GW(ゴールデンウイーク)ももう後半。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
今年は長くて11連休と、日々忙しく過ごす人にとって、さまざまな意味で影響の大きい期間になりました。大型連休をエンジョイしている人がいれば、僕のようにGW真っ最中にこの原稿をしたためているような、休みだからこそ仕事が多いみなさんもいたりするでしょう。
そんな、GWの代表的な使い方といえば旅行ですよね。
せっかくの長期休みですから、山や海、さらには海外……は、ご時世的に難しいかもしれないですが、ふだんは行くことのできない場所へ足を運ぶいい機会。なかなか会うことのできない友人や家族に会いに行くといった過ごし方もいいでしょう。
一方で、誰かと会ったり旅行をしたりするのはどうしてもリスクがつきまとうご時世でもあります。
「あぁ……自宅で手軽にお出かけ気分を味わえたり、いろいろな人と飲んで騒いで、みんなと遊べるような、夢みたいな話あるわけないよなぁ」
と、思ったそこの貴方!! よくぞこの記事に辿りついてくださいました!
そんな夢みたいな話を実現できるのが、VRSNS『VRChat』(以下、VRC)。“バーチャル世界で休日を満喫する”する選択が「超アリ!!!!」と断言できる、バーチャル世界の‟いま”をご紹介します。
そもそもVRSNSとは何だ?
※本題に入る前に少し説明を挟みます。“VRSNS”や『VRC』をすでに知っているという方は、つぎの見出しへどうぞ!
さて。
当然のように‟VRSNS”という単語を使いましたが、そもそもこの単語を知らない人も多いでしょう。VRとついているから、PlayStation VRのような大きな被りもので遊ぶもの……と勘違いされる人も多いかもしれません。
VRSNSとは、文字通り、VR(Virtual Reality)による仮想現実空間を用いたSNSのこと。シンプルに例えるとコミュニケーションを最大の目的にしたオンラインゲームです(厳密には違うのですが、ひとまず似たようなものと考えてください)。
記事の方向性を担当編集者と打ち合わせしたとき、最初に言われたのが「MMORPG(オンラインゲーム)とは何が違うと思う?」でした。
オンラインゲームとVRSNSの最大の違いは、サービスとして提供されているのがゲームではなく“空間”や“場所”であるということ。「ゲームは楽しむためのルールがゲームシステムとして用意されるけど、VRSNSではそのルール自体をユーザー側で用意できるということ?」と編集者。その理解で概ね問題ないかと思います。
VR空間に用意された場所に、さまざまな目的でログインし、異なる時間の過ごし方をするのがVRSNS。VRSNSはすでに数多くサービスが存在しています。簡単にリストアップすると、
- 『VRChat』:世界最大規模のVRSNS
- 『VirtualCast』:配信者向けに作られた国産VRSNS
- 『cluster』:日本発のVRSNSで、スマートフォンからでも参加できる
- 『Neos VR』:技術しだいでなんでもできる自由なVRSNS
などが有名どころ。昨今では‟メタバース”なんて単語も流行していることもあって、筆者も知らないVRSNSも多く存在しています。
今回の記事は、そんな中から世界最大規模のVRSNSである『VRC』の世界を覗いていくものです。
VRChat - Create, Share, Play
『VRChat』で遊ぶ準備をしよう
さて、前置きも終わりましたので、ここからが本編です。
筆者は『VRC』歴約1年半。プレイ時間は約3000時間で、日常的にVRの世界に浸っているひとり。そして、考えました。いまさら「こういう機材を用意しよう!」、「どこそこでフレンドを作ろう!」とかやっても、おもしろくないよなぁ……と。ぶっちゃけ、調べたらその手の情報は簡単に出てきますしね。
では、どうしようかと考えた結果、ひとつの結論に至りました。
『VRC』のある生活、24時間全部見せます。
『VRC』の世界は見ているだけでも魅力的なので、ありのままを見せれば解決するはず! そうと決まればさっそく取材だー!
