2022年6月28日、Nintendo Switch、プレイステーション4、Steamのダウンロード専売タイトルとして、サイゲームスから『リトル ノア 楽園の後継者』がリリースされた。本作は、スマホ向けのリアルタイムストラテジーとして好評を博した『リトル ノア』の世界観やキャラクターをベースに、横スクロールのローグライトアクションに挑んだ意欲作だ。

『リトル ノア 楽園の後継者』開発者インタビュー。『リトル ノア』復活の経緯をサイゲームス松浦氏とグランディング柴田氏に直撃! 攻略に役立つアドバイスも

 そもそも『リトル ノア』は、2015年2月から2019年1月まで、世界150ヵ国以上で配信されたスマホ向けのリアルタイムストラテジー。キャラクターデザインを、『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジーXII』の吉田明彦氏が手掛けたことも話題に。錬金術師ノアが創り出したキャクターとほかのプレイヤーの方舟を襲撃し、資源を奪って自分の方舟を強化していくのが目的だが、対戦プレイだけではなくCOOPバトルやギルドバトルといった協力プレイも楽しめた。

 そんな『リトル ノア』の新作が、なぜ横スクロールのローグライトアクションになったのか。本作を手掛けたサイゲームスの松浦弘樹氏と、グランディングの柴田健悟氏のインタビューから紐解いていく。今後の無料アップデートや、攻略に役立つ情報も伺っているので、最後までお見逃しなく!

松浦弘樹氏(まつうらひろき)

サイゲームス所属。ディレクターセクションのマネージャー兼シニアディレクター。『リトル ノア 楽園の後継者』ではディレクターを務める。

柴田健悟氏(しばたけんご)

グランディング所属。過去にはレベルファイブに所属し、『二ノ国』や『ダンボール戦機』の開発に携わる。松浦氏とともに本作のディレクターを務める。

『リトル ノア 楽園の後継者』開発者インタビュー。『リトル ノア』復活の経緯をサイゲームス松浦氏とグランディング柴田氏に直撃! 攻略に役立つアドバイスも

――本作の開発がスタートした経緯を教えてください。

松浦3年ほど前、僕は任天堂さんといっしょに『ドラガリアロスト』というスマホゲームを作っていたんですが、配信から半年ほど経ったときに代表の渡邊(耕一氏)に呼ばれまして。当時、コンシューマー事業本部の本部長に高木(謙一郎氏)が就任したタイミングだったこともあり、「コンシューマー事業にも力を入れていきたいので、松浦さんもどうか」と打診されたのがきっかけです。

 それでコンシューマー事業本部のメンバーと新作を作ることになり、渡邊と「ジャンルはどうしましょうか」と相談しているときに、「松浦さんが作るなら得意なアクションゲームがいいんじゃないか」というのと、「コンパクトな作品で」というオーダーがきまして、そこから企画の制作がスタートしました。

 高木に企画書を50本くらい見せる中で、僕が当時、『Dead Cells』にハマっていたこともあり、ローグライトの横スクロールアクションで、『ヴァルキリープロファイル』や『ゼノギアス』のように、仲間に指示を出して攻撃するシステムがおもしろいんじゃないかとひらめいたんですね。これがゲームのアイデアの骨子となりました。

――なるほど。

松浦僕はRPGやSLGだと、パーティー編成を考えたり、仲間を育成したりするのが好きなんですね。これらの要素とローグライトアクションをかけ合わせて、ダンジョンに入るたびに新しい仲間の編成や育成を楽しめるゲームを作ろうと考えました。

 でも、待てよと。仲間キャラクターをたくさん作るのは、時間もコストもかかります。コンパクトな作品で、と言われていたため、弊社のIP(知的財産)のキャラクターを活かすことを考えました。そこで目を付けたのが『リトル ノア』で、高木に企画書を見せたところ好感触でしたし、渡邊も「『リトル ノア』は前々から何かやりたいと思っていたから、これならいいよ」と快諾してくれて開発がスタートしました。

――ちなみに、グランディングと組むことになった経緯は?

松浦僕は内製でゲーム開発を行うことが多くて、外部の会社さんとの繋がりがあまりなかったんですね。ですので企画があがった際に、社内の人間に開発会社の相談を持ち掛けたところ、本作のアートディレクターを担当したコンシューマー事業本部の米倉(俊之氏)がグランディングさんと繋がりがある、と。福岡が本社らしいのですが、どうやら東京にも支社があるとのことだったのでぜひお話しをさせてくださいと持ちかけました。

 それでお話をしたら、「吉田さんのイラスト好きなんですよ!」とすごく乗り気になってくれたんです。

柴田弊社に『リトル ノア』がすごく好きなスタッフがいて(笑)。

松浦ちょうどよかったというか(笑)。

――運命を感じますね(笑)。松浦さんからお声がかかったとき、柴田さんはどんな感想を?

