本日、2022年9月15日に発売されたプレイステーション5、プレイステーション4、Nintendo Switch向けソフト『聖塔神記 トリニティトリガー』は、フリューが手掛ける完全新作のアクションRPG。開発陣に結城信輝氏(世界観ヴィジュアル)、菊田裕樹氏(コンポーザー)、久保田悠羅氏(シナリオ)、風間雷太氏(キャラクターデザイン)らが名を連ねる話題作だ。

 物語の舞台は、かつて“秩序の神々”と“混沌の神々”が世界の覇権をめぐって争いをくり広げた世界“トリニティア”。神々の戦争の代理者である“混沌の戦士”に選ばれた主人公シアンは、 “秩序の戦士”である王女ヴァイオレットや側近護衛官たちとの過酷な戦いに巻き込まれていく。

『聖塔神記 トリニティトリガー』レビュー。発見する楽しさにきっとやみつきに! 家族や友人と遊びたくなる王道のアクションRPG
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 本記事では、本作をひと足早く体験した記事担当ライター・ジャイアント黒田によるプレイレビューをお届け。ストーリーのネタバレには配慮しているので、安心して読み進めてほしい。

フィールドに隠された宝箱やボスを求めて

 体験することすべてが新鮮だった子ども時代。新しいものを発見するたびに興奮したのを覚えている。大人になり、日々の生活に追われて発見の喜びを感じる機会は減ってしまったが、本作をプレイして子ども時代のワクワクが蘇ってきた。

 というのも、本作は“3つの発見”をテーマに制作されており、フィールドや街での探索、モンスターとのバトルを通してさまざまな発見が楽しめるのだ。とくに冒険心を刺激されたのが、フィールドや街に隠された宝箱。あっさりと発見できるわけではないが、かといって数時間彷徨って見つからないというわけでもない。

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フィールドでヒビの入った壁を発見。武器で攻撃すると、壁が壊れてその先の部屋に宝箱が! このような発見と驚きがフィールドのあちこちで堪能できる。

 隠しかたが絶妙で、新たな場所を訪れるたびにコンプリートを目指したくなった。ミニマップの下にフィールド内の宝箱の数や、発見した数が表示されているのも、探索を続ける原動力に。拡大マップが導入されたのも、周囲を確認しやすくてありがたい。

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全体マップには、画面左上に旅の目的も表示される。迷ったときなどに活用すると便利。

 すべてのフィールドに、強敵の隠しボスが存在するのも好印象。隠しボスは、その地を初めて訪れたときのレベルでは太刀打ちできない強さだったが、試行錯誤をして攻略する楽しみが味わえた。

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序盤のフィールドに登場する隠しボス。通常のボスと比べて桁違いの強さを誇るので、挑戦しがいがある。

操作キャラクターや武器を切り換えて戦う戦術性に富んだバトル

 冒険を進めていくと、シアンたちの使用可能な武器が増えていくのもうれしい要素。シアンと仲間のエリス、ザンティスは、“トリガー”と呼ばれる精霊のような存在の相棒を連れている。その姿は召喚者の思いや願いが反映され、さまざまな武器に転身してシアンたちを助けてくれるのだ。

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トリガーのデザインは、『ポケットモンスター』シリーズで知られる、にしだあつこ氏、北風友裕氏、水谷恵氏がそれぞれ担当。イベントシーンではキュートな姿に注目を!

 トリガーが転身できる武器は、片手剣、双剣、拳、槍、斧、杖、弓、魔銃の8種類。最初は使用可能な武器が少ないものの、“聖塔”と呼ばれる遺跡でトリガーがパワーアップすると転身できる武器が増えていく。

 バトルは、フィールドを移動しながら操作キャラクターや、8種類の武器を切り換えて敵と戦う“リングチェンジシステム”を採用。戦闘では敵の弱点を突ける武器を発見するのが攻略のカギとなる。

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武器の切り換えはリングチェンジシステムで行う。製品版には便利なショートカット機能も追加されており、戦闘中もお気に入りの武器に瞬時に切り替え可能。

 弓は遠距離攻撃が得意、拳は素早い攻撃が可能、斧は攻撃範囲が広く敵を一網打尽にできるなど、武器によって具体的に特性が異なるので、好みや戦況に応じて使い分ける楽しみも。さらに武器ごとにコンボを設定できるほか、技を強化する要素も用意されている。自由度の高いカスタマイズに没頭して自分にあったバトルスタイルを発見するおもしろさが味わえた。