ということで、まずは準備。‟VRCがある生活”にはこのようなアイテムを使います。それでは、ドーン!
(1)ゲーミングPC(筆者はノートPCを使用)
- メモリ:16GB
- CPU:Intel(R) Core(TM) i7-9750H
- グラフィックボード:GeForce RTX 2070 SUPER Max-Q
(2)VR機器
- Meta Quest 2(旧:Oculus Quest 2)
- 現在の価格:37180円[税込]
(3)フルトラッキング用機材
- Haritora
- 現在の価格:27900円[税込]
(4)Steamと『VRC』のソフトウェア
- 現在の価格:ともに基本無料
基本はこの4つです。なお、(1)に関しては『VRC』をデスクトップモード(VR機器を使わないモード)で遊ぶならばもっと控えめなスペックでも問題ありませんし、その場合はもちろん(2)も不要です。
また、『Meta Quest 2』でトラッキング(検知)できるのは顔と手の動きです。これだけでもまったく問題ありませんが、よりスムーズに動くためには、腰と足の動きもトラッキングしたい。そこで、追加機材として(3)を用意しています。
Meta Quest 2の購入はこちら (Amazon.co.jp)VRCで過ごす1日
筆者の休日のタイムスケジュールを『VRC』の有無で比較するとこうなります。
1日のスケジュールがかなり変化しているのがおわかりいただけるでしょうか? ちなみに、上記の画像だとわかりにくいですが、‟VRCのある生活”の大部分は『VRC』の中で過ごすものとなっています。……我ながら、めちゃくちゃ『VRC』で遊んでいる気がする。編集さんに怒られそう。
では、一体全体、筆者が『VRC』でどんな1日を過ごしているのか、実際にレポートしていきます!
10時:起床からの作業雑談
休日の起床はだいたい10時頃。
ふつうの生活なら、寝ぼけ眼で起き上がり、朝食を食べながらテレビや動画を観つつ、目が覚めたらPCに向かってメールチェックなどの作業をするのがルーティーンです。
しかし、‟VRCのある生活”は、すでにここから変化が。
寝ぼけ眼をこすりながら起きることに変わりはありませんが、朝食を持って着席するのはPCの前。そして、『VRC』にデスクトップモードでログインします。『VRC』はVR機材を使わなくても十分にプレイできるんです。
朝からVR機材をつけるのはめんどくさいというわけではなく、ご飯を食べにくいという単純な理由により、このときはデスクトップモードでプレイしました。『VRC』をやるかやらないかの選択ではありません。やるのが前提なんです。
すると、この日はフレンドのアルティメットゆいさん(@Yuinodeban)さんが、朝から自分のインスタンスを作っていたのでJoin。‟インスタンス”とは、プレイヤーが自由に建てられる部屋のようなもの。基本的にはフレンドであれば自由に入室(Join)できます。
「おはよー」と簡単な挨拶をすませつつ、朝食を食べ、雑談をしながらふたりで朝の時間をまったりとすごします。なお、当日はたまたまゆいさんが経営するバーチャルブランド“EXTENSION CLOTHING”の新衣装の発売日。最終調整に追われていました。
その隣りで、筆者も衣装のテスターとしていっしょにチェック。ついでにお洋服のカスタマイズをしながら、俗に言う‟作業通話”と洒落込みます。
12時:ランチタイム
朝の作業が一段落すると、お昼の時間。ふだんの生活では基本的に家で済ませています。ですが、『VRC』のある生活では外出せずともいろいろなことが完結しすぎるため、極端に外出頻度が減ります。本当に減る。危ない。
あまり外に出ないのも体に悪いので、ご飯や買い出しを理由にして、意識的に外出するようにしています。この日は散歩がてら回転ずしを食べに行きました。寿司は人類を救うのです。
14時:VRと現実世界をいったりきたりする昼下がり
休日の昼過ぎ。ふだんなら外出をしたり趣味に没頭する時間です。