柴田僕がやり取りをしたわけではないのですが、お声がけいただいた際、『リトル ノア』が好きなスタッフがいたのと、自分たちのパワーでできるベストな規模というところもあり、今回サイゲームスさんとの連携が実現しました。

――ちなみに、サイゲームスさんが求めるクオリティーはかなり高そうですが、実際にタッグを組んでみていかがでしたか?

柴田こだわりの強さは感じましたね。とくにグラッフィックは求められる水準が高くて、正直に言うと苦労しました(苦笑)。ただ、サイゲームスさんとは、とてもいい関係性で開発を進められたと手応えを感じています。

松浦僕も非常にやりやすかったですよ。

柴田松浦さんとは何度も打ち合わせをしましたよね。試行錯誤は多かったですが、お互いに意見を出し合いながら開発できたのでとてもやりやすかったです。弊社としては、“求められるクオリティーにいかに応えるか”というところだけがすべてでした。

松浦こうやってふつうにお話していますけど、じつは今日初めて対面したんですよ。

――え! そうなんですか。

柴田コロナ禍だったこともあり。

松浦週2回のペースでミーティングをしていたので、今日も自然に会話をしていますが、会うのは初めてなんです。だから今日のインタビューがとても楽しみでした。柴田さんとやっと直接会えるって(笑)。

――そうだったんですね。

柴田でも、わりと雑談もしていたので、初めて会ったという実感はあまりなくて。

松浦そうですね。コロナ禍ということもあり、直接会うことはできなかったのですが、オンライン会議のツールが発達したことによって、「いまからちょっと話せますか?」と気軽にやり取りができたんです。

 定例のミーティング以外でも、「いまからちょっと話せますか?」、「はい、いいですよ」という感じで、ふたりで企画書や仕様書を見ながらああだこうだとやり取りができたので。離れていても綿密に意見交換が行える環境が整ったのは、ある意味よかったかなと思います。

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――なるほど。ちなみに、サイゲームスは内製で開発されているイメージが強いのですが、今回のように外部のデベロッパーとの取り組みも強化されているのでしょうか?

松浦はい。弊社のコンシューマー事業では、大型タイトルだけではなく、中小規模の超個性的なオリジナルタイトルや本作のようなサイゲームスのIPを活用したタイトル開発も推進しています。それらの開発は内製だけではなく、外部デベロッパーさんとも積極的に組んでおり、幅広いジャンルでアイデアを交換し、光り輝くタイトルをおもしろさ優先でたくさん作っています。

 また、プロデューサーの高木は、「これまでゲーム業界の歴史に名を刻むさまざまなIPをリブートし、世代を超えてゲームファンの心を掴むことにもチャンレジしたい」と言っていました。

――ゲームのタイトルを『リトル ノア 楽園の後継者』にした理由を教えてください。

松浦『リトル ノア』と名付けたほうが、ファンの方たちも喜んでくれるだろうなと考えて、『リトル ノア』はどうしても使いたかったんです。

 ただ、前作を知らない方も当然いらっしゃいますし、そもそもハードやジャンルが違うので、『2』にするのはちょっと違うなと思って。そこで『リトル ノア』にサブタイトルを付けることにしました。当初は“方舟”という単語を使いたくて、“方舟の国”という仮タイトルをつけていたのですが、いろいろ検討する中で“楽園の後継者”に決まりました。

――日本語のほかに、英語、仏語、繁体字、簡体字など、多くの言語に対応しているのですね。

松浦開発者としてできるだけ多くの人に届けたかったのと、本作はサイゲームス初のダウンロード専売タイトルということもあって、会社としてもなるべくたくさんの人に遊んでもらいたかったので、ワールドワイドで販売しています。

 マルチプラットフォームにしたのも、できるだけ多くの人に届けたいという思いからです。そのせいで、グランディングさんにはかなり苦労をかけてしまいましたが(苦笑)、柴田さんたちのがんばりのおかげで、どのハードでも楽しめるように仕上がっていると自負しています。

柴田操作性を担保するために、背景の解像度を変えたり、シェーダをかけないようにしたりするなど、パッと見ただけではわからないと思いますが、細かい工夫をしています。

――本作の販売価格を1500円[税込]という購入しやすい金額に設定されているのも、『リトル ノア』のIPを新たに確立して、より多くの人に遊んでほしいという強い気持ちを感じます。

松浦初めてのダウンロード専売ということもありますし、ご想像の通り、なるべくたくさんの方に手に取っていただきたいという思いもあって、あえてこの金額に設定しています。

 クオリティーに関しては、同価格帯や少し高いゲームと比較しても、遜色なく開発していますし、内容も丁寧に作っていますので、お値段以上の価値を感じていただけるのではないかと自信を持っています。

――遊ぶ側としてはうれしいですが、この価格で大丈夫なのかなという心配も……。

松浦当初は、もう少し高めの価格を想定していたのですが、高木が神妙な顔で僕のところにやってきて、「1500円でいこうと思うんだけど……」と(笑)。「ユーザーが手に取りやすいことを第一に考えてこの価格にしたい」と説明があり、僕も納得しましたが、話を聞いたときは「そこまで冒険するんだ」と驚いたのを覚えています。とはいえ、多くのユーザーの手に届くのがいちばんだというのは僕も同じ考えですので、できるだけ多くの方に遊んでもらえるとうれしいですね。

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ローグライトアクションながらノアたちが活躍するストーリーも充実!

