日本一ソフトウェアは、新作ソフト『魔界戦記ディスガイア7』(以下、『7』)を発表した。2023年1月26日に発売予定で、対応プラットフォームはプレイステーション5とプレイステーション4、Nintendo Switch。

 本記事では発表に先立ち、東京都内で実施されたメディア限定発表会の模様をお届けする。発表会では日本一ソフトウェアの元代表取締役社長・新川宗平氏と、『7』のディレクターを務める美濃羽俊介氏が登壇し、新作『7』にかける思いやこだわりを語った。

※本会見は2022年8月5日に行われたものです。

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新川宗平氏(にいかわそうへい)

元日本一ソフトウェア代表取締役社長。『ディスガイア』シリーズには1作目から携わっており、『7』でも開発の指揮を取る。8月19日に代表取締役社長の辞任を発表した。

美濃羽俊介氏(みのわしゅんすけ)

『7』のディレクター。2012年に日本一ソフトウェアに入社し、プログラマーとして『魔界戦記4Return』や『魔界戦記ディスガイア5』に携わる。学生時代に『魔界戦記ディスガイア2 PORTABLE』に熱中したことから、好きなキャラクターはロザリンドとエトナ様。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 シミュレーションRPGの『ディスガイア』シリーズは、日本一ソフトウェアの代表作のひとつ。2003年にプレイステーション2で『魔界戦記ディスガイア』がリリースされ、“レベル9999”や“億越えダメージ”などのやり込み要素が好評を博し、シリーズ作品の全世界累計出荷本数は500万本を突破している。

シリーズ初の“和風の魔界”になったきっかけ

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 『7』のストーリーは、“和風の魔界”を舞台に、はぐれ武士・フジとオタク少女・ピリリカのデコボココンビが、“日ノ本魂”を取り戻す姿が描かれる。

 じつは、“和風の魔界”を舞台にした作品は『ディスガイア』シリーズでは初めて。日本の観光名所をオマージュした場所を巡れるほか、演歌を取り入れるなど楽曲にも和風のエッセンスが満載。日本一ソフトウェアがある岐阜県をモチーフにした場所も登場し、この地には温泉があるそうだ。

 和風を選んだ理由として、美濃羽氏は「『7』の物語を展開にするにあたって、『1』や『3』のように、ひとつの魔界を掘り下げていくことに決めました。どういう世界観を掘り下げるとおもしろいのか、開発スタッフと意見を出し合う中で、“和風の魔界”はいいんじゃないかと思いました」と開発秘話を明かした。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る
舞台が和風ということで発表会は趣のある和室で開催。美濃羽氏はこういう場は初めてと緊張気味だったが次第にギアが上がり『ディスガイア』愛と『7』へのこだわりを大いに語っていた。

 また、はぐれ武士のフジは、美濃羽氏曰く「金にうるさい金の亡者。貧乏であるがゆえに、あくどい手を使ってお金儲けを企む、悪魔的な発想を持った主人公です」とのこと。フジとコンビを組むピリリカは、「『5』のウサリアが暮らしていたような、平和な魔界の出身者で、愛が好きな女の子です。実家がお金持ちなので、フジを雇っていろいろやっていくことになりますね」と教えてくれた。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る
『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る
左が主人公のフジで右がヒロインのピリリカ。新川氏は、「ピリリカは、キャラクターの属性で言うと、『1』に登場したフロンに近いと思います」とも。

 『7』のメインストーリーは2Dのキャラクターの掛け合いで展開される。これまでのタイトルと同様に、原田たけひと氏が描いたイラストを堪能可能だ。このメインストーリーに関して、参加したメディアから難度についての質問が。

 初心者にも間口を広げて開発された『6』は、ファンから「難度が低い」という声も挙がっていたが、美濃羽氏によると「『7』のメインストーリーの難度には明確な基準がある」という。「『5』の基準に戻していて、工夫すればレベリングをしなくてもクリアーできますが、レベリングすると楽にクリアーできる難度で開発しています」と続けた。

新要素“弩デカ魔ックス”が生み出すダイナミックバトル!

