手にカウンターを当てられる。

 回避と攻撃をひとつのボタンでできるという操作的に重要なテクニックで、敵の攻撃を見切ってカウンターを当てるというボクシングらしさをしっかりと再現しているシステムだ。

『クリード チャンピオンズ』レビュー。ボクシングの魅力とゲームらしい楽しさが融合して、『ロッキー』&『クリード』シリーズならではの迫力の試合が楽しめる!
発動時には青い残像のようなものが出現。うまく操作すれば敵のカウンターに対してさらにカウンターで攻撃することもできる。

 また、パワー攻撃など一部の攻撃には上体をそらしてからパンチするものも。上体をそらしているときは、フックなどの横からの攻撃が当たらないので、敵の攻撃を回避してからの攻撃も可能。つまり、カウンターとは違って敵の攻撃を見てから反応するのではなく、敵の攻撃を先読みして回避から攻撃するということだ。

 ただし、あくまで先読みなので、カウンターのように絶対回避できるわけではない。距離を詰めての攻撃やアッパー気味の攻撃だと当たってしまうが、多くの攻撃を回避することができるので、うまく使用したい。

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 さらにガード中に攻撃を受けると体力の下のゲージが減っていき、そのゲージがすべてなくなってしまうと一定時間無防備になってしまう。

 そこで、重要になってくるのがドッジだ。ドッジは、前後左右にステップ移動ができるというもので、敵との距離をとったり、一気に詰めたりすることができる。かなり動きが速く、攻撃の回避にも使えるので、敵の攻撃にガードばかりで対応するのではなくて、ステップ移動ができるドッジを使用しての回避を中心に試合を組み立てなければならない。こういうところでもガードばかりするのではないボクシングらしさが表現されているのが本作のおもしろいところだ。

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 前述の通り、本作ではロッキーやアドニスといった主人公だけではなく、いわゆる敵役として登場したキャラクターも操作することができる。アーケードモードでは、それぞれにストーリーがあるので、敵ボクサーのストーリーがどのようなものになっているのか、非常に気になるところだ。

 操作自体はシンプルで遊びやすく、出が早いジャブやストレートなどの攻撃の組み合わせ、相手の攻撃にあわせたカウンターなど実際のボクシングの要素をうまくゲームに落とし込んでいる。一方で、カットインが入る必殺技の演出などゲームならではの演出も相まって爽快感も満点。キャラクターによって、攻撃を組み合わせたときの動きが違うので、得意なキャラクターを見つけて極めてみるのもいいだろう。

 また、ボクシングの要素がゲームにうまく落とし込まれているからこそ、ほかの格闘ゲームとは違った感覚でプレイできるのも本作の特徴。ボクシングや『ロッキー』と『クリード』シリーズが好きな人はもちろん、さまざまな格闘ゲームをプレイしている人でも楽しめるのではないだろうか。

クリード チャンピオンズ

  • 対応プラットフォーム:プレイステーション4、Nintendo Switch
  • 発売日:2022年9月29日発売
  • 発売元:PLAION
  • 開発元:Survios
  • 価格:各4928円[税込]
  • ジャンル:格闘
  • CERO:12歳以上対象
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