――ローグライトのアクションゲームでストーリーが収録されているのも印象的でした。

松浦確かに、世に出ているローグライク、ローグライトのアクションゲームは、ストーリーがないものが多いと思います。それと、とくに海外メーカーのゲームに多いのですが、この手のジャンルの作品は世界観が暗いものが多いですよね。ダークファンタジーでストーリーを多く語らないゲームももちろん魅力的なのですが、僕は幅広い層の方に遊んでもらいたかったので、絶対にストーリーを収録しようと考えていました。

 ストーリーもノアとジッパーの友情を軸に、笑いあり涙ありの展開にしました。そのうえで、立ち絵だけでは表現しきれないこともありますし、印象的なシーンを用意したかったので、ライターと相談しながらイベントスチルも収録しています。

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――新キャラクターでは、猫の姿をしたジッパーと謎の錬金術師のグレイが登場します。

松浦ノアのほかに、新キャラクターを登場させるのは最初から決めていました。ジッパーはナビキャラクターを務めてくれるのですが、どういうキャラクターにしようか考えて
いたときに、コンシューマー事業本部のメンバーに「猫がいいですよ」と言われて。彼が猫好きだったこともあり、猫のキャラクターを猛プッシュされたんです。猫も好きですが、僕は正直、犬派だったんですけど(苦笑)。

柴田あ、僕も犬派です(笑)。

一同 (笑)。

松浦それで猫だったら、やっぱりちょっとツンデレかなって話をして、ジッパーのキャラクターを固めていきました。また、ノアの前に立ちはだかるキャラクターも登場させたかったので、黒ずくめの悪そうな錬金術師のイメージで、グレイが誕生しています。

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――もしかしたらジッパーは犬になった可能性もあるんですね。柴田さんがシナリオを読んだときのファーストインプレッションも伺いたいです。

柴田シナリオができあがるまでは、想定していたボリュームでちゃんと収まるのか、少し不安でしたが(苦笑)、完成したシナリオは想定内のボリュームで安心しました。そのうえで、ノアとジッパーが徐々に仲よくなっていく過程がしっかりと描かれているし、続きが気になる展開でものすごくおもしろくて。

 ローグライトのアクションゲームで、本作のように丁寧にシナリオを用意している作品は少ないので、ストーリー重視の方にも楽しんでもらえると思いました。

――メインストーリーのほかに、ノアとジッパーのちょっとしたやり取りが楽しめる、“魔女の日誌”も収録されています。こちらも最初から実装することを考えていたのですか?

松浦そうですね。“魔女の日誌”は、やり込みと収集要素になっていて、最初にそういう要素は入れたいよねって話はしていました。

柴田ただ、どこで“魔女の日誌”を入手できるようにするかは、開発の最後のほうまでけっこう悩みましたよね。気づいてもらえるように、ストーリーを進めるとひとつだけ入手できるようにして、あとは古代遺跡を探索中にいろいろな条件を満たすと手に入ります。

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――収録されたテキスト量はかなり多そうですね。

松浦ストーリーのボリュームは、30000文字弱で、システムまわりのテキストも含めますと、全体で50000文字は超えています。

柴田ノアが戦闘不能になったとき、簡単なアドバイスが表示されるんですが、それは松浦さんがすべて手掛けていましたよね?

松浦そうでしたね。ダンジョン探索をくり返すゲームなので、戦闘不能になったときのアドバイスの数は増やしたいと考えていましたが、担当のプランナーが必要なパターンの数を計算したところ、50種類以上あったのでネタの書き分けがたいへんでした(苦笑)。何度もボスと戦っては、「ここでつまずく人が多いだろうから、このネタにしよう」などと書き溜めていきました。

柴田戦闘不能になりやすいボス戦はもちろん、特殊な条件で見られるものも用意しているので、くり返し遊んでほしいですね。

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生み出せるコンボの組み合わせは1億240万通り以上!

――アクションを作るうえで、とくに苦労したことは?

松浦コンボシステムができるまで時間がかかりました。最初は各ボタンにひとりのキャラクターを割り当てようと考えていましたが、横スクロールのアクションゲームだとそれではボタンが足りなくて。キャラクターのアクションを増やしたり、ボタンを組み合わせて入力したりするなど、いろいろなパターンを試してみたんですよ。

 当初はノア自身にも攻撃させようかってアイデアがあって、武器を持ってノアも戦っていましたが、なかなかこれだというものがありませんでした。

柴田いまの形になるのにかなり時間がかかりましたよね。

松浦コンボシステムが完成するまでに時間がかかってしまい、高木にもう少し時間をくださいとかけあって開発期間を延ばしてもらいました。

柴田いちばん迷走していたときは、仲間キャラクターを投げて攻撃していましたよね。

松浦それを渡邊に見せたら、「これは『ピクミン』みたいだよね」と言われて(苦笑)。

一同 (笑)。

松浦そこからさらに悩んで、投げたキャラクターを巨大化させる案も出ましたが、当初考えていたコンボシステムからどんどん離れてしまって。グランディングさんには、本当にたくさんのバージョンを作ってもらいました。

――どのように軌道修正して、コンボシステムが生まれたのですか?

