セガより2022年7月28日(木)にプレイステーション4、Nintendo Switch用ソフト『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』が発売。本作は、惑星規模の滅びを迎えた後の世界で生き残りを目指すサバイバルシミュレーションゲーム。

 同作の開発を手掛ける“Iceflake Studios”のスタジオマネージャー兼共同創設者ラッセ・リシュダール氏にメールインタビューを実施。本作の魅力や攻略のポイントなどを聞いた。

ラッセ・リシュダール(ラッセ・リシュダール)

“Iceflake Studios”スタジオマネージャー兼共同創設者

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――日本で2022年7月28日に発売となりますが、いまの率直な感想を教えてください。

ラッセこのゲームは、過去数年間に行ったすべての改善とバランス調整により、可能な限りベストなバージョンとしてリリースされます。奥が深く、さまざまな遊びかたができるようになりました。プレイヤーは自分の好みに合わせて設定を調整できるので、コロニー建設や探索を中心に世界観やストーリーを体験することもできますし、本当にチャレンジしたい人はより難しい設定を選んで、過酷な荒れ地がもたらすあらゆる危険を経験することもできます。プレイを重ねるごとに、ゲームやその仕組みの新しい側面が見えてくると思いますので、時間をかければかけるほど、新しい遊びかたが見つかると思います。

――日本版の発売延期が発表された際、欧米での発売後にプレイヤーから届いた改善内容の反映やローカライズとゲーム性のさらなるクオリティーアップのためと理由を公表されていましたが、どのような要望が多かったですか?

ラッセゲームの仕組みのほとんどがシミュレーションで動くコロニー建築ゲームでは、通常、行えるバランス調整はたくさんあります。そのため、ゲームバランスと難易度に関する多くの調整を依頼され、数ヵ月かけてその部分のみを改善しました。いまでは、より多くのオプションを選択できるようになり、プレイヤーは自分の好みに合わせて設定を調整することもできます。

――ローカライズとゲーム性のさらなるクオリティーアップに関して、具体的にどのような箇所を改善したのか教えてください。

ラッセ欧米版でのユーザーからの改善点、要望を反映しています。またメインクエストの追加によりゲームクリアーのモチベーションをあげました。またUIを大幅に改善し、プレイヤーの判断がしやすくなり視認性があがりました。さらに、ゲームの安定性を向上されるため、メモリーの削減、セーブデータの軽量化、建物・装飾物の上限数を設定しているほか、UX向上のため翻訳を徹底的に見直しております。

――文明崩壊後の世界を舞台とするサバイバルシミュレーションというジャンルやゲーム内容は、どのように思いついたのですか?

ラッセ私たちの世代は、ポストアポカリプスを舞台にした素晴らしい作品を見たり読んだりして育ってきたので、今度はみずからの手で作り、この素晴らしい文化の流れの一部になれたことをうれしく思います。

――ポストアポカリプスを舞台とするサバイバルシミュレーションとしてゲームをデザインするうえで、とくに苦労したこと、印象に残っているエピソードを教えてください。

ラッセもっとも印象深いチャレンジのひとつは、ゲームの規模を定義することでした。プレイヤーが操作するのは生存者の小さなグループだけなのか、それとももっと大きな都市なのか、何度も実験しました。最終的には、小規模のほうがおもしろくても、コロニーをより高度に発展させることができないので、現在の形になりました。

 ポストアポカリプスでのコミュニティを構築するには、より多くの人が参加するほうが適していると思いましたし、私たちの指針のひとつは、プレイヤーが荒れ地で生存者全員にとって安全な最初の“ポストアポカリプス・コミュニティ”を構築することでした。

 また、大規模になりすぎると、個々の入植者の個性が失われるような感じがしました。そのため、最終的に当初のイメージに近い形になったことに満足しています。プレイヤーは小さなところからスタートし、生き残る術を学び、やがてポストアポカリプスの荒れ地で繁栄するコミュニティへと成長していくのです。

『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』開発者インタビュー。サバイバルゲームの過酷さと建築ゲームの大きな都市や集落を計画し発展させていく楽しさの両方を堪能できる作品に
『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』開発者インタビュー。サバイバルゲームの過酷さと建築ゲームの大きな都市や集落を計画し発展させていく楽しさの両方を堪能できる作品に

――本作には、特別な能力を持つ“スペシャリスト”、さまざまな効果を持つ“建造物”、無限に広がる“テックツリー”など、いろいろな要素が登場します。これら要素はどのようにして思いつき、ゲームに落とし込んでいったのでしょうか?

ラッセ私たちが『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』のようなマネジメントゲームを好むのは、相互に関連したシステムの集合体だからです。ゲーム内ではひとつのことがゲームの他複数の部分に影響を及ぼします。私たちは、プレイヤーにゲーム内の困難を乗り切るための手段を自由に選択できるようなシステムを作りたかったのです。

 たとえば、スペシャリストにはいくつかのスキルやタイプがあり、ゲームのプレイスタイルに影響を与えます。科学者のスペシャリストを選び、テックツリーを解除してコロニーに高度な建物を建てることに集中するのもひとつの方法です。また、収集家のスペシャリストを選び、ワールドマップから資源を集め、生産の効率化ではなく、入植者の幸福に力を注ぐというアプローチもあります。このように、自由度が高くプレイスタイルを変えることができるゲームとなっています。

――すべての要素が深く絡みあっているのも特徴的ですが、調整などはたいへんでしたか?

