コーエーテクモゲームスは本日(2022年7月20日)、7月21日発売予定のNintendo Switch、プレイステーション4、PC向け歴史シミュレーションゲーム『信長の野望・新生』の完成発表会を、東京・WITH HARAJUKU HALLにて開催した。
ステージには、コーエーテクモゲームス 代表取締役社長の鯉沼久史氏、同社ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏、『信長の野望・新生』プロデューサーの小笠原賢一氏、本作のEDテーマ『雷鳴』を手掛けた氷川きよしさんが登壇。本稿では、発表会の模様をお届けする。
シブサワ・コウ氏が、襟川恵子氏デザインの甲冑姿で登場! 本作のタイトルに込められた想いも熱く語る
発表会がスタートすると、まずは鯉沼氏が登壇。シリーズ16作目であり、シブサワ・コウ40周年記念作品として開発された本作は、当初は2021年に発売が予定されていたものの延期となり、現在の発売日となった経緯を持つが、「納得のいく作品にするため、かなりお待たせしてしまったが、開発チームのがんばりにより、シリーズファンはもちろん、まだ(シリーズを)プレイしたことのない方まで、多くのゲームファンに楽しんでいただけるものになっているかと自負しております」と、本作に太鼓判を押す。また、EDテーマを担当している氷川きよしさんを始め、各地方自治体や企業など、PRサポートに尽力した関係者に改めて感謝の想いを語った。
続いて、鯉沼氏の呼び込みで、甲冑姿のシブサワ・コウ氏が登壇。まずは、本作が無事完成し、明日発売を迎える喜びを語りつつ、タイトルの“新生”について、戦国時代に創造と破壊をくり返して新しい時代を生きた織田信長への想い、新型コロナウイルス感染症とともに新しい時代を生きる現代の人々への想い、そして、シブサワ・コウ40周年記念作品である『信長の野望・新生』を、新しく生まれ変わる『信長の野望』としてリリースするという開発チームの想いが込められていると語った。
また、シブサワ・コウ氏が身にまとっている甲冑について、シブサワ・コウ40 周年を記念したものであり、デザインはコーエーテクモホールディングス 代表取締役会長の襟川恵子氏が担当したと明かす。西洋風のデザインになっていることについては、織田信長が上洛した際に行った京都御馬揃えのときの西洋風の甲冑姿をイメージしたものであるとのこと。甲冑は約10キロほどの重さがあるそうで、シブサワ・コウ氏は「(着ていると)ロボットのような感覚ですが、楽しんでいただけていたら幸いです」と会場を笑わせていた。
さらに、2022年11月20日に神奈川・T Zepp Yokohamaにて開催予定のシブサワ・コウ40周年記念コンサートについての話題も。シブサワ・コウ氏は本コンサートについて、自身が手掛けてきた作品の中で人気のある楽曲の数々を、生のオーケストラで楽しめるようになっていると語った。
ここで、小笠原プロデューサーが登壇し、本作について魅力について紹介。「40年間シリーズを支えてくださったファンの皆様が、本シリーズのどういったところをご支持いただいていたのかを振り返り、これからのシリーズがどうあるべきかを考え、制作した」と語った小笠原氏から最初に紹介されたポイントは、AIで躍動する“生きた武将”について。これは、シリーズで初めてAIを適応した、配下を抱える武将たち(家臣)のことを指す。これまでのシリーズでは、大名(プレイヤー)が命令を下すことで家臣が活躍していたが、本作では、極端な話、大名が指示しなくてもゲームが進行するという。その中で、大名が家臣の動きを把握して制御し、天下統一を目指すことが、本作ならではの魅力のひとつであるとのことだ。
ふたつ目のポイントは、奥深い戦略性とダイナミックな合戦。領地内での内政や兵力の増強などは家臣たちが自分たちで考えて実行してくれるので、プレイヤーである大名は、より長期的な視点での戦略立案を楽しめるそう。また合戦では、カメラワークや演出表現もパワーアップしているため、ダイナミックで美しいグラフィックで楽しめるようになっているという。
最後のポイントは、シリーズ最高のドラマティックな展開。シリーズ最多の2200人超の武将が登場し、自身の志のもと行動するリアルな戦国世界のもと、330を超える歴史イベントが登場するとのこと。なおイベントは、新しい解釈を導入し、すべて描き直しているそうだ。