松浦芯が飛び出すロケット鉛筆のようにすればいんじゃないか、というアイデアから、ひとつのボタンにまとめることにしたんです。

柴田ボタンを使い分ける要素を削ぎ落としたうえで、自分で組み合わせたコンボを使うようにしたほうが遊びやすいし、テンポもいいんじゃないかと考えました。本作には40種類以上のアストラルが登場しますので、コンボの組み合わせは1億240万通りになります。

松浦アストラルのアクションの合間に、スキルやノアのエーテルスラストを使うことによって、さらにコンボをつなげることもできます。操作感にはかなりこだわって調整を入れていますので、ぜひノアを縦横無尽に動き回らせて楽しんでもらいたいですね。

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――本作には40種類以上のアストラルが登場するということで、それぞれのアクションを決めるのも苦労があったと思いますが。

松浦アストラルのアクションを考えるうえで最初に悩んだのが、くり出すアクションの長さです。あまりにも短すぎると、ノア自身が攻撃しているのと変わらないですし、逆に長すぎると、それはそれでアストラルを配置しているだけになってしまいます。どれくらいの長さが適切なのか、試行錯誤をくり返しました。

柴田あとは、アクションの手応えですよね。ノア自身が攻撃するわけではないので、いかに手応えを感じられるようにするかも苦労したのを覚えています。

――アストラルのアクションはバリエーションも豊かです。攻撃内容は、キャラクター性に合わせて考えられていったのですか?

松浦そうですね。前作『リトル ノア』でのキャラクター性を考えながら、グランディングさんに攻撃内容のアイデアを出してもらいました。

柴田弊社の企画の担当者が前作のファンだったこともあって、まずはキャラクター性をベースにアクションを考えてから、攻撃のバリエーションをなるべく多く出すような形で松浦さんたちに提案をしています。

松浦それと、グランディングさんのメインプログラマーの方が、もともとコンボゲーが好きだったこともあり、いろいろなアイデアを出してくれて。ものすごく理性的な方で、僕のフラッシュアイデアに対して的確なツッコミを返してくれるので助かりました(笑)。

――なるほど(笑)。アストラルたちは、コンボのアクションのほかにスキルも設定されています。アクションとスキルは、同時に考えていかれたのですか?

柴田コンボをひとつのボタンにまとめるなら、ボタンを使い分ける要素もほしいよね、ということで、スキルを追加することになりました。

――40種類以上のアストラルの中で、アクションやスキルを考えるうえでとくに印象に残っているキャラクターはいますか?

柴田トランパはどうしようか悩みましたね。

松浦ああ、そうでしたね。

柴田トランパは前作で罠を解除するキャラクターだったので、本作では罠を設置するアクションを考えていました。でも冷静に考えると、罠を解除するキャラクターが罠を設置するのは真逆すぎるのでまずいよねって。せっかくだから新しく攻撃を考えることになり、拡散する氷柱で攻撃するようにしています。

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松浦トランパは、強さのバランス調整もたいへんでした。最初は攻撃範囲がいまよりも広くて、全方位に攻撃できたのですが、あまりにも強くなりすぎてしまって(苦笑)。これは★1のキャラクターの強さではないよねということで、アクションを下方修正しました。

柴田それでいうと、鋼のキングや剣のクイーン、音速のジャックも調整が難しかったです。彼らはもともと中ボスとして登場するキャラクターで、倒したうえで方舟の機能を修復すると仲間にできます。

 僕らとしては特別感を出したくて、ほかのアストラルよりも強くしようと考えていましたが、当初はあまりにも強すぎて……。とくに遠距離攻撃ができるクイーンは尋常じゃなかったです(苦笑)。

松浦初期のクイーンは、「このキャラクターだけ使っていればいいじゃん」というくらい有能でしたからね(苦笑)。もちろん、いまのクイーンも強いのですが、とくに遠距離攻撃ができるアストラルのバランス調整は最後まで悩みました。

 コンボの組み合わせも1億240万通りと非常に多いので、どの組み合わせでもコンボが気持ちよくつながるように、グランディングさんとがんばって調整しています。

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古代遺跡のダンジョンでノアの行く手を阻むボスの誕生秘話

――多彩な攻撃を仕掛けてくるボスのアクションを考えるのもたいへんだったのでは?