一方で、最近は『VRC』をより楽しくするための準備時間として時間を割くことが多くなりました。その代表例が、アバターのカスタマイズ。『VRC』の世界では‟アバター改変”と呼ばれる作業です。
通常のオンラインゲームとは異なり、『VRC』にはキャラクターメイキングのようなシステムは存在しません。その代わりに、誰でも使えるアバターをコピーして使ったり、自分で用意した3Dモデルをアバターとして使用します。
体感では、『VRC』を遊ぶ日本人の多くは、後者の“3Dモデルのアップロードを選んでいる人がほとんどです。あと、だいたい美少女です。
もちろん、自分で3Dモデリングできる人はほんのひと握りですから、完全オリジナルのアバターを使っている人はほとんどいません。『VRC』では多くのクリエイターさんがVRC向けの3Dモデルを制作・販売されており、これらをBOOTHなどの販売サイトで購入して使う流れが主流です。
例えば、筆者はひゅうがなつさん(@hyuuuuganatu)という、『VRC』の世界ではかなり有名な方が作ったアバターを使用しています。
【VRC向けアバター】碼希-まき- 【VRC向けアバター】ウルフェリアちなみに、現在『VRC』向けに販売されているアバターのほとんどは、購入者なら自由に改変(改造)をして使っていいという驚くべき文化が浸透しています。クリエイターさんによって利用規約は異なりますが、現在販売されているVRC用アバターの9割が改変OKと言っても過言ではありません。この改変により、自身の個性を発揮できるプレイヤーは一目置かれる存在となるほどです。
つまり、多くのVRC向けアバターは改変前提で販売。それに合わせて、改変に使える小物や洋服などの販売も盛んで、先ほど紹介したゆいさんが作る新衣装もソレなのです。
筆者ももれなくアバターを改変して使用しておりまして、アバターのアップロードに利用するゲームエンジン『Unity』と格闘の日々。この日は、ゆいさんの新衣装を着せて、それを自分用に改変する作業をしていました。
詳しく話すと長くなるので割愛しますが、『VRC』で自分のアバターを使うなら『Unity』の利用は必須。改変でも『Unity』を使います。ゆえに、『VRC』のプレイヤーのほとんどがクリエイターでもないのに『Unity』にやたら詳しいという不思議な現象がよく見られるのですが、それは別の機会にお話ししましょう。
ちなみに、「『Unity』を使うのは難しそう。僕にはできないかも」と誤解されぬよう補足をしておきますが、現在のVRC用販売アバターはかなり最適化が進んでいます。『Unity』を使うとは言っても、改変をしなければ数クリックでアップロードできるほど簡単。でなければ、多くのプレイヤーがアバターを自分でアップロードして遊んでいるという事実はあり得ないので安心してください。
衣装を着せることができたのなら、今度は撮影です! 『VRC』には仮想カメラで撮影する機能があり、これを使って‟写真を撮る”のも人気の遊び方。オンラインゲームをSS(スクリーンショット)撮影に特化して遊ぶ人がいるように、『VRC』でも撮影メインで遊ぶ人は多いのです。
自分のアバターを好きなだけカスタマイズして、それを好きなロケーションで撮影可能。SS勢と呼ばれる人にとってはこれ以上がない夢のような環境です。ちなみに、筆者は過去に『黒い砂漠』というゲームでSS勢でした。
ゲームのSS撮影は画面に映った場面を切り取ることが多いです。一方、VRの環境下では、実際にカメラを手に持って(自キャラの手に持たせて)撮影することとなります。カメラの機能は豊富で構図の自由度が高く、実際に撮れる写真も現実世界のカメラで撮るのと遜色はありません(個人の感想です)。
こういった体験の虜になる人もいて、‟バーチャルフォトグラファー”なんて呼ばれる人々も存在。趣味はもちろん、仕事として撮影を請け負っている人もいます。
多くの人が素敵な写真を投稿しているので、興味のある方はぜひともTwitterで“#VRChat”と検索してみてほしいです。
20時:人が集まるコアタイム!
