2022年8月6日、7日に京都のみやこメッセで開催されている「BitSummit X-Roads (ビットサミット クロスロード)」。本記事では出展されている多数のタイトルの中から、Scott Steffesからリリースされている『Different Strokes』をご紹介!

 『Different Strokes』は、プレイヤーが自由にイラストを投稿したり、投稿されたイラストを鑑賞したりして楽しむことができるという作品。もともとはゲームジャム“Ludum Dare50”のために制作された作品で、このときの“Delay the inevitable(いずれ訪れることを延長しよう)”というテーマのなかで、ユニークなマルチプレイヤー体験ができる作品を目指して制作した作品ということを開発者のジャスパー・スティーベンソン氏は話してくれました。

 投稿されたイラストは、無限に続く美術館のような空間に展示され、その広大な空間を自由に移動しながら、世界中のユーザーが描いたイラストを鑑賞することができます。

『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
白を基調にデザインされた展示スペースは、投稿されたイラストの色彩が華やかに映える美術館のような空間。プレイヤーはこの空間を一人称視点で自由に巡ったり、気になる作品に近づいて鑑賞することができます。また、この空間は無限に続いていて、進めば進むほど新たな作品が表示されていきます。
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
作品を鑑賞できる空間の入り口には、ユーザーのなかで人気の高い作品がまとめられた展示も。
『Different Strokes』Steamサイト

 そして、本作の大きな特徴となっているのが、投稿されたイラストをユーザーが一度だけ描きかえられるという要素。イラストを鑑賞する画面では、誰かが手を加える前の元のイラストも見ることもできて、その変化を楽しみながら作品を鑑賞できます。

 このシステムは、作品が完成する過程を見ているようなおもしろさがあり、ただ完成されたイラストがズラリと並べられているのとは違って、どの絵に対しても「この作品のもとのイラストはどういう絵だったんだろう?」と、思わず確認したなってしまうような印象でした。

『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
もとイラストは山を描いたものでしたが、誰かが太陽を描き足した作品。作品を鑑賞する画面では、もとのイラストの表示のほか、気に入った作品を“LIKE”したり、シェアすることもできます。
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
こちらは目の部分だけが描きかえられていた作品。上のもとイラストも十分キュートな一枚ですが、誰か描いたクリっとした目でよりかわいさがUP。
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
今回見たなかで筆者的にいちばんのお気に入り作品がこちら。ラフに描かれた夕暮れのオシャレなイラストを、誰かがブラッシュアップして仕上げた作品。もちろん顔も知らない、もしかしたら国籍も異なるふたりがこの美しい一作を作り上げたと思うと、めっちゃ素敵やん?

 今回筆者は、イラストを鑑賞しただけでしたが、イラストを描くインターフェースのほうは比較的簡潔なものだけにまとめられているそうで、これは意図的に機能を制限して、絵の腕になるべく差が出ないようにするためという狙いもあるとジャスパー氏は明かしてくれました。

『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
確かにインターフェースを見てみると、色の数などは少なめでシンプルな印象。ただ、そのぶん上級者も気軽に絵を投稿できますし、あまり絵を描かない方も使いやすそうなものに仕上がっています。
『Different Strokes』はイラストを描きかえて世界中の誰かと交流ができる素敵な美術館【ビットサミット クロスロード】
左からエンジニアのジャスパー・スティーベンソン氏、デザイナーのシャーベット・ホプキンス氏、3Dアーティストのダニエル・マリー氏。

 そんな本作は、すでにWindows版がリリースされており、現時点で約10万点ものイラストが投稿されているそうで、この想像以上の反響にはジャスパー氏も驚いたそう。また、ユーザーは現時点ではどこかの国に偏ることなく、広く世界中の方々がイラストを投稿して楽しんでいることも教えてくれました。

 Steam版のリリースを2022年10月に控える本作は、なんと無料でプレイ可能。現在はWindows版がプレイ可能ということで、気になった方はぜひ世界中のユーザーの作品が集まるユニークな美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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