松浦そうですね。ボスは、最初に鉄巨人を作ったんですけど、どういった攻撃を仕掛けてくるのか、どのように攻略するのかなど、方向性を考えるのに時間をかけました。

柴田とくに、ユーザーにどのようにボスを倒してもらうのか、いまの形に決まるまではいろいろ試行錯誤をしています。最初は、ボスの体勢を崩すブレイクのような仕組みも考えていましたが、もっとわかりやすくシンプルにすることになり、ボスの動きをパターン化したうえで、何回かチャレンジしてもらえばボスの動きがわかって攻略できるように調整しています。ただ、そこに行き着くまでにけっこう時間がかかりましたね。

松浦鉄巨人だけで多分2ヵ月ぐらい調整しましたよね。

柴田ほかのボスはどうしましょうって(苦笑)。

――確かに不安になりそうです。

松浦鉄巨人はベンチマークになるボスだったので、最初に時間をかけてしっかり作る必要がありました。逆に鉄巨人さえ乗り切ってしまえば、ほかのボスは比較的スムーズに作れるだろうと考えていましたね。

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――鉄巨人は武器によって攻撃パターンが変化しますが、これも最初から考えていたのですか?

松浦いえ、武器に合わせて攻撃パターンを変えたのは後から実装した要素ですね。鉄巨人のアクションがある程度できた段階で高木や渡邊に見せたところ、「ボスの数が少ない」と指摘され、異なる武器を装備した鉄巨人を作ることになりました。

 それと、「もうちょっと盛り上がりがほしい」とも言われたので、鋼のキングや剣のクイーン、音速のジャックを中ボスとして登場させることにしました。ここでもスケジュールを調整する必要がありましたが、中ボスを追加してボスのパターンを増やした結果、何度もくり返し遊びたくなる工夫が実装できたかなと思います。

――ボスの別パターンや中ボスがほしいと言われたとき、柴田さんはどうでしたか?

柴田スケジュールや人員がギリギリだったので、正直、たいへんになるとは思いましたが(苦笑)、松浦さんがお話したように、ダンジョンにくり返し挑みたくなる要素は必要だと感じていたので、実装できてよかったです。

 いまだから言えますが、中ボスはけっこう苦労しましたね。中ボスは、弊社の別働隊に動いてもらったのですが、途中参加のメンバーに、本作におけるボスの倒しかたを理解してもらうところからスタートしたので、やはり時間がかかってしまって。最初こそ骨が折れましたが、ボス戦のセオリーを理解してもらってからは、ユニークなアクションやギミックをいろいろと生み出してくれました。中ボス戦は、鉄巨人たちボスとは異なる立ち回りが楽しめると思います。

松浦中ボスやボスは、ランダムに登場するようにしたのもポイントです。最初はキング、つぎは鉄巨人で固定しているんですが、これらのボスを倒した後は、出現する敵がランダムで選ばれるように設定しました。後半に登場するほど手強くなるように調整していますので、同じ敵でも新鮮な気持ちで戦えます。

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――中ボスやボスのバリエーションを追加するとき、ほかに実装したものがあれば教えてください。

柴田ノアのアクションにエーテルスラストを追加しましたよね。

松浦エーテルスラストは、僕が実装したかったんですよ。エーテルスラストは、ノアが高速移動して攻撃する特殊なアクションです。もともと試作段階のときに実装していて、僕は気に入っていたのですが、いまのコンボシステムでいくことになって泣く泣くカットしたんです。そのときは、続編を作ることになったら実装したいなと考えていたのですが、追加のスケジュールを確保できたので、「これはエーテルスラストを入れるチャンスだ!」と思って(笑)。

――入れるチャンス(笑)。

松浦それでグランディングさんにお願いしたところ、「エーテルスラストのソースはもう消しちゃいました」と言われて(苦笑)、ムリを承知で新たに作り直してもらったんです。

 エーテルスラストを発動してボタンを長押ししているあいだは、時間がゆっくり流れるようになるので初心者の方も使いやすいと思いますし、敵に当てるとアタックの段階がリセットされてコンボがつなぎやすくなります。これならコンボシステムにも合うので、結果的に実装できてよかったですね。

柴田エーテルスラストはコンボのつなぎにも使えますし、回避のアクションとしても役立つので、実装して正解でしたが、なにぶんある程度ゲームが固まったところで追加された要素なので、どのボタンに配置するかはかなり悩みましたね(苦笑)。

ノアを強化するアクセサリや方舟の修復などやりこみ要素も充実

――本作には、ダンジョン内でアクサセリを入手してノアを強化したり、方舟を修復するやり込み要素も満載です。これらのシステムは、どのようにして誕生したのですか?

松浦アクセサリは、ダンジョンを探索しながらどんどん強化していく要素がほしいよねということで、初期からアイデアを温めていました。

柴田実装するにあたっては、最初にどこまでアビリティを重ねがけしてノアを強くできるのか、天井を考えてから逆算してバランスを調整していきました。ノアのパラメーターが上昇するシンプルな効果も含めると、アクセサリは140個くらい用意しています。

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――アクセサリを実装するうえで、松浦さんからオーダーしたことは?

