でらゲーからNintendo Switch向けに2022年4月29日に発売された『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』は、音声認識機能を搭載した体験型英会話学習ゲーム。

 プレイヤーは英語を言語とする世界“ベティア”を冒険して、キャラクターたちとコミュニケーションをとっていくことになる。具体的にどんな方法でコミュニケーションをとるのかというと、実際にマイクに向かって英語をしゃべったり、虫食い状態になっている英文に単語を記入する、などなど。そうしてゲームを遊んでいるうちに、“聴く”、“しゃべる”、“書く”といった英語力が自然と身についていくのだ。

『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた
キャラクターたちの声を担当しているのはネイティブスピーカーなので、正しい発音を勉強したいという方には最適。

 「でも、英語なんてしゃべれないよ!」という方、ご安心を。プレイヤーがしゃべる英文は画面下に表示されるので、それを読み上げればオーケー。お手本も何度も確認することができる。また、本作は独自の音声認識システムを搭載しており、プレイヤーの発音を点数で判定してくれるので、「発音がわからない」と悩むこともない。

『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた
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プレイヤーの発音がどのくらい正しいか、画面左下に点数で表示される。
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発音が正しくなかった場合は、単語が赤くなって間違えを教えてくれるので便利。

 英語学習の入門編としてうってつけのゲームだが、やはり“英語”と聞くと「難しいのでは?」と身構えてしまう方も多いはず。そこで、小学校4年生のお子さんに実際にゲームを体験してもらってみた。その模様をお届け……する前に、まずはゲームの内容について紹介をしておこう。

※本作をプレイするにはUSBマイク、またはヘッドセットが必要です。

英語の目安

  • 英検(R)5級~3級程度
  • TOEIC(R) LISTENING TEST 110未満/TOEIC(R) READING TEST 115未満
  • TOEIC(R) SPEAKING TEST 90未満/TOEIC(R) WRITING TEST 30未満

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※本記事はでらゲー提供によりお届けしています。

奪われた英語を取り戻し、ベティアの平和を守る

 ゲームの舞台となるのは、人々が“LUEエナジー”の恩恵を受けて豊かに暮らす平和な世界“ベティア”。ある日、デビルモンという怪物が出現して人々から英語を奪ってしまい、ベティアはLUEエナジーが不足してしまう大事態に。そこで、主人公はLUEエナジーを正しく扱うことのできる“リンカー”となってデビルモンやその手先のモンスターと戦い、英語を取り戻していくことになる。

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異世界ベティアにやってきた主人公は、リンカーの学校の生徒として大冒険。
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個性豊かな人々が暮らすベティア。彼らの悩みを解決していくことで物語が進む。

 当然だが、キャラクターとの会話はすべて英語。日本語の字幕はほとんどのシーンで表示されないので、相手が話す言葉をよく聞いて理解することが重要になる。But, Don't worry!前述したように相手への返事は画面下に表示される英文をしゃべればいいし、何度もお手本を聞いて発音の確認できる。難しいと感じたら、スキップすることも可能だ。

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つぎに行く場所はアイコンで表示されるので迷うことはない。
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住人はゆっくりと話してくれるので、落ち着いて話を聞こう。
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会話ではクイズのように正解の選択肢を選んだり、単語を記入して答える場合もある。

 ストーリーごとに5つのエピソードがあり、それぞれ学習の指針となる“Chunk”が設定されている。たとえば、STORY2“Amy's True Friend”のエピソード1のChunkは“Hello there”、エピソード2は“How are you?”といった感じ。このChunkを住人との会話やバトルの中で重点的に学ぶようになっているのだ。

 ちなみに、Chunkは“チャンク”と読む。本来は“ひとかたまり”という意味で使われるようだが、本作では、エピソードごとのテーマとなっている。

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 エピソードを進めていくと、デビルモンの手先の敵が現れてキャラクターからChunkを奪ってしまう。そこで、プレイヤーはリンカーに変身して敵と戦うことに。

 バトルの流れとしては、まず相手の属性を確認し、それに応じた技を選択。その後は出題されるChunkをしゃべったり、単語を正しく配置するなどして敵を攻撃していく。敵を一掃してChunkを取り戻したあとも、LUEエナジーを集めるために要所でバトルをくり広げていくことになる。

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いつもと変わらない風景だが、画面左下に敵がいることを示すアイコンが出現。この状態でXボタンを押すとリンカーに変身し、それまでは見えなかった敵の姿を捉えることができる。
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属性を選択すると、画面中央に複数のLUEエナジーのアイコンが出現。この数に応じて問題が出題される。
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制限時間内に問題をパスして、敵の撃破を目指せ!

