週刊ヤングジャンプで2014年8月に連載がスタートし、シリーズ累計発行部数1900万部を突破(2022年4月時点)した野田サトル氏の大人気漫画『ゴールデンカムイ』。2022年4月28日、約8年に渡る長期連載が完結したが、ちょうど同日から“ゴールデンカムイ展”が開催中。会場は東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)で、会期は4月28日~6月26日だ。
この展覧会は『ゴールデンカムイ』の魅力を凝縮させた“超特盛闇鍋展覧会”と銘打たれており、これまでの長い連載で野田サトル氏が描いてきた120点以上のイラストや、作中に登場したアイテムのモデルとなった貴重な資料・民具などが公開されている。
本稿では開催に先駆けて実施されたプレス関係者向け内覧会の様子を紹介する。『ゴールデンカムイ』のファンはもちろん、まだ作品に触れていない人にも楽しめる迫力の展覧会だったことを先にお伝えしておく。
『ゴールデンカムイ』の魅力が高密度で詰まった6つのゾーン
『ゴールデンカムイ』は明治末期の北海道と樺太を舞台にした物語。本作は冒険・歴史・文化・グルメ・狩猟といったさまざまなテーマを含んだ大作で、元兵士の杉元佐一とアイヌの少女アシㇼパの旅が描かれている。
そんな作品の魅力が詰まった“ゴールデンカムイ展”は、杉元とアシㇼパたち登場人物の活躍を、6つのゾーンに分けて紹介。どのゾーンにも野田サトル氏が描いてきたイラストや漫画制作のために集めた資料などが展示されている。
さらに、要所に野田サトル氏のひと言メッセージが添えられているのがおもしろい。連載時の想いや振り返って見た感想など、ファンにはたまらないコメントばかりだった。
第1ゾーン:“金塊争奪戦の開幕”杉元、アシㇼパ、白石など個性豊かな登場人物を紹介
ひとつ目のゾーン“金塊争奪戦の開幕”は、『ゴールデンカムイ』の登場人物とストーリーが紹介されているエリア。言わば“ゴールデンカムイ展”の序章で、各キャラクターの名シーンとともに、大量のイラストや資料がずらりと並んでいた。
さらに目を引くのは、実物のヒグマの全身剥製。杉元とアシㇼパの交流のきっかけとなったヒグマだが、こんなヤツの巣穴に飛び込んでいく杉元ってヤツは!
第2ゾーン:“24人の刺青囚人”金塊の鍵を握る囚人たちが一堂に会するゾーン
網走監獄の入り口がモチーフになっている第2ゾーンは“24人の刺青囚人”。ここでは金塊の手がかりが彫り込まれた刺青囚人たちと、彼らの名場面が展示されている。作中にはさまざまな囚人が登場してきたが、改めてこのように一斉展示されると見応えがある。
第3ゾーン:“命を繋ぐものたち”地図や資料とともに、歴史と文化を学べる
『ゴールデンカムイ』の魅力を語るうえで欠かせない、さまざまな文化や歴史を紹介する第3ゾーン“命を繋ぐものたち”。このエリアは漫画の展覧会というよりも、文化・歴史資料会のような雰囲気だ。アシㇼパが振る舞った料理“チタタㇷ゚”の食品サンプルも展示されている。
第4ゾーン:“それぞれの役目”躍動感あふれるコマと本物の資料の銃を見よ!
『ゴールデンカムイ』で描かれた3つの大きな戦いを紹介する第4ゾーン“それぞれの役目”では、小銃とライフルの資料が展示されている。見どころは何と言っても迫力たっぷりのイラストの数々。野田サトル氏が描いたバトルシーンを間近に見られる貴重な機会だ。
第5ゾーン:“黄金色名画廊”野田サトル氏が描いてきた迫力のカラーイラスト
野田サトル氏がこれまでに描いてきた美しいカラーイラストが壁一面に展示されている第5ゾーン“黄金色名画廊”。大小さまざまなサイズで貼られた50点以上のイラストを見ているだけで、『ゴールデンカムイ』の長い連載の歴史がわかる。美しいイラストやかっこいいイラスト、かわいいイラスト、などなど……。野田サトル氏の幅広いテイストの絵柄を堪能できる。
第6ゾーン:作品のクライマックスまでを紹介する最終ゾーン
最後の第6ゾーン“そして未来へ”は、エリア全域が撮影禁止だった。ここでは比較的新しいストーリーを紹介しており、SNSでのネタバレを防ぐ意味を込めて撮影禁止なのだろう。具体的な展示内容は書けないが、もちろんほかのエリアと同じように本物のイラストが展示されているので、会場に足を運んだ際にはしっかりと目に焼き付けてきてほしい。
入場チケットは大人1800円、中高生1500円。曜日替わりの描き下ろしミニ色紙(来場者特典)やオフィシャルショップも
“ゴールデンカムイ展”の出口付近にはオフィシャルショップが用意されている。ここでは展覧会オリジナルグッズが購入できるので、お土産がほしいファンはお小遣いを忘れずに。
※以下の商品画像は最終サンプルを撮影しております。
そして最後に、肝心な入場チケットは一般・大人1800円、中学・高校生1500円、小学生1000円。そして数量限定のアクリル万年カレンダー付きチケットは4000円(料金はすべて税込)。チケットはイープラスか、当日会場チケットカウンターで購入できる(※)。
※当日会場チケットカウンターでは来場当日のチケットのみ販売。5月8日までは日時指定制となっており、すでに完売している回のチケットは販売されない)
また、会期中は曜日替わりで描き下ろしミニ色紙がプレゼントされるほか、毎週火曜日と木曜日の17時以降は“鶴見中尉ナイト”、“脱獄王 白石由竹ナイト”が開催される。このイベントは、該当日時に入場すると、火曜日は鶴見中尉か鯉登少尉のお面のどちらかが、木曜日は白石由竹のお面がプレゼントされる。お面をつけたまま鑑賞できる、なかなかシュールな企画だ。
週刊ヤングジャンプでの連載は完結してしまったが、2022年6月にコミックス30巻、7月に31巻が発売される。さらにテレビアニメ第4期が2022年10月から放送開始で、今後は実写映画化も予定されている。『ゴールデンカムイ』の勢いは止まらないが、連載が完結したちょうどいいタイミングなので、“ゴールデンカムイ展”で振り返ってみよう。