松浦僕からは、とにかく派手にしてほしいとお願いしました。アクセサリを入手したことで、パラメーターだけではなく、アクションなどの見た目もパワーアップしたことがわかるようにしたかったんです。

 それで炎や雷、氷で追撃してほしいとか、ジャンプを増やしてほしいとか、いろいろムチャを言いまして……。グランディングさんは、ゲーム内処理の調整がとくにたいへんだったろうなと思います。

柴田見た目を派手にするということは、新たなアクションやエフェクトを作る必要があります。もちろん、松浦さんの気持ちはよくわかるので、リソースと相談しながらなるべく要望に応えられるように調整しました。

――アクションが派手になってくると、ノアがどこにいるのか、視認性をキープするのも苦労があったのではないですか?

柴田ご指摘の通り、ノアを見失わないように調整するのも時間がかかりました。

松浦もともとノアは、ダンジョンで仲間にしたアストラルたちが後ろをついてくるという仕様上、視認性を維持するのが難しいという問題もあって。画面に表示される味方が多いうえに、アクションを派手にすればするほど、ノアが見えにくくなってしまうんです。

 でも、できれば仲間を連れ回したいじゃないですか。それに、コンボの編成順に並んでいて、ボタンを押すとアストラルが順番に前に出てきて、大きくなって攻撃をしていくというリンク性もほしかったので、どうしても譲れませんでした。

柴田アストラルを連れて動き回りたいというのも松浦さんからの要望で、視認性を高めるためにキャラクターの大きさを何度か変えましたよね。

松浦大きさも調整しましたし、あとは色味も熟考しました。当初は敵と同じ色味だったんですけど、敵と同じアストラルを連れているとさすがに混ざってしまって……。

 そこでちょっと青っぽく調整してみたのですが、青色が濃すぎると今度は味気ないといいますか、せっかくいろいろな仲間を引き連れているのにワチャワチャ感がなくなってしまう。どこまで青くするかもかなり悩みました。

柴田色味もだいぶ調整しましたよね。

松浦最終的にはオプションでも調整できるようにしていて、初期の状態でもわりと色味は残っているんですが、オプションでもっと濃い青色に変更することもできます。どうしても見づらい方は、オプションで色味を変えてプレイするといいかもしれません。

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――方舟の修復機能を実装した経緯も教えてください。

松浦『リトル ノア』の新作なので、方舟を修復する機能は最初から実装したいと考えていました。獲得したマナで施設を修復することで、どのような恩恵があるかを考えるのは時間を必要としましたが、ベースが決まってからはすんなり進んだと思います。

柴田そうでしたね。修復したときに得られる効果は、いろいろなものを実装したかったのですが、種類を増やしすぎて汎用性のない効果になっても意味がありません。ある程度種類を維持しつつ、汎用的に使える効果を考えるのは、落としどころを見つけるのが難しかったです。

――方舟に関しては、エーテルスラストのように、あとからこれを追加しようといった要素もなく?

柴田画面の左上に表示される方舟の修復率は、けっこうギリギリのタイミングで実装しましたよね?

松浦ご迷惑をおかけしました(苦笑)。修復率はもともと入れていなかったんですが、ほぼ完成していたときに『グランブルーファンタジー』のディレクターの福原(哲也氏)にプレイしてもらって感想を聞いてみたんです。

 フィードバックをもらったところ、彼に「どれくらい方舟を修復したのか進捗が知りたい」と言われて。修復率が表示されたほうがわかりやすいですし、プレイのモチベーションにもなると思ったので、「そのアイデアいただきます!」と(笑)。

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――(笑)。修復できる施設の効果を考える中で、とくに印象に残っているものはありますか?

松浦ポーションを使用可能にするコアシンボルですね。HPの回復アイテム(=ポーション)は、施設の修復の中に入れてほしいと提案しました。当初は、施設を修復しなくてもポーションが使えるようにするという案もありましたが、まずは戦闘不能になってほしかったので、ポーションが使えるようになる効果を施設の中に入れました。

――最初にゲームのきびしさを体験してほしかったと。

松浦もちろんそれもありますが、ジャンルがローグライトアクションなので、くり返しチャレンジして成長を実感してほしいという思いから、最初から回復アイテムが使えるようにはしたくなかったんです。そういう考えもあって、ちょっときびしめの難易度設定にしています。

――実際にプレイしてみて難しいと感じましたが、やはり難度は高めに設定していたのですね。

松浦はい。本作はローグライトアクションとはいえ、RPGもちょっと意識していて、方舟を修復することで、ノア自身を強化する楽しみも体験してほしいと考えています。アクションゲームがちょっと苦手な方でも、方舟を修復することによって、やがてクリアーできるように難度を調整していますのでご安心ください。

柴田ただ、ゲームに慣れすぎたせいで、バランスがいいのかどうか、途中でわからなくなることもありましたよね。とくにやり込んでいたスタッフは、ラスボスをあっさり倒してしまって、「簡単すぎるんじゃないですか」って言うんです。じゅうぶん強いのに(苦笑)。