ラッセ多くの機能が連動しているゲームのバランスをとることはつねに困難ですが、相互関係を論理的にしておくことが助けとなります。たとえば、生きていくためには誰もが食料を必要としますが、食料を生産する手段はさまざまで、それらの生産方法に影響を与える障害物もさまざまです。

 しかし、多くの手段があったとしても、食料を集めることが本質的な問題であることに変わりはありません。食料の生産と消費の両方に影響を与えるシステムが複数あっても、問題はつねに論理的で明確です。もうひとつは、徹底的なテストです。各開発者は何時間も時間をかけて、ゲームの機能を検証しながら開発を進めています。

 おもしろいことに、結果というものは個々の要素の総和以上のものであり、すべてのピースが揃って初めて見えてきます。すべてがうまく噛み合う様子は私たちにとって素晴らしく、プレイヤーの皆さんにも気に入っていただけると思います。

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――選んだ難易度によって、進化したAIが働き、ゲームを始めるたびにプレイ体験が変化するのも本作の特徴です。このシステムはどのようにして誕生したのでしょうか? また、AIを実装するうえで印象に残っていることがありましたら教えてください。

ラッセサバイバルゲームの魅力はその過酷さにありますが、一方で建築ゲームは、大きな都市や集落を計画し、管理し、最適化することでリラックスしてプレイできるものです。このゲームはサバイバル建築ゲームであるため、両方の側面からアプローチできるものにしたいと思いました。

 ゲーム開始前の設定により、プレイヤーは自分の好みに合わせてゲーム体験をカスタマイズすることができます。もっとも簡単な設定では、コロニーを建設し、世界を探索し、物語を進めることに集中できる、非常にゆったりとしたゲームプレイになります。逆にもっとも難しい設定では、迫りくる出来事への準備、入植者の要望の充足、大災害や敵対者からの攻撃で受けたダメージの回復がつねに課題となり、非常にチャレンジングなゲームになります。

 このように、設定はじつに柔軟に行うことができ、各自の好みに合わせてゲームを調整することができます。また、各設定は個別に調整することができます。たとえば、豊富な資源と多くの入植者でゲーム序盤をスムーズに進行したいが、ゲーム後半では頻繁に起こる大災害などでチャレンジを増やしたい、ということも可能です。

――本作をプレイするうえで、とくに注目してほしいところ、楽しんでもらいたいところを教えてください。

ラッセコロニーとワールドマップの相互作用は、プレイヤーに気に入ってもらえると期待しています。これこそがゲーム進行の多くを占める部分です。プレイヤーは、ボロボロのテントが立ち並び、生存者もわずかな小さな集落からスタートしますが、徐々に生き残る術を学び成長していきます。

 しかし、ワールドマップでの探索や冒険こそが、ポストアポカリプスでコミュニティを繁栄と成長させる鍵だとも理解していくでしょう。このワールドマップとコロニーの相互作用は、私たちが長い時間をかけて作り上げたものです。

――これから本作をプレイするユーザーに向けて、どのように進めるとうまく文明を再興していけるのか、攻略アドバイスをお聞きしたいです。

ラッセこのゲームの楽しさのひとつは、生き残り、発展するためのさまざまな方法を見つけることですが、始める際に役立つヒントをいくつか紹介しましょう。

 周囲の状況は急速に変化するので、コロニーが必要とする以上の資源を備蓄しておくとよいでしょう。大災害や無法者によってコロニーの一部が壊滅し、生産に支障をきたすかもしれません。そのとき、備蓄はとても役に立ちます。もうひとつのアドバイスは、前もって計画を立て、自分の行動の結果を予測することです。

 たとえば、コロニーに入りたいと言ってくる生存者をすべて受け入れるのは魅力的かもしれませんが、別の問題を引き起こすかもしれません。人が増えすぎると、食料、水、薬などの必要量が増えるかもしれませんし、人々のあいだで新たなトラブルが発生し、以前よりもさらに生存が難しくなる可能性もあります。

 そして、最後のヒントは“進むべき道は複数ある”ということです。たとえば、資源を得るには、コロニーから集める、ワールドマップから探す、他のコミュニティと交換するなどがあります。一番手短な方法が、必ずしもいちばんやさしく効果的とは限りません。恐れずに荒れ地を冒険して、より効果的な方法を見つけてください。優れた技術を開発し、新しい建物をアンロックし、大災害の背後にある物語を発見するための鍵になるでしょう。

――発売を楽しみにしている日本のファンやファミ通の読者にメッセージをお願いします。

ラッセ私たちのゲームをローカライズして日本の皆様にお届けできることを本当にうれしく思っています。そして、奇妙かつ不思議な荒れ地でのサバイバル生活でお待ちしています。このゲームを楽しんでいただければ幸いです。応援を本当にありがとうございます!

『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』開発者インタビュー。サバイバルゲームの過酷さと建築ゲームの大きな都市や集落を計画し発展させていく楽しさの両方を堪能できる作品に

商品概要

  • 商品名:サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星
  • 対応機種:プレイステーション4、Nintendo Switch
  • 発売日:2022年7月28日(木)
  • 希望小売価格:パッケージ版・デジタル版:6578円[税込]
  • ジャンル:サバイバルシミュレーション
  • プレイ人数:1人
  • 発売・販売:株式会社セガ
  • CERO:C区分(15歳以上対象)
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