元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長であり、編集部時代から現在に至るまでゲームプレイ日記やエッセイを執筆している大塚角満によるプレイ日記。Nintendo Switch、PC用ソフト『モンスターハンターライズ:サンブレイク』のプレイ日記。その第24回をお届けします。
みなぎる闘志
俺はもうとっくの昔にソロで討伐していたので、
「一応、『モンハンライズ:サンブレイク』の前半のシメとして、こいつのことをとっとと書きたいなぁ……!」
と思っていたんだけどさ。そのモンスターの名前を口に出そうとするや、
「アカン!!! それを書くのは、わしが討伐してからや!! なんでそうやって抜け駆けして、足並みを乱そうとすんねんッ!!!(怒)」
たっちーが怒りの鬼人乱舞をかましてくるので、いまのいままで触れることができずにいた。
そのモンスターとはもちろん、『モンハンライズ:サンブレイク』のメインモンスターを張る古龍、“メル・ゼナ”だ。
ルナガロン、ガランゴルムと並ぶ“王域三公”に数えられる強豪で、『サンブレイク』のストーリーの根幹にも絡んでいる“最重要人物”(モンスターだけどw)でもある。このメル・ゼナをきっかけに新機軸の“傀異クエスト”なる凶悪な狩りもアンロックされていくんだけど……それに関しては追々書いていくことにしよう。
さて前回の記事では、角満事務所のひさびさの出社日を使ってここぞとばかりに協力プレイに勤しんだ……と書いた。
「キサマがソロで進めまくっているせいで、まるでわしが狩りをサボっているかのように見えてしまう。読者にそんな勘違いをしてほしくないので、出社日はひたすら、わしのクエストを手伝うように!!!」
たっちーがプリプリしながら強弁するので、
「俺との差がついているのは勘違いじゃないと思うけど……狩りに対するモチベーションが高いのはいいことだ!! やろうやろう!! 協力プレイしまくろうではないか!!」
俺は快諾しながらロビーを作り、じつに遊びやすいローカルプレイでマスターランクのティガレックス討伐を行ったのである。
そして--。
エルガドに帰郷後、パタパタと走り回っていたたっちーが立ち止まり、闘志に満ちた双眸を光らせながらつぎのようにのたまったのだ。
「おい……!! ついに出たで……!!!」
言われた瞬間、俺はすべてを理解する。
そうだよな……!
ここまで、メインどころのモンスターを集中して狩っていたんだもんな……!!
となれば、つぎの節目で現れるモンスターは……! もう“アレ”しかいないッ!!!
武者震いしながらたっちーの咆哮を待っていた俺に、思いもよらないセリフが飛び込んできた。
「リゾ・ラバ出たぁぁぁああああ!!!」
……だからメル・ゼナだっつってるだろッ!!!!(怒) DASH島の夏の風物詩かよッ!!!!(怒)
相変わらずモンスターの名前を覚えられないたっちーだったが、『モンハンライズ:サンブレイク』の最初のマイルストーンに到達したことはしっかりと理解しているようだった。その証拠に、目をキラキラとさせながらこんなことを言ってきたのである。
「これさあ、見事に討伐できたら、ついに『サンブレイク』のエンディングやろ?? 長かった……! わしもようがんばったで……!><」
涙ながらにそう言うたっちーだが……!
「あ、あの……。感涙しているところ、まことに言いにくいのですが、まだぜんぜんエンディングじゃなかったような……^^;」
遠慮がちに言う老ガンランサーに、ナゼか女双剣使いがブチ切れる。
「はぁ!?! わしは中締めのエンディングが見られると思ったから、ゼル・メナ(※くどいですがメル・ゼナです)の討伐を目標にしていたんやで!! じゃあなに!? この先にはまだまだ、わしの知らないモンスターがいるってことけ!?」
俺はコクンと頷いた。「いるいる。たくさんいる」。
するとたっちー、ゲンナリするかと思いきや、まったく逆の反応をしてきたではないか。
「なんや、そうだったんけ……! てことは……ここはまだまだ通過点ってことやな!!!ww ええやん!! “狩りの夏”は、始まったばっかや!!!ww」
気まぐれハンターには、何が功を奏するのかわからない……という話でした(苦笑)。
さて、前置きが長くなってしまったが、ついに逆鱗日和なコンビによるメル・ゼナ討伐が始まってしまったのだよ。
前述の通り、俺はすでに幾度となくソロでメル・ゼナは討伐している。
しかしその際、均整の取れた理想的な飛竜スタイルの見た目とは裏腹な、超トリッキーな攻撃に翻弄されて幾度となく昇天させられてもいる。
そう、王域三公の最後に控えしメル・ゼナは、決して生半可なモンスターではないのだ。古龍ということで捕獲もできず、最後の1滴まで絞り切らないと終わりにならないという過酷な狩猟は、果たして逆鱗日和なコンビにどのような結末をもたらすのだろうか……?
詳しい狩猟シーンは……次回お届け!
大塚角満(おおつか かどまん)
元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。