松浦ラスボスは、とくに調整に気を使いました。最初に僕がチェックしたときは、ラスボスのHPがめちゃくちゃ多くて、デバッグモードでプレイしてもかなり時間がかかってしまって。ダンジョンを1時間以上探索して、この強さだと諦めてしまう人もいるだろうから、HPを減らしてもらいました。

柴田ラスボスはHPだけではなく、アクションも見直して調整しています。当初は、攻撃パターンがランダムでつぎの動きを予測しにくかったのですが、ある程度パターン化することで、何度かチャレンジして動きを観察すれば倒せるようにしています。

松浦それでも勝つのが難しいという方は、難易度をイージーに変えてリベンジしてもらえると。難度を下げると敵の攻撃が弱くなりますし、攻撃頻度も減るので、ダメージを受けにくくなります。それに敵のHPが減っていて、格段に倒しやすくなりますよ。

 逆に腕に自信のある方は、ぜひハードで始めてみてください。難度を下げることはできますが、イージーやノーマルからハードに上げることはできないので、ちょっとしたやり込み要素として実装しています。

――ちなみに、クリアーまでの想定時間は?

松浦早い人なら10数時間でクリアーできると思います。方舟をすべて修復するなど、やり込み要素まで含めると50時間以上遊べますよ。

柴田1回のダンジョン探索でクリアーすれば、タイムアタックも狙えます。ただ、回復手段のポーションがないですし、方舟の修復で解放できる強力なアストラルも仲間にできないので、ハードルはかなり高いですが……。バランス調整の担当者の中には、達成しているスタッフもいて、1時間程度でクリアーしていたと思います。

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ノアの新たな魅力を引き出すアニマが登場

――本作には、前作で活躍したアニマに加えて、新しいアニマも登場しています。

柴田前作に登場した錬精術師、火斧戦士、氷双剣士、風槍術士に加えて、新たに神火巫女、火焔調理師、白銀海賊、雪華舞踏士、天嵐大聖、黒風執行士のアニマが登場します。

『リトル ノア 楽園の後継者』開発者インタビュー。『リトル ノア』復活の経緯をサイゲームス松浦氏とグランディング柴田氏に直撃! 攻略に役立つアドバイスも

松浦前作では、アニマを使用するとノアが巨大化していましたが、名前が独特ですし、このままでは新規の方にはわかりにくいかなと思いました。ジョブのようなものとして捉えてもらうのがわかりやすいと考えて、アニマの種類を増やしたうえで変身した姿だけではなく、通常の見た目も使用するアニマに合わせて変わるようにアレンジしています。

――アニマを実装するうえでとくに苦労したのは?

柴田アニマのアクションはすんなり決まったのですが、グラフィックは何度もやり取りしましたね。とくにノアの顔がアップになるシーンは、細かい調整が多かったです。

松浦発動シーンはバトルの見せ場にしたかったので、アングルやカットには相当こだわりました。最終的に、カットイン用のフェイシャルを別に用意してもらったりもして。

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――カットインは迫力満点ですよね。新衣装のこだわりも教えてください。

松浦新衣装は社内のデザインチームにある程度お任せしています。どの衣装もお気に入りですが、とくに神火巫女は驚きました。火の侍のイメージでお願いしていたので、そこに巫女の要素が加わってこうなるのかって。「これはかわいい!」と思いました(笑)。

柴田僕は白銀海賊がお気に入りですね。海賊姿のノアもかわいいなと思いました。

『リトル ノア 楽園の後継者』開発者インタビュー。『リトル ノア』復活の経緯をサイゲームス松浦氏とグランディング柴田氏に直撃! 攻略に役立つアドバイスも
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『リトル ノア 楽園の後継者』開発者インタビュー。『リトル ノア』復活の経緯をサイゲームス松浦氏とグランディング柴田氏に直撃! 攻略に役立つアドバイスも
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気になる発売後の展開や攻略情報をチェック!

――配信後のダウンロードコンテンツ(DLC)やアップデートの予定は?

松浦DLCは、アニマ2体とアストラル3体、アクセサリ5個がセットになったパックをふたつ用意しています。各300円[税込]で、第1弾と第2弾のセットも500円[税込]で用意していますので、ぜひチェックしてください。DLCのアニマの中には、『プリンセスコネクト! Re:Dive』とコラボした美食剣姫ノアや、『ウマ娘 プリティーダービー』とコラボした総大将娘ノアの衣装も用意しました。

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――コラボ衣装は、喜ぶファンが多いと思います!

松浦どちらの衣装も両チームの担当者に細かくチェックしてもらい、オーケーをもらった自信作です。ファンの方たちに喜んでもらえるとうれしいですね。ちなみに、『プリンセスコネクト! Re:Dive』とのコラボは、プロデューサーの木村(唯人氏)に直接お願いしましたが、すぐに快諾してくれたうえに、「キャルとコッコロも使っていいよ」と提案してくれました(笑)。

――木村さん、ノリノリですね(笑)。

松浦無料のアップデートの準備も進めていて、ハードよりも高い難度や、本作独自の要素を組み合わせたボスラッシュのようなモードを開発していますので、こちらもぜひご期待ください!