小笠原プロデューサーから魅力が紹介された後は、本作のOPムービーとテレビCMを手掛けた映画監督の樋口真嗣氏からのビデオメッセージが上映。OPムービーでは、家臣たちの表情にこだわったそうで、合戦の前にアドレナリンが出ている様子を表現するため、プロレス団体の“DDTプロレスリング”の選手たちにフェイシャルキャプチャで出演してもらったと明かした。そのOP映像を再構築し、氷川きよしさんの歌う『雷鳴』も挿入されたテレビCMについては、「アドレナリンがドバドバ出る映像になっているのではないか」と語った。
その後は、小笠原プロデューサーが「最初に本作が開発中であることを発表したときから、少々お時間をいただいての発売となりますが、シブサワ・コウ40周年記念作品にふさわしいクオリティーになっていますので、ぜひプレイして楽しんでいただけたら幸いです」と語った後、会場ではテレビCMがお披露目された。
氷川きよしさんがEDテーマ『雷鳴』を熱唱。ゲーム好きな一面も明らかに
映像上映後は、氷川きよしさんが登壇し、トークセッションに。氷川さんは、ゲーム作品とのタイアップは初とのことだが、今回のオファーを受けたときの心境について聞かれると「ゲームの中で曲が流れると伺ったときに、すごくうれしくて。小さいころから『信長の野望』を知っていましたので、とても光栄なことで、それこそ“コーエー”ですね」と喜びを語った。
一方で、ふだんゲームをあまり最後までプレイすることはないという氷川さん。「今回はエンディングまでちゃんとがんばりたいです」と意気込みつつ、「本作はNintendo Switch版を予約しているので、移動中などに楽しもうと思います」とコメントした。そんな氷川さんの好きなゲームジャンルは、RPGやシミュレーションだそう。その理由として、「積み上げていくものが好きなので、物語性のあるものを好みます。いろいろな感情に連れて行ってくれるので、好きです」と語る。そして、「人生といっしょですよね。やり直しはできないけど、自分の選択したことで変わっていくというおもしろさがあると思いますので。いい選択をしていきたいです」と、本作のプレイを心待ちにしている様子をうかがわせた。
歌手としてはもちろん、舞台などでも活躍されている氷川さん。ゲームのプレイ時間はどのように確保しているかと聞かれると、「舞台が終わった後、アドレナリンが出て眠れないときがあります。そんなときにはゲームをプレイし、気分を切り替えながら、作品の世界に入って遊んでいます」と、多忙な日々を過ごしつつ、ゲームを楽しんでいる日常を語った。
本作では、戦国武将としてゲーム内に氷川さんが登場。イメージイラストが公開されると、氷川さんは「本当に素晴らしいデフォルメをしてくださって。原型を留めていないぐらい綺麗な顔をしていますよね」と感想を語りつつ、「髪の長さはもう少しで(イラスト同じぐらいまで)到達するので、がんばって伸ばしたいです」と笑顔でコメントした。
トークセッションでは、本作にちなみ、“氷川さんの野望は?”との質問も。氷川さんは「やりたいことは片っ端から挑戦して、型にとらわれないアーティストになる!!」と回答。その理由として、「やりたいと思ったことは何でも挑戦してみないと、後悔してしまうので、やりたいことをやって楽しみたいと思っています」と語る。そして、「窮屈なことはあまり好きではないので、いろいろ挑戦する中で自分を見つけられるのかなと。誰かがやっていることはあまりやりたくないんです。ですので、“自分が道を作る”くらいの気持ちで挑戦したいなと思っています」と、自身の活動に関するスタンスにも言及。さらに、「何事も、挑戦するときは、最初は不安なんです。新しいことに挑戦するときは不安でドキドキしますが、挑戦してみると限界突破してつぎのドアが見えるような感覚がします。やってみないとわからないですからね」と熱く語った。
氷川さんが歌う『雷鳴』については、「歌詞を読んだときに、ひとつひとつの言葉に納得でき、自分もこのストーリーのように生きていきたいなと思いました。大好きなオリジナルの一曲が増えましたので、テレビなどいろいろなところで歌っていきたいです」とコメント。さらに、司会が「大切な人を想う熱い思いが込められている印象がある」と語ると、「誰もが愛する人のためにがんばっていると思いますし、愛する人に応えたいという想いを抱いて生きていると思います。そんな想いは昔からも変わらないということが感じられますよね」と歌詞の内容を改めて振り返っていた。
トークセッションを終えたところで、最後に氷川さんEDテーマ『雷鳴』を披露。激動の時代を生きる武将たちの壮大な生き様や心情が込められた同曲を、力強い歌声で高らかに歌い上げ、発表会を締めくくった。