 ストーリーを紐解く中で、住人と仲よし度を上げたり、ショップでアイテムを購入して主人公の服を着せ替えるといった要素も用意されているので、勉強に少し疲れたときは視点を変えて遊ぶことができる。

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メニューの“Linker’s Book”で物語の進行を確認できる。
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ファッションアイテムや家具が豊富。アイテム欲しさに、ついついプレイしてしまうなんてことも。

 一度学習したエピソードは、“Time Guardian”というモードでいつでも復習することが可能。一度プレイするだけではさらりと流してしまう物語や発音をじっくりと掘り下げることで、さらに英語への理解が深まる!

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“Time Guardian”は、制限時間内にエピソードをクリアーするモード。英語を早く正しくしゃべることで時間が加算されていく。
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筆記問題もあり、ちゃんと物語を理解しているのか試される!

小学4年生がゲームに挑戦!

 さて、というわけで実際に小学生に本作を体験してもらってみた。今回検証に協力をしてくれたのは、小学校4年生のゆうくんとオッシーさん親子。何を隠そうオッシーさんは当社の社員(ちょっぴり手前味噌ですが)。この企画に合わせて、ゲーム好きな小学生を探していたところ、「社内にゲーム大好き親子がいる!」と教えてもらい、体験を快諾してもらったのだ。

 “ゲーム大好き親子”ぶりは社内でも相当有名だったようで、電撃オンラインの“電撃インディー”で、親子で配信番組を持っているほど(配信は不定期。基本毎週土曜日19時~)。配信番組を担当することにした経緯も、ゆうくんが「ゲーム実況に興味がある」ということを聞いたオッシーさんが、一念発起して番組を始めることにしたというから、とても心温まる親子愛(とゲーム愛)と言えるだろう。

電撃インディーはこちら

 というわけで、いざゆうくん・オッシーさんのお宅にお邪魔してみると、棚にはゲームソフトがずらり。どうやら家族全員がゲームが大好きなようで、Nintendo Switchだけでも5台あるのだとか……。

『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた
Nintendo Switchを片手に、「がんばるぞ!」やる気満々のゆうくん(左)とオッシーさん(右)。
  • ゆうくん(左):ゲーム好きのオッシーさんの影響で、幼いころからゲームが大好き。得意なジャンルはアクション。最新のゲームはもちろん、アプリゲームやボードゲームまで幅広く網羅している。
  • オッシーさん(右):ゲームやガジェット、映画が大好き。好きなジャンルはホラー全般で、B級ホラー映画やインディーホラーゲームが大好物。

 2020年4月から小学校3年生以上は英語教育が必修化しており、学校でも英語を習っているというゆうくん。しかし、習っているのは簡単な挨拶やカードを使ったゲームで、本格的な英語は未経験に近いのだそう。なお、検証にあたってふたりにはまったく初見の状態からチュートリアルをプレイしてもらった。基本的なプレイはゆうくんが行い、オッシーさんにはフォローに回っていただく。

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ふだんゲーム実況で使用しているという大きなマイクを前に、初めてのゲームにワクワクした様子のゆうくん。
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主人公の名前は複数の中から選択できる。

 ゲームスタート直後、オッシーさんがゲームの難易度を確認し、英語の発音のクリアー点数を“やさしい”に変更。のちのプレイでわかったことだが、この設定変更は非常に重要だった。まだ学校で習っていない単語が多く出てくるため、ゆうくんはどんな英語も必ず一度お手本を聞いて理解を深めてから発音しなければならない。大人でもつまずく“æ”や“θ”を、初心者が正確に発音するのは難しいのだ。こうしてクリアー点数を下げることで遊びやすくなり、それが本人のモチベーションアップにもつながった。オッシーさん、Nice!