――楽しみにしています! せっかくの機会なので、おふたりに攻略情報もお聞きしたいです。方舟で優先して修復すべき施設を教えてください。

柴田プレイスタイルによって変わると思いますが、“コアシンボル”を1段階修復してポーションを使用可能にした後は、回復量がアップする“花壇”や所持数を増やす“薬草畑”がオススメです。

 調査記録保管庫で“ポーションタンク(ポーションの使用回数を回復できるタンク)”や、ノアが力尽きたときに1度だけ生き返れる“蘇生追加”も早めに修復しておくといいですよ。あとは、ノアの最大HPを増やす“生命の樹”も、生存率を高める効果として有効です。

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松浦僕はガンガン攻めるのが好きなので、与えるダメージがアップする“軍旗”を中心に、コアシンボルの2段階目を修復して“エーテルスラスト”が使えるようにしています。早く敵を撃破することができれば、それだけ受けるダメージを減らせますから。

――施設の修復に必要な、マナをできるだけ多く入手する方法は?

柴田マナはダンジョンから方舟に戻るとき、探索中に入手したマナに加えて、獲得したクリスタルやアクセサリ、仲間にしたアストラルがマナに変換されて入手できます。ダンジョンをすみずみまで探索して、クリスタルやアクセサリ、アストラルを手に入れていくと、マナの獲得量が増えますし、ノアの強化も行えて一石二鳥です。

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――方舟に設置すると効果を発揮するスタチューは、どれを選ぶのがいいですか?

柴田スタチューもアタックダメージを上げる“ルータス像”、ノアの最大HPを増やす“女戦士フレイヤ像”がいちばん安定すると思います。

 プレイを続けるうちに効果の高いシルバー、ゴールドのスタチューを入手できるので、入れ換えるのも重要です。ちなみに、スタチューの入手条件は、方舟の遺跡探索録で確認できますよ。

――これはとくに知りたい人が多いと思いますが、コンボのアクションやスキルが強力なアストラルを教えてください。

柴田一度撃破したうえで、方舟を修復すると解放される鋼のキングや剣のクイーン、音速のジャックは、アストラルの中でもアクションが強力です。

 また、スキルが有用なのは、クレリーや貴公子ディーノですね。スキルでノアのHPが回復するので、数少ない回復手段として重宝してくれます。

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剣のクイーン
鋼のキング
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クレリー
貴公子ディーノ
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――ディーノのスキルは、遠距離攻撃なのも使いやすくていいですよね。長く探索するコツや、ボスとの戦いかたもアドバイスをお願いします。

柴田方舟の修復で、ポーション関連の機能を充実させることがいちばんですが、無理に探索しないことですね。たとえば、ポーションが残り少ないときは、すみずみまで探索するのを諦めて先に進むとか。とくに強敵が出現する“モンスターハウス”は避けたほうが安全です。

松浦モンスターハウスに出現する敵はノックバックしないので、ほかの敵と同じように戦うと痛い目をみやすいです。石碑を起動しなければモンスターは出現しないので、クリアーを目指すならスルーして先に進むのもアリだと思いますよ。

柴田ボス戦では、とにかく相手の動きを観察するのが重要です。攻撃パターンがわかれば、安全に反撃できますし、ダメージを受ける危険も減らせるはず。

 ただ、ボスのHPが50%以下になると攻撃パターンが変化するので、最後まで油断は禁物です。ボスの攻撃が避けきれないときは、発動中に無敵になる“アニマバースト”を使うといいですよ。

松浦ボスと戦うときは、欲張らないというのも大事ですね。もうちょっとで倒せそうだから、ゴリ押ししちゃえと体が勝手に動くこともあると思いますが、HPを削りきれなくて反撃を食らいやすいので(苦笑)。

――有効的なアドバイスをありがとうございました! おふたりの情報をもとに、これからプレイする人も多いと思います。

松浦ゲームシステムやグラフィックだけではなく、価格にいたるまでこだわり抜きました。『リトル ノア』のファンの方はもちろん、ローグライトアクションが好きな方にも手に取ってもらえるとうれしいですね。ノアの魅力あふれる姿を、改めてお披露目できたこともとても光栄です。ゲームの根源的なおもしろさを再確認できるタイトルになったと自負していますので、ぜひプレイしてください。

柴田コンボシステムは時間をかけたぶん、オリジナルコンボを見つけるのが楽しいものになったと手応えを感じています。ユーザーの皆さんには、“自分のオススメコンボ”や、“自分の考えた最強パーティー”を作ってもらって、ユーザーどうしで交流してもらえるとうれしいです。

『リトル ノア 楽園の後継者』商品情報

  • タイトル:リトル ノア 楽園の後継者
  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PlayStation4、Steam
  • ジャンル:ローグライトアクション
  • プレイ人数:1人
  • ダウンロード版希望小売価格:1500円[税込]
  • 発売日:2022年6月28日(火)
  • レーティング:IARC 7+
  • 企画・制作:株式会社Cygames