このような感じで日中を過ごし、ご飯を終えると夜の時間。ふだんなら動画を見たりゲームをしたりと、趣味に没頭する時間に移っていくでしょう。
一方、『VRC』のある生活はここからが本番。1日が本格的に始まります。なぜなら、20時以降がもっともプレイヤーがログインするコアタイムだからです! ……ということで、ご飯やシャワーを終えたらVR機材を装着して『VRC』へとログイン。まずはお散歩がてら日本人が集まるパブリックなワールドを覗いてみます。
補足の説明ですが、『VRC』では、誰かが作った‟ワールド”に、プレイヤーがインスタンス(部屋)を作って、そこに人が集まります。わかりやすく図にするとこんな感じ。
そして、インタスタンスの入室には以下の制限があります。
- パブリック:誰でも入室できる。
- フレンド+:インスタンスにいる人のフレンドのフレンドまでが入室できる。
- フレンド:インスタンスを作った人のフレンドだけが入室できる。
- インバイト+:招待をもらった人のみが入室できる。
- インバイト:インスタンスを作った人が招待した人のみが入室できる。
話は戻りまして、今回はコアタイムに日本人が集まりやすいワールド“Cross-Step Terminal”のパブリックにお邪魔しました。すると、なにやら机を囲む人混みを発見。なにをしているのかなーと覗いてみると……。
マジックショーをしていました。
水色の髪の人が、手元にあるコインを両手に行ったり来たり消したり出したりしています。
おぉ、すげー。
……いや、あたりまえやんけ!
そう、ここはバーチャルの世界です。物が消えたり浮いたりするのは特別不思議なことではありません。むしろ、あたりまえ。……のはずなんですけど、その手さばきが凄すぎて、ほんとうにコインが消えたり出たりしている錯覚に陥ります。なんだこれ。すげぇな。いや、実際に消えたり出たりしてるんですけどね。書いててよくわからなくなってきた!
ここでお会いした水色の髪の人はSolaViyondさん(@lact0504)。その場で詳しくお話を伺うと、現実世界で芸歴10年以上のマジック経験がある人でした。その手さばきにも納得です。
その後、マジックについてのあんな話やこんな話が飛び交い、「あのマジックってどうやってるの?」、「それはね……」と、技術的なことを掘り下げて教えてもらえました。が、肝心なところは話をそらされました。くそう。もう少しで世界の真実に辿りつけたのに。マジック経験者はトークテクニックも凄い。
こんな感じで、その辺をお散歩しているだけでなんか凄い人と会っちゃうのも、『VRC』のおもしろいところ。一応書いておくと、仕込みでもなんでもありません。いやぁ……本当にいろいろな人がいる世界です。
22時:バーチャルお花見へ。
22時を過ぎると、『VRC』ではプレイヤーが独自に主催するイベントが多数行われる時間に突入していきます。ほぼ毎日、何かしらのイベントが行われていて、交流会だったり撮影会だったり飲み会だったりゲームをしたりロールプレイを楽しんだり、ほんとうにさまざまで、自由です。
わかりやすいイベントカレンダーを用意してくださっている方もいらっしゃるので、ここから興味のあるイベントを探して飛び込んでみるのもおもしろいでしょう。
この日は写真仲間の朝比奈あさひ(@asahinaasahisan)さんがお花見を主催すると聞いて、(現実世界で)お酒を片手に参加しました。
大人数でお酒を飲みながら、ひたすらわいわい。誰かが歌ったり踊ったり、写真を撮ったり、アバターについて褒めあったり、魔法を使ったり、空を飛んだりしながら、楽しい時間を過ごします。
こうした交流会や飲み会は『VRC』で大きな魅力のひとつです。VR機材を使うと、ほかのプレイヤーとの距離感が、通話やオンラインゲームとは段違いに近い。体験として非常にリアルに感じられるのです。こればかりは実際にVR機器を装着しないと本当の感覚が伝わらないのですが、隣りにいる人は“本当にいる”と思えるし、隣りで喋る人は“本当に横で喋っている”と錯覚するほどなのです。マジで。
VRでする飲み会や交流会は本物の感覚にかなり近いです。それどころか、いろいろできたり帰りの電車や周りのことを気にしなくていいぶん、現実より盛り上がることも。筆者は家で飲むいわゆる‟宅飲み”はしない人間なのですが、『VRC』を始めてから自宅でお酒をよく飲むようになり、家にお酒が常備されるようにまでなりました。
こう書くと「それはいいことなのか?」と疑問に思えますが、それほど交流が楽しいということなのです。
24時:VRプレイヤーは運動不足知らず?
