伝説のゲームがリメイクで復活
いまから1年前の2021年(令和3年)8月26日は、プレイステーション4、Nintendo Switchで『月姫 -A piece of blue glass moon-』が発売された日。
『月姫』は『Fate』シリーズで知られるTYPE-MOONが、まだ同人サークルだった2000年に発売された作品。事故が原因で“あらゆるモノに死をもたらす線”が見えるようになった主人公の遠野志貴と吸血鬼の王族であるアルクェイド・ブリュンスタッドが出会い、惹かれていくストーリーが展開されます。
2008年にリメイクの制作が発表されてから長いあいだ発売の気配がありませんでしたが、2020年の大晦日に行われた“Fate Project 大晦日TVスペシャル2020”で、2021年夏に発売されることがサプライズ発表! 驚きで心の整理がつかないまま、年を越したファンも多かったのではないでしょうか。
2019年に筆者が奈須きのこ氏にリメイク版『月姫』の進捗について伺った際、「いま少しだけテストプレイをしているけど、おっさんゲーマーほど超楽しいと思う」という返答をもらえたときは、制作が続いていたことに安堵しつつも、まだまだ時間がかかるのかなと思っていました。それがまさか2年後には発売されるとは。いまにして思えば、かなり制作が進んでいる状態でのテストプレイだったんですね……!
オリジナル版の『月姫』はアルクェイド・ブリュンスタッド、シエル、遠野秋葉、翡翠、琥珀という5人のメインヒロインのルートが存在しましたが、本作はそのうち“月の表側”と呼ばれるアルクェイドとシエルのふたつのシナリオが収録されています。アルクェイドはロングスカートからミニスカートになったり、シエルは髪型が変わったりとビジュアルも変化しています。
ストーリーも大胆にアレンジされており、志貴の学校に転任してきた教師のノエルや聖堂教会から日本に赴任してきた司祭代行のマーリオゥ・ジャッロ・ベスティーノなど、新キャラクターが登場して物語を盛り上げます。ネタバレになるので多くは語りませんが、ノエルの存在によってシエルの内面がより深く描かれるられるので原作ファンも必見です。
また、オリジナル版は強力な吸血鬼である“死徒二十七祖”のひとりネロ・カオスとの戦いが中盤の山場でしたが、本作では別のキャラクターであるヴローヴ・アルハンゲリが立ちはだかることに。てっきりネロが登場すると思っていたファンは驚いたハズ。もちろん、筆者もそのひとりです。
どのような背景を持ったキャラクターでどんな能力を持っているのかは、ぜひゲームをプレイしてもらいたいのですが、ヴローヴもネロ・カオスに負けないぐらい個性的。演じている津田健次郎さんの低音ボイスも迫力がありました……!
ヴローヴはアルクェイドルートとシエルルートの両方で対峙することになるものの、ストーリーはまったく異なるので先の展開は予想できません。
ストーリーはもちろん、グラフィックや演出も現代の技術でパワーアップ。立ち絵の大きさやカットインで動きや距離感を表現する手法は本来のノベルゲームらしさを感じることができ、オリジナル版のファンも安心して楽しめるポイントです。
筆者がいちばん好きなキャラクターは遠野秋葉で、感動して泣いたのは琥珀のシナリオ。今回の“月の表側”もすばらしかったので、早く“月の表側”もプレイしたい! さすがにつぎは13年も待つことはない……と思いたいので、みなさんも本作をプレイして続編に備えましょう。
なお、本作の関連作として2D対戦格闘ゲーム『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』(メルティブラッド:タイプルミナ)も存在。『月姫』に登場するキャラクターたちも登場します。前述のノエルやヴローヴも参戦しているので合わせてチェックしてみてください!
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