本格的なゲーム体験やボイスチャットのために利用するゲーミングヘッドセット。「有線ゲーミングヘッドセットのケーブルが煩わしい」、「Bluetoothだと遅延が気になる」「重くて辛い」などの不満を持っているかたも多いのではないでしょうか?
そこで注目したいのが、2.4GHz帯の無線技術を用いたゲーミングヘッドセットです。専用のUSBレシーバードングルが必要ですが、体感ではわからないほどの低遅延で映像と音がマッチしているように聞こえるため、ゲームの世界に深く深く入り込むことができます。
今回レビューするロジクール GのG535 LIGHTSPEEDも、2.4GHz帯に対応したワイヤレスゲーミングヘッドセットです。価格は1万5950円[税込]。有線接続のゲーミングヘッドセットと比較するとやや高めのお値段ですが、実際に使ってみるとワイヤレスであること、236gの軽量であること、そして装着感が優れていることから、価格以上の価値があると実感できるゲーミングヘッドセットでした。
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FPSゲームに効く立体音響の再生能力
G535のキーポイントとなる2.4GHz帯の無線技術は、ロジクール Gの独自規格であるLIGHTSPEEDが使われています。このLIGHTSPEEDはワイヤレスマウスやワイヤレスキーボードにも採用された技術であり、なんといっても転送速度の速さが売り。ミリ秒の速さで戦いが繰り広げられる対戦ゲームの世界において、ワイヤレスでありながら快適な操作感を実現するために開発されました。
ゲーミングヘッドセットにおいては前述したように音の遅延が極めて少ないという利点があります。FPSゲームでは敵の足音や銃撃音を素早く察知できます。
組み込まれているドライバーは40mm径のもの。スペック上の特性をみると、上位モデルのG733や、有線モデルのG335で使われているものと同等品です。ヘッドバンドやイヤーカップ、ブームマイクの形状や構造から、G335をLIGHTSPEED対応としたモデルであると考えられます。
しかし僕の記憶にあるG335とは音が少し違う。重低域がタイト&パワフルだし、高域もシャープです。ゲーム内のSEをより着実に聞き取れるサウンドになっています。
G535はワイヤレスの回路だけではなくヘッドホンアンプ回路も組み込まれているため、接続するデバイスによって音質が変わる有線ゲーミングヘッドセットと異なり、ドライバーをしっかりと動かせるし、制動も効いているのでしょう。『PUBG:BATTLEGROUNDS』で試してみると、壁越し、建物越し、そして遮蔽物がない場所での音の聴こえかたの違いを聞き取りやすく、敵の位置を着実につかむことができました。立体音響の再生能力は、戦って勝利を納めることができるクオリティですよ。
ゲーム内BGMにハマれる音楽的センスも併せ持つ
SEではなくBGMや、普通に音楽を聞いた時の満足度はいかがでしょうか。大人気猫ゲー『Stray』や、ストリーミングミュージックで品質を確かめてみました。
まずゲーム内BGM…の前にSEというか、この作品は猫の表現がすごい!鳴き声、足に喉を鳴らしているゴロゴロ音がリアルで耳が幸せすぎます...。猫好きの筆者は、ロボットの住民と同じように目がハートマークになってしまいました(大事なことなので先にお伝えさせてください)。
そんな猫ボイスや、テーブル上や屋上から落とす植木鉢などのSEを邪魔しないトーンのBGMは優しげ。G535を通して、ふんわりとした雰囲気が伝わってきます。タイトめな鳴りっぷりはモニターヘッドホンのように、元音源のリバーブ表現をストレートに伝えてくれるものでもあるので、ゲームの世界観を活かしたゲームBGMを聴き取るためのデバイスとして納得がいくものです。
ただし音楽そのものを聴くと余韻がスパッと切れるので、地味な印象を受けます。心地よい響きのよさを追求したオーディオ用ヘッドホンとは成り立ちが違うということがわかります。とはいってもその差は微々たるもの。めちゃくちゃ音楽に集中して聴き込みたいという目的でなければまず問題ありません。
頭部にピタッとフィットしてくれるヘッドバンドストラップ
G733と比較して軽いことがアピールポイントとなっているG535の質量は236g。ロジクールGは、さらに軽量な165gのG435もリリースしているのでインパクトはやや欠けますが、装着するとこっちのほうがいい、という気持ちが湧き上がってきます。
側圧が控えめですし、低反発素材を用いたイヤーパッドも柔らかく肌当たりもいい。メガネをかけながらの長時間プレイも快適です。
そしてソフトなヘッドバンドストラップが効いています。頭部にぴたっとフィットするので重さが頭部全体に分散しており、236gでもプレイしている途中でゲーミングヘッドセットを装着していることを忘れるくらいでした。
なおこのヘッドバンドストラップは、オプション品として用意されている別カラーのものに交換可能。長期間使って伸び伸びになったとしてもいつでも新品と同じ装着感に戻すことができます。
初めてのワイヤレスゲーミングヘッドセットにおすすめ
跳ね上げ式でミュートと連動したブームマイク、音量調節しやすいロータリーボリウム、電源投入後すぐにペアリングするワイヤレス性能に、33時間連続で鳴らし続けられるタフバッテリー。ハードウェアとして見ても、G535は扱いやすさを重視した実用性の高いゲーミングヘッドセットだと感じます。派手に見える部分がヘッドバンドストラップしかなく、装着時にはその部分が隠れるため、仕事中のZoomやGoogle Meet会議で使っても咎められることはないでしょう。
PCおよびプレイステーション5やプレイステーション4で使えるというのも、ゲーマーにとってうれしいポイントです。
2015年の頃から2.4GHz帯ワイヤレスを用いたワイヤレスゲーミングヘッドセットを提供してきたロジクール G。当時から高品質なモデルを開発してきましたが、G535の完成度の高さは、長年培ってきた技術がもたらすものだなあと感じます。快適性を高めた長時間戦えるナイスなヘッドセットとして、高く注目されること間違いなしのモデルですね。
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