飲んだらつぎは運動です(※)。時刻は24時を回りましたが、ここから1日の中でもっともアグレッシブに体を動かします。
※注:リアルでは飲酒後の運動は控えましょうね。酒好きの編集者より。
飲み会を離れて、つぎに向かったのはゲームワールド。そう、『VRC』の中でゲームまでできてしまうのです。シューティング、剣戟、人狼、バトルロワイヤル、カード、ホラーと、なんでもござれ。ワールドを作るクリエイターさんのアイディアしだいで無限にゲームが登場します。
今回遊んだのは、最近できたばかりのドラゴン討伐ゲームワールド“Versus Dragon(PvE)“。それぞれに用意された武器を持って、強力なドラゴンを最大12人で倒すゲームです。筆者は『モンハン』で弓専門のプレイヤーなので、ここでもアーチャーを選択。
フレンドさんを含めて約10名のパーティーでドラゴン討伐!! ……に挑戦したはいいものの、このドラゴンがめちゃくちゃ強敵でした。しだいに力尽きていく前衛パーティー、残された後衛は終盤のラッシュで壊滅し、最後は筆者とヒーラーのふたりだけで戦うことに。気づくと、約25分にも及ぶ死闘となりました。
なお、VRでは本当の弓を撃つように体を動かし続けます。……ということで、みなさんも身振り手振りでいいので弓を構えて矢を撃ってみてください。そして、それを25分間、休まず続けてみましょう。どうでしょうか。キツイよね!!!!
弓を構え続けた左腕と矢を撃ち続けた右腕はぷるぷる。無事ドラゴンを倒しましたが、同時にその場に崩れ落ちました。翌日は筋肉痛確定です。
火照った筋肉はストレッチでほぐします。インストラクターを務めてくれたのはフレンドの古紫絢音さん(@comuneeVR)。もう1年以上の付き合いとなりますが、初めてお会いしたときは「本当にVRの世界で生きているのでは?」と感激したほど、生き生きと動く凄い人です。
古紫さんは筋肉の鍛え方に詳しいだけでなく、現実で歩きながらVRでも歩き続ける‟無限歩行”と呼ばれる技術の開拓者でもあります。ふつうのプレイヤーは通常移動時にスティックを倒して歩きますが、古紫さんはすべて自分の足で歩いて移動します。
文字ではわかりづらいと思うので、古紫さんを中心に無限歩行を楽しむグループの“Infinite Pedestrian“のPVでその一端をご確認ください。
Infinite Pedestrian PV
古紫さんのように自分の足だけで歩くとなるとたいへんですが、VR機材を装着して、ちゃんと立って、動いて『VRC』をプレイすると、なかなかいい運動になるのはたしか。「VR機材は運動器具」なんて言う人もいるくらいで、あながち間違っていないかもと思う筆者です。
26時:深夜のまったりタイム
かくして、『VRC』のコアタイムを満喫していたら時間は深夜2時。ふだんなら「そろそろ寝なきゃな」と就寝準備を始める時間ですが、『VRC』には人がまだまだいるので、よくも悪くも夜更かしが捗ります。
この日は朝からなんだかんだと動いており、疲れていたのでまったり雑談。仲のいいフレンドさんが集まるインスタンスで、のんびりとした時間を過ごしました。
ここに集まっているみなさんは、現実でお会いしたことはなく、住んでいる地域も、世代も、性別も、職業もバラバラ。中には、10歳以上も年齢が離れた人がいたりもします。けれども、そんなことを気にすることもなく、ふざけあったり遊んだりできるのも『VRC』のいいところ。