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設定画面で点数を変更。ちなみに、筆者は“ふつう”の設定でスムーズにプレイできた。
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デビルモンと戦う演出に「もう1面のボス?」と興奮気味のゆうくん。どんなコマンドがあるのか戦いの前にしっかり確認するのはさすが。オッシーさんは「攻撃の種類ごとに属性があるね」とゲーマーらしい指南。
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何度もXボタンを押してお手本を聞いて、耳コピで英語を話すゆうくん。その発音はすばらしく、“r”の発音はなかなかのもの。

 次第にゲームの世界に引き込まれていくゆうくん。しかし、物語はあまり理解できないようで、「このキャラクターは、何てしゃべっているの?」、「これはどういう意味?」とオッシーさんに確認をしながら進めていく。オッシーさんも、ゆうくんには難しいと判断をしたら率先して解説したり、英語の発音をアドバイス。それを受けて、しっかりと英語に向き合っていく。

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やはり、長文には苦戦。トライ&エラーで、めげずにゲームを進める。
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ゆうくんを見守り、つまずいたらアドバイスをするオッシーさん。いっしょにゲームを遊べて楽しそう。

 ゲームを少し先に進めて、STORY2のエピソード1(Chunkは“Hello there”)で発生するバトルも体験してもらった。必殺技のように「Hello there!!」と唱えたり、文字を入力して見事に敵を撃破。ゲーム好きなので、バトルが楽しかったようだ。

『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた
『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた
“Hello there”を反復したことで、しっかりと覚えた様子。

 ゆうくんに、今日覚えた英語は何かと確認したところ、力強く「Hello there!!」と返ってきた。しっかりと学習した英語が身についた様子。最後に、ふたりにプレイした感想をいただいた。

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ちょっと難しかったです。楽しかったのはモンスターとのバトル! 技の種類が多くて楽しかったです。穴を掘ったり、木を揺らしたりして……とさまざまな要素やミニゲームもおもしろかった。英語の発音を採点してもらえるのもわかりやすかった。あ、音楽もすごく素敵でした!
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ゆうくんひとりでプレイするには、少し難しかったかもしれません。ただ、戦闘がRPGのように属性や攻撃対象を選択するシステムになっていたので、ゲーム好きな息子も楽しめたと思います。けっこうゲームのボリュームが多いので遊び応えがありそうです。

検証を終えて、感じたこと

 検証に協力してくれたゆうくんは英単語や文法に対してほとんど知識がなかったものの、お父さんのフォローもあり、ゲームを通じて英語の楽しさを感じてもらえたと思う。子どもが小さい場合は、親子でいっしょに遊ぶのがオススメだ。

 年代的にはかなり違うが、筆者が本作のプレイの目安となる英検5級を取得したのが中学1年生、3級は中学3年生のときだったので、中学生くらいが最適かもしれない。小学生でもある程度の英語に触れる環境下にいれば、適した教材だと言えるだろう。

 ちなみに取材後しばらくしてからオッシーさんに話を聞いてみると、あれから折に触れ、『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』をプレイしているとのことで、「日常生活で英語に興味を持てるようになったようです」とのこと。カタカナ英語の発音がそれっぽくなったのだとか。また、英語の授業でがんばりたいと思うようになったとのことで、英語に興味を持ってもらうということでは成功だったようだ。

 ちなみに、筆者がゲームをプレイするうえでもっとも勉強になったのは、ゲームに息づくネイティブの日常感。発音そのものもそうだが、「こういうときは、こんな英語で受け答えをするのか」と参考になった。日本人特有の“ヒアリングは得意だけど、スピーキングは苦手”という大人にもピッタリなので、ぜひ遊んでもらいたい。

『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』を小学生がプレイしたらどんな学習効果があるのか。音声認識機能を使った体験型英会話学習ゲームを検証してみた

ベティア ペラペラ英語アドベンチャー

  • メーカー:でらゲー
  • プラットフォーム:Nintendo Switch
  • 発売日:2022年4月29日
  • 価格:6578円[税込]
  • 備考:プレイには、USBマイクまたはヘッドセットが必要です。