子どもたち憧れのゲーム特化パソコン

 1982年(昭和57年)8日20日は、ホビーパソコンのぴゅう太が発売された日。本日で発売から40周年という節目を迎えた。

 ぴゅう太は、トミー(当時)から発売された16ビットのホビーパソコン(ゲームパソコン)。子どもたちになじみやすいようにと、こん「ぴゅーた」というダジャレめいたところから名付けられているだけあって、狙い通りゲームに興味津々なキッズたちに大きくフックしたんじゃないかな。幼いころに欲しくてたまらなかった人は、筆者を筆頭にけっこういるはず。

 1982年はぴゅう太以外にも複数のホビーパソコンが発売された年なので、ゲーム機の歴史を語るうえで重要な年。さながら1983年から始まるゲームハード新機種ラッシュの前哨戦といったところだろうか。

ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
ぴゅう太初期のパンフレット

 ぴゅう太は59800円とゲーム機の感覚だと高額の設定だが、当時のパソコンとして考えるとかなりの低価格。そういった理由からかデパートのおもちゃ&ゲームコーナーなどにもデモ機が設置されていて、筆者は『フロッガー』や『スクランブル』をひたすら遊ばせてもらった覚えがある。

 本体はキーボードと一体化していて、一見するとデカいキーボード。当時はプラスチック製のキーボードがかなり高価なものだったらしく、キーがゴム製の通称“チクレットキーボード”を採用している。セガの初期型SC-3000なども同様だったので、オールドゲーマーには案外おなじみなのかもしれない。本体カラーはホワイトを基調に、キー部分が鮮やかなブルーになっているのが特徴的だ。付属のコントローラーはこのころはよくあった縦型タイプでちょっと操作しにくかった。

 ゲームソフトはカートリッジ式だったが、別売りのデータレコーダを使用すればカセットテープからプログラムを読み書きできた模様。代表作は前述の『フロッガー』や『スクランブル』といったアーケード版の移植のほか、陣取りゲームの『ナイトフライト』が有名だろう。筆者的には『Mr.Do!』が遊べたのも羨ましく思った記憶がある。2018年には同人サークルの“ぴゅう太買えや”がまさかのぴゅう太の新作タイトルを発表して話題になっていたので覚えている人もいるかもしれない。

ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
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ぴゅう太のゲームカートリッジ
ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
『ポンプマン』
ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
『スクランブル』

 日本語BASIC(G-BASIC)、グラフィックソフトのG-GRAPHICを標準搭載しており、自作のゲームを作るなんてこともできた。『マイコンBASICマガジン』などのパソコン誌に掲載された長いプログラムを必死に打ち込んで遊んだなんていう剛の者も少なからずいたんじゃないかな。

ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
G-BASIC
ぴゅう太が発売40周年。トミーが発売したゲーム特化のホビーパソコン。『ナイトフライト』や『フロッガー』、『スクランブル』などで遊んだ思い出【今日は何の日?】
G-GRAPHIC

 1983年にはキーボードや日本語BASICなど、さまざまな機能を省いた廉価版の“ぴゅう太Jr.”が19800円で発売。ファミリーコンピュータと同時期に家庭用ゲーム機市場へ投入されることになる。1984年7月10日にはプラスチック製のキーボードを搭載した“ぴゅう太mk2”も発売された。

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