 新要素の“弩デカ魔ックス”は、『7』を代表するシステムのひとつ。巨大化したキャラクターがステージを飛び出してマップ全体を攻撃するなど、ルール無用の圧倒的なパワーを体験できる。シミュレーションRPGでありがちな、キャラクターを移動させて攻撃する手間を解消したシステムとも言えるだろう。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 美濃羽氏によると、“弩デカ魔ックス”には「ステージに存在するだけで効果が発生する、キャラクター固有のエフェクトもある」という。たとえば、プリニーが巨大化していると、プリニー爆破でキャラクター全員が爆発するようになるそうだ。

 フィールド全体に効果が及ぶ“弩デカ魔ックス”は、あまりにも強力なシステムなのでゲームバランスの調整が気になるところ。美濃羽氏は「ふつうに進めるぶんには、ちょっと便利なシステムになるように調整しています。巨大化するキャラクターのレベルさえ上げてしまえば、たったひとりで敵を蹂躙することもできますよ」と補足してくれた。

 この“弩デカ魔ックス”は、味方だけではなく敵が使ってくるのもミソ。敵の効果もステージ全体に及ぶので、いかに攻略するかがプレイヤーの腕の見せどころになる。もちろん、『ディスガイア』ならではの強引な攻略法も存在。「主人公たちも“弩デカ魔ックス”を使うと、大怪獣バトルのような戦いが楽しめますよ。それに巨大化した敵を倒すことができれば、効果を打ち消して強引に進められます」とのこと。

最凶の装備品を生み出す究極のやり込み要素“アイテム転生”

  “アイテム転生”は、武器や防具、アクセサリーなどを強化できる新要素。シリーズファンにとっては、“アイテム界”のような強化システムと説明したほうがわかりやすいだろう。美濃羽氏は「アイテム界よりもさらに時間のかかる、究極のやり込み要素を目指しています」と自信をのぞかせた。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 ここで新川氏から「(資料に書かれた)食べられる剣も作れちゃう! ってどういうことなの?」という質問が。会場に駆けつけた多くのメディアも気になったポイントだ。美濃羽氏によると「ガムやアメなどの食べられるアイテムを剣に転生させることで、“食べられる”という特性を引き継いだ剣になります」とのこと。ちなみにこの剣を食べると、剣のステータスぶんだけHPなどが回復するそうだ。

 ほかにも杖は魔法の射程が伸びる、拳は反撃回数が増えるといった武器種固有の特性も転生先のアイテムに引き継がれる。特性は珍しいものも用意されているとのことなので、濃羽氏の言う通り、究極のやり込み要素となるかもしれない。

シリーズおなじみの多彩な“武器技”がパワーアップして復活!

 前作の『6』で実装されなかった“武器技”が、『7』では復活を遂げた。新川氏は「前作を遊んでくれたユーザーさんから、“武器技”がなくて残念だったという声が多数届いていたので、『7』で復活させるのは必須だと考えていました」とコメント。

 そのうえで美濃羽氏は「とはいえ、“武器技”をただ復活させるだけでは芸がありません。そこで先ほど紹介した“アイテム転生”と絡めて、槍の技が使える剣など、異なる武器種に転生させても“武器技”が使えるようにしています」と教えてくれた。やり込めば、“すべての武器種の最終技が使える剣”を生み出すこともできるという。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 あと、“武器技”に関して気になるのは、新たな技の習得方法。これまでのシリーズ作品では、武器の習熟度を示す“ウェポンマスタリー”を上昇させることで新技を習得できたが、美濃羽氏によると「『7』では“ウェポンマスタリー”で覚えられるほか、“武器技”が使用可能になる特性を引き継ぐことでも使えるようになる」とのこと。

美濃羽氏の強い熱意でシリーズ最多となる45体の汎用キャラクターが登場!

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 『7』にはシリーズ最多となる45体の汎用キャラクターが登場。3Dのグラフィックで表現された個性的なキャラクターが、グリグリ動く姿を堪能できる。汎用キャラクターの数がシリーズ最多に増えたのも、前作からの改善要素のひとつだ。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 新川氏は「『6』ではキャラクターを初めて3D化したことで、汎用キャラクターの数を揃えられませんでした。数が少ないという指摘もあったので、『7』では数を増やすのがマストでしたが、それにしても2倍以上になるとは思っていませんでした(苦笑)」と告白し、会場の笑いを誘っていた。

 汎用キャラクターの数が2倍以上に増えたのは、美濃羽氏自身がシリーズの熱心なファンであるから。「『ディスガイア』シリーズの汎用キャラターには男女が存在していましたが、『6』では新川がお話しした理由から実装できませんでした。僕は男女のキャラクターをなんとか復活させたかったので、最終的に2倍以上になりました」と熱く語ってくれた。

『6』で実装された自動戦闘システムも大幅にパワーアップ!