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技の強化は、敵を倒したときに得られる“TP”を消費して行う。強化するたびに消費するTPの量が増えていくので、どのように強化するかはプレイヤー次第。ちなみに、筆者はお気に入りを集中して強化するのが好み。
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トリガーは、武器ごとに“マナタイト”と呼ばれる装備品をセットできるのも、カスタマイズの自由度を高める要因に。マナタイトは種類が豊富で、レシピや素材を集めて自作する楽しさも体験できる。

 戦闘では、“シンクロゲージ”の管理も重要になる。シンクロゲージは、通常攻撃にあたる“トリガーアタック”をくり出すときに消費するのだが、このゲージがゼロになると与えるダメージが著しく減ってしまう。

 シンクロゲージは時間経過によって回復するほか、敵の攻撃をギリギリ避けて“ジャスト回避”が成功したときにも回復する。このジャスト回避をうまく活用すれば、攻撃→ジャスト回避→攻撃と、攻め続けることも可能。入力のタイミングはそれほどシビアではなかったので、アクションゲームが苦手な人でも狙いやすいのはうれしい。

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ジャスト回避が成功すると、キャラクターが光って表示される。製品版では通常の回避も修正されており、通常攻撃のキャンセルが気持ちよく行えるようになった。

 製品版は、味方キャラクターのAIが改善されているのもポイントだ。攻撃頻度が調整されたほか、受けるダメージ量が軽減されている。欲を言えば、敵に応じて使用する武器も自動的に使い分けてほしかったが、キャラクターの切り換えも戦術のひとつとなるだけに、さすがに贅沢な悩みか。いずれにせよ、体験版と比べて遊びやすくなっているので、ぜひ製品版でその違いを体験してほしい。

家族や友人といっしょに“3つの発見”を堪能し尽くそう!

 数々の謎が散りばめられたストーリーや、魅力的なキャラクターも冒険を続ける原動力に。シアンが“混沌の戦士”に選ばれた理由や、シアンに協力するエリスやザンティスの思惑など、序盤から気になる要素が次々と登場する。

 過酷な運命に翻弄されながらも、前向きに行動するシアン。頼りになるのに、ところどころ抜けたところがあるエリス。パーティーの兄貴分だが、ちゃらんぽらんなところもあるザンティス。この3人と相棒のトリガーたちがくり広げるやり取りは、微笑ましくて自然と顔がほころんでくる。

『聖塔神記 トリニティトリガー』レビュー。発見する楽しさにきっとやみつきに! 家族や友人と遊びたくなる王道のアクションRPG
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 風間雷太氏がデザインしたキャラクターたちの活躍を、久保田悠羅氏が描いたシナリオで堪能できる。菊田裕樹氏が手掛けた楽曲の数々も、ストーリーや冒険を彩ってくれるので、こちらもぜひお楽しみに!

『聖塔神記 トリニティトリガー』レビュー。発見する楽しさにきっとやみつきに! 家族や友人と遊びたくなる王道のアクションRPG
3つの発見が堪能できる冒険の合間に、図鑑や名産品のコンプリートを目指したり、各地で発生する多彩なサブクエストにチャレンジしたりする楽しみも。

 発売後は、ほかのプレイヤーとコンボの構成やオススメの技を意見交換するのが楽しみだ。発売後のお楽しみといえば、ローカルプレイでのマルチプレイも早く体験したいところ。子どものころは、本作の開発に参加しているクリエイターが手掛けた『聖剣伝説』シリーズのマルチプレイに夢中になった。

 当時は、兄弟や友だちと遊ぶことが多かったが、大人になって息子が誕生したいまは、家族でプレイできる。ゲーム好きの妻や息子も、きっと気に入ってくれるはず。父親の威厳を示すためにも、隠された宝箱やボスを発見して、ふたりにはかっこいいところを見せたい。そんなちょっぴり邪な心を持ちながら、トリニティアを巡る冒険をひと足早く堪能している。

『聖塔神記 トリニティトリガー』レビュー。発見する楽しさにきっとやみつきに! 家族や友人と遊びたくなる王道のアクションRPG
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メインメニューの協力プレイで設定を変えると、最大3人でのマルチプレイが可能に。3人揃ったときに使える必殺技“トリニティインパクト”は、マルチプレイでもくり出せる。

製品情報

  • タイトル:『聖塔神記 トリニティトリガー』
  • 対応ハード:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4
  • 発売元:フリュー
  • 開発:スリーリングス
  • 発売日:2022年9月15日発売
  • ジャンル:アクション・RPG
  • 価格:各8580円[税込]
  • CERO:12歳以上対象
  • 備考:
    世界観ビジュアル:結城信輝
    コンポーザー:菊田裕樹
    シナリオ:久保田悠羅
    キャラクターデザイン:風間雷太
    ディレクター:礒部たくみ