2022年8月6日、7日に、京都市勧業館 みやこめっせにて開催された日本最大規模のインディーゲームの祭典BitSummit X-Roads(ビットサミット クロスロード)にて、取材陣が見つけた気になるタイトルをピックアップ。
自然に溢れるカラフルなフィールドを闊歩する2足歩行ロボット。これはきっとコミカルタッチのバトルアクションに違いない……という記者の先入観を、『ライトイヤーフロンティア』は見事に裏切ってくれた。
舞台は銀河の果てにある惑星。プレイヤーはメカを操作して、作物を栽培し、設備を揃え、農地を形成する。未開の地を開拓していく探検要素はあるものの、襲いかかってくる敵はいないとのこと。しかも両手に装備できるのは農作業や資源採取に使うものばかり……ということで、本当に“平和な農地開拓ゲーム”なのだ!
言うなれば、藤子・F・不二雄氏の漫画『21エモン』に登場する芋堀り用ロボット“ゴンスケ”と変わらない、本作のロボだが(たとえが古い?)、そのビジュアルは十分すぎるほどに洗練されている。地表の状態によって各パーツを繊細に傾かせつつガションガションと歩くさまといい、ゲームを進めれば外見カスタマイズのバリエーションが充実していく仕様といい、2足歩行のみならずキャタピラ走行も可能といい、メカ好きがグッとくるポイントが的確に押さえられている印象を受けた。
本作を開発したのは、スウェーデンのゲーム開発スタジオFRAME BREAK。ブースにいた同スタジオのUXデザイナー・ウィルマ―・チャルンベルク氏によれば、本作は、別々に進めていた農場ゲームのプロットとメカ系ゲームのプロットをひとつにしたものとのこと。「カッコいいメカを暴力ではなくほのぼのとした目的で使ったらおもしろいのでは」というアイデアが決め手になったようだ。メカデザインは、『機動戦士ガンダム』『機動警察パトレイバー』などのアニメ作品の影響も受けているとのこと。また、本作の平和な世界観の構築の際には、海外で流行している“禅”の思想を採り入れたということで、意外にも日本文化のエッセンスが多く取り込まれた作品のようだ。
出展バージョンではシングルプレイのみ体験できたが、来春予定のリリース版では最大4人のマルチプレイにも対応するとのこと。複数人でひとつのワールドを共有できるからといって急に闘いが始まることはなく、ひたすら平和かつ協力的に農地開拓できる……という点がすがすがしい。
Steam版の正式リリース予定は2023年春。随時コンソール版もリリースされるとのことで、シンパシーを感じた人は続報を楽しみにしよう。