いろいろなところで遊んだり飲んだり騒いだりゲームをしたりするのはもちろん楽しいですが、こうした気兼ねのないまったりおしゃべりこそが、『VRC』にとっていちばん大切な時間なのかもしれません。
28時:おやすみ前のひととき
そんなこんなで、あっという間に時間は午前4時。ふだんの生活なら寝ている時間。『VRC』にログインしている筆者といえば、VR機材をつけたままベットに横たわり、ゴロゴロするのが日課です。
きれいなワールドでぼーっとしたり動画を見たりしながら、プライベートなインスタンスでフレンドさんと眠くなるまでお話。じつは、この記事のアイデア出しも、この時間にVR空間でしていました。
そして、眠気がピークに来たところでVR機器を外し、布団に潜って‟VRCのある生活”の1日は終了です。おやすみなさい。
まとめ
『VRC』をプレイするのが日常になればなるほど忘れていましたが、この記事のためにあらためて書き出してみると、非常に濃い1日を過ごしていますね。自分でびっくりします。
これは筆者の日常を切り取ったもので、特別にスケジュールを組み立てたわけではありません。バーチャルマーケット”や“SANRIO FES“など企業が絡む大型イベントの開催日、注目度の髙いワールドが公開される日には、もっともっと密度の濃い1日を過ごしていたりもします。
そして、VRの世界に触れたことのない人にとってはイメージをしにくいかもしれませんが、筆者のような『VRC』にどっぷりな生活を送っている人々というのは、それほど珍しいわけではありません。しかも、これまでゲームに触れたこともない人や学生さんなど、いわゆる‟ふつうの人(※)”も多いのです。
筆者も最初は驚きましたし、この記事の担当編集者も「ゲーマーやコアなネットユーザーが多いものだという漠然としたイメージがあった」と言っていました。「“ふつうかそうじゃないか”に大した垣根はないのかも」とも。
※ここでは便宜上、あまりゲームやネットにどっぷりではない人を“ふつうの人”と表現しています。
“ふつうの人”がネット上に存在するこの場所で大切な友人を作ったり、新たな夢をつかんだり、生涯のパートナーと出会ったり。人生を左右する瞬間を迎えた人を、多く見てきました。こうして『VRC』の記事を書いている筆者もそのひとりでしょう。
さらに、趣味や遊びの領域を超えて、3Dモデルの販売、イベント、撮影、VTuberとしての活動、さらにはバーチャルアルバイトなど、『VRC』の枠を超えた金銭のやり取りも活発で、すでに独自の経済圏も存在しています。つまり、ここには‟もうひとつの世界”が間違いなくあるのです。
VR(バーチャルリアリティー)と聞いたとき、アニメやゲームが好きな人の多くは『.hack』や『ソードアート・オンライン』のような世界を連想するでしょう。もちろん、現在のVR機器はまだまだ創作物のようなスマートなものとは言えませんし、触覚や味覚を完全に再現できるわけでもありません。しかし、すでに同等の世界や体験が存在しており、現実世界とVRの世界を行ったり来たりしながらふたつの世界を生きる人たちが日々を楽しんでいるのです。
それを想像するだけで、なんだかわくわくしませんか?
VRの世界にはオンラインゲームとは異なる自由があって、可能性に満ちあふれていて、紹介しきれないほどの未来が広がっています。この記事で少しでも興味を惹かれたならば、ぜひとも僕たちが暮らすこの場所にお越しください! お待ちしております!
あ、『VRChat』は‟基本”プレイ無料ですよ!