 『6』からパワーアップした要素はほかにも存在。キャラクターが自動で戦ってくれる“自動戦闘システム”や、「どの敵にどの技を使うか」などの細かい指示が出せる“魔心エディット”も、『7』ではますます遊びごたえのあるものとなっている。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 美濃羽氏は、「“自動戦闘システム”はおもしろい試みだと手応えを感じていましたが、自動周回させる機能は放置することが最適解になっていまい、ゲームのおもしろさに結びつけにくいと感じていました」と問題点を指摘。そこで“魔ソリン”と呼ばれるコストを導入したり、ステージで得られる報酬をミッション制にしたりすることで、ユーザーが工夫できる余地を生み出している。

 さらに、自動周回の代わりに“魔ソリン”を使ったスキップ機能を実装しているのもポイント。「これにより、自動周回でユーザーさんが待機する時間がなくなり、作業感を減らしたうえで、低コストでミッションクリアーを狙うなど、達成感が得られるようになっています」と、美濃羽氏が狙いを解説してくれた。

シリーズ初となる “オンラインAI対戦機能”を実装した狙い

 『7』にはシリーズ初となる“オンラインAI対戦機能”も実装される。対戦機能は『魔界戦記ディスガイア PORTABLE 通信対戦はじめました。』にも搭載されていたが、新川氏によると「当時はあまり遊ばれなかったので、『ディスガイア』シリーズは対戦に向いていないのかなと思ったのですが、AI対戦ならいけるんじゃないかと考えました」と、実装に至った経緯を明かしてくれた。

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

『7』の発売日は2023年1月26日! 過去作を遊んで発売に備えよう

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

 発表会の最後に、美濃羽氏は「僕はファンからディレクターになったので、先輩たちから“ディスガイア魂”を受け継いだうえで、僕が考える最高におもしろい『ディスガイア』を目指して開発しています。応援よろしくお願いいたします」とファンにコメント。

 これを受けて新川氏は、「美濃羽の頼もしい言葉を聞けただけで私は胸がいっぱいです」と笑顔に。そして、「『7』はシリーズとして20周年、日本一ソフトウェアとしても30周年ぐらいの節目を飾るタイトルになります。新しい世代のスタッフたちが、看板タイトルを作り上げてくれていることをうれしく感じています。『7』ならではの手応え、歯ごたえがたくさん詰まっていますので、ぜひ手に取っていただけるとうれしいです」と、ファンにメッセージを贈った。

 また、『7』の発売まで時間があることから、現行機で遊べる『ディスガイア』シリーズを、この機会にぜひ体験してほしいともコメント。現在、プレイステーション4やNintendo Switchでは、『1』のグラフィックを高解像度化した『魔界戦記ディスガイア Refine』のほか、『魔界戦記ディスガイア4 Return』、『魔界戦記ディスガイア5』、『魔界戦記ディスガイア6』(※プレイステーション5版も登場)がプレイ可能。これらの作品をまだ遊んだことがない方は、チェックしてみては?

『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る

『魔界戦記ディスガイア7』発表記念プレゼント企画

日本一ソフトウェアの新作タイトル『魔界戦記ディスガイア7』の発表を記念して、プレゼント企画を実施する。『魔界戦記ディスガイア6』(Switch版)を2名にプレゼント! Wチャンスでプリニーキャスケット3名をプレゼント! ご応募、お待ちしています。
応募方法
1)ファミ通.comツイッターアカウント(@famitsu)をフォローする。
2)日本一ソフトウェアツイッターアカウント(@nis_prinny)をフォローする。
3)以下のキャンペーン用ツイートをRTする。

開催期間
2022年8月23日(火)15:00~8月31日(水)23時59分
賞品
『魔界戦記ディスガイア6』(Switch版) 2名
Wチャンス賞品
プリニーキャスケット 3名
応募締切
2022年8月31日(水)23時59分リツイート分まで
当選発表
2022年9月1日(木)以降に、ファミ通.com公式アカウント(@famitsu)から、当選者へDM(ダイレクトメッセージ)を使って通知します。

※DMを送るため、発表まではファミ通.com公式アカウント(@famitsu)のフォローを解除しないでください。
※当選者にお送りするDM内に、賞品発送先の登録フォームのURLを記載しますので期限(2022年9月9日(金)23時59分)までに必ずご登録ください。期限までに登録が確認できなかった場合は、当選権利が取り消されます。

賞品発送
2022年9月下旬予定

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、賞品発送が遅れる場合があります。

注意事項
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