2017年にXbox One版が配信され、カートゥーンアニメーションで描かれたゲームとして注目され、難易度の高さなど多くの話題を集めたStudio MDHR開発による横スクロールアクション『Cuphead』(カップヘッド)。その後、Nintendo Switchやプレイステーション4、PCなどでもリリースされ、Netflixではアニメ“ザ・カップヘッド・ショウ!”が公開されるなど、その勢いはとどまるところを知らない同作だが、この度、その最後とも言われているDLCとなる“The Delicious Last Course(デリシャス・ラスト・コース)”が、6月30日から対応全プラットフォームで配信を開始する。
当初は2020年に配信予定だった“The Delicious Last Course”だが、コロナ禍を受けて配信日が延期していたものが、満を持してのリリースとなる。本DLCがどういったものになっているのか、その内容や魅力を紹介しよう。
なお、『Cuphead - The Delicious Last Course』の価格は780円[税込]。プレイには、『Cuphead』本編が別途必要になる。
チャリスがプレイアブル化! 新たな攻略法が見つかるかも……
デビルとの魂を賭けたギャンブルに負けてしまったカップヘッド、マグマンの兄弟。彼らは自身の命と引き換えに、逃げ出したほかの債務者たちと戦い、その魂を集めるための冒険へ出発する……というのが『Cuphead』ゲーム本編の内容。最終DLCでは、そんな本筋とは別に新たな地で異なるストーリーが展開される。そして、新たな物語でカギを握るのが、カップヘッド兄弟に助けを求めてきたチャリスだ。
ゲーム本編でもたまに魂だけの存在として登場していたチャリスだが、DLCでは彼女を復活させるためにカップヘッド兄弟が奮闘。魂の状態から完全復活するには、シェフ・ソルトベイカーが作る“ワンダー・タルト”が必要ということで、その食材を求めて新たな冒険へと出発することになる。
そんな“The Delicious Last Course”では、新たにチャリスがプレイアブルキャラクターとして登場。シェフお手製のクッキーをお守りとしてカップヘッドたちに装備させることで、一時的にチャリスと魂が入れ替わり、ステージ攻略のあいだ操作が可能になるのだ。
チャリスはカップヘッド兄弟とはアクションが一部異なり、何とダブルジャンプが可能。また、しゃがんだままでダッシュをすることで、無敵状態でのローリングもでき、プレイヤーによってはカップヘッドたち以上に使いやすく、攻略の幅が広がるキャラクターとなっている。本作は全体的に難度が高く、敵キャラクターもとにかく強いが、チャリスで挑むことで攻略の糸口が見つかるかもしれない……。
“The Delicious Last Course”でも油断大敵の強敵たち
タルトの食材調達のため、新たなエリアをまわることになるカップヘッド兄弟とチャリスだが、行く先々には悪党たちが待ち構えており、彼らを倒さなければ食材は入手できない。たたし、本作と言えば先述したように、戦う敵がみな強力で難易度が高い。何度も倒されることで相手の動きを見極め、攻略法を見つけ出し、時間をかけて倒すのがお決まり。“The Delicious Last Course”で戦う敵もその例に漏れず、チャリスが操作できるようになったからといって油断は禁物だ。
本作ではおなじみでもある、カートゥーンアニメーションならではの、予測できない動きや攻撃の数々はもちろん健在で、急に画面が90度回転したり、巨人の胃袋の中で戦ったり、大きな牛がウィンナーになって自身の肉を口から吐き出してきたりと、戦闘はつねにカオス。「待って待って待って!!」と言っているあいだに攻撃を矢継ぎ早に受け、やられてしまうなど、どの相手もひと筋縄ではいかない。
中でも筆者が苦戦を強いられたのが、“チェス・キングの入城”と呼ばれるステージ。ここでは、攻撃などに対してタイミングよくボタンを押すことで、赤色の対象物を弾くことができる“パリィ”を駆使して攻略を目指すのだが、なんとショット(弾丸)を撃つことができず、お守りも装備できない(チャリスになれるクッキーは対象外のようだ)。容赦なくこちらを攻撃してくる相手に対して、こちらは何も持たない丸裸の状態で、ジャンプやダッシュ、パリィのみで対処しなければならないのだ。一体このステージだけで何度辛酸をなめさせられたことか……。
そのため、各ステージの攻略には根気強くプレイする必要があるのだが、そのぶん敵を倒せたときの気持ちよさは格別! 以前から本作をプレイしていた筆者でも、“The Delicious Last Course”を攻略できたときにも、我を忘れて歓喜の大声を上げてしまったほどで、とにかく達成感が半端ない。そして、その気持ちよさを味わってしまうと、たとえまた何度も倒されてしまうとわかっていても、新しい敵に挑戦してしまうのが、本作のおそろしい魅力でもあるのだ。
また、“The Delicious Last Course”で訪れる地にはショップも存在しており、そこでは新たな“ショット”や“お守り”が売られている。これらはプレイヤーによって好き嫌いが分かれるため、一概にどれも強力なものだとは言えないが、中にはあらぬ方向に撃っても、敵に目掛けてまっすぐ飛んでいく高威力のショットがあったりと、筆者としてはおすすめしたいものばかり。チャリスのクッキーはもちろん、ショップの品を装備することで、倒せなかった敵も倒せるようになるかもしれない。
2017年の配信から約5年のときが経ち、ついに最後のDLCがリリースされた『Cuphead』。DLCの内容は、“カートゥーンアニメーション×ゲーム”というこれまでになかったジャンルの作品のおもしろさ、高難易度だが病みつきになる達成感が得られる戦闘など、ゲーム本編でも味わえた本作ならではの魅力が存分に詰め込まれている。そのうえ、新たなプレイアブルキャラクターが登場し、これまでとは異なるアクションも楽しめたりと、本作のファンであれば文句なしに楽しめるものとなっている。
また、先述したがこれから本作を始める人も、すぐDLCの内容を楽しめるのでおすすめだ。むしろ、早い段階でチャリスが使用できるので、思ったよりスムーズに本編も攻略できてしまうかもしれない。これを機に、ぜひ購入を検討してほしい。